3日目後編:ラスベガス最後の夜〜歩く歩く歩く〜

格安ホテルはサーカス付きのファミリーホテル


ようやく今夜宿泊のホテルに到着したのは15時頃。 ホテルは、ストリップの北の方にある、サーカスサーカスという、ファミリー向けのホテル。 ラスベガスのホテルは週末はホテルの宿泊費が平日の何倍も跳ね上がるのだが、 このホテルだけは、モーテル並みの格安料金だった。 どうせ同じお金出すならモーテルよりもホテルでしょ、と思ってここにしたのだが…。 噂通り、めちゃくちゃ家族連れだらけ、そして客層がちょっとヤンキーかも(笑)。 カジノやゲームやファストフードがたくさん入った賑やかなんだが、 かなーり年季の入ったホテルで、その寂れ方はどことなく卓球台とかある、 温泉旅館的な(それこそ浴衣とぺらっぺらのスリッパが似合いそうな)風情がある…。って、風情か?(笑)


  



ところが、さすがはホテル。部屋はきれいで清潔感があった(とくに水回り)。 とりあえず、動き回る前にこの空腹をなんとかしなきゃ!!  …ということで、ホテル内にあったあの「Krispy Kream」のシナモンロールをとりあえずの食料に! そう、クリスピークリームは、私が昨年のNYCではまり3回も食べたあれ、だ。 しゅるしゅる〜っと甘くて、…甘過ぎるんだけど、 口どけがいいのでいつのまにかなくなっているという恐ろしいドーナツだ(笑)。


さぁ、雪のグランドキャニオンでの服装は脱いで、軽くなってから動きだそう。 最後のラスベガスの夜は、とにかく昨日見られなかった無料ショーを見ること! …それにしても、このホテル、別館やら本館やら、ほんっとに分かりにくい! ホテルを抜け出すのにどれくらい歩けばいいんだか★



昨日オープン! 話題のホテルWynn Las Vegas





サーカスサーカスからずーっと南下すると、一昨日泊まっていたホテル「TI」がある。 その向かいには、超話題の高級ホテル、ウィン・ラスベガスがつい昨日オープンしていた。 そう言えばマスコミみたいなクルマが大挙していたっけなぁ。 なんでもホテル王と呼ばれるウィン氏が総工事費25億ドルもかけて作った超豪華なホテル…とのこと。 他のテーマパーク調のホテルに比べると、そんなに大きい感じもしないし、 地味…な感じもしないでもないんだけど、きっとこれがあまり飾り立て過ぎないことで「高級」をアピールしているのかも? (それにしても、ラスベガスのホテル事情は調べれば調べるほど面白いんだろうなーって思うのだ)


  


一見地味…とは思ったものの、やっぱり中はゴージャス。 でも、天上からカラフルな花が飾られた温室的ロビーは、…一昨日見たベラッジオのそれと似た感じ。 世界のあちこちのセレブもいれば、私のような単なる冷やかし観光客もいれば… とにかくたくさんの客でごった返していた。 超高級ブランドショップのアーケードも…さくさくっと冷やかしで見学。 それにしても、私はこの先、一生こういう高級マダームな世界に縁はないんだろうなぁ…(笑)。





サンドイッチやパン、スイーツをショーケースに並べたカジュアルなエスプレッソカフェを発見。 ここなら私でも入れるかも?! 何も挟まないシンプルなベーグルと、 豆のスープを頼んでおき、テラス席で席を探した。


 


テラスには滝が…。いちいち豪勢なんだよなぁ、ラスベガスのホテルは!  ものすごーく贅沢な場所…。





でも食べているのはベーグル(笑)。エブリシングベーグルは軽くトーストしてあり、 プレジデントバターとフィラデルフィアのクリームチーズ。 そんなに大きくなく(厚みもなく)、無難に…無難に美味しいんだけど、日本でも食べられそうな大人しい味。 4ドル弱だったかなぁ、このホテルだし、安いと取るか高いと取るか? 私は前者かも。 豆のスープ、そう言えばこの手の豆スープってアメリカですごく飲む機会が多い(ほんの数日しかいない私なのに)。 しょっぱくてどろどろっとしていて、あまり野菜っ気はないんだけど…嫌いじゃないんだよなぁ。


ラスベガスはやっぱり夜の町。サンセットをホテルParisのエッフェル塔の展望台から眺めたいので、 まだ太陽の高いうちはショッピングでもしておくのが得策。 私が入り浸っていたのは、ファッションショーという巨大な(巨大すぎる)ショッピングモール。 もちろん、デザートパッセージやフォーラムショップスなどもさくさくーっと回った。 何を見ていたかと言えば…ひたすら「靴」である(笑)。 外国に来て時間があれば、私はひたすら「靴」ばかり探している。 25.5センチのでか足女にとっては、欧米旅行は、実は「靴の買い付け旅行」でもあるのだ(笑)。



Parisエッフェル塔から望むベラッジオの噴水ショー





ホテルParisのエッフェル塔は、その「足」が、1階部分のカジノの天上を突き抜けている。 展望台へ登るには、中のカジノを通り抜けエスカレータで二階へのぼる。 (というか、ラスベガスのホテルは、どこへ行くにもカジノを通らせる設計になっている…)





展望エレベーターでぐんぐん上へのぼっていく。 ここのホテルの特徴なのだけど、挨拶がフランス語なのが嬉しい。 エレベーターを動かすホテルマンのボンソワーの挨拶に、私はやっぱりフランスが好き〜とむずむずしてくるのだ。 それにしてもこのエッフェル塔、どんなハリぼてかと思いきや、すごく良く出来てる…。 高さこそ本物には及ばないだろうけれど(実物の1/2の高さ)、色合いも同じだし、なによりちゃんと丈夫だし(笑)。





夕日に照らされたラスベガスの街。ネオンやテールランプがともり始めている。 風は思ったよりも強くもも冷たくもなく、しばらく眺め続けることを許してくれる程度だった。 そして、眼下のベラッジオを見下ろして、一昨日見損ねた無料の噴水ショーを今か今かと待ちわびた。





音楽とともに、光と水の柱が一斉に立ち上る!! そして一斉に歓声が起こる。 これがベラッジオの噴水ショー! 上から見るのもまたいいもの! (もちろん、後で下からも眺めた) ラスベガスに来てもう3日経つけれど、ようやくこれで「ラスベガスに来たー!」という実感、わいてくる!

同時に、もうこれで「ラスベガスで思い残すことはない!」とすら思ってしまった。 …いやいや! まだまだ夜はこれからだってば。





ネオンの街に変わるラスベガス。さぁ、下に降りよう。





ちょうどParisの前で、大道芸をやっている青年がいた。 ゼンマイ仕掛けの人形の芸なんだけど、これがすごーく上手で、ついつい時間を忘れて眺めてしまった。 チップもおいて来た。そう、どことなく日本人に見えるんだけど? 違うかな。



ごはんまた食べ損ねてニューヨークニューヨーク





とあるサイトでホテルNYNY(ニューヨークニューヨーク)のフードコートのクラムチャウダーとサワーブレッドが美味しい、 という情報があったので、それ目当てで行ってみた。 昼間はハリぼて感の否めない安っぽい色彩のNYNY(失礼っ)も、 やっぱり夜のライトアップになると、摩天楼も迫力が全然違う!






50年前のマンハッタンをイメージしているらしいのだけど、 セントラルパークやウォール街をイメージしたエリアなんかもあり、カジノの雰囲気はなかなか活気があってよかった。 で、肝心のフードコートなのだが行列が出来ていて、とてもすぐ入れる感じじゃなかった!  今はまだそこまで腹ぺこでもないんだけど、このまままた食べ損ねてしまう気がするなぁ…。 食べようと思えばなんでもいいはずなのに、「これ!」って決めたものに遭遇しないと、 そのまま食べなくてもイイやと思ってしまう、なんとも融通の効かない私のお腹(笑)。



TIでリベンジ無料海賊ショー


一昨日、強風で中止になってしまって見損なってしまったTI(トレジャーアイランド)の海賊ショー「セイレーン」。 せっかく一昨日はこのホテルに泊まっていたと言うのに、結局わざわざ来て見に来る羽目に。 NYNYはストリップの南の方にあるのだが、TIはかなり北の方。 ストリップ通りは一直線であり、歩けなくもないのだけど、 ホテルのひとつひとつが巨大すぎて、隣のホテルへ移動するだけでもめっちゃ時間がかかる。 かといって、バスに乗るのもあまり便利じゃないのだ。 バスが来るまで時間がかかるし、お客の乗降に時間がかかるし、それじゃ歩っちゃった方が…と思う。 結局TIまで歩くんだけど、底が薄くなってしまっている靴のせいで足が痛い!  そりゃそうだ、今朝はグランドキャニオンで裸足でずっと歩いて(走って)いただんだもん!





TIの前では、無料ショーを待つ人でごった返している。 いい場所から見るなら、30分前から場所を確保していなきゃならない。 これがほんと大変…。寒いし、足は疲れるし、一昨日みたいに突然「中止です」なんてことになったら私は泣く!(笑)


10時、ようやくショーが開始! ホテルの前にセットされた海賊戦に注目!!  内容は、男だけの海賊船が、美しい精霊たちの船に誘惑され、拉致られるという内容(?)。 セクシーな格好をしたダンサーたちがくねくね踊っているんだけど、 ちょっと中途半端な踊りで(そりゃ、あんな足場の悪そうな場所で踊るんだからすごいかもしれないが)、 …大部分はただのお色気ショーである(笑)。 正直言うと、もっとアクションがあるものかと思ってたのだが(笑)。


 



ところが見せ場は後半。飛び散る花火、水しぶき、豪快に炎上する海賊船!  す、すごーーい! 風が強い場合は中止…というのは納得だわ!  だってこれ、ちょっと間違えたらホテルに引火しそうだもの。  あー、今夜は泊まってなくてよかった(←って取り越し苦労だってば)。 これを毎晩3回ずつ、火薬を詰め直して、セットを直して整えて、…とやっているとは…感服!

とにかく、お金のかけ方が他の街とは全然違うのがラスベガス。ホテルの客寄せとはいえ、こんな大掛かりなショーすら無料なのだ。 遊び方次第では、ラスベガスほど、お金をかけずに楽しめる街はない…という噂は本当だ!!



ストラトスフィアタワーでラスベガスと別れの夜景


1時間くらいTIのショーを見るためにずっと突っ立っていたので、足はもう感覚がない。 …しかし、私はまた北上を続けた。ストリップ通りの北のはずれにあるストラトスフィアタワー。 ここからの夜景を見てラスベガスの夜を締めようと思ったのだ。 ストラトスフィアタワーはラスベガス随一の展望タワーがあり、遠くからでもその存在がわかるランドマーク。 目指すそのタワーは近そうに見えて実は結構距離があり、歩けども歩けどもなかなか着かない。 薄っぺらくなってしまったシューズがダイレクトに足の裏に響き、痛い…痛い…さすがに泣きそう。





自分が泊まるサーカスサーカスも通り超え、ようやく辿り着いたのは0時ちょっと前。 受付までぎりぎりセーフというところだった気も。108階までエレベーターで登り、 そこから階段で109階の屋外展望台に降り立つ。







(ちょっと画像加工で明るくなり過ぎたが(笑))宝石箱をひっくり返したようなきらめく光が一面に広がっていた! どんな街でも、夜景を見る時が一番好き。「この街に来た!」という気持ちと、 「この街とお別れだ!」という気持ちが交錯する。そう、今夜はラスベガス最後の夜なんだ…。






(ぶれて何がなんだがよくわからない画像だが)このストラトスフィアタワーはアトラクションがあって、 ビックショットと、ハイローラーという絶叫マシーンがある。 ビックショットってやつは、そう、フリーフォールみたいなもの。 タワーのてっぺんの塔から打ち上げられて、落下する。…もう少し若かったら乗っていたかも(笑)。 もうひとつ、目の前にはハイローラー。ローラーコースターが夜景の中に突進するかのように進むのだ。 そして途中でストップしたり、また動いたり…ひえーー見ているだけで肝が縮むぅぅ。





ストラトスフィアタワーの中のプレッツェル屋さんで、焼き立ての美味しそうな匂いにつられ、 ついつい買ってしまう。…そう! 私は今夜も食事をし損ねていたのだ。つくづく今回の旅行は空腹との戦いだなぁ(笑)。 サラミとチーズが焦げついた焼き立てのプレッツェルは美味しかったーー♪ もちろん全部は食べきれなかったけど、これできっと今夜はゆっくり眠れる。…疲れと満腹感で。 タクシーでホテルに戻り、腫れた足の裏をマッサージしながら浴槽に体をしずめていった。





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