Paris5日目(9月17日)

3、4区のパン屋さん巡り&マレ地区・サンジェルマン地区でショッピング 

朝は昨日の戦利品(パン)を食べる。東京での私の朝は、冷凍庫からパンを取り出して、解凍することから始まる。Parisに来ても結局同じ事を している(笑)。残念なのはオーブンの使い方がわからないので焼き戻しができないこと。丁寧に焼き 戻した冷凍パンの美味しさは、買いたてのものと遜色劣らないのでこれはちょっと痛手かもしれない。


プージョランのバゲットやオザマンド、グルニエ・ア・パンのダマンドとルヴァンレザン、 マックスポワラーヌのカンパーニュなどを少しずつ。これらにサラダとチーズとジャンボンを添えて。 いやー、プージョランのバゲットは改めて美味い。この粗野な力強い旨みは、実にParisに来た甲斐を 感じる。買いたてはもちろんだが、私は朝に冷凍庫からパンを取り出して解凍して、じっくり自分の 好きなようにアレンジして食べる、というのがとても好きだ。それに、解凍後のヒンヤリしたプージョ ランのオザマンドの焼きプリンのような美味しさと言ったら!! 買いたてではこれは発見できなかっ たわけで。




たっぷり食べて、さぁ今日はどうしよう。とりあえずバスチーユまで出て、マレ地区を散策。途中、 ベーグルのカフェも発見。Parisには皆無ではないけれど、たまにベーグル専門店も見かけた。 自家製かどうかは不明だけど、なんか嬉しくなってしまう。機会があれば入ってみたい。





ルヴァン・ド・マレ Au Levain du Marais を発見。とても感じのいいマダムと良い表情をしたパンたちが 並ぶ。自分の順番が来るまでに必死に目を通して、ここでは2点を購入。





パン・オ・ショコラ

軽くてハラハラ系。チョコはバローナかな。脂ぎっとり感はあるが、バターの旨みが甘みに変わる味の いいものだった。味はすごくいい。ただしとてもオーソドックス。


パン・オ・ノア(プチサイズ)

これは食べるたびにくるみの味が七変化する謎のパンだった…。えぐみがひどかったり、コクマロ だったり、独特の味わったことのないクセだったり。これは…うーーん…。くるみパンは大好物なので つい選んでしまうが、こっちのくるみパンは、日本とは違って処理はあまりされずそのまんま使われて いる感じのものが多い気がした。



ついつい小ぶりのパンを選ぶものの、さんざん失敗している。こちらではちゃんと正統なハード系を 選んでおけばよかった…。このくるみパンしか食べていないと、印象が悪くなってしまう。だから、 パン屋さんは一個食べただけでは、その店はどうのこうのとは判断しては絶対にいけない。得意不得意が どんな店にもあるわけで(といいながら、Parisのパン屋さんの全体傾向として、その店の中でのウマイ マズイのレベル差が激しいなぁ…)。


近くのピカソ美術館へ。正直、アートにはここ数年あまり興味が無くなっていた。一時はあったのだが… 食に対する欲の方が勝りすぎて花より団子な私である。しかし、せっかくParisに来てMuseeに寄らないで 帰るのもどうかと思い(笑)。絵画、彫刻、器、とにかく点数が多く、よくもたった一人で一生涯のうちに ここまで多くの作品を生みだしたものだなぁと感心してしまう。しかも、一人の人間が生み出したとは 思えないほどの作風の変化っぷり。…何が描かれているのか一見してはわからないので(笑)、 絵を見て、想像してからタイトルを読み「なるほどねぇ」とか「やっぱりねぇ」とか「そうくるかぁ?」 とかを一人でやっていた。結構おもしろい見方かと思う(笑)。



  


マレ地区をふらふら。雑貨屋さんが建ち並び、一軒一軒覗いてみるのが楽しい。ここでブーランジェリー・マリノー Malineau を発見。焼き菓子が豊富でちょっとキャラクターチックでご近所のお子さま向けなものも多く庶民的 。ここではプチバゲット(0.8ユーロくらい)を購入。これもレトロドールのような、粉にパンチのある 味わい。クラストは柔らかめだけど、味がすごくいい! しかし、いかんせん塩辛い。こっちの人は こういう塩辛いバゲットと料理を合わせているのだからすごいな。ご飯は味が淡泊だからおかずと合うと 思うのだが…軽いカルチャーショック。



  


マレ地区にあるユダヤ人街をふらつく。ユダヤ系のお店が色々並び、ここにはパン屋さんがずいぶん多い。 一見するとオーストラリア系、 ドイツ系のパン屋さんに見えるのだが、この通りにあるということはユダヤ系のパン、ということ なんだろうか (買わずに店に入ることはParisではためらわれるのでウィンドウチェックのみ)。一軒、 パリのルールに掲載されていたユダヤ系総菜屋さんに入店。Parisに来る前に、パン仲間と持ち寄り パーティーをしたときに、メンバーの一人がフムスを作ってくれた。ちょっとしたフムスブームが 我々の間にあったので、ここではフムスを購入することにした。それと、評判だというベイクドチーズ ケーキも(合わせて4.8ユーロくらい)。






お次はファラフェルの美味しいお店、ということでどのガイドにも載っている L'as de Fallafel で ノーマルサイズのファラフェルを購入(3.5ユーロ)。このお店は、店内でも食べられるが、テイクアウト 用には、レジでまず注文し、外で受け取る。ここのはボリュームもさることながら、店員さんの スピーディーな手さばきはまさに職人芸!! 大きなピタパンにたっぷりの刻み野菜とファラフェル、 カイエンペッパーをリズム感たっぷりで振りかけ、ファラフェルソースをたっぷりかけてできあがり。 みんなその辺で立ち食い(座り食い)で、いいファーストフードになっている。凄い人はどでかいサイズの ファラフェルに肉類をどぼどぼ詰め込み、さらにはフライドポテトまで乗っかっている…。





マレ地区での戦利品を手に、セーヌ川沿いのベンチでリヴァーウォッチングしながらのランチ♪  まずはファラフェル、このヨーグルト風味のソースが美味しいなぁ…。ファラフェルは淡泊なひよこ 豆をすりつぶして揚げたものだが、こうも香ばしく旨くなるとは…。本当に美味しい。東京でもピタ ザグレート@赤坂や江古田のイスラエル料理店で何度か食べているファラフェルだけど、ここの ファラフェルとソースも美味しい。ピタパン自体は特筆するところはなし。東京でのものの方が好きかな。


意外なところで、チーズケーキは美味しい!! 「手作りしたの、食べてみて!」と友達からもらった ときのような味(笑)。要するに、小難しいこと抜きのオーソドックスなチーズケーキの味なのだ。 フムスはちょっとクセが強い。バゲットに塗ってみたがちょっとケンカしてしまったかも。 うまいバゲットにはとりあえずなにも塗りたくない。


そういえばまだまともに店に入ってランチをしていない気がするが、本来はこれで十分なのかもしれない。 Parisの人は、みんな歩きながら何かしら食べている。そんなに時間がないのか、はたまた腰を落ち着かせ て食べるまで待ちきれないのか(笑)…なんかこういう食欲に正直なところが私にすごく合っている街だ と思う。


セーヌ川沿いは、浮浪者の人もお昼寝している。新宿みたくアンモニア臭もたまにつぅんとしてくるの だが(笑)、東京でよく臭ってくる汚臭はあまりない(もちろん皆無ではない。汚れた路地ではつぅん と臭う)。全体的にこの街は香水使いがうまいと思う。日本みたいに浴槽に入る比率は低く香水で ごまかす、みたいなことを聞いたが、臭いを打ち消すというよりももっとプラスの意味でどの人も 良く香っている気がした。老若男女みな何かしらいい匂いをさせているし、地下鉄の清掃も独特の香りの する洗剤を使っている(それがちょっと時に臭い…と感じることも(笑))。香水専門店が多いことも 特徴的かも。


お次はマレ地区を散策しながら北西方向へ、モントルグイユの商店街を目指してみる。途中、 BHVという東京ハンズ的なデパートを物色、疲れがピークに達して、レ・アルの広場のカフェで ひと休み。ビールを頼んだつもりが、間違えてVinを頼んでしまった。暑さ、疲労でヘロヘロに 酔っぱらう(笑)。それにしても平日の昼間っからカフェには酒を飲んだり、まったりくつろいで いる人が本当に多く見かけるが、仕事はどうしてるんだろう、と常々不思議に思っていた。


モントルグイユの商店街は、食好きには非常にオススメのにぎやかな商店街。おぉ、ル・パン・ コティディアンもある! パン屋さんも数多くあるし、レストラン、カフェ、チーズ屋、肉屋、 スーパー、八百屋…とにかくぎっしり食べ物関係ばかり。やはり食の並ぶ通りを歩くのは楽しい!  こういうのは今滞在しているサンジェルマンエリアではあまりお目にかかれない。 (*のちに、ここの商店街のすぐ近くに一週間滞在することになるとはそのときはわからなかった)


 



さすがにもう関節が痛くてならないのでルーヴルでメトロに乗ろうとした。しかし途中でゴスラン Gosselin へ寄ってしまう。ちょっとお高くとまった感じのある店構え(パンフレットもある)、 ここではプチノア(懲りずにまた選んでいる私(笑))とミニクロワッサンを。 クロワッサンは表面にも甘いのが塗ってあり、とても食べやすく日本人向けの「ミニクロ」。 しかし、ノアはこれまたくるみがえぐくて、しかもキャラウェイか何かが入っている。美味しいくるみで キャラウェイなら結構だがこのくるみでは…。パン自体は少なくとも午前中のノアよりも重みや味わい があったが…。


なんか今日のパン巡りでは「これ!」には出会っていない。とくに、くるみパンが意外に合わない、 ということを感じた。 もちろん、ごく限られたものしか購入していないので「この店はダメ」とかは思わない。ただ、 なんとなく練り込み系は 選ばないで、王道にバゲットを選んでいった方がはずれないのでは…という教訓を得た気がした。 バゲットにしても、 確かにどこも美味しいのだが、フランスのブーランジェリーが浸透しつつある近年の日本で 食べたことがない味、 ではない。いかに自分が日頃東京で美味しいパンを食べているのかということを実感させられてしまった (ははは、手前味噌)。そんなことがここで裏目に出るとは(笑)。まだParisに来て数日だが、思ったよりも本場の 凄さみたいなものを感じ取れずに、なんか少し滅入った気持ちになった、今日のパン巡り。


もう15時頃。疲れているが、メトロでのアクセスは悪そうなのでシテ島経由で歩いて帰ることにする。 途中、ちょっぴり「庶民派」のデパート Samaritaine に立ち寄る。今回はあまりに貧相な服しか 持ってこなかったので、服を物色してみる。Parisは女性に限らず男性もとってもおしゃれ。 おしゃれ度の高さは東京なんかよりずっと上だろう。美意識がとても強いこの国では、 しかるべき場所にはふさわしき服装でないと恥ずかしいのだ(むしろ相手に失礼に当たるだろう)。 このまんまの格好じゃ、いつまで経ってもレストランには行けないし、サロンドテ(マカロンで 有名なラデュレにはどうしても行きたい!)にも行けない!! しかし本場のカジュアルフレンチ はどうも似合わない。値段もすごく高いし…。


こっちの女性はみな体格がとてもいい。これは全然予想もしなかったことだった。私も日本人としては 体格のいい方だが(だからダイエットもいつも念頭にあるが)、こっちの人のでっぷりとした腰回りや、 ぽこーんと飛び出したお腹や、ぶるんとした腕を見ていると、改めて日本人って痩せているんだなぁと 感じさせられた。洋服にしても、日本はだいたい7号9号だが、こっちでは11号スタートの場合も多く、 13号、15号は当たり前に揃っている。日本食がダイエット食として欧米で注目されているのも納得だ。 あれだけ脂肪分を摂っていれば当然だろうが、フランス女性がみなここまでたっぷり肉を蓄えているのを みて、おかしな安堵感を覚える(笑)。油断してしまいそうだ(笑)。しかし、自分よりお尻のデカい フランス人女性をさんざん見ても、やっぱり鏡に映る自分の姿は…?? 何が、何かが違う。 あんなにお肉を付けている女性たちなのに、なぜにかっこよく、スタイルよく見えるのか?  …そう、足の長さが決定的に違う!(笑) それにみんな堂々とその肉体のラインを露出している。 ダイエットダイエットと痩せることを奨励する日本と、しっかり食べて肉もたっぷりつけながらも堂々と 歩けるフランス。ああ、フランスに住みたい(笑)。






シテ島を経由するとサンジェルマンまではわりとすぐ。途中、シテ島とオデオンの間くらいで遭遇した お総菜屋さん(すっごくかわいくて店一杯に美味しいものだらけが陳列された店だった)で、 ラタトゥイユと人参サラダを購入。疲労回復のため、ちょっと書斎風の雰囲気のあるカフェの 赤いビロードのソファで一休み。


オデオンからサンジェルマンにかけて、いろんな魅力的な店が多い。アクセサリー屋やフランスらしい 生活雑貨のお店、MUJI(無印良品)まであった。MUJIでは日本円で100円と書いてあるボールペンも、 1.5ユーロもする。当然日本よりも高い。フランス製のものじゃないと、何をとっても高い。例えばアメリ カ製の製品とかなら、日本で買うのとなんらかわらない。そのせいもあっていまいち物欲はわかないの だった。


Mabillon通りにある屋内市場にも寄り道を。ブティックや飲食店がたくさん入ったこの屋内市場は、 なんだか中途半端に現代風だが、食品市場は非常に地味である。どことなく日本の市場に似ている気が した。ここのチーズ屋さんでブルーチーズを購入。これが超成功!! すんごーーく美味しいぃ!!  私の苦手なシャープ系じゃなく、コク深系。しかもコムサ(=これくらい)を連発させたおかげで少量 だけで買えたし1.3ユーロで済んだ。だんだん買い物も掴んできたかな? さらにワインチェーン店 Nicolasでもワインを購入。





次はピエールエルメ PIERRE HERMEに寄り道を。これほど世界的に有名なパティシエだというのにとっても 小さなお店。ゆえにとても混んでいる。ここでは"KAWAII"という日本語の名前のケーキをゲット。 ここにはクリスティーヌ・フェルベールのジャムもいくつも揃っている。評判のクロワッサンも手が出そう だったがさすがに今日はパン食べ過ぎ。今日は止めておこう(日本ではエルメのクロワッサンは食べた ことがあるが、まぁまぁ…程度。きっと本店のは美味しいのだろう)。





たくさん寄り道をしたが、5日目にしてこの界隈がいかに面白いエリアということがわかり少し残念。 帰宅後、お総菜とファラフェルの残り、チーズ、ワインで夕食に。このラタトゥイユがものすご〜く 美味しい〜!! 甘くて、具がとろけていて、最高だった! チーズも絶品だし、なんか今日はパン 以外では成功している!





そしてピエールエルメ。ルックスはキャンディみたいなセロファンのラッピングがなんか安っぽくて ふざけている(失礼)。半分のみ食べるつもりだったが(翌朝に残そうと思った)、このメレンゲで 覆われたケーキを口に含んだ瞬間、あまりの美味しさに爆笑してしまいそうになった!  もんのすご〜く美味しい。メレンゲのドームの中には、下層がレモン味のオレンジソース、 その下にはパンデピス、アーモンド、タルト生地が重なっているのだが、まずオレンジの甘みと レモンの強烈な酸味にぐいぐい引き込まれていく。アーモンド部分もうまく合っていて、それでいて 包み込むのがメレンゲなので軽く、あっけない。間髪入れずの一気食いとなった。


いいのかなぁ、こんなに美味しくて甘いものを夜に食べて…。しかもワインも覚えてしまって。怖いぞ。




本日の歩数21000歩

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