Paris6日目(9月18日)

シャルトル観光&クレープリー&セーヌ川ナイトクルーズ 

昨晩、イル・ド・フランス(パリ郊外一帯)の都市、シャルトルへ行こうと思いついたので、早起きをした。朝はプージョランなど冷凍庫に 備蓄しているパンたちと昨日の残り物で。お総菜やさんのラタトゥイユ…実に美味しい…私もいつも ラタトゥイユを作ってはいるものの、こんなに美味しくはできない。どうやってつくるの?!


パリより南部への列車の発着駅であるモンパルナス駅まで歩いていく。セーブルバビロンからは 徒歩15分くらい。このところずっと真夏の暑さなので朝も気持ちの良い気候だ。どうにか駅で 切符を購入し、急行に乗る。9:15発、シャルトル10:24着。往復で購入したのだが、13時台発の 便がよかったのに、またまたこちらの発音が悪くて12:23発の便になってしまった(笑)。 シャルトルでの滞在時間は正味2時間しかない…。


そうそう、フランス人は無愛想だとか、わざと英語を使わないで感じ悪い、とかよく耳にはするが、 それは母国語オンリーの日本と同じ事だと思う。彼らも英語は日本人と同様にわかりはするけれど、 そんなに自由には使えないんじゃないだろうか(もちろんできる人も多いだろうけど)。 日本人だって、学校で誰でも習っているから理解できるはずなのに、外国人に突然話しかけられたら とっさに英語なんて使えないで逃げちゃうだろう。今回、私はフランスではフランス語をちゃんと 使おうと心構えていったので、どこででもフランス語で挨拶をした(ていうか、挨拶くらいしかできない (笑))。しっかり超基本語 "Bonjour" "Merci" "Au revoir"を言えば、 どんな無愛想なレジのお姉さんだってスマイルをくれるのだ。このことはParis到着早々から ずっと感じていたことだ。本当に親切な人が多かった。男性だけでなく、女性でも。 この国は本当に挨拶がとても自然体。昔、Parisに来たときは英語しか使おうとしなかったため、 誰からもスマイルをもらえなかった覚えがある。よかった、誤解が解けて!!


余談だが、一般のお店ではわりと愛想がいいが、スーパーとかのレジのお姉さんたちに限っては 極端に無愛想…というか、仕事がイヤでイヤでたまらなそうに見える(笑)。そういうときこそ、 挨拶を忘れずに。とたんにスマイルしてくれるのは不思議なものだ。挨拶がなによりも大事なんだなぁと 思わされる。





途中、ヴェルサイユも経由するシャルトルまでの道のりは、意外に景色に見とれることはなかった。 平地が続き、北海道の感じに似ている気もした。シャルトルのノートルダム大聖堂は荘厳な建物で、 とにかく大きい。かなり離れないとカメラには収まらない。「シャルトルブルー」で有名なステンド グラスは午後、ちょうどこのブルーのステンドグラスに光が射す頃が一番の見頃らしい。確かに 見所ではあるが、私にはモンマルトルのサクレ=クールの方が胸にグッとくるものがあった。 礼拝をやっていたやっていなかった、というのも関係しているのかも。





わざわざ来たわけで、しっかり周辺散策。街並みはこじんまりとしたもので、かわいらしい一軒家が のどかに並ぶ。パリの街並みとは違った味わい。小川が流れ、その向こうの丘の上には大聖堂が町 を見守るような形で悠々と建っている。





途中、パンのいい匂いがしてきた。Retro D'orの文字に即入店!!  看板の文字は欠けていて店名はわからないけれど、大きな窯が店先からも見え、 職人さんがもくもくと焼き続ける姿が見える。こういう店は絶対に美味しそう!  ここではプチバゲットを購入。ここのお店のレトロドールも本当に美味しかった。 かなり厚めのクラストで、レトロドール独特の強い粉の味。とても塩辛くて、甘みは感じないけれど、 これに無塩エシレとハムとコンテチーズなどを挟んだらさぞかしおいしいだろうなぁ…!  やっぱりフランスはバゲットに限る!





さらに、目抜き通りっぽい賑やかな広場では、ショコラティエを発見。ここも店の端でおじいさんと 呼べそうな職人さんがチョコレートを細工している。その職人さんが真剣にチョコを作る姿に 惹かれて入店。ここでは色とりどりのマカロンやショコラが並んでいた。マカロンは大好きなので、 ここではイチゴとチョコの小さなマカロンとカヌレを購入。





広場にテーブルを並べる別のカフェで、カフェ(1.3ユーロ。Parisよりカフェ相場は安い)とともに こっそり頂いてしまった(笑)。そうそう、このカフェではセガフレードだった。チョコレートも付いて きた(カフェによっては小菓子が付いてくることがたまにあって、嬉しい)。フランスでもよく セガフレードやillyのイタリア系コーヒーブランドは見かけた。


さてさて、マカロンを早速試食。イチゴのマカロンに噛みつくと、すぽっとマンホールに落ちたかの ような、空気に噛みついたかのような軽さに驚いた。生地自体にイチゴが含まれていて、茶色目。 それにイチゴジャムがサンドされている。 も〜のすごく美味しい〜! なるほど、これが本場のマカロン!!  さらにチョコマカロンの方もさすがはショコラティエ、クリームにカカオの風味がとっても 効いていてこれまた絶品! カヌレも一気に食べきってしまった。



駅に向かう途中、ロン毛の男の人に挨拶をされた。その先にトイレのために立ち寄ったカフェでも そのロン毛に偶然遭遇。今度はなにやら話しかけられた。どうやら「ここに座りませんか。お話しし ませんか」と言っているようだが、私は「じゅね…ぱるれ…ぱ…ふらんせ」とつたない フラ語で逃げようとしたが、「英語なら大丈夫?」と切り返してきた。「あ…りとる…そーりーー!!」 と逃げ出してしまったが…。大きな出会いのチャンスを逃したのだろうか(笑)。うぬ、言葉の壁は 大きい。フランス語はともかく英語が使えないとロマンスは生まれない(笑)。





モンパルナスに着いて、クレープリー・ジョスラン Craperie Josselin を探した。どんなガイド ブックにも載っている店なのだが、ガレットとクレープは一度はParisで食べておこうと思っていた (街角にもクレープリーはたくさん溢れているが、私はパン優先なので(笑))。 クレープ屋だらけのモンマルトル通りで、一番混雑している店だった。carteをみると… 日本語が載っている! そっか、(やっぱり)日本人観光客向けな店なのね。と少々がっくり。 日本での観光でも、あまり観光客オンリーな店には行きたくないと思いながらも「絶対旅先でハズレには 当たりたくない(当たっているヒマはない)」と思うからこそ、結局はガイドに頼ってしまう私は、 立派に観光客(笑)。


ここではペイザンという名のタマゴとベーコンとタマネギのガレット(8.8ユーロくらい)と 小さなカラフェのシードル(3ユーロ)を。本当はコンプレットにしようと思ったのだけど (タマゴベーコンチーズの、一番メジャーなタイプ)、価格とのかねあいで…。食後には当然甘い塩 バタークレープを! …と思っていたのだけれども、ガレットだけでボリュームたっぷりなのでここで ストップしておいた。食べきれなくはないけれど、この後フラフラ歩きながら何を買い食いするか、 何に遭遇するか分からないので、満腹になるわけにはいかないのだ★ このガレットは、これまでに 日本で食べたどのガレットよりもそば粉の香りが強く、しかもパリパリに薄くて美味しい。なによりも、 人参色にじゅくじゅくに炒められた甘いタマネギがとっても美味しく、満足満足!





このあと、サンミッシェル通りをひたすら西へ、食品店の多い商店街ムフタール通りへと歩く。 商店街の入り口からいきないレ・パント Les Panstos を発見。工房のような素っ気ない作りの店で、 地味な感じ。ここではトラディショナルとセーグル(プチレザンを指し示したつもりだったのに間違 えられた…でかいよぉ)。どちらもオーソドックスなお味。美味しいけれど…トラディショナルの類の バゲットは、ちょっと物足りなさを感じていたところだ。甘みと香ばしさが伴う「お餅系」な味の バゲットが好みな自分にとっては…。セーグルの方も、混合率は20%以下のような控えめな風味で 地味かな。がっつーんとライ麦味で行って欲しかった。


それからモンジュ通り(メゾンカイザーの本店がある)を抜け、サンミッシェルの賑やかな繁華街を通る。 ここで、ようやく服をゲット!! 日本で言うとナイクラとかの安い若い女の子向けの店だったが、 なにしろお手頃、38ユーロ(=4000円強)くらいのスカートを手に入れた。これでやっとシャンゼリゼへ 行けるぅ〜(笑)。しかしまー、いきなり40のサイズのボトムスがあるなんて。いつも日本ではサイズに 悩まされるのに…。いいなぁ、外国は!





その足でシテ島へ。またまたノートルダム大聖堂に入る。午前中にみたシャルトルのとほとんど同じ作り。 シャルトルの方がややスケールが大きいかもしれない。やはり光の具合によって良し悪しがあるのだろう か、シャルトルの方が明るくて好きかもしれない。


数日前から長いこと歩くと足の付け根の関節に痛みが走るようになってきた。最初は筋肉痛だと思って いたが、どうやらそういう感じではない。と、歳だからだろうか…?! 考えてみたら、2週間もずっと 歩きづめだなんて、会社勤めでは到底ありえないことだ。毎日毎日3万歩くらい歩いていれば、身体の方も びっくりしてしまっているようだ。どうにかバス停をみつけ、セーブル・バビロンまで直行。バスは 初めて乗ったがなかなか便利だ。降りるタイミングは難しいので、しばらく街に慣れてからの方が 使いやすいと思う。





駅前にあるメゾン・デュ・ショコラに初入店。日本でも人気のこのショコラティエは、 初日から「こんなに(部屋の)近くにあるならちょくちょく来られそう」と思っていたのだが、 10時〜18時という営業時間は、朝早く、夜遅く帰ってくる私とはどうも相性が悪く、ようやく 開店している時に来られた。評判のエクレア(3ユーロくらい)とチョコ2粒(3.8ユーロくらい)を 購入。やっぱりこっちでも高いわ〜。帰るまでに、店頭に出ているアイスのワゴンでチョコレートの アイスクリームを食べたいな。お味は…さすがに美味しいわぁ…。エクレアはシュー生地が期待して いたほどでもないのだけど、プラリネのチョコとキャラメルのチョコが非常に美味しくて。ほんのキャラ メルぐらいの小さいチョコなのに、大きさに反比例する大きな満足感。これは高くても全然かまわないな♪


帰宅して、軽い夕食(レ・パントのパン、トマト、チーズ、ワイン)。今日でこの部屋とはお別れし、 明日から2区のアパルトマンへ移る。一週間過ごし、とても気に入っていたこの部屋。Parisを離れる日 までいたかった。でも、違うエリアでの生活もきっと面白い発見がまだまだあるに違いない。名残惜しい けれど、私は少々休んでからセーヌ川のナイトクルーズへ出かけた。買った服のおかげでほんの少しレディ ーな気分になれる。





エッフェル塔の夕暮れの姿も美しい。何度見ても飽きることはない。BATO BUSというクルーザーのチケット をトラブリながらも購入するが(英語すらままならない私…自己嫌悪…)、わりと豪華なクルーザーが 停泊している。21時にあれに乗って出航か! とわくわくしながら、出航前に、橋にパリジェンヌっぽく お行儀悪く(?)またがりながら、ビールを開けてエッフェル塔と乾杯。


ところが、21時出航のクルーザーは違うものらしく、その券切りのムッシュに「これは違う会社。 1番からの出航だよ」と連れて行かれた。もう5分前。しかし1番埠頭にはそれらしき船はどこにもない。 真っ青になっているところへ来たのは…なんとも貧相な屋形船のようなシーバス! この格差には驚いた が(あちらが満員なのに、客もこちらはとても少ない)まぁ、眺める景色は同じだし! エッフェル塔の 21時のイルミネーションと同時に出航。歓声をあげながらセーヌ川クルーズは始まった。(*残念ながら 写真は一枚も撮らなかった)


途中、いろんなクルーザーとすれ違ったが、ディナーをしながらみな優雅なナイトクルーズを楽しんで いる。とってもいい匂いを漂わせながら(河の上では本当にお肉のいい匂いが漂っているのだ!)、 優雅なParisのシーン。こっちのみずぼらしいシーバスとは格差を感じる(笑)。


セーヌ川沿いには夜遅くにも関わらず、実に多くの地元の人たちが語り合っている。カップルはもちろん、 友達グループ、家族、陽気な音楽とともにダンスをしている集団。なんて優雅な、しかもお金をかけない 夜の楽しみかたなのだろう! 昼間でのカフェの混み方、とにかくよく会話をしながら食事を楽しむレスト ランのお客たちを見ていても感じることだが、Parisでは、人と一緒に過ごすことをなにより楽しんでいる ように感じる。こんなとき、私は一人旅を痛感する。帰国したら、もっと人との時間を大事にしよう。 時間を共有しよう。夜ももっと遊びに出かけよう。そんなことを思った、バビロン最後の夜。


本日の歩数31000歩

BEFORE DAYNEXT DAY