ITALY4日目(4月29日)
フィレンツェ#1:冷静と情熱のドゥーモ+夜景+悶絶のパン粥
ITALY4日目(4月29日)
フィレンツェ#1:冷静と情熱のドゥーモ+夜景+悶絶のパン粥
いざフィレンツェへ!
昼ごろにフィレンツェに着けばいいと、少し余裕をもって部屋を出た。 バスでテルミニ駅に行き、自動券売機でフィレンツェ行きのチケットを購入。 イタリアの自動券売機は非常にわかりやすくて使いやすい! フランスのそれよりもずっと使い勝手がいい(フランスの自販機は、カードを受け付けてもらえない…)。 あっさりユーロスターを予約。
出発まで1時間弱、駅の二階のバールでバゲットサンドを食べる。 シンプルなハムチーズのサンドにトマトソースが。 そ、そういえば…ローマでは結局一度もパスタを食べなかったなぁ(笑)。 実は、食に関して一番期待しているのは次のフィレンツェ(トスカーナ)なので、 ローマではこうなってしまうかなぁと思っていたが案の定、ろくに食べてないかも(笑)。
出発のぎりぎりまで、駅の地下を物色。 ジェラート屋でちょっと毒々しい色のピスタチオとフローズンヨーグルト(?)と思しきアイスを。 うーむ、やっぱり2日目に食べたピスタチオは旨かったー…と、こうやって経験値を積んで行くのである(笑)。
こちらの鉄道の列車はとにかく車両が多くて、とても長い。 自分の乗るべき車両を探すのが大変である。 荷物をごろごろ引きづりながらホームを急ぎ足で歩いていると、 横から一人のおじさんに切符の呈示を求められた。風貌からもどことなく駅員に見えたので、 素直に切符を渡すと、車両と席番を確認するやいなや、私の荷物を運び、 車両に乗せ、すでに埋まりつつあった荷物置き場にどーんと一番上に乗せてくれた。 なんせ荷物が重いので非常に助かった。
すると、おじさんは「はい、5ユーロ」と手を差し出してくるではないか。 うーーわ、これが噂のたかり屋か…。この人は駅員でもなんでもなく、 荷物を運んであげて、お金をせびる人だったのである。 私は「ノーノー!!」と拒否したら、意外にあっさりと引き下がってくれた。 荷物を運んでくれたことは感謝しますけどね、それとこれとは別★
フィレンツェ到着、駅近くのホテルを探す
ユーロスターはほぼ定刻通り出発し、あっさりとフィレンツェに到着してしまった。
「旅行中」…。見事なタトゥーですね(笑)。
フィレンツェの中央駅、S.T.Novella(サンタマリア・ノヴェッラ)からほど近いところにホテルを予約しておいた。 フィレンツェ中央駅は、地方だから仕方ないが駅自体が地味でローマ中央駅よりもずっと雰囲気が悪くて、イメージはあまりよくない。 (もっと優雅な町をイメージしていたので…)正直駅の側なのに路地裏は往来が少なくて心持ち緊張感が。 フィレンツェ自体、ミクロで見ると全然きれいじゃない。汚いし、臭うし、落書きも、若者もなんか雰囲気が悪い(というのが第一印象)。
しかしホテルは駅から歩いてすぐというのはありがたい。 一泊50ユーロ程度のホテルで、駅前のホテル街の中にある。 こじんまりとしたシンプルな作りのホテルで、1階と2階しかなくて、客室はすべて2階。
部屋は、日本のビジネスホテルのように、カーテンで閉め切ると薄暗くて最初「地味! 暗っ!」とぎょっとしたが、 単にシンプルなだけであって、二晩過ごすと、いかにこの部屋が快適かを実感した。 なにより、部屋の中に「洗面台」があるのが幸い! 風呂やトイレが部屋になくたって、洗面台さえあれば助かるのである。よーし、今夜から洗濯三昧だ!(笑)
La Spadaの惣菜にはまる! フィレンツェのテイクアウトごはん
今日は日曜日。こっちは日曜日もお休みの店が多いし、さらに明後日は魔のメーデー… うまくやりくりしないと、食べたいものも食べられない可能性がある! フィレンツェでは、美味しいものを食べるために2泊するのだ。がんばらないと…
お昼時。さっそく腹ごしらえに出かけてみることにする。 パン友さんにお薦めしてもらったテイクアウトのできるレストランを探してみた。 たまたま私が事前に調べていたサイトでも紹介されていた店でもあったから、期待大!
ホテルからそれほど遠くないSPADA通りにあるこのお店は、すぐにわかった。 人が絶えず出入りして、人気店のよう。おお、テイクアウトの惣菜たち、めちゃくちゃうまそう…
トスカーナ地方にはいろいろと名物料理があり、その見本市かのように、 郷土料理がなんでも揃っている。うわー、絶対ここはトリッパ食べます! パン粥もね! お店のお兄さんは、私が最初、あまりに不馴れ、言葉もわからないので、 少しぶっきらぼうな接客だったのだが……まさか、こんなに何度も通うことになるとはこのときはまだ知る由もなかった(笑)。
とりあえずテイクアウトしたが、どこで食べるべきかわからず、 地図上でとにかく緑のあるところを探した(駅前の教会の広場は、木陰がないのでパス)。 しかしなんとまー広場の少ない町か! 延々と探し迷い、ビールを駅前のスナックで購入しつつさまよう。 (*モレッティのビールが2ユーロ、、、スーパーでなら1ユーロ程度なのに。 ミネラルウォーターもビールも、絶対スーパー以外のところで買うべきじゃないです)
ようやくみつけた「木陰」! …ていうか、ほとんど街路樹ですが(笑)。 ビールが冷たくてサイコ−! このモレッティ(おじさんの絵が書いてある)は、何度か日本でも飲んだが、 とても薄い印象があった。でも、こうやって現地で飲むと炭酸がちゃんと残っていてすごーーく美味しい! うーん、やっぱりビールもできたてが一番ですな! この暑さだし、本場だし!
トリッパには、大きめカットのセロリとニンジンがごろりと入り、胃袋がいくつもニョロニョロと入っている。 いやーーー美味しいなぁ、美味しいなぁ! 少し臭みが残っているあたりもひっくるめてほんっとに美味しい。
しかし、もっと驚愕だったのはパン粥(パッパ・アル・ポモドーロというらしい。トマトの野菜煮込みに余り物のパンが入っている)。 こ、こんなに美味しいモノだったなんて…!!! 香味野菜や香草の匂いがしないので、 同じトマト煮込みでもトリッパとは味付けが全然違う。味付けのおいしさはさることながら、 パンにオリーブオイルが染み込んだような旨味、まろやかさ、とにかく絶品…!!! こんなに暑いのに、鳥肌が立ってしまった。ああ、また食べたいーー!!!
フィレンツェのドォーモ…の隣のジョットの鐘楼に登る
お腹も満たされたことだし、次は観光!
中央市場の周りには、露店がごった返す。安い衣類や、ショール、革製品の店が並ぶ。
ドォーモに到着。とにかく人、人、人! ローマでもそうだが、ほんとにイタリアって観光大国なんだな、 常に行列はつきもの、写真を撮るなら、人が写らないように気配って撮るのが骨。
旅行前におさらいしていた某「情熱と冷静の」ほにゃららという映画では、 別れた恋人同士が「10年後の誕生日にドォーモに登る」という約束を果たすシーンがあるのだが、 私はあえてドォーモには登らずに、隣の鐘楼に登ることにした。 だって、…ドォーモに登ったら、ドォーモが視界に入らないじゃないか(笑)。 (エッフェル塔に登ったらエッフェル塔が見えないのと同じ理屈)
炎天下の中、鐘楼への入場に並ぶこと約20分…。 ドォーモならもっと並ぶだろうなぁ。それにしても暑い…。
ようやく中に入ると、今度はきつい階段が待っている。 狭い階段を延々登りつめるのだ。 第一展望台自体はあっさり到着する。ここでも十分に感動的な風景が広がる。
しかしまだまだ上があって、第ニ、第三、第四…と、 何度か展望スポットがあらわれるのだが、 やっぱり一番上に行かないと! めちゃくちゃしんどく…ようやく最上階へ辿り着く!
今度は高すぎていろんなものが遠くに感じてしまったが(高さ的には、第二か第三がちょうどいい)、 すばらしい赤褐色の屋根の町並み…!! 本当は、明日あたりトスカーナの都市、シエナにこのような赤褐色の町並みを見に行こうと思っていたのだが、 なんかこれでもう十分かなーという気になってしまったが…
*画像は2枚をつなぎ合わせています、少し色がずれていますね…モウシワケナイ*
この旅、一番のジェラートを食べる
続いて、ジェラート屋さんめぐり。 まずドォーモのすぐ側にあるGROMというジェラート屋さんに訪れてみた。
イタリアでは、カラフルな色に、テンコ盛りのフルーツなどでデコレーションされたジェラートの冷凍ケースを街角で容易に見かけるが、 ここ、GROMでは、決してそのように露出しない。必ず「フタ」がついているのである。 温度管理、品質管理のためだそうで、見た目には地味。…しかし…
こ、これは…!!!
ものすごく美味しい。ピスタチオはピスタチオ色しておらず、ベージュなのに、 これまで食べたものよりも段違いに旨い。ローマで食べたジェラートたちはどれもイマイチだったのに、 ここのは…ほんと、素材そのもののリアルな味…! もう一つの方は、シチリア風のフルーツアイスだが、レモンかなにかのピールが入っていた。 感動で嗚咽を漏らしながらあっという間に食べ終わってしまった。 美味しいし、店員もきびきびしていて、すごくいい店!
今度は、フィレンツェの老舗のジェラート屋。 vivoliという店で、有名店だけあって、とにかく人! 人! 店の前に立つ人たちはみんなカップをもってアイスを食べている。
ここは店員はやや横柄、店内もキレイとは言いがたい。 2色頼もうとしたら、なにも言わないうちに1色にされてしまっていたのだが、 ストロベリーは確かにそのままイチゴ。美味しいけど、やや砂糖が多めかも。
続いて、うろうろ歩いていると、とある広場の前で赤と白のシマシマのテントの市場が出ていた。 トスカーナの物産展という感じで、観光客向けの市場だった。 ここで、チーズやらパンやら試食三昧だった。
ふぉーー。チーズデカイ!!!
パン屋さんもいくつか出店していた。
1.5ユーロでキャンティワインをコップ1杯もらい、それを飲みながら物色。
一番そそられたのは、豚の丸焼きのサンドイッチの屋台。 美味しそうに作るその風景を見ていたからなのだが、 運悪く私が注文すると、もう出来上がっていて冷めたものを渡された…しょぼん。
パン屋では、スキアッチャータ・コンウーバ(ブドウ入りのスキアッチャータ)のひとかけらを買った。 なんていうか…パネトーネがすかすか乾いた感じのパン…という印象。 ラム漬けのような香りのブドウが美味。
ウッフィツィ美術館…鑑賞未遂。
フィレンツェと言えば、有名な美術館が多く、 ウッフィツィ美術館はそれだけを目当てに来る人もいるであろう美術館。
あいにく、明日は月曜日で休み、明後日はメーデーで休み。 見るならチャンスは今日(日曜日)しかない。 美術館のきっぷ売り場には、行列時間はMIN2、MAX3(最低2時間、最高3時間!)と書かれている。 私は何度も書いているが、そんなに美術に興味がないので、今日の閉館間際にさらっと見られればいいかと、 その程度の心構えで行ったら…甘かった。甘過ぎた。
閉館時間までまだ1時間以上はあるのに、列の途中で入場禁止を宣告された。 これ以上並んでも、入れてくれない模様である。かなり無情な仕打ちではあるが…。 私は「まぁしょーがないか」と思っていたものの、美術館の人にめちゃくちゃ食い付いて行く人たちもいた。 「明日も明後日も休みなのに?!」と、怒り出す人も。 にわか暴動でも起きそうな雰囲気に…。気持ちはわかるけどね…。
諦めて、裏側にある名物橋、ヴェッキオ橋(ポンテ・ヴェッキオ)へ。 橋には宝石屋さんやお土産屋さんが軒を列ねる。とにかくここも人、人、人。
夕暮れを待つために、ヴェッキオ橋を渡った向こう岸のバールでビールを飲みながら日記を書いて、時間潰し…。
ミケランジェロ広場からのフィレンツェ
日も傾いたころ、ヴェッキオ橋を背に、歩いてミケランジェロ広場を目指した。 日の入りが遅い夏は、夕焼けや夜景を見ようとするなら時間を持て余すことが多いのだ…
フィレンツェの町を一望できる、お約束の観光スポットであるミケランジェロ広場は、 町から徒歩でも十分いける。 坂の麓の付近は、おしゃれなレストランが何軒か並んでいた。 ローマの時もそう思ったが、展望台の麓のエリアっていうのは、おしゃれな今どきの店が多いなぁ…町中とは違って。
広場へ通じる階段をひたすら登る。 階段がなによりも大嫌いな私(階段登るくらいなら隣駅まで歩くぞというほど)、 でも、ふと振り返るとドォーモが…。おぉ…。階段のぼりのごほうび…。
ミケランジェロ広場は、確かに人が多かったが、幸い、誰にも構われないままに日暮れをずーっと待つことができた。 1時間くらいはそこでずっと立っていただろうか。 オレンジとグレーの空を眺めながら、町に光が灯るのをずっと待っていた。 (*これも画像をつなぎ合わせているのでちょっと色にぶれがありますね…)
ドォーモはどこから見ても確かな存在感でフィレンツェをフィレンツェたらしめていた。 フィレンツェの町を1日歩き回って思ったのは、 この町は中を歩いてみて回るよりも、外からこうしてマクロの姿で見つめるのが一番いい。
1時間以上、8時過ぎには灯りも灯り、フィレンツェにようやく夜がおとずれた。 寒かったが、いい写真が撮れて満足…。1人でこうして海外に来て、夜景を撮るのがお決まりになっている。 1人で来ることを寂しい…と思わないこともなきにしもあらずだが、 なぜか今回の旅で一度も寂しさを感じることは少なかった。 自分の中で何か「薄まっている」せいなのかもしれないけど(…というのは独り言で)。
昼間見た時には正直「こんなもんか」と思ってしまったポンテヴェッキオも、 こんなに綺麗…。…いやいや、見とれている場合ではない。 歩き過ぎでものすごく足が痛い…けれど、とにかく急ぎ足で宿に戻ろう。
なるべく観光客で賑わっている道を通ったり、複数人数で歩いている他人の側を歩いたりと、 自分なりのリスク回避をしながら。
ホテルへの道で、夕食を調達。もちろん、昼に食べて悶絶したSPADAのパン粥!!! 昼間は冷たかったお兄さんももう顔を覚えてくれたみたい。 今度はでかいパックに入れられてしまったが、ちゃんとレンチンまでしてくれて熱々。
絶品ーー!! うわー、うわー、ほんとに美味しいよーー。 ああ、帰国したら、こればっかり作って食べていそうだなぁ。
このホテルは、一部のお部屋がトイレとお風呂が共同になっている。 廊下の壁に貼られているホテルの図面をみると、 どうやら風呂無し部屋が5部屋くらいあるようだ。つまりライバル(笑)は5組。 とても綺麗なトイレとシャワールームなのだが、 シャワーとトイレが一室にあるため、当然、誰かがシャワーを使えばトイレも水浸し。 さらに、土足があたりまえだから泥んこ状態…。 すでに他の人が使用した後のシャワーに「裸足」で入るのは当然抵抗が。 あーあ、すでに泥んこですよ…
やっぱ明日はビーチサンダルを100円ショップで買って来よう! もしくは一番風呂で?!
1日目【ROMA#1】初めてのイタリア入国+ローマの安宿
2日目【ROMA#2】市内こてこて観光、食べるはPIZZAオンリー?
3日目【ROMA#3】憧れのヴァチカン市国+旧道遠足+夜景めぐり
4日目【FIRENZE#1】ドゥーモ+夜景+悶絶のパン粥
5日目【FIRENZE#2】トスカーナの味めぐり・買い物DAY
6日目【FIRENZE#3】高台ウォーキングとメーデーパニック
6日目【VENEZIA#1】負けるな! 金満地帯ベニスに死す
7日目【VENEZIA#2】迷子と雷雨と水上バス
8日目【VENEZIA#3】ヴェニス離島めぐり+夜行列車でPARISへ
9日目【PARIS#1】同居人とパンランチ+モスケでトルコ風呂
10日目【PARIS#2】2006ベストクロワッサン+19区パンめぐり
11日目【PARIS#3】マレ地区朝パン+郊外パン屋とサンジェルマンアンレー、エッフェル塔夜景
12日目【PARIS#4】最終日も貪欲パンめぐり