83.最後のムーンライトながら名古屋ぱぴ・ぽん・でんの旅
83.最後のムーンライトながら名古屋ぱぴ・ぽん・でんの旅
恒例の名古屋詣で。
まぁもちろん目的は行きつけのパン屋「ぱぴ」「ぽん」に行くことだが
ひとりパン友を旅の道連れに、ひつまぶしも「静岡おでん」も食べてしまおうという企画。
そう、「ぱぴ・ぽん・でんの旅」リターンズである。
*過去の名古屋旅についてはSITE MAPの「中部」からどうぞ*
*05年冬ぱぴ・ぽん・でんの旅はこちら*
いつも18きっぷを使って、夜行の「ムーンライトながら」に乗り、
その日のうちに帰ってくるのだが、何かとトラブルの多かった「ながら」の旅は、、、
もしかしたら今回が最後かも知れない。
07年3月18日(つまり明日)のダイヤ改正のせいで、
東京発の下り「ながら」の発車時刻が30分早まった
+
大船から小田原まで停車駅がなくなった
↓
小田原までの乗車券が別途かかってしまう
そのため、
2300円(18きっぷ1日分)
+
「ながら」指定席510円
+
小田原までの乗車券1500円程度
↓
4300円くらいかかってしまうことになる。
バスの方が遙かに快適であり、
安さだけがトリエの「ながら」移動のメリットがなくなってしまうのだ。
ほんっとに「ながら」の旅はロクなことがなく、
前々回は堆肥の中に埋没したかのような悪臭に冒され(DIARY2006年8月2日参照)、
前回はイカレタ翁さんに殴られたりと、、、(前回の名古屋旅はこちら)
今回は今回で、喫煙車しか席は取れなかった上に
通路で立ち席の若造どもがべちゃくちゃ一晩中喋り続けるせいで、
…やっぱり「ながら」は眠れないっ!
さんざんワルしたけど〜
あたいももう若くないしぃ〜(元スケ番風に。。。)
堅気に戻る時期よネ。。。
「ながら」は卒業かナ。。
*
名古屋に到着したのは朝の6時ちょいすぎ。
毎回書いているが、名古屋の朝はイマイチ過ごしにくい。
朝からやっている銭湯はなく、早くても8時くらいからだ。
パン屋さんもわりと朝は遅めなのだ。
以前、名駅から地下鉄で10分くらいの今池駅から徒歩圏の
スーパー銭湯が8時からなので、8時まで近くの喫茶店で
モーニングでもいただきながら待機しようということになった。
すると、たまたま偶然、今池の駅のすぐ上に
わりと新しめのスパを発見!
朝なら1600円のサービス価格、タオルも館内着もシャンプー類も全部揃ってる!
もちろん仮眠室もあるから少しここで睡眠チャージ。
おおおーーーこれはつかえます!
今度から日帰り名古屋旅はここを使おう、手ぶらで来よう。。。
(あれ? もう夜行旅は卒業するんじゃなかったのか?(笑))
*
いつもなら10時のぱぴさん開店と同時に滑りこむが、
今日はぽんさんに11時に着くために、ぱぴさんは昼過ぎに戻ってくることにした。
ちょっと変則的に、別の朝からやっているパン屋さんに行ってみることにしよう。
いつも「ぱぴ・ぽん」しか行かないのだが
ほんとは名古屋の他のパン屋さんもいろいろ新規開拓したい店もあったりする。
しかしどこも開店時間が遅かったり、場所が遠かったりで
1軒その時間なら開いているであろうパン屋さんに行ってみた。
ううう、腹ぺこですーー。
わりと以前からある、天然酵母パンのコルンムッターさん。
名古屋のパン屋さんでは有名だと思う。
地下鉄の駅からものすごく遠く、あおなみ線の中島駅からは10分くらいか、
国道一号線沿いという、あまりパン屋さんが似つかわしくないような立地にある。
どこか家庭的なパン屋さん(スタッフの方の年齢層がとても高く、PTA的とも言える…)
お店の方々があったかい雰囲気。
朝一番だったのでパンの種類はほとんどなかったが、
旅の道中、評判の食パンを買う訳にもいかないのでバナナレーズンパン(ドライバナナ入り)と
玄米チーズパン、クロワッサンダマンドを購入。
パンは共通して、やさしい印象。
むっちりとした歯ごたえにクセのまったくないナチュラルな味。
焼き立ての、まだ脂がじわじわしている状態の胡麻クロワッサンを
店を出るなりかぶりつく! もうね、飢えてます(笑)。
甘いというより…しょっぱいというより…なんだろ、
クロワッサンと言うよりは、…いや、パンと言うよりは、揚げ春巻きそのもの。
じょりんじょりんと皮を噛み砕き、脂がじわ〜。
見た目以上にバターたっぷりで一個でパンチが★
クロワッサンを齧りながら駅に向かおうとしている途中で
名古屋といえばのコメダ珈琲店遭遇!
あちこちにあるコメダ珈琲店だが、このタイミングで遭遇しちゃうと
入らずには居られません!
ここのコメダは、ファミレス並みに巨大だったが、
ランチタイムと間違えるほどに朝から満席!
ひぇ〜。名古屋のモーニング文化だ。。。
実はまだ一度も名物「シロノワール」食べたことないんだよね。。
いつも「シノワロール」と言い間違えてしまいますが(笑)。
しかし朝っぱらから海老フライとかヒレカツとか。。。
名古屋の人ってば一体朝からどんなに食べんの!!!(笑)
コメダのコーヒーカップもコーヒー皿も、お手拭きタオルまでもが
キャラクター入り。連れがとてもこれを気に入ってしまい、
「これ、買えますか?」なんてバイトのお姉ちゃんをつかまえて尋ねる(笑)。
(注:買えません(笑))
珈琲を頼んでも、やっぱりデフォルトでついてくるモーニングセット。
トーストとゆで卵…。
今パン屋に行って来て、これからまたパン屋でシチュウを食べに行くと言うのに
モーニングセットの誘惑には逆らえず当然食べる私たちである(笑)。
それにしても、喫茶店のトーストやゆで卵って、
なんでこんなに旨いと思うんだろう(笑)。
たぶん、自分では普段絶対こんなにバター塗らないから
美味しいんだろうなぁーー人間、脂肪大好きだからね(笑)。
*
(過去のぽんさん来訪〜03年冬、 04年夏、 04年秋、 05年春、 05年秋、 06年夏)
11時ちょい過ぎ、ぽんさんに到着〜!
現地のパン友さんにもわざわざ豊橋から来てもらったのだ。
なんと、辰夫(笑)の後ろにかかげられているイラストは
パンホリが描いているのである。これを生で見たかったんだよね〜。
ポンさんと言えば、今までは辰夫が「顔」だった気がするが
この黒板画もすっかりポンさんの顔として定着した感が。
…辰夫、まけるな、がんばれ!(笑)
最近のポンさんは、シチュウ屋として定着してしまい(笑)
休日はものすごい人気なのだそうな。
予約は11時半までなら受けているそうなのだが、
11時台で満席、12時台には席待ちの行列が…(今日はそうでもなかったらしい)
もちろん、私はシチュウも大好きだが
改めて今日は、「ポンさんはホントにパンが旨い…」と今さらながら痛感した。
やっぱり名古屋じゃポンさん超えるところ、他にないんじゃないのかなぁ。。。(除:ぱぴ)
(あ、微妙に名古屋じゃないけど(笑)、ここは)
ああ、サワーライ、ああ、レトロバゲット、ああ、ミッシュブロート、、、
「ここ以上に美味しいシチュウがあれば教えてくれ!」
そう、HPで呼び掛けても誰も教えてくれませんでした(笑)。
そりゃそうだ、ここ以上に美味しいシチュウ、知らぬが仏!
ル・クルーゼで煮込んだポーク腕肉シチュウ、本日も悶絶級!!!
パンとサラダとシチュウで1000円ぽっきりと言うのもホントにあり得ない話だ。
ここずっと、パンよりも料理を作るシーンしかみていないポンさんだが(笑)
ほんとに感謝します、ほんとにほんと。
いつまでもお元気でシチュウ作ってください(笑)
大好物の激パン・サラ−ライ。
久々に食べた春爛漫。
よりイチゴ度が増して、ミルキィで…。
…前から豆って入っていたっけ?
前より美味しくなっている気がしますー! 気のせい?
厨房で忙しいポンさんにひとこと挨拶。
「これからひつまぶし行きます〜」
「えー?!」
*
愛知のパン友さんにクルマで熱田神宮まで送ってもらった。
そう、…ひつまぶしを食べるためである。
ほんとは夕方頃に食べるのならいいのだが、
もろもろタイミング的にこの時間で食べておくのが吉だ。
苦渋の選択だが、ポンさんを食べた直後にひつまぶしを持ってきたのだ(笑)。
…しかし…
甘かった! 甘過ぎた!
神宮横の蓬莱軒には、尋常じゃない待ち人が溢れていた。
1時間ちょっとは待つ模様だ。
どうする? もう一軒行ってみたいパン屋さんは15時オープンだし、
ぱぴさんにもいかなきゃならない。
なにより、16時頃には名古屋をでなければいけない。。。
どこか犠牲にするしかないかも。。。
以前、私が同じようにぽんさんとひつまぶしをハシゴした時に食べた蓬莱軒は
松坂屋の中の支店だった。あそこなら通しでやっているし、どうだろう?!
地下鉄に乗り、一か八か松坂屋に行ってみると…
がぁーん! やっぱりものすごい長蛇の列!
うーん、あのときは確か平日だったからなぁ。。。甘かった。。。甘過ぎた。
でも、これですっきり諦めがついた。
さ、気を取り直してぱぴさん行くよ!
また近々ひつまぶし目的に来ればいい!
(といいつつ、やはりぽんさんに来ちゃうわけだから必然的にハシゴ(笑))
*
(過去のぱぴさん来訪〜03年冬、 05年春、 05年秋、 06年夏)
ぱぴさんに来るのはいつも、ぽんさんに行くまでの午前中、
そう、10時オープンと同時に滑り込む。
だから、いつ行ってもわりと同じパンが中心だった。
しかし、ひと段落ついた午後に行ってもやはり同じパンが中心だった(笑)。
逆にそれは、買うべきパンが買えるということなのである。
そう、私の超定番、ソーセージフランスとエピとクグロフ!
オザマンドシスターズ(勝手に命名)もいつもながらに充実。
ぱぴさんに初めて来訪する連れも、どれにしょうか目移り必至の模様。。。
今回初めて遭遇したバナナとココナッツのパイ。
バナナとココナッツの風味のダマンドクリーム(みたいな感じ)がほろほろと詰まっている。
ぱぴさんのパイやクロワッサンは、きちんと「焦げたような」香りがあるから大好きだ。
バターがいかに食感にも味にも生きているのかが
ここのパイを食べるとよくわかる…。ざくざく…。
そして、フランスの郷土色の出たヴィエノワズリーがあることも…。
あれもこれもたくさん買い込んだ。
明日から家で送る「ぱぴぽんライフ」が楽しみなのだ。
*
再び地下鉄、今度は東海通という駅で下車。
ものすごい突風が吹きすさぶ中、歩くこと5分…。
クロワッサンとベーグルだけを売るパン屋さんがあるという辺りに辿り着いた。
…ところが…
出ているのは、パン屋の看板というよりも、
たこやき屋の赤ちょうちんであった(笑)。
いやいや、ちゃんとありました、パン屋の看板。
手造りの看板には、ワイヤーでクロワッサンが描かれ、ニスが塗られている。
すごく素敵…!
きっとこんな素敵なお店の内装なんて、
写真撮らせてもらえないだろうから看板だけでも…とカメラを構えると、
(*私は通常、店内の画像を撮る時はお店の人にひとこと断わりを入れています)
オーナーであるお兄さんが「中も撮ります?」とおっしゃってくれた。
メルシー!!!
天井が低い小さなスペースに、クラシックな濃い茶色の木製家具が並び、
アンティークな調度品がセンスよく飾られている…
そして、存在感のある花が随所に…。
うわぁ…。これは…。パン…屋なのか?(笑)
もともとお祖父さんの自転車屋さんを改装したということに驚いた。
ジュエリーケースの中の籠に並べられたパンは二種。
クロワッサンとベーグルのみだ。
(ベーグルはBB的なソフトタイプ)
ラスト2個のクロワッサンを私たちは慌ててキープした。
今15:30くらいでしょ?
まさか15時オープンなのに30分で売り切れちゃうなんて
そりゃ油断してました(笑)。
まだ若いオーナーのお兄さんは、
もともとカフェをやっていて、そこでお菓子を作っていたのだそう。
パン畑の人ではもともとないが、クロワッサンには自信があったそうで
一日40個限定で作り始めたのがこちらのお店。
体力的にこれが限界らしいのだが、予約でいつも早く売り切れちゃうんだそうな。
なんと、最初は隣のタコヤキ屋の店頭にクロワッサンを並べていたらしい(笑)。
「あれはうちの母なんですよ」
「えええーー?!(笑)」
たこやき屋とパン屋のコラボ…
新しいカタチのパン屋である(笑)。
(同じ建物の中にあるのに、しっかり壁が仕切られているという不思議な作りである(笑))
成形の美しさに自信があるとおっしゃるお兄さん。
せっかくの美しいクロワッサンなのに、撮影の腕が悪くてスマン〜!
でも、ほんとに独創的で素敵。
味の印象は、なるほどパン畑からのそれではなく、お菓子のような印象。
表面に塗られた、クセのあるハチミツのような花の香りがそう感じさせる。
表面の甘さはあるけれど、決して生地が甘いわけではない。
噛んでも、美しいカタチは崩れることがないクールフェイス。
まっさきに思い浮かんだお菓子があるのだが…、
それはあえてここでは秘密にしよう(笑)。
なんだかお話が弾んで、パンが好きである話も聞いた。
そっかー、パン屋さんどんどん行ってみてくださいよ、
もしかしたらどこかで会うかもしれませんよ?!(笑)
駅までの道のりで、隣のお母さんのたこやきを買い、
ぱくぱく食べた。かつお出汁をそのまんま入れた味付きのタコ焼きで美味しい。
それにしても、そこでクロワッサンが売られていたなんて…
想像しただけでもおもしろい!
ニヤニヤしながらタコ焼きをほうばった。
*
16時半ごろ名古屋を出発し、ひたすら東京方面を目指して東海道線をゆく。
もちろん、18きっぷで各駅停車。
24時間、食べているか電車に乗っているか、
実に白黒はっきりついている旅である。
*過去の「静岡おでん05年春」はこちら*
今回、連れと「静岡おでんはマスト!」と決めていた。
ちょうど同じころに、北海道から大阪目指してひたすら18きっぷで
南下し続けるパン好きさんがいる(あしかけ5日間フルで! 若さゆえ!(笑))
タイミングよく、静岡ですれ違うことがわかり、
集合して「静岡おでん」に巻き込むことになったのだ。
19時頃、静岡に到着し、20:51発の上り電車に乗る。
もちろん目指すは、前回の「ぱぴ・ぽん・でんの旅」で行った、おでん横丁。
本当は、前回訪れたお店がすっごく美味しかったので
そこにしたかったのだが、この日はどの店も混んでいてままならぬ…。
適当に店を選んだが、決め手はやっぱり「ママ」がいる店。
おじさんではなく、ママの方がなんとなく美味しそうなイメージがあるので(笑)
冗談好きの人なつっこいママと、かわいい看板娘の仲良し母娘で
切り盛りする店だった。
ジョッキでとりあえず乾杯!
おでん鍋から適当に見繕ってもらったネタを3人で突きあう。
かつお節のだし粉と青のリをふりかけてさあめしあがれ。
おでん自体は、前に訪れた店のものよりも色が薄くてだいぶあっさりとしているが
これはこれで十分美味しい。特にじゃがいもは美味しかったなぁ〜。
串揚げも、フライパンに油を張って揚げている。
まるでお弁当を作る時のうちの母みたいだ。
ししとう、たまねぎ、黒ハンペンの串揚げ。
これが意外にもとても美味しく、ソース無しでもイケる。
東京と神奈川と北海道のパン好き3人が
パンの話をしながら静岡でおでんを食べる。
ほんのつかの間だったけれど、
またひとつかけがえない時間。
*
家に辿り着いた時には、もう日付けは変わっていた。
24時間…いや、25時間の名古屋ぱぴ・ぽん・でんの旅。
夕べの「ながら」での眠れない一夜が遠い昔のようだ。
あぁ、痛みっていうのは時間とともに忘却してしまうわけで…(笑)
「最後」といいながら、今度こそ「卒業」といいながら、
また「ながら」を利用しちゃうかも知れない悪寒がするのである。
*おしまい*
2007.3.17