Paris 3日目(5月6日)

マレ地区朝パン+郊外パン屋とサンジェルマンアンレー、エッフェル塔夜景

マレ地区プチデジュネ・ウルティエとパンドシュクレ


今朝は同居人が昼ごろに戻ってくる前に朝食に出かけないとならない。 この同居生活の奇妙なところは、鍵はひとつしかないということ。 (ひとつは家主が持っているため)でもちゃんと携帯もあるので、だいじょうぶかな?





本日の朝食所はもうエントリー済。今回のParis滞在でまさかの唯一の外食となった(笑)、 マレ地区にあるパン屋さんHeutier(ウルティエ)のプチデジュネだ。 一階はテイクアウト用の販売スペース。





しかしプチデジュネは9時からのようで、2階のカフェに通されるまであと10分以上ある。 そこで、近くにあるであろう、Pain de sucreというパティスリーに行くことにした。





歩いて5分くらいのところに、まだカーテンのしまった状態のパティスリーがあった。 このPain de sucre(パン・ド・シュクレ)は、かのピエール・ガニェールのシェフ・パティシエだった方が開いたという注目のパティスリー。 開店前から並んでいる人も多い。


 



私は1番乗り! うわーん、なににしよなににしよ、 ゆっくりあがるカーテンのスキマから麗しきケーキたちがお目見え! わーん。


ケーキ屋だからパンは控えめかと思いきや、ガッツリハードな男前パンも多い。 メインのケーキはこれまたどれもすばらしく、いつまでもショーウィンドウを眺めていたいのだが、 一番乗りの私にはそれも許されず(笑)、そこはパン屋もパティスリーも同じなわけで(笑)





コンフィチュールもたくさんあったけれど、何がなんだかさっぱりわからないので、取りあえずフルーツがあれこれ入ってそうなものをセレクト。 バニラベースで、ドライフルーツとナッツがごっつごつ入った、汁気のないコンフィチュール。 色気のない言い方をすれば、汁気の飛んだシチュウみたいな感じだが(?!)、味は抜群!





私が買ったのはクロワッサン。 ウルティエへ戻る途中に歩き食いしたのだが、これは…残念、昨日のエルメショックが重症すぎて(笑)、 正直イマイチの感想。塩気が強く、菓子屋のパンなのに甘さがなくてシャープすぎて尖った印象のクロワッサン。





しかししかししかし!!! のちほどウルティエに持ち込んでこっそり食べてしまったタルト・シトロン(レモンタルト)は、 言葉にならないほどに絶品ーーー!!! レモンカードはまさにママの味(そう、レモンタルトはいつだってママの味なんだ!)。 トロンとしたレモンカードは、酸味と甘さを兼ね備えており、鮮烈な酸っぱさがありながらも、 なぜか郷愁を誘う…もうこれは全世界共通の「懐かしい味」なんじゃないかしら…。感動…。


Pain de sucre

14,rue Rambuteau 75003 Paris






場所は変わって、再びウルティエ。二階のカフェはまだお客は私だけの貸切り状態。 内装はとてもモダンで新しくてキレイ!





プチデジュネ(12ユーロ)だが、卵やベーコンといったものはなんと別料金! ただでさえ12ユーロで「高っ!」なのに、これ以上のオプションは倹約旅人の私には無理−っ(笑)。


結局デフォルトでオーダーすると、出て来たのは絞りたてのオレンジジュースとエスプレッソ、 縦割りのバゲット1/2本とクロワッサン、イジニーのバターとフーケのジャム2つ。


…これで12ユーロか…(汗





ホテルに朝食のついてない人向けのプチデジュネのような気がする(笑)。 これ、自分で用意したとしても12ユーロなんて到底いかないよ?(笑)


少し後悔しつつも、食べたバゲットは、はじめて東京でポールのバゲットアンシェンヌを食べた時のような感覚。 くすんだ粉の味わいに、ハードすぎない薄皮のカリッとした食感が心地よく、美味しい! ジャムをバターをたっぷり塗ってタルティーヌ、余すところなくたんまり食べた。いや、食べ過ぎた。 バゲット1/2本にクロワッサン2個にタルト1個…どんだけ食べる…。


…ので、歩くことにした(笑)。 ただ単に交通費をことごとくケチッている気もしないでもないけど(笑)。


途中、日曜日だからラスパイユの市場を通りかかる。 初めてのParis生活のときは、ここの側で滞在していたから何度か買い物をしたっけ…


HEURTIER

2 rue de Verrerie 75004 Paris



郊外パン屋さんとサンジェルマン・アン・レー


1時間くらいかけて部屋に歩いて辿り着き、洗濯やシャワーなどを浴びて、シチューの残りを食べ切った。 またビールを一本空けた。ようやく同居人が部屋に帰って来た。おかえりーー。 私はこれから出かけようと思うのだけど、あなたはどうする? 鍵はひとつだから、帰りの時間を約束しないとならないのだけど。 同居人のAちゃんは、下手すると毎日どこにも出かけずにずーっと部屋でのんびり過ごしちゃう人なので(笑)、 逆に私みたいなバタバタした人間がきっかけで外に出かけるようだ。

「パン屋さん? 行きたい行きたいー」

なんと、これから私が行くところについてくるという! そうこなきゃ、旅はやっぱり道連れーー。



今日は、Parisを一望できるという、郊外のサンジェルマン・アン・レーに行ってみようと思う。 その前に、郊外で行ってみたいと思っていたパン屋さん、RAPHAELLE ESTIVAL(ラファエル・エスティヴァル)に寄りたい。 寄りたい…といっても、この2つはParisを東西に横切るRER(鉄道)のA線の端と端…みたいな感じで全くの反対方向だ。 それでも付き合ってくれるとは〜。感謝!!





St.Maur des Fossesという駅で下車、あまりこれといった商店もない駅前で、 場所がよくわからずうろうろ歩いたり、人に道を尋ねたりもしたが…





なんだ、めちゃくちゃ駅の目の前じゃないですか(笑)


 





母娘で営むラファエル・エスティヴァルは、この郊外のエリアに3店鋪展開しているのだそう。 今回訪れたのは、1号店で派手さはないが、かなり大きな店鋪。スペースが余っているといってもいいくらいに。

パンの種類はとても豊富で、確か日本の掲載誌にも載っていた見覚えのあるマダムが英語でが−ー−ッと商品説明をしてくれた(笑)。 うわ、わかるような、わかんないような、…わかんないような(笑)。





おお! 圧巻! これは昨日もあのパン屋さんでみかけた、串刺しのヴィエノワズリーたち。 このスタイルって、流行ってるのかしら?!





ここでは、マダムがお薦めしてくれたミエル(ハチミツ)の山型パンと、マダムがテキトーに見繕ってくれて2ユーロ、というミニパンと、 串刺しのヴィエノワズリーを購入した。 2人で帰りの電車の中で食べるが、このオレンジピールのプチパンやクルミとレーズンのプチパンなど、 食べやすくてあっという間になくなってしまいそう!





ヴィエノワズリーは、昨日の店よりも少し平凡、フツーな感じだったかも。





しかし、このミエルのパンが美味しいわぁ〜! ハチミツの甘さは、ごくごくほのかで限り無くリーン。でも確かに甘さが存在する。 確かな甘さの余韻がいつまでも爽やかに残って、とにかく美味しかったぁ〜。


RAPHAELLE ESTIVAL

2,Av.Charle de Gaulle

94100 St.Maur des Fosses




そしてはるばるParisを横切り、まったく反対側のサンジェルマン・アン・レーへ。 到着したのはもう4時過ぎだった。この後、オランジェリー美術館にどうしても行きたいので、 サンジェルマン・アン・レーでの滞在時間はほんの30分もなかったのだ(笑)。 やっぱり端から端の移動は時間のロスだったか…。





お城があり、その広い庭園にはたくさんの行楽客が。 とくに何があるというわけでなく、遠くにParisの町並みが見える。 ただ、遠すぎるので「あれがParisだ」という実感は持てないかもしれない。 エッフェル塔や凱旋門が見えるわけではなく(笑)、 田園風景の向こうの都会を眺める、といった趣か。





車窓で眺めた、田園風景が印象的だった。 もう少しあの風景をゆっくり眺めておけばよかった…

少し周辺を歩き、私たちはトンボ帰りした。




Parisへ戻る車中で、なんとAちゃんが痴漢に遭遇したのだ(笑)。

ボックスシートに向かい合って座っていた私たちの横に、 男性がひとり、Aちゃんの隣に座った。しばらく私たちは談笑していたが、 Aちゃんの様子がおかしい。どうやら、荷物で手を隠しながら、隣のAちゃんにタッチしてきたようで…。

すぐ私たちは別の席に移動したが…なんかありえないなー。 こっちの人ならもっと堂々と、大胆に(?)痴漢行為をするような気がするのに(←それって痴漢か?笑)、 なんとも日本人的な、臆病なタッチの仕方だよな(笑) すぐにバレるのがわかってるのに、…ヘンなフランス人!(笑)



タダほど高いものはない?! 駆け足オランジュリー


10年以上前にはじめてParisに来た時に訪れたオランジュリー美術館。 しかしその後、長きに渡る改装工事を経て、ようやく昨年(だったかな?)再開された。 私はパンばかりに明け暮れて美術館の類は一度ずつくらいしか行かないが、 このオランジュリーはもう一度行きたいなぁと前から思っていた。だって、ここにはあのモネの睡蓮がある…!


節約旅人の私、しっかり5月の第一日曜日はオランジュリー美術館が無料開放することは調査済。 きっと込み合うから閉館の1時間前くらいの入館がベストだろう…と思っていたのだが、 思いのほか到着時間が遅れ、5時15分頃到着。でも確か18時閉館だし、まぁ時間もあるだろうと思っていたのだが…。


「あと15分で閉館ですよ、急いでください」とな!!! うそーーー! 聞いてないーーっ! 私とAちゃんは15分後に出口で落ち合う約束をし、バラバラで行動した。 まずは睡蓮の間へ直行ーーー!!

 

…うわぁ……

絶句


15分…いや、30分いても、1時間いても足りないくらいに、すばらしい空間…! 丸いドーム場の天井からやわらかい自然光のような白い光が部屋を包み込む。 睡蓮の碧さが際立っている。こんな睡蓮の間が2つ(3つ?)続いていた。 どんなに長い時間眺めていても、いつまでも新鮮さが失われないような… 初々しい感動がいつまでも続いていた。


いや、でもあと残り時間10分!! 駆け足で他の作品も見て回らないと! 事前にあまり勉強していなかったのだが、このオランジュリーは本当に素晴らしく有名なコレクションだらけで、 名画ばかりで圧倒される。母がコレクションしていた美術展のパンフレットを、 子供の頃に絵本代わりにいつも眺めていた。 まさにあの頃みた名画ばかりが並んでいる… ルノワール、マリ−ローランサン、ゴッホ、セザンヌ、ピカソ… 全部全部知ってる絵画ばかりだ。すごい…。これをたったの15分しか見られなかったのは悔しすぎるが、 無料だからしょうがない?! 今度はきちんと時間をとって来よう。小さな頃の自分に戻れるように…





夕暮れの中、少しAちゃんと部屋の方を目指して歩いた。 はー。。。明日でまたParisとお別れ。何度目の別れだろう…。


 



とある路地に入ると、なにやらすごい人だかり。 もしかして、今日って大統領選挙じゃないの?! その支援者軍団でごった返している中を通り抜けなくてはならなかった。 …いや、あえて避けずに自ら飛び込んで行ったのだが(笑)。 みんなが女性候補の写真を掲げて行進している。 へーーーー、フランス人もこんなに熱くなるのかぁ〜と、私にとっては貴重な経験。



フォトジェニック・エッフェル塔


部屋について、一息ついてから、私はひとりでまた歩き始めた。 もちろん、目的地はエッフェル塔。今夜が最後の夜だから…


バスで適当なところまで行ってから徒歩。この日はたまたまなのだろうか、 21時ジャストの点灯をやらず、日没もいつも以上に遅かったため、外での待機時間が長くてつらかった〜。





でも、エッフェル塔はいくら眺めても飽きない…。 これを見ないとParisに来た意味を確かめられない。 それはもしかしたらパンを食べることよりも重要な…? いや、まさか?


 


トロカデロに登り、センターから写真を撮ってみたり、メリーゴーランドと一緒に撮ってみたり、 橋と一緒に撮ってみたり。撮っては消して、撮っては消して、 ひとつとして削れないところまで画像を絞る。エッフェル塔コレクション…。





何度点灯の瞬間をみても、そのたびに「わぁっ!」と悲鳴を思わずあげてしまうのは、 初めてこのまばゆい点灯を見た時から全く変わらない。 きっと、Parisに戻ってくるたびに私は悲鳴をあげ続けるのだろう。





窓に映るエッフェル塔、そこはPLACE DE KYOTO…! そんな場所があるなんて今の今まで知らなかったわ。



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