Paris1日目(9月16日)

ソウルトランジットでParis到着

失敗列伝はここから始まる…出発は15日の成田前泊


大韓航空のソウル経由のトランジットは、朝早い。離陸は9時30分だが、 なんと7時30分に成田集合だと言うのだ。それまでチケットは手元にはもらえない。 その時点では「じゃー今回もまた始発で出発かー」などとタカをくくっていたが、 自宅からはそれでよくても、日暮里から成田までの便がない! 一番早い列車で7時30分を過ぎる到着のようだ。 これは大誤算で、成田前泊するのがリスク回避のようだ…どうも私は飛行機に乗り遅れるというハプニングを過去何度もしているのだ…。 いくら安くしても前泊してりゃ世話ない。


少しでも安くと、会社の複利厚生施設のホテルを予約。 この方法だと、手続きに時間がかかるので出国の前々日にクーポン券が到着した時には 「毎度の事ながら進歩のないやつ…」と自分を呆れ返る。 でも、案外この前泊というのもなかなか面白いじゃないか。すっかり楽しんでいる私だ(無反省…)。


会社を定時に退社し、家に一目散で帰宅してお風呂に入り、最終支度を整える。 10時半には成田に着くように8時半に出発。 今回も、行きの荷物は軽い。エスカレーターのない日暮里乗り換えもなんとかクリア。 さて…今回はどれくらい重たくなって帰ることだろう。


成田のホテルへは、駅からは乗客3人しか乗っていないフリーバスで。 成田には高級ホテルが多いようだ。グアムに行った時を思い出す… なーんにもないのに、ホテルだけは妙にぼこぼこある、みたいな。 宿泊したホテルは前時代的なものだった。それこそ、外国の安いホテルのような感じだった。


ホテルでの目覚めは良好。朝食のビュッフェは思いのほか良かった。 パンはキャラウェイ入りのものがあったり、フルーツにはイチジクやプルーンのコンポートまであったり! たぶん、そのへんのシティホテルにひけをとらない内容じゃないだろうか。 …雰囲気であまりに損しているのだが…。



成田ソウルでトランジット …そして最悪のトラブルが!


 


空港に到着後はわりと時間が早く過ぎて行く。あっと言う間のフライト時間だ。 正味1時間半程度のフライト、国内線レベルの短さだと言うのに、 機内食も出る。ドリンクも出る。なんて忙しさだろう。 韓国ビールは限り無く日本のビールに近い。 カニかまぼこと枝豆とマッシュルームのあんかけごはんにパン、マルハのフルーツゼリー(笑)。 ごはんは具の取り合わせが微妙なところだがかなり美味しい。 朝早かったので、ばっちり空腹。ぺろりと完食。 パンは…世界どこの機内食でも決まって出されそうなソフトでパサパサのバターロール(笑)。


あっという間にソウルに到着。トランジットの待ち時間はもう残り1時間ちょっとなのでゆっくり免税店を見ている暇はないかも?! なにせ、この空港はあまりに広すぎる。成田とは雲泥の差。行けども行けども端っこが見えない。 それなのに、一番端の方まで散策し、いつも使っている化粧品を購入。 ネットを10分だけ閲覧し、ペットボトルの水をカードで購入(韓国貨幣を持ってないので)。 1時30分の搭乗なら、10分に行けば間に合うだろう。そう余裕をかましていた。


ところが! 搭乗ゲートで青ざめる。搭乗券がない!! たぶん、DFSで化粧品を購入した際に返してもらいそびれたか、あるいは…。 急いで購入した店まで全力疾走で走った。あぁ、なんでよりによって端っこの店で買ってしまったのだろう?! なんてこんなに広いんだ、走れども走れども全然着かない!! もう1時10分回っている!!


しかしDFSには搭乗券はなく、店員も「確かにお渡ししましたよ…」と、 周辺を一緒に探してくれたが見つからなかった。 とにかく搭乗口に戻るしかない。本当に全力疾走で走り続けた。1時20分!! 全員韓国人のスタッフで、大混乱した私は適切な英語も浮かばない(もともと片言の英語すら話せない私だ)。 手ぶり身ぶりでチケットがこの空港の中でなくしてしまったことを必死にアピールした。 でも、イマイチ伝わらないらしい…。


絶対絶命! と思った時に、日本人の女の子が通訳をしてくれた。 とにかく、荷物をもう一度探すように指示された。 当然見つかるはずもないが、一生懸命探している姿をアピールした。 汗が滝のように流れている。新陳代謝の悪い私は顔に汗をかくなんてことないのに。 体中がジムで2時間運動した後以上にびっしょり濡れている。


その間、どうやら発券手続きをしてくれているようで、 書類にサインを求められた。 ハングルしか書かれていない書類、まったく読めない呪文のような字面を前に、 「日本に来た外国人」の気持ちを体験した(笑)。さぞ心細いだろうに…と。 全部片言英語で、「氏名」「生年月日」…など、聞き直した。 いったいなんの書類にサインしたのかわからないので、あとで巨額の請求書がくるんじゃないかとヒヤリものだ…。 とりあえず、飛行機に乗れただけでも幸運だと思おう!!



大韓航空名物、機内食はビビンバ!


KOREAN AIRは、意外と足元のスペースが広く、これまで乗って来た国際線の中では一番ゆったりしていた。 トイレには、アメニティも充実している(歯磨きセットまで!)

そして今回、大韓航空にした理由の一つが機内食だ。 ここの機内食は、なんかのコンテストでも賞を取ったほどの評判のイイものなのだそう。 なんと、ビビンバが選べるのだ。





待ってました、噂のビビンバ!

 

 


特に説明がなされなかったので周りの韓国人の人の様子を見ながら、真似してみる。 レトルトパックのご飯をナムルの器に移し入れる。レトルトとは考えたものだ…賢いな。 コチュジャンとゴマ油は別添えで、まぜまぜして食べる。





そのまんま食べたらナムルもご飯もなんも美味しくないのに、 ゴチュジャンとゴマ油を加えただけでいともあっさりうまいビビンバに変身! これは面白い! お味は確かに機内食…だけど、B級グルメ賞を進呈したい!(笑)


一眠りした後、スクリーンで映画をみる。吹き替えは韓国語しかないが、字幕が日本語である。 奇しくも、映画はNYCを舞台に、大寒波に襲われる人々の戦いを描いたday after tommorow。 5月に行ったばかりのNYCの公立図書館が舞台になっていたりするわけだから、めちゃくちゃリアルに感じる…。




ディナーは魚料理にしてみた。メカジキだろうか? これをプロヴァンス風にした感じの料理だが、 これもかなりウマい。機内食って、空腹で食べるからなおさら美味しく感じるのかなぁ。 (というのは、帰りの便でくつがえされるのだけど(笑))



一期一会な出会い、いろいろ


ここからが長かった。映画も見ないで、眠るか、Parisのガイドやパンの本を読むか…。 そろそろ着く、というころに、隣の席に座っていた韓国人の男性が声をかけて来た。 10歳くらいの息子さんと一緒に乗っている。 流暢な日本語は、幼いころに日本に住んでいたことがあるたまものらしい。 それにしても立派な息子さんだなぁ…オトナでも暴れたくなるような12時間ものフライトに、 大人しくいい子で過ごしているなんて。


このパパさんが機内で読んでいたのは「海辺のカフカ」の韓国版だった。 そして村上春樹の話題で盛り上がる。 私もこの作家の小説はほぼすべて、しかも何度も何度も読んでいる。 なので、話がいろいろと盛り上がってしまった。 「風の唄を聴け」が一番空気感が好きだったとか(パパさんの見解)、 きゅうりのサンドイッチを手作りしたりなんて、登場人物の男が決まってかっこよすぎるとか(私の見解)、 女性に対して、一見優しさを見せるのにどこかクールな距離の取り方が相手を寂しくさせるんだよね、とか(共通見解)。



ようやく着陸、フランスに入国!!

寒いと思って厚着を準備して来たのに思った以上に暖かい。参ったなぁ。 到着の電話を宿泊先に入れようとしたら、ソウルでチケット紛失騒動の時に通訳してくれた女の子と再会。 彼氏が迎えに来るから電話をかけたい、ということで、テレカを貸してあげた。 その間、彼女の荷物もとってきてあげたりと、ここで借りを返す私(笑)。 しかし、彼女はあまりに問題のある服装をしていた…。 胸元がぱっくりあいた本来重ね着すべきようなニットのキャミソールをノーブラで着ている。 しかも色は白! 何度も「モロ見え」してしまった。あわわあわわ、留学生活が長いらしいんだけど、 ちょっとそれは開放的すぎです!! おねーさんは心配です! と妙な老婆心を抱く私だった。



部屋に到着、1年ぶりの「我が家」


平日の夕方6時台に到着したので、道路は渋滞だろうと思い、RER(国鉄)でParisに入った。 St-Michel駅で下車し、地上に出てタクシーを捕まえようとしたが、一向に来ない。 どんどん暗くなってくるParis の街。不安になるということもなく、 ただ、久々のこの空気を、ぼんやりと吸っていたいなぁという気にもなっていた。


仕方がないのでメトロで部屋に向かうことに(もちろん、荷物が重いのでこれは難儀である!)。 最寄り駅のSEVERES-BABYLONEに着いたのはもう9時過ぎ。 でも、どんなに暗くなっても、どの出口で出ようとも、部屋までの道のりは体がしっかり覚えている。 そう、私は帰ってきたんだ、この街に。 懐かしい店たちを横目に、部屋に到着。


ラッキーなことに、引っ越し先(隣の部屋)の人が早めに退室することになったので、一日早く引っ越しできることになった。 ということは、心配していたアルザス行きも一日予定を早めることができるのだ!  部屋で鍵の受け渡しを必要とする「引っ越し」のせいで、アルザスは日帰りしかできないかも、という不安があったのだ。


隣人の女の子が、夜遅くまでやっているアラブ系の店を教えてくれた。 本当はもう疲れて外に出る気もなかったのだが、ありがたいので行ってみることにする。 ホコリのかぶったヨーグルトとコントレックスとトマトを買う。 いよいよ、Paris8日間が始まったのだ。


余談:失敗は到着後、お風呂に入った時に気が付いた。 爪を切ってくるのを忘れたーー!(笑) シャンプーの時にすっごくいらいらするんですけど、これ…。


Paris 2004 TOPNEXT DAY