Paris6日目(9月21日後半)

6日目後編:アルザス・サバイバル編

〜再びストラスブールでランチ&ナンシー途中下車〜

ストラスブールで食べたい名物料理Baeckeoffe!


駅からホテルに戻り、濡れた体をシャワーで軽く温めてから部屋を出る。 フロントで滞在税0.7ユーロ支払って問題なく去る…ほっ。 11時11分の列車に間に合うように早足で行くも、 詰め直した荷物は予想以上に重くでそれはそれは過酷だった! キップ売り場では今にも列車が到着するのではという時間との戦い。 「早くしてぇぇ〜」とつぶやきながらやっと自分の番!! とにかく焦っていたので、往路よりも高い値段だったことにもあまり気にも止めずにホームへ! …列車は遅延していたので、冷静にキップを見直してみると、ぎゃああ、往復キップを買っちゃったじゃないのっ。 どうりで10ユーロも高いわけだ。慌てて窓口に戻ってかけあってみたが、 刻印を押してしまった後では払い戻しが効かないらしい。がちょーん…。 またまた失敗。この旅何度目かの失敗列伝にしっかり刻まれてしまった…。


 



30分遅れて列車は到着、12時過ぎにストラスブールに戻って来た。 カテドラルの方へ向かう市街地では、数多くのパティスリーを通りかかる。 どこも美味しそうだなぁ…いちいち足を止めては覗き込み、唾をごくりと飲み込む東洋人(私)。 画像左の店はWINTERという店なのだが、後でCafeSweetsにしっかり載っているじゃないの。 こうなると「寄っておけばよかったー」と悔しくなる、ミーハーな私であった。


さぁ、昼飯昼飯〜!! とりあえずとにかくBaeckeoffe(ベッコフ…アルザスの名物料理)が食べたい!! そうすれば心置きなく私はアルザスを去れるのだ。 で、どこで食べるか、だ。 昨日も気にはなっていた町の一番の名物レストラン、カメルツェルはどうにも高い。 ベッコフは22ユーロ。いたずらに高い気がするなぁ…観光客向けって感じでなーんかね(笑)。


WINSTUB(ワインパブ)のマークがあるお店はワインと料理が美味しく食べられる店の目印だという。 かつ、ベッコフが食べられそうなところ…。 一軒、カテドラルの裏通りの端にあったこじんまりしたレストランに入ってみた。 中には年輩層の客が多く、タルト類がいきなり目に飛び込んで来た。 すんごくよさげな店♪ …しかし、席に着いてカルトに目を通してみたが…あぅっ。 ベッコフがないぃぃ〜。す、すんません、またにしますーーと荷物をまとめてそそくさ退散。←またって何時だ(笑)。


 


そこで、近くの適当なWINSTUBに入ってみた。 カテドラルに近く、いかにも観光客ターゲットという気もしないでもない。 (って、あんた立派な観光客だろ、という天からの突っ込みが聞こえる…) なんかありきたりのブラッセリーという感じで…全然期待もしなかった。 なんせ、出されたパンが旨くない!!  リースリングはカラフェで注文した。 行く店で決まって出される、このアルザスのワイングラス、 すっかり気に入ってしまったこのグラスで飲むリースリング。 なるほど、辛口ですっきりしている。こってりした食事にはこういうのがあうんだろう。 昨日飲んだヴュルツトラミネールのような、素でも飲みやすいワインの方が好みかな。 でもまたひとつアルザスのワインの味をひとつ覚えた♪





出されたベッコフは、かわいいアルザスの容器をまるごと焼いたもので、容器まで熱々。 ジャガイモがたっぷり、そして肉がごろごろ〜!  ラムかマトンか、道産子の私にとっては懐かしいような臭いが鼻をつく。 一目見て、「これはまさしくモロ自分好みの料理だ!」とわかった。 肉は豚、牛、羊が入っていて、どれも区別なく(単に私の舌が青いだけ)めちゃくちゃに旨い〜!!!  にわか肉食獣となり無我夢中で食べた。 すごい量だし、残すかもと思われたじゃがいももほとんど食べつくした。 じゃがいもとにんじんとネギが、イイ感じに煮崩れし、肉の出し汁が美味〜。 これ、例えるなら「リースリングで作った豚汁」というところか(笑)。 ダイコンや白菜なんかが入っていても全然違和感なさそうな勢いだ(笑)。 人通りのある通りのテラスで旨そうにがっつく東洋人(私)は、通りがかる観光客の視線を浴びていた。





食べたぁぁ〜! ほぼ完食! ごちそうさま〜!  大満足で店を後にした。

(*お店の名前はわからないけれど…カテドラルの付近をうろちょろ歩けば見つかります(笑))



食後は老舗ネゲルの悶絶タルト・オ・ポンム!





昨日は定休日で諦めたネゲル、ここに来ればアルザスのお菓子が網羅できる、という。 とはいえ、私の胃袋は一個、しかも今は肉やらじゃがいもやらで満タン中。 厳選して一個だけを選ばせて頂くっ!





パンだらけな店内。どちらかというとパンの方が幅を占めているような気もした。


 



アルザスに来ているのに、結局私はこれを選んでしまっているのだ…バカの一つ覚え?!  タルト・オ・ポンム。フランスに来て、リンゴもののパンは全戦全勝だからだ。 店内のスタンドに腰かけてかぶりつく。…もう、もうもうもう、期待通りの、 全く求めていたそのまんまの美味しさ! ある意味期待通り過ぎてつまらないほどに〜!(笑) シャキシャキとした歯ごたえの残る焼きリンゴと、下に敷かれたたっぷりのピューレが甘酸っぱく、 極め付けにパイまでが旨い〜!! あぁぁ〜デザートは別腹とはこのことなのねん。 やっぱりポンムは私を裏切らない! 結局、乗り込んだ列車の中ですべて食べ切ってしまった…(予定外)。 あぁ、次に降りるナンシーで何も食べられなくなっても知らないからぁ〜!!


Neagel

9,rue des Orfevres 67000

Strasbourg

日、月休み



ぶらり途中下車の旅〜ロレーヌの都市ナンシー〜


こうしてバタバタとアルザスを立ち去った。 たった2日だったけれど、この2日間は今回の旅の中では一番インパクトが強く、 スリルも、美味しさも、見るものの新鮮さ、全てにおいて私のテンションが高かった。 Parisはもちろん楽しいのだけど、やはり同じところにずーっと何日もいると、 だれる。そう、だれるのだ。今回の旅の前半は確実にそうだった。 その分、このアルザスでのひとときはこの旅の要、メリハリとなっていた。本当に来てよかった…。


Parisまで帰るには5時間くらいかかるのだ。さすがにそれはしんどいので、 途中下車してリフレッシュ。これも、友達からコピーさせてもらったフランス地方のお菓子巡り本に しっかりルートが書かれていたのだ。お菓子巡りに関してはとことんマニュアル頼りだわ(笑)。 そうそう、Nancyといったらキッシュロレーヌ! 絶対食べて帰るぅ〜!





ナンシー行きは14時36分発。15時47分着の便を押さえる。順調順調! もう失敗はしたくないから、 ナンシー到着後はすぐにParis行きのチケットを押さえた。帰りの時間に拘束されてしまうけれど、 出発直前にキップ売り場の長蛇の列が出来ている方がもっと危険だ。リスク回避! 順調順調!





アール・ヌーボー発祥の地というナンシーの町並みは、ちょっと色褪せたParisという感じだろうか。 駅前の門をくぐり抜け、まっすぐ下って行くとスタニスラス広場に出る。 ゴージャスでロココ調な広場…のはずが、なんと工事中。あちゃー、なんだか冴えないなぁ。




ゴーフルロレーヌのミラヴェル&ヴェルガモットアイス





ここはマニュアル通り(笑)、スタニスラス広場にあるゴーフルロレーヌのアイスを食べておこうか!  ごく普通のアイススタンドという感じの店構えのこちら、 いかにもナンシーの味、という感じのヴェルガモットに、ミラヴェルをダブルで。 …どこへ行っても今回ミラヴェル尽くしの旅だわな。





上に載っているのがミラヴェルだった…ということは、下になっているヴェルガモットに行きつくまでわからなかった。 なぜなら、サンルイ島のベルティヨン(Paris2日目参照)で食べたミラヴェルとは印象が違って、 こちらは果肉たっぷりでシャキシャキっとしたとても爽やかなソルベだったからだ。 こちらの方がずっとミラヴェル好きになれそうな気がする(笑)。美味しい〜♪





ようやく登場、ヴェルガモットの方は、まさにアロマテラピーのヴェルガモットオイルの香りそのもの。 余談だが、私は卒論でアロマテラピーをテーマにしたことがあって(たいしたことはしてないが)、 その時に散々ヴェルガモットの香りをかんでいた歴史あり。だからこのソルベに苦笑い(笑)。 手作り風の薄いゴーフルと一緒に食べると美味しい。



 



街を散策。教会ではオルガンが弾かれていた。 しばし座り込み考え込む。練習中のようだが、それだけで目頭が熱くなる。 街をひと通り歩きながら、胃が消化不良を起こしている上に荷物が重すぎ!! 公園のベンチなどで休み休み歩く。 …なんか、歩くたびに疲弊していく私だった(笑)。



ナンシー名物土産調達〜ポスター、マカロン、ヴェルガモットキャンディ〜





これもまんまマニュアル通りに動いた結果なのだが(笑)、 観光案内所にはナンシーオリジナルのポスターが売られており、ひとつ6.1ユーロだった。 ビールとミラヴェルのポスターを購入。ちゃんとカートに入れてくれるのが嬉しい! (*でも、せっかく買ったけどどこにどう貼ればいいのか分からず、まだ家では丸まってカートに入ったまま…)


 


こうなったらとことんマニュアル頼りだ。メゾン・ド・スール・マカロンは地味な街のお菓子屋さんという感じなのだが、 日本語の看板もあったりする。日本人は必ずここに寄らなければならないらしい(笑)。 とにかくパッケージがかわいらしいこちらのマカロンとヴェルガモットキャンディー。 これは会社のお土産にしてしまおう。





(*帰国後、会社で開けてみた…の図。ものすごーく軽い卵白のシンプルな味わいなのだけど、 最初の一口は地味なんだけど、徐々に美味しさがアップして終わりの一口にはかなり美味しくなっている、スルメなお菓子だ。 ちなみにヴェルガモットキャンディーは…そのまんまヴェルガモットの風味がする(笑) そもそもヴェルガモットの香りって、芳香剤の香りっぽい気がするんだよね…って言ったら怒られるだろうか(笑) 外国の駄菓子って感じかな)


Maison des Soeurs Macarons

21 rue Gambetta 54000 Nancy

日曜定休


 



だいぶ駅の前まで戻って来た。 駅の真ん前にある、オ・ドゥシェ・ド・ロレーヌはロレーヌ地方の伝統菓子をそろえる老舗。 向かいには日本でもおなじみのFLOがある。 デパ地下にはよくあるFLO、日本でもキッシュは売っているし、きっとここならキッシュはあるに違いない。 そう予測をして私はオ・ドゥシェ・ド・ロレーヌに先に寄ることにした。 ウィンドウを覗くと、アメリで紹介されたことがあるのか、写真が飾られている。 お店のおじさんもおばさんもすごい親切で、「アメリは知っているかい? 出たんだよ」 「何か探しているのかい?」「どこから来たのかい? ほう、東京かい」  商品もひとつひとつ丁寧にラッピングしてくれて感激! 観光客慣れした店って、逆に観光客に親切なことも多いので助かる時が多い。 ここでは名物のミラヴェルキャラメルとヴェルガモットキャンディー(またか!)。 とにかくここの菓子箱、缶がものすごーーくかわいらしくて、それ目当てに買ってしまった。 …だれかに中身を食べてもらわなきゃ(笑)。





(*というわけで後日、人様へのお土産に。…でも人として箱はもらって帰る…ことはできず、差し上げて来ました(笑) しかも「捨てんなよ、絶対捨てんなよぉぉ」と念を押し(←もらう側はいやだろうなぁ(笑)) このミラヴェルキャラメル、美味しかった〜♪ ヌガーとかハイチュウとか好きな方はどうぞ?)


Au Duche de Lorraine

47 rue Henri-Poincare 54000 Nancy

日曜の午後定休



私はキッシュを食べにナンシーに来たのに?! キッシュをめぐる大失敗


18時35分発のParis行きの列車まで時間は1時間ある。 キッシュを食べるには十分な時間。まだまだ消化不良で苦しいけど、 駅前のFLOに入ることにした。


 



ここのFLOは、アールヌーヴォーの非常に重厚なサロン。 サロンドテとしてはもちろん、フランス料理も楽しめる。 こういうカフェ、すごく好き…なんだが、ものすごい荷物を抱えた汚いナリをした自分が、 あまりにこの店に合っていないということは自覚していた。 でもでも…入れてください(笑)。もう店探すの疲れたんです(笑)。 イケメンギャルソンはとても親切にこのホームレス的大荷物な私を快く案内してくれた。


しかし…なんで?! なんでカルトにキッシュがないの?! ここ、FLOでしょ?! 池袋東武の地下にだってキッシュくらいあるわよ、 なのにキッシュロレーヌの本場のナンシーでなんでないのよーーー!


 



しかしもう立ち上がるのも無理だったし(笑)、仕方なくLeffeを注文。 腹一杯で消化不良の時くらいビール飲むなよ…と自分に激しく突っ込むも、 コーヒーも飲みたくなかったの…。うぅぅ、胃が膨れる…。くるちい。 そして、オリーブ2粒摘んでそそくさ退散。早くキッシュが食べられる店を探さないと! 時間がない!!


L'Excelsior Flo

3 rue Mazagran 54000 Nancy

7h30〜24h30 無休



駅の周辺を走り回るも(荷物が重くて胃が重い。二重苦!!)めぼしい店がない。 駅の右手はごく普通の都会の街だった。トラムも走っている。 …あ! なんか洒落たカフェを発見…と駆け寄るも、なんだ、PAULじゃないか。 だめだめ、PAULじゃっ。なんのためにNancyで途中下車したのか全く意味不明じゃない!



…だめだ…。

タイムアップ。これ以上探していたら汽車に乗り遅れてしまう。 駅にやむなく戻る(悪あがきで駅のコーヒースタンドとか覗いてみたがキッシュはなかった…)。 無念だ…無念だが…。結局、駅の中にもあったPAULでキッシュを買うことに(笑)。


 



ベーコンとホワイトソースとチーズの、少し塩辛いキッシュだった。ちょっと脂っぽいかな。 そこそこ美味しいのだけど…違うってばぁ〜! こんなはずじゃあぁぁぁ。

(*結局このキッシュはだるい胃が受け付けず、半分だけ食べて残りは帰国後、自宅で焼き戻されて食べられることに…なんと3日後!(笑))


Paris行きの車中、ものすごく気分が悪かった。 近くの席の人の濃い香水の臭いがずっと漂っている「喫煙車」。 胃がむかむか…食べ過ぎってことはないと思うが…これは乗り物酔い?!  21時40分ころParis東駅に到着。長かったーー!  あまりにヘビーな荷物を抱えて、BABYLONEまで帰るのは本当にしんどかった。 1日予定を早めてよかった…。そうでなきゃ、これから帰国の荷造りをしなきゃならなかったのだから。




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