ITALY3日目(4月28日)

ローマ#3:憧れのヴァチカン市国+旧道遠足+夜景めぐり

憧れのヴァチカン市国へ



ローマに行くことが決まった時、まず思い浮かんだことは「憧れのヴァチカンにいける!」ということだった。 中学生くらいのときに見たミケランジェロの半生を描いた映画を見た時に、 一生に一度、システィーナ礼拝堂にいってみたい! と思っていたが、 人生の前半期に(笑)行けることが決まって嬉しい。最近旅がどうも世界遺産づいているなぁ(笑)


しかし、ヴァチカンは世界でもトップクラスの観光名所。 世界中の人がここをめがけてやってくるから、何時間もの待ち時間はさけられない。 まぁ、実際に来てみれば意外と時間は余るものだから並んでもよかったのだが、 旅に出る前は、お金をちょっと払ってでも、事前予約をして少しでも待ち時間を軽減したいと思っていた。

ヴァチカンでは、早朝でも最低1時間、2時間くらいの待ち時間だと言われているが、 団体予約であれば、個人客よりも先の時間帯に入場できるため、 待ち時間がほとんどないのだそう。今回、パックでもツアーでもない個人客である私は、 ネットでヴァチカン美術館の予約を代行してくれる日本の旅行会社をたまたま知った。


イタリアの旅行会社が、個人客を集めて「団体客」として入場をするため、 待ち時間がいらない仕組みになっているんだそう(ブログにはそういうことは書いてなかったが)。 予約手数料やら入場料やらでかなりの額がかかったが、ここは時間をとった…。 金にモノをいわせて。…節約旅行とは対極のことを選んでいる私です(笑)。


8時集合なので、ちょっと早めに7時前には部屋を出た。 メトロで1日券を買い、最寄り駅であるOttaviano駅まで。 駅の近くのバールで適当にパニーニを買った。





どこへいっても、サンドイッチ類はプレスしてくれ、なんでもパニーニになってしまう。 旅の前にパン友さんがあれこれ情報を寄せてくれたのだが、 みんな概ね「パニーニはどこで食べても美味しい」と書いてくれたが、 「具が厚めだと中まで温まってなくてがっくりすることも」とも教えてくれた。


…まさにこれがそのとおりでしたね(笑)チーズ冷たいです。伸びてません(笑)



 


ヴァチカン市国はぐるりと城壁に囲まれている。 城壁の周りを進むと、人だかりが見えてくる。まだ7時半くらいだというのに、この人だかり…。 たとえ団体客でも、入るだけでも時間がかかりそうだなぁ。


集合時間は7時45分。どうやら集合場所の階段がみつかったので、 少し時間もあるし、バールでエスプレッソでも飲んでいますか。





ヴァチカン美術館入り口の前にあるカフェでクロワッサンとカプチーノを購入。 クロワッサンは少し甘めで(イタリアで食べるクロワッサンはどこのもそうだった気がする。 卵色で、ブリオッシュのような甘さ)わりと美味しい。 初めてちゃんとしたバールでコーヒーを煎れてもらう。 なるほど美味しいけど、立ち飲みカプチーノ4ユーロっていったい? 2人前と間違えられたんじゃないか…。





集合場所には、日本人は一人もおらず、半分がイタリア人、半分英語圏、人フランス人。 まぁ、流れを事前につかんでいるので、言葉が(全く)わからなくてもなんとなくわかるもの。 パンフレットが入場券替わりとなり、私はEという札をもらった。 このEグループで入場するらしい。中に入って注意事項を聞いたらあとは解散だそう。





Eグループの目印を見失わないように、同じグループの外国人さんたちの顔を覚えておき、 なんとかはぐれないようについていった。団体で入場すれば待ち時間はない、といっても、 団体自体がものすごくたくさんいるので(日本人ツアー団体も何組も遭遇)、 少々並んだ感もあるが、おそらく15分程度だろう。個人で来るよりもずっと楽だろう(高いが)。


 


ヴァチカンの中は、あまりの広さに、すぐに迷子になってしまう。 というか、目的の展示物に巡り会わない内に出口に進んでしまってまた戻って…と、 2周した気がする。 システィーナ礼拝堂は最後の最後にあるのだが、 撮影禁止、十分日は高くなっているはずなのにあまり光が入らないので薄暗く、 人々が密集していて、ひたすら上を眺めるばかり。 正直、あまりグッときたわけではなく、私が個人的に圧倒されたのは金ぴかの地図の部屋だった。





延々と金箔の天井画が続き、壁にはイタリアの地図が描かれている。 絵と絵の間、柱、天井、全てに絵が書き込まれていて、絵のないスキマを探す方が至難だ。








一体この美術館を作るのに何人の芸術家が関わったのだろうかとか 天井画なのによくきれいにまっすぐな状態でかけるよなぁとか…。

全然人が入って来ない3階(?)の展示室をどんどんのぼっていくと、 ローマの街を眺められる窓があり、まるでお城の天守閣に登ったような気分。 (このあと、サンピエトロ寺院のクーポラが行列していたので登らなかった。  この時点で窓から眺めていてよかった〜)





わりと駆け足で巡った方だと思うが、2時間くらいはかかった。 もし美術が好きな人なら何時間かかっても見切れないだろうなぁ…。 大聖堂の方も、圧倒的な規模でどれだけデジカメのメモリがあっても足りないなぁ〜。





大聖堂をショット。どこかの外国人さんに写真を撮ってくれと頼まれシャッターをおしたら、 代わりに私も撮ってくれるという。 撮ってもらったら撮ってあげる、というのは観光地での暗黙のルールみたいなものがあるが、 結局、一人旅だからこういう機会でしか自分の写真って撮れない。 この旅でも、結局2枚くらいしか自分が写ってない(ちなみに下の画像は私が自分で撮ったもの。私は写ってません〜)。





なんだかんだで11時半頃に。 サンピエトロの正面の通りにあるバールでジェラートを購入。 ティラミスとレモンだったかなにか。 うむ…やはり昨日食べたGIOLITTIの方がレベルが高いかもなぁ〜。





今夜はローマ最後の夜。夜…といえば、夜景スポットを探さねば! いったいどんな夜景スポットがあるのか、参考資料がない。 そこで、土産屋に行き、1ユーロで小さなカレンダーを購入。 ヴァチカンや、トレビの泉、コロッセオ! よーし、がんばるぞ…




トラステヴィレで食べる激ウマピザ屋






続いて、ローマのカルチェラタン(文教地区)、トラステヴィレへ移動。 40番バスで途中下車し、8番のトラムでノロノロと川を渡る。 緑の街路樹が高くそびえる綺麗なエリアで、とても落ち着く。 観光客はほとんど来ないが、そこまで生活感が溢れるわけではなくショップや病院が学校が立ち並ぶ。 グルメ参考書に載っていた軽食屋さんを探していたら、なんかフツーにパブっぽくてイメージが違う。 昼間でも「酒場」って感じで入りにくかったので、 とりあえずどこかで何か買ってビールでも飲んで…。





そこで、スーパーで水やビールを買いこみ、裏の出口からでると、 隣にテイクアウト専門のピザと惣菜の店があった。





丸焼きのチキンローストについつい呼び寄せられてしまう。 地味だけど、人が次から次へと入り、やたら回転がいい。そしてピザがめちゃくちゃおいしそう!

そこで、ルッコラのピザと、ライスコロッケを買う。ボリュームあるのに意外と安くて節約派には大助かり!





少しうろついていると広場を発見。 子供達を遊ばせている横で話に夢中になるママさんたちや、 近くの病院の入院患者さんらしき、車椅子の老人など、 治安のよさそうなエリアなんだなぁ。





ピザ、うっまーーーい!!! うまいけど、ガリガリバリンバリン、激ハーッド!!! ルッコラたっぷりで、トマトソースの上にリコッタチーズのようなものが塗られていて、 これがマヨネーズのようになってまろやかでうっまーーー!!


ライスコロッケの方も、さらにさらに旨かった〜! サフラン風味のキノコリゾットが入っていて超美味。 今日はちゃんとしたレストランとか入っていないけど、十分満足。ビールもうまいし♪




旧アッピア街道ウォーキング



さてと…ほとんどの観光エリアは見て回った。 残るは…旧アッピア街道というウォーキングコースを歩いてみることにしよう。 この散策コースは、コロッセオのやや南にあるカラカラ浴場を通って、 何キロも続く道を歩くみたいで、ほんとならレンタルサイクルを借りたいところだが、 まぁ途中でバスに乗って引き返すのもあり。歩くだけならお金かからないし(笑)。





カラカラ浴場という巨大な遺跡も入場料を払って中をみるものなのだろうが、 もう遺跡系はおなかいっぱいなので(笑)外観を外から眺めるだけで終了…





第一チェックポイント(?)アルデアティーナ門をくぐり、延々歩く。…ほんと、延々…





なんだかめちゃくちゃ、ひたすら歩いた。歩けども歩けども次のチェックポイントに辿り着かない。 てか、まだここは旧アッピア街道の入り口にすら到着してないんだよな。。。 先を歩く、全身赤スーツの婦人の姿が目につく。この暑さでこの道をただ歩いているのって…なぜ??





いよいよ、旧アッピア街道の入り口の近くまでやってきた。 湧き出る水を飲み、ペットボトルをくみ、少し木陰で休息をとり…また歩く歩く!





さっきまでいたのと同じローマとは思えないほどに何もない道。 クルマは通らない、喧噪から隔絶された道。 田園の中に一本の直線が走り、あとは青空と緑と、たまにぽつんと忘れられたかのようにあらわれる遺跡。 いいなぁ…この道は…。





相当歩いたが、サンカッリストのカタコンベという墓地に辿り着き、あまりの疲労にギブアップ。 あとはこの近くに走っているバスに乗って戻るべし…。





待って待ってようやく来たバス。あっという間に入り口に戻る(笑)。 うーん、苦労して歩いてもあっという間に戻ってしまう。ドミノ倒しだなぁ…。 しかも、全然違うところで降りてしまったせいで、一瞬「ここはどこ? 私はだれ?」状態へ(笑) そこでバスを待つ間に庶民的なバールで食べたスフォリアテッラ(と私が思い込んでいたもの)は、 パイはがりがりにハードだが、中にはヘーゼルナッツチョコクリーム入り。 わりとどこのバールでも見かけるパンである。




ジャニコロの丘へたそがれウォーク



一体今日はどれだけ歩けば気が済むんだろう(笑)。昨日高台からローマを眺めたのに、まだ見るか?(笑) 今度は、ローマを一望できるという、ジャニコロの丘というところへ行くことに。 昼に乗った8番トラムに再び乗り、そこからファルネジーナ荘の辺りをひたすら丘の上目指して登るのである。 この丘の麓のあたりは、若者で賑わうおしゃれなレストランが多くて誘惑が多い…。





サン・ピエトロ・イン・モントーリオ教会の階段。この辺りはフォトジェニックな風景が続き、 おすすめの散歩道…と言いたいところだが、はっきりいって、山登り状態。 さっきの旧アッピア街道で相当歩いたと思っていたら、今度の方がもっと歩く羽目になってしまった(笑)。





ようやくたどりついたガルバルディ広場の展望台…たくさんの胸像が並んでいる。 たくさんのローマっ子たちが夕暮れ時のローマを眺めている。 眺めはもちろんすばらしいが、あれ? ヴァチカンがないぞ? …ああ、どうやら丘の裏側のようだ。…もう歩きたくないんだけどなぁ(汗)





ガルバルディ広場からさらに進んだところから、ヴァチカンのクーポラを見つけられた。 夕日をバックに黒く鳥たちのシルエット。ああ…なんか今頃になって、ようやくローマに来ていたんだなぁという実感…(遅いよ)。







ローマ単発夜景めぐり



そして、そのまま下り、歩いてヴァチカンまで。近くに見えても遠かった、遠すぎた!(笑) どれだけ歩くんだという話。





どんどん日が暮れ、空が紫色になったころ、ヴァチカンのカフェ(昼にジェラードを食べたところ)で、 水だけ飲んでトイレ拝借。ライトアップを万全の体勢でスタンバイ。





Parisとかでもいつもそうだが、日が暮れるまでがあまりに長くて、ほんとに待ちくたびれるのである。 ようやくそして、8時。暗くなってからじりじりとライトアップが始まる。人はまばら。





おおお…!! 美しい!! 来て良かった! いや、むしろ夜の方が!





ついでに、隣のサンタンジェロ城も。 ここと手前の橋を合わせた写真が今日の昼に買ったカレンダーに乗っていたので、 それを真似て撮影してみたが…。結果はばっちりだけど、河川敷は絶対降りない方がいいです!(だれも降りないか(笑)) よいこは私の真似はしないでください。…かなり恐かった、臭かった(笑)。


時計をみればもう21時。22時には帰宅する約束をしていたので、 コロッセオの夜景は諦めよ。ほんとは近くにあるというおすすめのピッツェリアにも 行こうと思ったのだが。



ローマでは、結局キケンなことはひとつもなく(いや、ものすごくラッキーと思っておこう。過剰な警戒は、 していてソンはないから!)、呆れるほどの重装備は空振りに終わった。 それはいいのだけど、どこを歩いても、落書きがひどすぎてそれが残念だった。 こんなに落書きの酷い街は見たことがないよ…。世界遺産だろうと、文化財だろうとなんだろうと… このことは、イタリアを出る最後の最後まで残念だったことのひとつかも。







部屋の近くのスナックバーで、夕御飯としてキッシュ1/4と巨大なスフォリアテッラを購入。 散々歩き疲れたぼろぼろな私は単純にも、親切なイケメンお兄ちゃんに癒されました(笑) キッシュも美味しかったなぁ〜。


部屋に戻り、これから引っ越し。 というのも、今夜から1泊だけ、私はダブルルームのシングルユースから、 隣の部屋に移動して、二人部屋をドミトリー利用をするのである(もちろん、45ユーロ→30ユーロに)。 オーナーさんはまだ到着しないもう一人のゲスト(私の同居人となる人)を待っているのだが、 夕方到着だというのに、一向に到着しないので、待ちぼうけをくらっていた。気の毒…。


その際に、いろいろ話を聞いたが、なんと衝撃の事実! オーナーさんは、なんと、普段はこのホテルのような部屋に「住んでいる」んだそうな!! ここは、1階にフロントがあるように、ホテルのようなレジデンスなんだが、 そこにずっと長いこと住んでいるんだそう、その余った部屋を貸ししているんだそうな! (もちろん許可をもらって)


ひぇーー! ほんとの意味で「間貸し」だったのか…そういうことだったのか… 2部屋あるけれど、客が埋まったら、友達の所に泊まりにいくこともあるんだそう (うーん、この手の話、以前京都でも遭遇したような…)

て、全然生活感ないんですけど? どこに生活グッズがあるの?! 私がなぜそこまで驚いたかといえば、ここがあまりにも、「なにもない」からなのである。なさすぎる! 彼女は究極にシンプルな生活が好きなんだそうで、ほんっとーーーに何も置かないのが好きなんだそう。 そりゃ憧れますが、ここまで何もない生活、私には無理だ(笑)。


まだ宿を始めたばかりで、宣伝のしかたとか、ネットでの予約の受け方とか、 いろいろ模索中のようで、いろいろ意見を聞かれた。 うーーん、とりあえずは、事前に少しはお金振り込んでもらうとかしてキャンセル料はとりましょうよ! と意見すると、 「いきなりお金振り込んでくれたのはあなたが最初ですよ〜ほんとに嬉しかった」 なんだそうな(笑)。あはは…いや、かなりドブに捨てる勢いだったんだけどね、信じてよかったです!!!



というわけで、23時過ぎにようやく到着した同居人。カナダに留学中の日本人の子で、 イギリス、スイス、フランス、イタリア…とヨーロッパを周遊中なんだそうな。 ちょっとマイペースすぎる感じの子だったけれど、しばし情報交換などしながら語り合う。 彼女がシャワーを浴びにいっている間に、私はいつのまにか眠ってしまっていた。


*お世話になった安宿はこちら(現在は値段やシステムが若干改正されているようですので御注意を)*



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