Paris8日目(9月20日)

行って帰ってきただけのディジョン観光 

今日はディジョンへ行ってみようと、昨晩決定。それでもパン屋さんには行きたいので、 朝6時半に起き真っ暗闇の中、オペラ近くのオ・デリセ・ド・セブル Aux d'elices de sevres を 探しに行く。30分くらい歩いたがまだ閉まっていた…土曜日だからかな? そこでモントルグイユで パンを買うことにした(また30分くらいかけて引き返す)。商店街入り口の Retro D'or の看板を 掲げたパン屋さんで、レトロドールを使ったリュスティックっぽいパン(なんちゃらパヴェとあった) と、プティ・パンオショコラを、別のこれまた名も無き店でオリーブのバゲットを購入。本当はレザン のつもりで買ったのにオリーブだった…。"raisin"の発音がどうも通じない。これまでも、レザンを 指名したつもりがセイグルだったり、オリーブだったり(全然違うじゃん(笑))。たぶん自信なさげ にしゃべる私の声が届かなかったのかも。とほほ。


出国前に、ネットやら本やら資料をかきあつめ、60件にもわたる「パリのパン屋さんリスト」を 作成した。一軒一軒、店名と区と、住所、営業時間、定休日、最寄り駅、参考文献(どの資料でみたか)、 おすすめのパンをエクセルに入力、「区」でソートをかけて、一枚の紙にプリントをしてきた。パン屋さん をみかけたら日本でならついつい足を止めてしまうところだが、Parisではどこの通りにも必ず パン屋さんがあり、一軒一軒に立ち止まって買っていくわけにはいかなかった。それに、なるべく 失敗パンには当たりたくなかった。そのため、リストを活用して次に行く店を選択していったわけである。 実に保守的である…。


Parisには山ほどパン屋があるが、ほとんどの店が "Boulangerie Patisserie"とだけしか 看板が出ていない。店名がないのである。日本で言えば「パンとお菓子」とか「八百屋」とか 「食堂」みたいな感じ? そういう名も無き店は「○○通りのパン屋さん」、みたいな形で 呼ばれているのだろうか? 私がリストに加えていた店は、大半がなんらかの名前のある店であり、 店構えもちょっと他とは違う感じだった。しかし、リストの店ばかり周りながら感じていたのは、 リストの店は確かに美味しいのだが、Parisは、日本とは違って、基本的なバゲットのレベルが すでに高い。なので、わざわざ遠くへ行っても劇的な美味さには出会わない感じがした (あくまでバゲット…の話だが)。日本では、やはり美味しいパン屋さんは限られているので 、わざわざ行く甲斐があるのだ。ここが日本でのパン巡りとは大きな違いだった。これが2〜3日の 限られた時間での滞在ならもっと必死こいてパン屋めぐりをするところだが、2週間もいれば、 近場の適当な店で息抜きができる。


で、その「息抜き」のパン。オリーブのバゲットの方は、焼きたてだから悪くはないがなんか手が込んで いないインスタントな感じがしてつまらないものだった。レトロドールのリュスティック(パン・ド・ コナ@神奈川のリュスティックに食感や見た目の雰囲気が似ている)は、とってもマイルド。珍しく 塩気が控えめ。むちゅむちゅとした水分しっとりのクラムは、ここしばらくポワラーヌとかの水分 抜けたカサカサ系ばかりを食べていた身としてはかえって新鮮に感じる。遠慮なく有塩エシレやジャムを つけて食べられた。プチパンショコラも甘さも適度で食後のものとして美味しく食べられた。 (*このリュスティックは、水分が抜けてしまった翌日も、味わいが濃くなり一層美味しくなっていた)





ディジョン行きの列車はリヨンから発着している。シャトレからRERに乗り、リヨン駅へ行った。 しかし、どこから乗ればいいのかさっぱり分からず、切符売り場に30分くらい並び、そのたびに 「ここじゃないよ、あっち」をやられてしまう。これを2回も繰り返してしまい、 1時間もロス…。紆余曲折を経て(?)ようやくディジョン行きのチケットをGET。 前回のシャルトル行きの時に学び、"Je suis 25ans"と大嘘ついて(笑)割引切符で乗車。 25歳までは割引が効くのだ。ははは、悪知恵もついてくるものだ。


ブルゴーニュ地方の町、ディジョン行きの車窓を期待していたのだけど、ここもやはりしばらくは 平坦な地味な景観を過ぎていく。私は「山や川のある風景」が見たいのかもしれない。Paris周辺は見事に 平地なので、あまり景色に変化がないのかもしれない。しかし、ディジョンに近づくに連れ、 景色に変化がみられ、日本ではみられないような色の牛のいる牧場や、丘の中腹に赤い屋根の家が 集まった集落が見えてきた。列車はいつまでたってもディジョンに着かない。出発の頃は確かに ゆっくり走行だったが、途中とくに停車していたわけでもないのに40分も遅れて到着…実にマイペースな 国である。





ディジョンに着いたのは13:30ころ。腹ぺこだったのですぐにレストランを探した。何がなんでも ブッフ・ブルギニヨンを食べたかったがゆえに、レストラン探しは難航。全然それらしきメニューを 掲げた店がみつからない。あっても、デジュネはもう終わっていて閉め出されたり…。なんか悲しく なってきた。せっかく急行で2時間かけてきたのに、何にも見ずに、食べずに、ひたすら走り回って いる自分…。食欲がなにより最優先とは。とりあえずの空腹しのぎにPAULへ。そういえばフランスに 来て初PAUL? 日本にはないパンを選ぶ。よく店頭ポスターにあるジャム入りのヴィエノワズリーと、 フィグの棒状のプチパンを選ぶ。フィグはどーにもこーにもマズい。アプリコットジャム入りの円盤状の ブリオッシュはカサカサだったがまずまず。アプリコットの酸味がいい。(*帰国後、八重洲のPAULを 覗いたらフィグの棒パンが「新製品」として売られていた。なんか怖くて買えない(笑))





ブッフ・ブルギニヨンは諦め、妥協してCAFEで食事をとることにした。大公宮殿の前の広場の CAFE Gourmandという感じのいい店。14ユーロでアントレとプレートと2.65ユーロの赤ワインを。 アントレはブッフものに(これもブッフ、というキーワードでのみ決めた)。これはカルパッチョ だった。オリーブオイルと削りチーズがかかっているもので、オイルとチーズの甘みがとっても フルーティーで美味しい! ワインともとてもよく合う。篭盛りのパンはカンパーニュ。ポワラー ヌじゃなさそう、味が違うな、イマイチだったので…(ひどいな私(笑))。





メインはcoq de vin。なんとしてもブルゴーニュの味を食べたかったのだ…。これはバターのフィッ トチーネが添えられたすんごいボリュームもの。バターであえられたパスタは超ヘビー。バターの味が どぎついが、このバターはパスタに和えずにパンに付けたら美味しいんだろうなぁ…と思いながらほんの 少しだけ賞味。coq de vinはワインの香りよりも油のぎとぎとに左右されてなんだかよくわから なかった。ワインで口をすすぎながら肉だけ完食。





ゆっくり時間をかけて食事をし、3時半頃ようやく腰を上げた。大公宮殿のみを軽く見学しパンデピス のお店でお土産を物色。パンデピス、クレームドカシス、マスタードと、ブルゴーニュ3種の神器(?!) を購入してディジョンを去る。…なんか、なーんにもしていない(笑)。食べただけ。食べ物を買っ ただけ(笑)。トラブル続きで色々勉強にはなった…。


帰宅後、超軽めの夕食をとり(そういえば、Parisに来て、夕食はすごく軽くしている。夜になっても お腹が全然空かないから)、近くにあるという日本語対応のネットカフェを探しに行く。それと、 部屋には洗濯機がないので、コインランドリーも探したかった。もう20時を過ぎていた。土曜日の 夜ということもあり、すっかり通りは閑散としていて、かなり危険だと感じた。この通りは、すぐそばに は証券取引所などがあるキリッとした街でありながら、逆の隣の通りは多民族の居住地で昼間でも 売春婦が立つというエリア。降りる駅を選ばないと、かなり怖い。ネットカフェは当然閉まっていたし、 トホホで部屋へ戻ることにした。ほとんど駆け足だった。サンジェルマンエリアが恋しい。


ランドリーがまだ見つからないので、やむなく手洗いで洗濯。下着くらいならいいが、 連日の暑さが誤算だった。トップスも頻繁に洗わなきゃいけないので、手洗いはしんどい。 夏なのに手はしもやけのようにひびわれまくり。お向かいの部屋の住人は、夜になるといつも 長電話、大声で怒鳴り散らしている。私には言葉は全然わからないが、他の住人にはつつぬけ なんだろうなぁ…。夜中までお向かいさんの怒号は続く。つくづく今日は本当についていない。 こんな日もあるもんだ、2週間も生活していれば…。


今日の歩数28000歩

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