Paris12日目(9月24日)

オ・ペトラン・ダンタン、16区グルメ&モンパルナスタワーからの夜景




あと2.5日。今日は早起きして(毎日か?)オ・ペトラン・ダンタン Au Petrin D'antin に行った。このお店はなにはなくても絶対行くと 決めていた店の一つ。VIRON社の粉を使うレトロドールバゲットを作る、いわばVIRON社のアンテナショップとい うことだったからだ。部屋を出たのが6時台だったのに、店にたどりついたのは8時頃…。乗り換えに失敗したの と、駅から逆方向に延々歩いてしまったせいだ。モンマルトルよりさらに北のエリアの大通りにあるこの店には、 日本人の青年も修行に来ているようでちらっと姿を見た。お店の人曰く、「彼がこの辺のヴィエノワズリーも焼い ているのよ」とのこと。すごい。いつか日本でお店を開いてくれるといいなぁ。昨日のフルートガナもそうだが、 良いパン屋は見せ方が全然違う。ここも本当に美味しそうなディスプレイだ。飾りパンもたくさん飾られている。 包み紙は13区のグルニエ・ア・パンと同じもので、グルニエ…の名前が入っている。姉妹店なのだろうか。





・レトロドール

赤と白と黄色文字のレトロドール用紙袋に入れてくれる。クープの切れ目からぷっくりと 盛り上がったスタイルは私が日本で食べたVIRON@渋谷のレトロドールとまさに同じ。味はかなり軽くてマイルド。 よーく噛むと味が出るタイプ。塩気はそれほどきつくないので、これでようやく有塩バターの出番と来た☆  単純にウマイ。もし東京でさんざんおいしいバゲットを味わってこないままでParisに来たら、あまりの美味しさに 卒倒してしまったかも。幸か不幸か、私は(美味しさの)免疫ができちゃっていたので冷静に分析していた(笑)。





・フロマージュ・ノア

リュスティックにくるみ入り。かち割ってみると、くるみが端の方に固まって入っており、そのくるみにはゴルゴン ゾーラが付着している(食べるまではわからない)。パン生地自体がとても淡泊だったので、このくるみの部分のみ 集中して食べたが、臭くて美味くてかなりハマる!!





・パン・オ・レザン

超美味しいパン・オ・レザン・オランジェ。VIRON(渋谷)で食べたあれと造りやルックスは全く同じであるが、 私は渋谷の方は生地があまり美味しいと思わなかった。しかし、これは…別物! 生地にカスタードとレーズン、オレンジ ピールを巻き込んでいるヴィエノワズリーだが、こんなにカスタードを巻き込んでいるのに、生地の外側はとても ハラハラしていて、ラム酒漬け(?)レーズンがたっぷり。それに負けじとオレンジピールがたっぷりで、気を失い そうなほどにうまぁ〜いぃ!! プリン状のカスタードの固まり具合、甘みの加減の良さ、なにより生地の美味しさ。 全てに感動。本当に美味しかった!!


今日も朝からとびきりウマイパンを食べられた。こうなると、Paris滞在時間の短さを痛感する。


今度はお昼の前に、ビブリオテーク方面に。メトロ14号線は新しい路線とのことで、近代的な地下鉄で (東京で言うと大江戸線的)、ドアが自動で開く(他のメトロは手動)。無人列車ゆえ、先頭に乗ると面白い。 しかし、特等席を私にとられたことでダダをこねる坊やがいた。す、すまん、でも君はこの先また乗れるんだから 勘弁して…と心の中で弁解していた。


レジナンスというベルシーヴィレッジの中のショッピングパークはセンスのいい、ある意味Parisらしくないモダンな エリア。とても素敵な生活雑貨のお店やオリーブ専門店など、ハイセンスなお店が集まる。もっとゆっくり見たかった。 11時開店前だったのでカフェで一休み。今日はひどく寒くてびっくり。先々日までは真夏30度だったのに町中が衣替 えしてしまったようだ。私だけが半袖素足。





16区のカールトンでデジュネをとるために今度は西へ、凱旋門方面へ(こういうとき、カルトオランジュの威力を感じ る…)。カールトンというブーランジェリーパティスリーのクラブハウスサンドは美味しいらしい、と目を付けたの で、この日はきちんとした格好で(笑)、16区方面をまとめて総チェックするぞ、と決めていた。つくづくちゃんと した服装(というか、いつも会社に着ていくレベルの服)を持ってこればよかった…。


凱旋門からHugo通りを南下。これまで私が巡ってきた通りとは本当に格が違うというか…。品の良さが街路樹にまで 出ている感じ。途中、ルノートル発見。日本のとは全然違う高級感。シャンゼリゼ通りのお店のキッチン雑貨のお店 の方もすっごくすてきだったが、こちらは食品専門のようだ。こんなにちゃんとクープがたった格好いいバゲット、 日本のルノートルじゃ売っていないぞ。ダメだ、西武にやらせちゃ…メロンパンで行列作らせてちゃ…。日本でのあ の有様をルノートルさんはご存じか?



  


ここではミニクロワッサンとミニ・ショソンオポンムを。ミニクロはバターは濃いけど、脂がすっかり固まった感じ のデニッシュ、と言う感じで日本のミニクロの方が美味しいのでは? と思った。ル・プチメック(京都)に行ったとき、 クロワッサンはルノートルのクロワッサンを目標にして作った、とお品書きに書いてあった。ミニクロを食べて クロワッサンを想像するのは正しくないかもしれないが「あなたの作るクロワッサンは、ここのよりも遥かに遥か〜に 美味しかったですよ」と伝えたい(笑)。


しかし、ショソンオポンムはすっごく美味しかった。初めの頃に食べた ペルティエに似たピュレ(生地はペルティエの方が好きかも)。とにかくリンゴものにしておけばフランスでは間違 いないのかも…と確信。逆に、クロワッサンは結局これだという感銘を受けるものはなし。当たりはずれが極端だ。





カールトン発見! よく見かけるようなサロンドテ、という感じだけど有名なんだろうか?  カルトを見て、クラブハウスはいったいどれなのかさんざん悩み、"clubなんとか(bacon)"とあるものにした。 悩んだのは、値段が8.5ユーロ程度だったということ。もっと高いのを覚悟していたのでこれじゃないかも…と 不安だった。しかしちゃんとそれはクラブハウスだった♪





レタスをたっぷり下敷きに、薄切りのパンドミにトマト、レタス、ベーコン、ゆで卵を挟んである。豪快に塩コショウ していただく。マヨネーズは別添なのでナイフでちょこちょこ塗る。そして大口開けてかぶりつく…。う、う、 うま〜〜〜!! マヨや塩コショウしないとヘルシーすぎるほど脂気がなくてあっさりしているが、やっぱりマヨ があるとトマトが活きる。ゆで卵が活きる。それに、この薄くスライスされたパンドミがとっても美味しい。バターが ほんのり塗られて、こんなに薄くて具もたくさんなのにパンの味がとっても目立っている。こんなサンドって初めて。 全部食べるつもりはなかったけれど、こんなにパンが薄いからそんなにカロリー高くないだろうなと思って(笑)完食。 美味しかったーー。別添のパンは(サンドイッチなのにやはりパンは篭盛りで出てくる)ほんの一口かじったけれど、 本気食いしてもきっと美味しいタイプのパンだった。満足のカールトンのクラブハウス。でも、あえてこれを人に勧め るかというと微妙かな。ごくオーソドックスに美味しく、フランスでは珍しくヘルシー感ある安めのクラブハウス、 ということなら薦めるかも(十分薦めている?(笑)) どのみち私は満足だった。




今度はシャンゼリゼにある念願のラデュレへ…。Parisに来た日本人観光客のほとんどはこの店でマカロンを買う、 らしい。それくらい有名店だ。私はマカロンは大好きだし、とりあえず日本で食べられるマカロンではエルメのもの が一番美味しいなぁと思っていたが、それ以上、とのふれこみを聞いていたので超期待していた。サロンは非常に 重厚。かなり気後れするが、わざわざ着替えてまで来たのだ、引き返せない(←びびり過ぎ(笑))。パティスリー の方ではヴィエノワズリーも並ぶ。なにかでここのヴィエノワズリーはPAULが担当していると聞いた。


とにかくここではマカロンを。しかし、席はサンルームの方ではなく、カウンター近くのひどく陰気な席に着かされた (一人客がたまに味わう待遇…)。日本とは違ってカフェでは、そのテーブルの受け持ちのギャルソン以外はオーダー に応じてもらえない。オーダーがいつまでもできない、というのはよくあることなのでとりあえずどのマカロンにしよ うか迷っていた。隣に、これまた日本人の女の子が1人座った。2人してギャルソンにシカトされ、ようやくオーダー。 私はカフェ・ラデュレとミニマカロン4個セット(カラメル、チョコレート、カシス、ピスタチオ)。隣の子はオペラ とモンブランを。なんと、幸運なことに彼女は半分ケーキを分けてくれたのだ。ラッキー!!


彼女は宮城から来ていて、今日到着したらしい。お昼に食べたPAULのサンドがいかに美味しかったか目をきらきら させて話してくれた(日本ではPAULは食べたことがないとのことだ)。他にはアンジェリーナ、ポワラーヌ、 プージョランにも行きたい、という完全ガイド頼り派。「アンジェリーナはここ(ラデュレ)のより激しく甘くて でかいよ」と余計なことをアドバイスしちゃったが、プージョランは推薦しておいた。パン好きの女の子らしく、 食への関心は旺盛。Parisは食にこだわる人なら、こだわらない人の数倍以上は楽しめる街だろう。現に、食にしか 関心のない私は(笑)、2週間も飽きもせずに過ごせている。






ラデュレのスイーツだが、マカロンは全然期待はずれ!! そのへん(日本)で適当に買ったようなマカロンと なんら変わらない。これで4個5.6ユーロ? シャルトルで食べたあのマカロンの驚くような口溶けの軽さや、 ピエールエルメの斬新な風味とか、老舗だからそれ以上のものを期待しちゃいかんのだろうか。それにカフェ・ ラデュレ(4.5ユーロくらい)はひどくまずい泥味。なんだかなぁ…。もらったモンブランは、シンプルにマロン ペーストとクリームだけのもの。しっかりマロンの風味がオーソドックスに味わえる上に、クリームも美味しい。 オペラの方は、これもオーソドックス。一番下の層はヘーゼルナッツのサクサクジョリジョリした食感。いずれの ケーキもあまり甘くなく、食べやすいと言えば聞こえが良いが「まぁまぁ?」程度だった。日本人の女の子と話が 盛り上がったと言うことはラッキー。ラデュレは「イベント」ということで…。






寒さに耐えられずに着替えに戻る。今度はジーパンの汚れスタイルで始動。サンマルタン運河方面へてくてく歩く。 運河はセーヌ川とは違って、もっと水面に近い感じで、これもなかなかよい憩いの場となっている感じ。今風のカフ ェも点在し、東京で言うと中目とかそのへんだろうか? 初めてhabita(インテリアショップ)に入る。フランス版 フランフラン、という感じだ。たしかに一人暮らしを始めるパリジェンヌ御用達ということに納得。この手のお手頃 雑貨屋は大好きだ。欲しいものはたくさんあれど、持ち帰る大変さを思うと断念。どれもそうだが、食品以外はどうも 日本と同じくらいの値段だし、日本でも買えそう、と思ってしまうのでイマイチ物欲はわかない。だからこそお土産 探しに難航している。日本にないもの、というとやはり食品だが、両親への土産が困る。明日一日悩もう…。





メトロでサンジェルマン方面へ。カルチェラタンのcosiというサンドイッチ屋で夕食にする。近くに商店街があり、 そこのPAULは大行列が出来ている時間帯だというのに、このcosiは店構えはかっこいいが、人が全然入っていない。 日本人客が一組いた程度。ピザ生地のような窯焼きの薄っぺらいカリカリサクリとした生地に具を挟むスタイル。 5〜8ユーロくらいの幅のある値段設定。ローストビーフ+トマトのサンド7.1ユーロくらいのものを。トマトに ビーフ、それに甘めのオニオンソテー(チャツネっぽい甘みづけ)、レタスが挟まれ、オリーブオイルをたらす。 これを2階(私しかいない!)で頂いた。塩コショウをたっぷりかけた。しかしなんとも味気なくて全然美味しく ない。たぶん、ヘルシーすぎるのだろう。ボリュームの割にはカロリーが高くなさそうだ。トマトはトマト缶の トマトを水気切ったような感じだが味が薄く旨みまで切ってしまった感じ。ローストビーフもジューシーさがない。 たぶん、マヨネーズかチーズのようながつんとした油気が必要。パンはそのままで食べると香ばしくて焦げた風味が 美味しい。なので、具だけたいらげ、パンのみで食べた。こうするとだいぶ美味しかったのだが…。


なんか、ガイドに載っている店にはことごとく失望しちゃう。ガイドに載っている店を避けて選ぶにしても、 Parisには溢れんばかりの飲食店。飽食の街ゆえに、選択する難しさがつきまとう。それは東京と同じことだ。 案外、超適当に入った店でハズした方が諦めもつくのかもしれないなぁと思えた。 2階からお向かいのお魚料理のレストランの様子を眺めていた。2階の厨房でシェフたちが準備をして忙しそう。 あぁ…お向かいの店かPAULにすればよかったか(笑)。






夕刻。モンパルナスタワーから最後のParisの夜景を見納めようと思う。サンドイッチ屋からモンパルナスまで 歩きながら、しつこいようだが改めてサンジェルマン界隈の良さを実感(毎回言っているなぁ私(笑))。 Parisに来るならまたこのエリアに滞在したい。モンパルナスの56階に登るには8ユーロもかかる。かつてないほど 揺れの激しいエレベーター。ふと脳裏に映画「スピード」の映像が浮かぶ(笑)。階数の表示の他に、 標高○○メートルの表示があるのはユニーク。


 


56階の眺めはすばらしいの一言につきる。夕暮れの展望室の眺めには、夕日に照らされるParisの街。 夜景では見られない、モンマルトルからもエッフェル塔からも見られない区画のユニークさを味わう。 屋上テラスにもあがる。もうすぐ日の入り。とても寒いけれど、胸をぐわっとつかまれるような眺めだ。 エッフェル塔が美しく、何度もシャッターを切る。やはりParisにはエッフェル塔だ。エッフェル塔は登るもの じゃなく眺めるものだな、と思う。





最後にこの風景を眺められて本当によかった。長くも短くもあったこの 2週間を振り返り、いろんな人物の顔を浮かべながら、エッフェル塔と日の入りの瞬間をずっと眺めていた。 またParisに来ることはあっても、そのときは私はまた一人で来るのだろうか? それとも、誰かと喜びと感動を 分かち合いながら眺めるのだろうか?


いいかげん寒さが辛くなったので一度展望室に戻り、ビールを飲みながら夜景を待つ。再度上り、エッフェル塔の ライトアップを見納めてモンパルナスを後にした。


本日の歩数 31000歩

BEFORE DAYNEXT DAY