NY8日目(5月5日)

出国前の悪あがき〜持ち帰りBAGEL捕獲〜

DAVIDとEss-a-Bagel 悔いを残さずに!


NYC最終日。朝は5時半に起き、6時半にはEss-a-Bagelを目指して部屋を出る。 焼き立てのDAVIDやEss-aは本当に感動した。 これを食べに来るだけでも絶対にNYCにくる価値はあった。 そう痛感させられたこの2店のベーグルはぜひとも最終日に持ち帰りをしようと思ったのだ。 それぞれの店で5個選んだ。

 

 

今朝は、とにかくDAVIDの美味しさに足がふらふらしていた。歩行が困難だった。 DAVIDのベーグルは、全体的にすごく甘いのが特徴だ。


 


・プレーン…なんでこんなに甘い?!

・ホールウィート…プレーンの甘みに香ばしさがプラス。なのに一層甘い!

・シナモンレーズン…マーブルではなく、均一に練り混まれたタイプ。

・プンパニッケル…キャラウェイが強烈に効いているのに、めちゃくちゃ甘い!

・セサミ…塩がよく効いておりウマい。…どうして今回はもっとセサミにトライしなかったかと悔やまれるほどにウマい。





上の画像、Ess-aのベーグルは、その日は2日目に味わったほどの感動はあまりなかったが、 しっかりスカリオンチーズも小さいパックに詰めてもらい、 ベーグルもしっかりゲット。 表はパリッと、裏は気泡のぷつぷつが見えたりと、旨さが目からも伝わってくる。


  


・ポピー

・シナモンレーズン

・オーツ(…と記録にはそう残っているが、サワードゥだったかも…)

・プレーン

・ホールウィート


DAVIDは、皮こそソフトだが、むっちりとした柔らかさと甘みは他の追従を許さない。 ザクッと厚くてハードなEss-aのクラストと比べるとよくわかる。 エッサはポピーにしてもプレーンにしても、かなり塩気が効いているので甘さよりも食事感が強い。


 


Ess-aに向かう途中に必ず通りかかるのがLa Bagel。 とてもオーソドックスなベーグルたちだ。 DAVIDやエッサに囲まれるとちょっと地味かも知れない。いや、もちろん、十二分に美味である。


*余談*

帰国後、いろいろと解凍して焼き戻してNYCベーグルを食べた。 意外にも、一番現地で美味しいと思ったEss-aやDavidの「ずんぐりむっくり」タイプは、それほど美味しさを再現しにくかった。 私は1/2カットにして(モノによっては1/3にして)冷凍保存してしまっていた。 なにせでかいから、断面も必然的にデカい。 旨味がそこから焼き戻しの時に逃げて行ってしまったような気もする。 (でも不可抗力なんだよなーあのでかさはまるまる一個は食べきれん(笑))

しかし、H&HやLa Bagel、Tal Bagelなどの、 穴がしっかり見える「スリム」タイプなベーグルは、カットしていても焼き戻しによって見事なまでに旨味が蘇った…原形以上に。 次に行く時は、そのへんの「向き不向き」も見極めながら持ち帰りたい。



タイムリミットまでわずか! 悪あがきSarabeth's


他の2人はベーグルのパッキングのために一足先にホテルへ戻ったが、 私はやはり行っておかないと後悔しそうなので一人北上してSarabeth's Kitchenへ向かった。 最後の最後でまた失敗。急行に乗ってしまい、目的の駅を通り越して125thまで…(NYCで何度かやってしまったMistake)。 時間の大幅ロスで焦る!! バスに乗り継ぎ、朝8時40分ころSarabeth'sへ到着。


 

息を整えて入店する。ここは典型的なイングリッシュブレックファストという(私の中での)イメージ。 内装、メニュー、ボリュームetc…。 とりあえず野菜入りのオムレツとバナナマフィンの組み合わせにしてみた。


 


料理が来るまでの間、日本でも売られている名物のジャムを物色。 小さな小分けタイプのジャムをいくつか買ってみたが1個2$。 味見にはもってこいだけどいくつも買うとちょっと高いかも。 (*帰国後、全てのフレーバーを食べてみたが、、、リピートはないかも。なぜそんなに評判なのだろう?)


ここのお店は、日本で言うとなんだろう。 高級マダム路線で、内容を考えてもかなり高めの値段設定。 野菜入りのオムレツは、ブロッコリー、人参、サンドライトマト、チェダーチーズが入ったもの。 塩コショウがほとんど効いていないので自分で思いっきりカスタマイズ。 ケチャップが欲しくなるお味である。


最初、付いて来たジャムをケチャップと勘違いしてオムレツに塗りそうになったが、 これはどうやらチェリーとプラムのジャムだったようだ。 そのジャムは、全く美味しさの理解の域を超えてしまっている味。美味しくなかった(笑)。 さらにクリームチーズと思って大さじですくって舌に運んだのはバターだった…乳臭ーー。


つまり、バナナマフィンに添えられていたのはホイップバターとジャム。 マフィンだろうと何だろうとジャムとかは付いてくるのか。失敗した。 さすがにバナナマフィンにジャムは付けないだろうよー。 プレーンなスコーンにしておけばよかったのかも? 

バナナマフィンはふくらし粉でぷくーーっと膨らましたような間延びした味わい。 そうそう、D&Dで買ったスコーンにも同じことを感じた。 塗り物を必要とする感じの焼き菓子は、パン好きにはちょっと物足りない味わいだと思う。 バナナマフィンの中身は香料臭いバナナ味だったが、外のジンジャーシナモンのようなクランブルは美味しかった。

まぁ、なんだかんだ言ってはいるが一度は来てみたかった店だから…。


というわけで、「目的達成!」という意味では満足、のSarabeth'sだった。





79thからメトロに乗る前に最後の最後の悪あがき。 H&Hでプレーンベーグルを1個ゲット。 つるんとした表皮に大人しい大きさのベーグル。味はやっぱり好きかも知れない。



さよならNYC。最後は空港のクリスピークリームで〆


ホテルに戻り、急いで最後のパッキング。今朝買ったベーグルは12コ。 昨日は2コ。計14個のベーグルを持ち帰る。 14コ…といっても、NYCのベーグルはボリュームが違う。 果たしてこの14コのベーグルを食べ切るのに何日かかるだろう?!


空港までタクシーを拾ってJFK空港へ。 空港ではDFSで買い物をしたり(やはり悪あがきしている私…)、 クリスピークリームでドーナツを食べたり。 NYCで最後のクリスピークリームのドーナツ。 滞在中3回も食べたことになる。よっぽど気に入ったらしい、私は(笑)。 最後に食べたのはDEVIL'Sという、アイシングがけのチョコレートドーナツ。 オールドファッション的なサクリとした食感のケーキドーナツだ。 甘い! こりゃ−甘いよ。おかしくなりそう★ でもそれをコーヒーで洗い流すのがアメリカ流?!


ようやく出国だ。思った以上に手続きが軽くて逆に「大丈夫か?」と心配してしまうほど。 最後に、機内食でも記録しておこう。


 


とにかく…とにかく帰りの13時間フライトも長くて拷問だった。 しかし酔い止めのおかげか、睡魔がやってきて割と良く眠れた気がする。 もう、何はなくとも酔い止め薬だ。




NYCベーグルの旅をふりかえろう


今回、NYCでは観光も、グルメも、大いに楽しんだ。

でも、やはり目的はベーグルであった。


パン好きという大きなくくりの中には、ベーグル好き(私はベーグラーと呼んでしまうが)という カテゴリ(?)がある。彼らは「ベーグル」と「パン」を区別しているのだ。 日本中どこへ行っても、ベーグルが売りじゃないパン屋さんであっても、 「パン」ではなく、「ベーグル」を買う。大量に買う。 私はその行為が、理解できるようで理解できなかった。 今でもそうだが「ベーグルなんてパンの一種でしょ?」と思っていた。 しかし、多くのベーグルマニアたちを虜にする「NYCのベーグル」というものを 知らないままで「ベーグルなんてパンの一種でしょ?」 なんて偉そうなことを言えないんじゃないか、 知らないままなんてイヤ! という、 なんとも他人には理解されにくい動機で決行された今回のNYCベーグルの旅だった。


その結果、私は目論見通りNYCのベーグルの虜にさせられた。 日本のそれとは全く異なる美味しさに魂を抜かれた気持ちになった。 そうなると、なんで日本のベーグルはこうも違うんだろう? と首をひねってしまう。 一生懸命忠実なレシピに基づいて作られたベーグルであっても、 やっぱりどこか違う。…なにが違うの?


私はその答えは単純に、あの大きさにあるのではないかなぁと思った。 アメリカはなんでもデカい。人もデカい。出てくる料理の皿もデカい。 桜すらデカい。 ベーグルの大きさは、きっと行ってみたことのある人、 持ってみたことのある人、食べたことのある人でないと想像ができないだろう。 大きいゆえに、水分をたっぷりと含み、旨味を包み込み、いつまでもむちむちとした弾力感のある食感がキープされるのだろう。 もちろん、これは答えじゃないだろうけれど… それ以外にも要因はあるだろうけれど…難しいこと抜きに、単純にそう感じた。


日本のベーグルをその大きさにすることは難しい。 日本人にはあの大きさでは食べきれないから売れないだろうから。

…しかし…

いつか…あの味が日本でも食べられたらどんなにすごいだろう、と夢見てならない。 フランスパンのレベルの高さは世界でも認められている近年の日本のパン。 …いつか…このNYCベーグルの味も、 日本の熱心な職人達によって再現される気がしてならない。 パン高度成長期のこの日本でなら!


その日が来るまで、NYCへベーグルを求めに行く私の姿を、 自分でも呆れるほど簡単に描いている。



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