France 3日目(9月15日)

ブルターニュ再び! レンヌの家族たち<前編>

再訪決定! 黒塗りパン屋さん


本日、一泊の旅程でレンヌはブルターニュ地方へ行く予定。 ひょんなことから、たまたま同じ時期にフランスに来ている友達に同行して、 レンヌの知人御一家(だんなさんフランス人、奥さん日本人)のお宅にホームステイさせてもらうことになったのだ。 レンヌといえば、2006年フランス旅のときに、モンサンミッシェルを旅した際に、 帰りにちょろっと寄ったのがレンヌだった。


待ち合わせはレンヌ行き TGVが出発するモンパルナス駅。 朝10時頃発のTGVに乗るのだが、もちろんぬかりはありませんよ〜。 行きたいパン屋さんがモンパルナス付近にあるのだ! 最寄り駅は、私が2006年と2007年に2年連続で滞在した、Pasteur。 1年ぶりにメトロのこの駅に降り立ち、モンパルナス駅方面に歩き出した。 大好きなエルメのクロワッサンは、まだ開店前で買えず終い…。





des GATEAUX et du PAIN(デ・ガトー・エ・デュ・パン)! おおお、黒塗り…。おおよそParisではこの手の「非日常的」なパン屋さんは珍しい(日本では珍しくないが)。 そして、朝の出勤時だというのに、人がいない。並んでない(ある意味ゆっくり見ることができるとも言えるが…)。 店内のデザインは、エルメのショップのデザイナーが手掛けたというから納得。 店内の奥には、美しいケーキのショーケースが。 こちらも美味しそうだけど、やっぱり私はパン党なのです…。ケーキを食べるスキマがあればパン食べたい。





ふぉぉぉ…! す、すごいパンのディスプレイ…。Parisっぽくない…(そればっか)。 ここのシェフらしき女性がひとり、接客していた。 うう、マンツーマン…。客は自分しかいないが、いないからこそのプレッシャー(笑)。





あまり厳選する余裕もなく、買ったのは3点。 クロワッサンとオリーブのプチパン。 エルメのあのモスラサイズのクロワッサンを恋しく思いながらひとくち…。





ふあぁぁぁぁぁぁ…。 バターの香りがこれでもかこれでもかと膨らむ…!!! こ、これはすごい。バターの美味しさが段違い。日本ではない。ありえない。 日本のパン屋さんがこれを食べたら悔しがるに違いない、 バターに負けた、とな。バターのフレッシュさがこうまでも差を見せつけるなんてね…。 エルメのクロワッサンに匹敵する美味しさだと確信する!


いやいや、クロワッサンだけでなくてこのオリーブパンもすごい。 表皮は薄めだけどカリッと、中はむっちり。 歯の咀嚼、入り込みが心地よすぎる…。 中がむっちりだからこそ、この薄皮が生きる。 贅沢にスキマがないほどにオリーブが詰まっていて、ほんっとにおいしい…!





このレギュームのキッシュもすごい! ほうれん草とニンジンが入っているのだが(昨日からほうれん草づいてるなぁ…) すっごい美味しい…!!! 味付けがしっかりついているのだけど、 これが食べた瞬間に「テーブルコショー?!」と思ってしまった。 ホワイトペッパーが効いたパンなんてフランスで食べたことないもん! 野菜の入りっぷりも感動…!


わぁん、もっと食べたいー。もう一回お店に戻りたいーー。後ろ髪を引かれながら、駅に向かった私だった。

(と思ったら、待ち合わせ後、連れも「実は行きたかった」ということで再度店に戻ることに。 たんまり買ったパンをたんまりTGVの中で食べた。何もかもが文句の付けようがないくらいに絶品! なによりも、バゲットの美味しさが染みたぁ…。ひとくち食べたら、次のひとくちを誘う。 これ単体で至極のごちそうになるかのような…このパン屋さん、ケーキも美しかったけど、パンはまぎれもなく本物!)



des GATEAUX et du PAIN

63 bd Pasteur,15e

M : Pasteur6,12

7:30〜 20:30

火曜定休




レンヌ到着! ホストファミリーのお宅でシアワセデジュネ


無事、友達とも待ち合わせが落ち合うことができ(ホントは心配だったんだよなぁ〜迷子になってないかとか…)、 TGVで約2時間のレンヌへの旅。今回、向こうのファミリーに会ったら、どこで何をするのか全く聞かされていないのだが、 どこか連れていってくださるとのこと! うう、期待が高まる…。 レンヌには、モンサンミッシェルやサンマロに行った時に訪れたことがあるが、 曇り空の日曜日だったせいで、イマイチ楽しかったイメージが思い浮かべられなかった。 でも今回はひとりじゃないから、きっと感じ方が違うはず…!





レンヌに到着後、無事ホストファミリーと合流! わぁ、2歳の姫さまと4歳の坊やもお出迎えしてくれた! ハーフの子たちってどうしてこんなにかわいいんだろう…将来ジャニですか?(笑) しかもこの子たち、日本語しゃべれるの!!! これは驚き。 ママとしゃべるときは日本語、パパとしゃべるときはフランス語。 すごい…。幼くしてバイリンガル…。


この坊やが私にめちゃくちゃなついてくれて、もうもう、食べちゃいたいくらいにかわいいっ。 日本人のきれいなお姉ちゃんがめずらしいのかしら〜。んま〜。(←誰も言ってない) なんかずーっと坊やのお守をしていた感じだが、楽しかったなぁ〜。 この子にフランス語習うってのもありかも?!(笑)


レンヌにメトロがあるなんて知らなかった! 聞くところによると、最近できたらしいので私がレンヌに訪れた時はまだなかったみたいなのだが。 だって、レンヌっていったら…人口規模でいったら帯広とか函館みたいなもんですよ? 帯広に地下鉄が通ってる、みたいなイメージなのか…。


市庁舎あたりまでメトロで行き、そこからバスに乗り、ファミリーの家へ。 どんどん風景はのどかになり、どこかの病院とか大学の敷地内みたいなところに入り、 そこにある素敵なアパートへ! おお、周りは緑がいっぱい、いい環境だ〜! 家では、だんなさんが待っていた。初めまして! ジュマペール、ミワパン!


 



きゃつがこの家の主! ていうか…めちゃくちゃ放任されてる。さすが猫!(笑) 家族に誰もかまわれてないわ、と思いきや、「そんなん関係ないし〜」みたいな懐のでかさ? しかし、ちょくちょく部屋をうろちょろしながら、必ず、足にまとわりついてくるのである。 このハナちゃんの動向を眺めているだけでも楽しいのだった。


あ! そうだっ! ここって変圧器ありますー?! 携帯の充電させてくださいーー(笑)。





我々のために、街で一番美味しいというパンを準備してくださっていた!!! うあーーー! このパン屋さんは、他のパンはそうでもないのに、このパンに関しては圧倒的に美味しいそう。 ビールが好き、という私には、嬉しいヒューガルデンホワイトを出してくださった♪





奥さんのお手製サラダ、そして茹であげシュリンプ… もう、遠慮なんて全然せずに、驚かれるくらいにめちゃくちゃ海老を食べまくってしまった。 だって、海老につける自家製のソース(マヨネーズに卵白のメレンゲを加えたものだそう)が、 ほんっとーに美味しくて! ビールでは終わらず、白も赤もワインを飲む飲むーーー。





チーズの量もやっぱハンパじゃないね、さすがフランス人!(笑) 「市場にいったらいいチーズがあったから」と奥様…。 チーズ各種もすごくフレッシュで、無殺菌だからクサイほどに香りが強い。 こういうの食べ続けてたら、確実に体臭が変わりそう(笑)。


そして、パンを切り分けてくれるだんなさん…。 イイ子にしてごはんを食べているかわいい子供達…。 ああ、、、なんてシアワセな光景なんだろう…。 ほんとうに、こんなシアワセな、パンを囲む風景って他にあるだろうか?! そう、本来、パンはこういう風にして食べられるものなんだよね。 大きなパンを、ざくざくと家族のために切り分け、残ったらまた夜に。 そんな、当たり前でありながら、私にとっては新鮮すぎる光景が本当にまぶしすぎた。幸せすぎた。





このパン、ほんっとに美味しい…! 酸味としっとしとのクラムに、ガリッと「遠慮なく」しっかり焼きこんだクラスト。 ほんっとに美味しくて、そのままでも美味だけど、バターや、お手製のミュールジャム、 ルヴァーヴジャムを載せて、なお悶絶…!



 



さらに、だんなさんが作ったというタルトが食後に出された。 うっわー、、、もうすごいお腹一杯なのに、食べます食べますーー! これってスモモかなにかかな、甘酸っぱくて美味しいタルトでした〜。 なにより「心からもてなされている」ということに、瞬間瞬間に感動してしまっていた。




レンヌ観光! ディナー前にガレットで陥落





しあわせデジュネが終わったのは、もう午後3時過ぎ。 お腹がもう「明日まで食べられないよ〜」とサインを出しているのだが、 「ディナーは、行きつけのビストロに案内しますね」とのこと。 えええー、それまでにお腹こなせるのかしらー(汗)。





その後、レンヌ市内の観光に連れてってくださった。 私が以前レンヌに来た時は、空は曇りで寒く、そして日曜日。 グレーなイメージしか残ってなかった。 この建物は、私が以前来た時に、その目の前でクイニーアマンを齧りながら座っていた場所だ。 うーん、晴れの日だと印象が全然違う! ヨーロッパの町って、晴れていないとなんだかもの寂しく見えるんだな。





「昨日までは、ずっと天気が悪くてどうなるかと思ったら、今日はすごく晴れたわね」と奥さん。 あ! それ、私のせいですーー。私、究極の晴れ女なんでーーっ! …と、意味不明な自己主張を(笑)。


 



町の大聖堂。私にとっては、大聖堂に入ることは特別な意味があり、 パイプオルガンの音色が響き渡るその厳粛な空間に身を置くと、 無条件に胸が締め付けられる。日本でこのようなシチュエーションがない。ないで済んでいる、といってもいい。 でも…フランスに来るたびに、いつも自分の中の「儀式」を行うんだ…。





「ガレットでも食べていこう。ディナーの前に」

そういって、広場のクレープリーに席を取るだんなさん。 え、ちょっと待ってくださいな。さっき、ビストロに連れていってくださるとかいっていたが… まさか…ここが最後ですよね?(笑)もう夕飯どきですよーーー?! 一抹の不安がよぎる…(笑)。


ガレット屋では、とりあえずビールを。そしてこの後シードルも飲みまくることになるのだが(笑)。





奥さんとシェアしよう、といって頼んだのはホタテの貝柱入りのガレット。 見た目は超シンプルだが、中にホタテとネギが入っているのである。





おおー。これは旨い。バターで炒められたネギとホタテがざくざく。 でも一枚でもこりゃーヘビィ! 「どんどん食べて」と奥さん。は、はーい(笑)。


次の店も控えてるんだよね? と、連れにそれとなく耳打ちしていると、 「デザートのクレープは何にする?」とメニューを渡してくるだんなさん! ひぃぃー、もうお腹がいっぱいですよぉぉぉ。 「食事のあとにはデセールを食べなきゃ終われないよ〜」とだんな。 フランス人の胃袋ってどうなってるのー(笑)


というわけで、フランスのしきたりに従順に(笑)、デザートを食べることとなったのだ。 ブルターニュといえば、塩バタークレープが有名だが、ちょっとバターは今は無理(笑)。 比較的軽そうと思われるミエルシトロンのクレープを頼んだ。 そのまんま、ハチミツがびゅわーと浴びせられ、レモン汁を搾ってかけるクレープ。 レモンがさっぱりとさせてくれるのは有り難いが、なんといってもハチミツがそれに全然負けてないのだ(笑)。強ぇぇ。。。

食べましたよ、食べましたとも〜。お腹がはちきれそう。 フランス人、どんだけ食うのん。。。 恐るべき、フランス人の胃袋っぷりを目の当たりにしたのだった(笑)。


「もうさすがに食べられません。。。」ということで、ビストロには行かずにお家に戻ることになった。 フランス人からしたら、「日本人は食べないねぇ〜」と思ったことだろうなぁ(笑)。 夜は、居間でアニスのお酒をいただいた。だんなさんの好物らしい。 ものすごーい度数の高いお酒で、氷を入れると白濁するのが面白い。しかし薄めないととてもじゃないと無理。 ロックで最初口に含んだら、強烈なアニスの甘くてスカーッとした香りが容赦なく鼻の中をついてくる。 私は水で薄めてもらって飲んだ。 彼らはまだ、難しい話をいろいろしているみたいだが、私はみるみる酔っぱらい、うとうと白目をむくように(笑)。 先に休ませてもらうことになった。


坊やのお部屋を私がひとりで使わせてもらうことになった。 こっちの子供は、早くから子供部屋でひとりで寝ることをしつけられる、ということを聞いたことがある。 そんな、普通のフランス家庭の中に、身をおかせてもらうことは、 これまでのフランス旅ではかつてなかったことだった。 すべてが新鮮で、それだけでもお腹いっぱい、胸いっぱいだったのだ。


ひとり寝…のはずが、思いがけない侵入者が部屋に入って来た。 …猫のハナちゃんだ(笑)。やつが私の足元にいつの間にかやってきて、 人間と間違うくらいのすごいイビキをかくのだった(笑)。 しかも、やつが揺れると、まるで地震のようにゆっさゆっさ揺れるベッド(笑)。 猫と寝る、なんてことは私の人生で初めてのことなので、ある意味これも新鮮すぎたなぁ(笑)。


この夜の満月は、ものすごくきれいだった。明日も晴れに違いない。 そして、この満月は日本でも同じものが見られるんだ。この遠いフランスの地と同じものが…。




la veille(Paris2日目:9/14)le lendemain(France4日目:9/16)

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