Paris9日目(9月21日)

朝市&のみ市、オルセー美術館、アルザス料理の一期一会ディナー 



今日は早起きは特にせずに、9時からのRENNEのBIO市、ラスパイユオーガニックへ。 ここではエポートルという粉を使ったパンを購入予定。ここは前に滞在していたセーブルバビロンから 徒歩5分くらいのところ。あぁ、やっぱりこのエリアはいいなぁ…(しつこい?)。このBIO市は、私 にとっての初朝市。あらゆるものが並び、目移り必至。価格は相当高いらしく、野菜をごくほんの少し 買っただけで5ユーロ超えたりした。





まずはパン。いくつかパン屋さんはあったが、ボナードさん、という名前に覚えがあったのでここに 決めた。エポートルの粉を使ったカンパーニュはずっしりと重たい。すっごく酸っぱくて、ちょっと そのままじゃ食べにくい。粉の味がわからないほどで、すぐにでもバターを付けたくなった(この日に 限ってマイナイフを忘れた…)。これは薄くカットして、軽くトーストしてバターを塗ると絶対美味し くなるタイプとみた。しかし部屋にはオーブンはない…とほほ。(*このパンは、翌朝は酸味が水分と ともに抜けたのか、良い塩梅になっていた。美味しい)





もう一つのパン屋さんで、キッシュ・レギュームとプチカンパーニュのレザンを購入(合わせて3.5ユーロ くらい)。キッシュは野菜(なす、ズッキーニなど)の味が甘くて美味しい。タルト部分は味気ない。 当たり前ではあるが焼き戻して食べた方がいい。レザンの方は、よく日本にある天然酵母系の カンパーニュで、この手のものはこっちでは珍しい感じがした。レザンがとっても甘酸っぱくていい味。 パン生地の方もかめばかむほど…系の味。ちょっと重ための生地で2回に分けて食べる感じ。焼き色も まさに天然酵母のプチプチ気泡付き!





トラックの中のオーブンで焼き、いい匂いを出していたマフィン屋さんがあった。ここではバナナケーキ を買った。1.5ユーロとわりと高めだったが、これもしっかりバナナの香りと焼きたてのおいしさでぺろっ と食べてしまった。





チーズ屋ではヨーグルトなども買う。さすがBIO市、ヨーグルト瓶はリサイクルするらしい。 あとはモッツァレラの固まっていないようなチーズを購入。これらにはディジョンで買ってきた クレームドカシスをかけて食べてみた。





他には珍しい海藻のタルタルを。細かく刻まれた海藻をオリーブオイルにつけ込んだもので、 売っているお兄ちゃんがカンパーニュにこれをつけて試食させてくれた。おぉ、うまい!  かっちょいいお兄ちゃんの影響もあり抵抗無く購入。家でじっくり楽しんでみたい。





これらの戦利品をモンパルナス駅の芝生で広げ、タワーを見上げながら「パンとタワー」などと題して 写真を撮っておバカなことをしていた。すると、一人のおじさんが寄ってきてフレンドリーに話しかけて きた。おじさんとの仏語、英語混じりのトークはなかなか心が温まるものがあった。おじさんはモロさん といい、日本には「HIROSHIMA」に行ったことがあるらしい(フランス語はHの発音がないので、イロシ マイロシマと聞こえて最初聞き取れず)。私の名前の由来を話すと(美という漢字がついているので、 beauと伝えた。臆面もなく(笑))、するとモロさんは"Vous etres beau"とお世辞を言ってきた。 ちょっと気分良くなってしまったところ、「私はお腹が空いています」「あなたの朝食はまだ残ってい ますか」みたいなことを言ってきたのはがっかり。食料目当てだったかー(笑)。やっぱり派手に食べ物 を広げていたのはまずかった。純粋な交流を台無しにされたくなかったなぁ。




ヴァンヴののみの市は、日本のフリーマーケットよりも店が多く、がらくただらけ。しかもすごく高値!  もちろん値切るものなんだろうけれど。欲しいなぁと思ったものは戸棚とかテーブルとかの家具かな。 一通り見て端まで来て切り上げた。このヴァンブののみの市が「小規模」だというなら、Paris最大のの みの市というクリニャンクールとかはとてもじゃないが見切れないだろうな、と思い、行くのはやめた。


ヴァンヴの駅前にはマルシェがたっていた。カフェもパン屋も開いているし、日曜日だというのに活気が あってサンジェルマンのブティック街とは大違いだった。マルシェを物色。改めて、さっきのBIO市 が高かったことがよくわかった。お肉屋さんではパテ・ド・カンパーニュとパテ・ド・ラパンを購入。 ラパンの方はちょっと堅めだが美味しい味付け。高級スーパーでのいまいち美味しくないパテより 遥かにいい。それよりも、パテ・ド・カンパーニュの方は、もうもう、絶品!! ほっぺたが落ちる とは、まさにこのこと? まろやかぁ〜に口の中で溶けて、パンに付けても付けなくても、ワインと 合わせても、とにかく本当にコクがあって美味しかった。他には乾物屋でマスカット並に大きい レーズンとアルジェリア菓子を1個購入、試食でも1個もらった。お菓子はひたすら甘い…。 マジパンを極端に甘くしてパイで包んだようなものだった。よほど甘党でないと…。(*大きなレーズン は肉厚で、そのままで食べると甘みが少な目だが、ラム酒に漬けて、ヨーグルトに入れて食べてみた。 大きい分、たっぷり洋酒を吸い込んで少量でもすっごく美味しい!)





いろいろ買ったのでお部屋に戻ってお昼を食べる。一休みして今度はオルセー美術館へ徒歩で向かう。 ルーヴルは今回は行かないかもしれない。雨が降ったら行くか、と思っている。(*結局この2週間、 雨は降らなかった) 印象派の絵画は好きなので(だって、わかりやすい(笑))オルセーは行こうと 思っていた。


オルセーは2回目だが、昔もルノアールやモネの絵などを丁寧に見た記憶がある。パンをかじっている 子供の絵なんかもあったし。1階をサクッとみて、サロンドテで休むことにした。


 


2階にあるこのサロンドテは、とっても優雅でピアノ生演奏もあって、かなりいい。 カフェとフレーズのタルトを食べた(ちょっと大味)。優雅優雅。ここでたまたま日本 人女性と隣り合う。大阪からきた一人旅のOLさんであっと言う間に意気投合、ディナーを一緒 に行く約束をした。いったんここでは別れ、鑑賞を駆け足で済ませる。印象派は見やすくていい。 ピカソの時は終わりの方はうんざり気味だったので…。


歩いて部屋に戻る途中、パレロワイヤルを通る。ここのシンメトリーな回廊は美しい。 こうやって、わざわざ足を運ばずとも、プラプラ歩いていたら何かしらの名所を通り過ぎるのが Paris歩きの楽しいところだ。ところで、なぜわざわざオルセーで彼女と別れ部屋に戻って来たかと 言えば、単に着替えるためだ。汗っぽいシャツに着たきりジーパンでは我慢がならない。Parisに来て、 初めて人と食事をするのできちんとした格好をして出かけたかった(といってもたいした格好じゃ ないが)。しかも、場所は観光のメッカ、シャンゼリゼ通り。パン屋巡りの時はみずぼらしい格好で 全然よかったが、あのエリアに行くにはそれなりにおしゃれしていかないとイヤ。自分がイヤ。 彼女がエシレバターを食べたことがない、というのでちょうど冷蔵庫にあったミニサイズのエシレ と美味しいパテをお裾分けに包んで持っていった。





コンコルドで下車し、待ち合わせのシャンゼリゼのヴァージンメガストアへ向かう。 日の入りの時間帯のシャンゼリゼ通りも美しい。並木もうっすら黄色くそまりつつある。 ヴァージンメガストアで前から探していたデジカメのスマートメディアを購入! あぁよかった。 まさか何百枚もとるとは思わなかったので、残数が足りなくなっていた頃だったのだ(食べた食事 全部撮るなんてこと初めてだから…)。これで後半戦は節約せずにがしがし写真が撮れる!!  フランスはハイテクすぎず、日本と比べるとローテクなところもある(それはあくまで日本人の目か ら見るものであって、だからといってこちらの人が不便を感じているわけではないだろう)。電化製品に 関してはやっぱり日本が安い。しかし、食料品はさすが自給自足の国。チーズやワインの安さにはいちい ち感動を覚えてしまう。それに定期券は本当に安い。ロンドンもそうだった。日本でもどの駅ででも 使える定期券ができればいいのに! 





ラ・メゾン・ラルザス LA MAISON L'ALSACE は、アルザス料理が食べられるとても大きなビストロで、 我々もテラスで頂くことに。一人ではまともに外でディナーをすることもないだろうと思っていたので、 夜のシャンゼリゼでのディナー、ついついおのぼりさんになってしまう!!





2人で30ユーロのmenuをシェアし、生ハムメロンとワインハーフボトルを追加した。これで一人30ユーロく らいになった。menuはプリフィクスで、生ガキ6個(黒パン付き)と、アルザス風シュークルート(私は なにはなくともこれだけは食べたかった)、シトロンのソルベを選んだ。


生ハムはさっぱりと食べやすい。メロンは堅めだがちゃんと甘みもある。チーズもたっぷり。生ガキは それほど新鮮な気がしなかったけれど、鮮烈な磯の香り。ビネガーをつけても付けなくても美味しく 頂ける。黒パンはビネガーが染みてしまってちょっと台無しになってしまった。





次はシュークルート。ザワークラフトに赤身の多い肉、ショルダーベーコンみたいなバラ肉、 ブータンノワール、ジャガイモなどが乗っている。ザワークラフトの酸っぱさは、肉類と食べて 初めて緩和される。肉のだしがこれだけでているのに、出し殻とならずしっかり旨みが残っていて美味!!  それになんといってもこのブータンノワールはめっちゃくちゃコクと甘みがあって口の中で濃厚にとろけてなんというウマさ!! 


最後のシトロンのソルベは、いったい何が入っているんだかわからないほどに甘い。うへ。





Mさんは私と同じく海外一人旅は初めてとのこと。正味3日しか滞在できないパック旅行だったようだ が、今日が3日目の夜。その前の2日間は、一人ゆえ夜に食事すらできなかったようだ。なので、この ようにシャンゼリゼでディナーだなんて思いも寄らない幸運だと喜んでいた。私もそう。一人では行け ない店、楽しめない店、というのは山ほどある。本当にタイミングのいい出会いだった。 もうすっかり遅くなっていたが、エッフェル塔を見に行くことに。もう10時半頃だったので内心やめて おけばよかったとは思ったが、なんとしても行く、というMさんを一人で行かせるのは危険だったし、 誰かと眺めるエッフェル塔もまたいいかも…と思った。11時のイルミネーションが点灯! その突然の エッフェル塔の輝きに、Mさんは驚いて口をぽかーんと開けているようだった。Parisはやっぱりすごい。 このエッフェル塔を見るために何度でも訪れたくなる。


しかし、ずいぶん遅くなり、メトロの駅まで戻るのは大変と思いRERで帰ろうとした。これが失敗。 全然列車は来ない。もう12時近くなっている。眠いし怖いし不安で泣き出しそうだった。アンバリッド で彼女と別れた後、ずっとびくびくしていた。メトロの乗り換えの通路がいつもよりも長く、暗く感じる。 最寄りの駅で降りたが、見慣れぬ出口で出たため、まったく方向がわからず(かといって、おおっぴらに 地図を広げるのも怖かった)、ひたすら走って部屋に戻った。ただでさえ人気の少ない裏通り、 誰かが歩いているだけで心臓がバクバクしてきた。怖いと本気で思った。…でも、へたに慣れて いって、この「怖さ」が薄れるのも問題だろう。夜遅いので騒音の問題上シャワーも浴びれない。 もう夜遅くに出歩くのは控えよう…。でも、人とのディナーは本当に楽しいものだった。 偶然の出会いに感謝。


本日の歩数 29000歩


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