-2.ぱぴ・ぽん・ダーの旅 〜愛知冬の陣・後編〜



前編から引き続き、
次はポンレヴェックでのランチ。

…なのだが、実は待ち合わせをしていた。
京都の友人に「突然行くけど、来れる?」と
無謀なオファーをしたらまんまと乗ってきた。
あきれたフットワークの良さだ。
まぁもともと名古屋に行きたいとは思っていたらしいので
タイミングが良かったと言う感じだ。


「とりあえずポンさんでランチしよ、現地でな」
くらいの打ち合せくらいしかしなかった。

ポンさんには2003年夏に一度来店しているので
迷子になどならない自信があったので
地図も持たずに行ったのだが私は大失敗してしまう。

最寄は近鉄富吉駅なのだがなぜか私はJR蟹江駅に下車していた。
なんか思いっきり「蟹江蟹江…」呪文のように唱えていたのだ(笑)。
ようやく駅周辺の景色が違うことに気がつき、あわててタクシーに乗り込む。
今度も自信満々に「近鉄蟹江駅へ!」と(笑)。

やっぱりその後にも「ここじゃないーー」と泣き出しそうになる。
とりあえず国道1号線に出たが、地図はない、電話の番号も控えていない、
とっくに店で待っていると思われる京都の友人に電話するも通じない。
タクシーも走ってない。バッテリーもなくなりかけている…

どうやらひとつ先の「富吉」であることがわかり、
ひたすら歩いた。走った。なんで隣駅なのにこんなに遠いんだよ。
普通、川を2回も渡るか?!

1時間後、ようやくたどりついたポンレヴェックさん。

連れらとの約束の時間に遅れること1時間半(!!)。

彼らはアクティブなので、次へ次へとパン屋さんを目指して

行きたいだろうに、義理堅く私を待っていてくれた。

あぁ、友よ! 感動の合流。




あまりの疲労と空腹で、この日のぽんさんで写真をほとんど撮れなかった。

夏に来たときとは打って変わってのものすごい盛況ぶり。大変な込み具合だった。

ちなみにこの写真は2003年夏のもの(笑)




こ、これも2003年夏のもの…(笑)。

伊勢エビのトマトカレースープである。

イメージ画像として最高のものである。

おかわりパンのコンディションも最高だった。




あまりの疲労に手がふるえてピンぼけ(笑)。

2003年冬はこのポークの腕肉シチュウ! とろけるほどのデミソース…♪ 絶品!

ぷるんぷるんの脂肪、思わず自分の腕もぷにぷにつまんでしまう。




愛するサワーライを食べるぞ!…と思ったら、

なんとランチ食べ放題用の サワーライがもうなくなってしまったという!

がびーん…。どうやら目の前のこの2人ががつがつ食したらしい。

その残骸、ほんの一口のライしか残ってなかった…。




これがサワーライ。

あのヨーグルトライに似ている! が第一印象だった。

こちらの方がヨーグルトらしいはっきりした酸味がある。

夏食べたときよりも少し香りが軽い感じがした。

生き物なんだなぁとライブ感を感じる。




ランチではプチサイズで頂ける穀物たっぷりの滋味深いムッシュブロート。

表面にバターでも塗っているのか、軽い口当たり。

以前食べてこの複雑怪奇な奥深いコクにハマった。

この画像は帰りの東海道本線で撮影(笑)。





夏に一通り頂いたので今回は絞り込んで購入。
今回はこれを買いに行ったわけで!


「秋味」

マロンの甘露煮の全粒粉のパン。
ざっくりと歯切れのいい生地に甘〜いマロンが…美味しすぎて車内で大騒ぎ(笑)。
マロンが口溶けを助長し、全粒粉が後に引くコクを生み出す。
しまったぁ…こんなに美味しいとは誤算だ…
(人はこれを嬉しい誤算と呼ぶ…)


そして続編!
「冬物語」

トップの画像のもの。
実はまだ全容を把握していない。
ホワイトチョコが入っているというのも分かる。
リンゴも入っているようだ。
口溶けのいい軽〜い食感なのも分かる。
複雑なまろやかさを出しているのは何のせいだろう?
(クリームチーズか? と思ったら違うらしい)
まだまだ把握できない美味しさだ。ゆっくり楽しみたい。

ちなみにこの2つとも揺れる東海道線で激写(笑)。
だいたい熱海を過ぎたあたりで(笑)。

初めて伸さんとお話をした。
お忙しい中、わざわざ厨房から出てきていただけた。
またじっくり会いに行きたい、店とパンと人。

***


京都組とは名古屋で別れた。
彼らはぱぴ・ぱんへ行ってからダーシェンカへ行くという。
私は、一足先にダーシェンカへ向かう。
ほんの1時間程度しか会えなかったが嬉しい再会だ。
また彼らとはすぐに会えるだろう。またゲリラ的に…。




ダーシェンカは名古屋から東京方面に上ること30分。
本数がないため、時間のロスは大きい。
さらに、交通の手段がないため、駅からは歩くしかない。
本当にのどかな町、幸田町。
地図上での目印では隣同士にみえるものが
500Mも離れているようなところ。
歩けども歩けどもたどり着かない…。
不安を覚えるような風の強い荒野の道のり…。


私は今回、こんな靴を履いてきた。
長時間の汽車の旅だと通常の靴では浮腫んで靴が入らない。
私は25センチ以上もある大足女だ。
ミュールという存在はありがたい。
しかし…。名古屋でこんなに歩く予定はなかった…。
浮腫んで靴が足に食い込み
足裏にタコが隆起しはじめているのがわかる。
結局私はどこへ行っても歩くしか能がないらしい。


ようやく見えてきたのが黒い3本の煙突!!
石窯の店、ダーシェンカ。
パン工房とパン教室を併設している店である。


私はあまりこの店については知るところがなかったので
とりあえず「ダーシャ」だけ取り置きをしておいた。
こんな場所にあるのにお客さんが続々訪れる。
もちろん、ほとんどは取り置き客のようだ。
パンはほとんどなくなっていた。
予約していなくてもどのみち私は
「ダーシェンカ」(左)と「ダーシャ」(右)しか買えなかっただろう。

 


…!! 
なんなんだ、この手作り1000%な優しさは!!
口の中でぼわっと濃い洋酒のようなアルコール分が爆発する。
レーズンとくるみ、という至極シンプルなのに
なんというフルーティーさ。
例えばカノムパンが「男性的」であるなら
こちらは「女性的」「母的」。
(あっちは女性が作っているのに、こちらの店長さんは男性(笑))
甘くて優しくて母性が溢れている。
包み込むようなホウっと癒すチカラがある。
すばらしいパンに出会えた。
往復1時間かけて歩いた甲斐はあっただろう。

***



予定よりも2時間も遅れて帰京を目指す。

豊橋、浜松、静岡で乗り換えるたびに

何度も新幹線に乗り換えようとココロが揺らいだが(笑)、

やっぱり交通費(東京ー名古屋 往復3000円弱)よりも

パンに金をかける方が筋ってものだろう(アホ)。


熱海で途中下車し、小腹が空いたのでちょっと都会的なスープを購入(笑)。

やはり旅には「オチ」がないと終われない。

これがパンとランチ以外で食べた唯一のものだった…。


 


名古屋の愛すべきパン屋さんたち。

次はまた来夏に会いに行く…!

18きっぷなら春もあるって? いやーー…体力的に(笑))