52-1.秋パン求めて鉄道の日きっぷ旅 〜関西日帰り編〜



品川23:53発 → 大垣6:53着



“18きっぷが1年中あればいいのに”


遠くのパン屋さんを思う時、いつもそう思う。

1年中…というわけにはいかないけれど、

秋には秋のJR乗り放題きっぷがある。

それが「鉄道の日きっぷ」。





その発売日の9/30には速攻購入。

同時に西へ向かうムーンライトながらもすぐに手配した。

18きっぷ=ながら=西へ行く!

…もう、条件反射。どこへ行くとか考える前に「ながら」を確保した私。

とりあえず、大阪にでも行っておくか!(笑)


それにしても、また「ながら」に乗るのか!

懲りないやつだな、これでシーズン2回目!

(前回の「ながら」旅はこちら

…だって…食欲の秋が始まるんだもの、じっとなんかしていられない!




金曜日の深夜、品川から「ながら」に乗り込む。

いつも眠れない夜行列車の旅。

でも、今夜はなんだか眠れそうな予感。体がぐったりしている。


早く車掌さんが「乗車券の確認」に来てくれないかな

空気枕に空気を入れ、アイマスクも準備し、早く早く、と待ち構えていた。


すると横浜から乗り込んで来た年輩の女性が

「そこ、私の席なんですけど…」と。

mi_wa「え? 私も7番のAなんですけど…ほら、指定券も…」


mi_wa「…あ!!」


バカな私、1日違いの「ながら」の指定券を買っていた(笑)。


やむなく別の車両に移り、数少ない空席に座り、小田原までもんもんと占有。

とりあえず座ったこの席にも、誰か途中から乗車してくるかもしれない。

小田原過ぎれば「ながら」は自由席。

誰も来ないでくれーーー。

すぐにでも眠れそうなコンディションなのに…トホホである。


無事小田原を過ぎ、ようやく眠れる。

前回の「ながら」の旅での失敗(=寒かった)をふまえ、

今回は大きめのバスタオルを持参した。

車内では防寒の「毛布替わり」に、

翌朝は銭湯で体を拭くのに使うのだ。

普通、旅にはバスタオルなんて持参しないけれど、このバスタオルは効果絶大。

それなりに何度も目を覚ましたものの、

浜松を通過したことも、名古屋を通過したことも気付かずに、

目が覚めたのは岐阜だった。

6時半。


大垣6:58発 → 米原7:34着

米原7:49発 → 京都8:44着




朝パンと銭湯のための京都途中下車


京都に着いたのは9時少し前。

小雨の京都で途中下車したのはパンのためではなく、銭湯に入るため。

駅から徒歩10分くらいのところにある銭湯は、土日祝は朝7時からやっている。

(京都タワーの温泉はやや値段が高い)





その途中にあるパン屋さんで、この激空腹を埋めなくては!

なんせ、持参したゆで卵一個しか食べてないのでペコペコなのだ(笑)。


ルークは京都では来るのは初めてだが、パン屋ストリ☆トでは食べたことがあり(笑)。





とりあえず買ったのは期間限定の「もちもち」というパン。

ソフト生地の中は一見がらんどう、しかし黒豆と求肥が入っている。

豆入りの葛餅でも食べているかのようなパン。

ねばねばーっと求肥が絡んで来て面白美味しい。

…パンって、なんでもありだな!(笑)





370円で髪洗って体洗って露天風呂入ってジャグジー入って

しっかりメークもして(笑)いざ出陣。




シュクレクールで遅い朝ご飯





「朝一番でお伺いします!」

なんて言っていたのに京都寄り道のせいで

岸辺のル・シュクレクールに着いたのは11時頃。

小雨が降っていたので岸辺の駅からバスに乗る。

駅からお店に電話をしてバス停を尋ねたが「七尾」と「七尾西」を間違えた私。

一駅手前で降りて「ここはどこ? 私は誰?」(笑)。


恥ずかしながらまたお店に電話するとお店の前まで出てお姉さんが待っていてくれた。

うへーん、すみません、、荷物まで持って頂いて。

大笑いしながらお店に入る。

シェフ、おはようございますーー。





シュクレは、秋めいた新作パンが勢ぞろい。

秋色パンを片っ端から選び(でも全てはさすがに無理…)、

焼き立てのキッシュを席でいただこう!





前回悶絶した夏野菜のプロヴァンス風キッシュは終了し、

新しく登場したのはポルチーニ茸と鶏のキッシュ。

しっかりソテーされた脂たっぷりの鶏とキノコが入っていて

脂が乗ったジューシーな味わい〜!


「熱いのでお気をつけて!」

そう言われていながら案の定「アチチチチ」(笑)。

はふはふしながら夢中で食べ切った。





栗のパンを二種、リンゴの入ったパンなど、秋色パンも少しずつ。

強烈だったのがセ−グル・マロン・バルサミック(画像右下)。

黒糖とバルサミコで炒めた栗を絶品セ−グルの中に混ぜ込んだもの。

何も入っていないセ−グル自体がとても濃い甘い味わいなのに、

これはもっと香ばしい甘みが強い!!

−グル自体の甘みに加え、クセのある甘塩っぱさというか、

これまでに味わったことのない甘み。これははまる…!!






前回は南国フルーツが何種類も入ったフィセルは秋色に衣替え。

さつまいもとリンゴに加えて、なんとレモンも入っている!

ほこほこ甘いのが秋色パンの共通項なのに

このレモンが(これまた)味わったことのない不思議な酸味があって

すごくユニーク!! 美味しい〜♪


カンパーニュの方は、栗は甘く炊いていないのでとても素朴な味わい。

栗ご飯のようなシンプルさの中にも、粉の香ばしさが強い。


何を食べても外さない。

秋を堪能したら冬も来たくなる(笑)。




モワザン@心斎橋そごう


最初の予定では、前回に利用した「世界の大温泉」でお風呂に入り

仮眠をとってから(笑)パン屋さんに出かけようと思っていたけれど

京都で途中下車銭湯ってことで予定が後倒し気味に。

どのみちそんな時間の余裕はないのが18きっぷ旅…もとい、鉄道の日きっぷ旅!


友達には「本町に1時半頃到着する」と予告しておき、

まっすぐ心斎橋まで。

そう、心斎橋そごうに入ったMoisanを見に行くためだ。

2003年Paris旅で一度行ったモワザン。


正直言うと、Parisで食べたここのパンは、

「日本人には難しい味なんじゃないかなー」と思っていた。

特に「大阪の人たちに受け入れられるのかな」と…。

最初に大阪に日本初上陸、と聞いた時に疑問に思った。

BIOだなんだ…と言っても、いい値段するからなぁ…。


ドンクに併設されたMoisanで一口試食。

ん!

塩気が強すぎず、イイ塩梅。美味しい。





てことで、フランスでも美味しかったものを選んで買ってみる。

ショソン・オ・ポムのプティサイズ(画像は無し。一瞬で食べ切った(笑)美味しかった)

パン・オ・ルヴァン、イチジク入りのプチパンなど。


単純に、やっぱりフランス産の粉は旨いと素直に思う。

フランスで食べた時よりも(不思議に)美味しいと思った。

大阪では行きたい店、会いたい店が他にあるからたぶんこれがラストチャンスの気がするけど

東京に来ることがあったらまた口にする機会もあるだろう。

…しかし…大阪でオープン…。強気だね。


(*ちなみに、タルトポンム399円は予算の都合上(笑) 食べていないけどかなり美味しいと見た!!

向こうでもこの手のものにハズレが一つもなかったから!)




凄烈なる!! アッシュの秋色パン


そして遅ればせながら本町アッシュへ。





この後、3時に西宮夙川のあの店にパンをピックアップする予定だった。

同じ日に予約した友達と現地で落ち合おうという話だったのに、

なぜかみんな本町に来て合流(笑)

なぜかみんなでイートインするという(笑)。


うぎゃあぁぁ、なんか全然品揃えが違うんですけど?!

「毎週来ても違うものに遭遇できる」と地元の友達は語る。

あぁ、本当だ! つい先月も先々月も(その前の月も…(笑))

来ている私でさえもどれもこれもが新作に見える(笑)。

えーん、シェフーー、どれを買えばいいんですか、あたし!(笑)





とりあえず定番(セ−グルフリュイセックやセ−グルマロンなど)は別におさえ、

新作を中心に選んではみるものの…。


てか、なんすかこれは!!(笑)

「凄烈なるフリュイセック」!!(笑)





「いつものフリュイをペースト状にして混ぜ込みました」とな。

わわわ、確かにそりゃ凄烈ですーー!





フルーツはペースト状になって生地と一体化してしっとり。

でもナッツはごつごつと、ごろごろと…。

これは「マジパンか」ってくらい、

これは「まじパンか」ってくらい

ひっかけました)

しっとりねっとり甘〜いフルーツバー。ふぬぬ、凄烈〜発想が!





隣のマルシェでみんなでわいわい試食していたところに

栗のクロワッサンザマンドが焼き上がったばかりと!!

それをみんなで味わってみた。

焼き立てだからといって…このほにょほにょのじゅーじゅー鳴っている

この物体はなに?! ていうか、この栗の量は一体何ごと?!





---------!!!!---------


な、な、な、なにこれーーーーー!!!


シロップを吸い込んでビショビショのクロワッサンに

じゅくじゅくのクレームダマンド、

そして大量のマロンスライス…!!!


手では持てない、フォーク必須のこのザマンドを、

指ですくいながら口に運ぶと…!!

まるで熱々の栗のプティングを食べているかのよう!!

マロンスライスの一枚一枚まで行き届いた甘さ…リッチリッチリッチ!!

あまりの美味しさに一堂絶句…!!!

わ、わたしはこのパンを(パンか?)

食べるために今日、ここまで来たんですなっ!!(泣)


すんません、他にもたくさん美味しーーー季節限定を食べたけど、

もうこのマロンザマンドに尽きる〜〜!!!

(即もう一枚買ったのはいうまでもない…)





あ、うそ、この定番セ−グルマロンもですから(笑)。

画像にはないけど、リュスティックシャテーヌロムもマスト!!

(ラム風味の栗のリュス。栗粉まで自分で挽く!)


あぁぁ、ほんとに夜行で来る甲斐があったとですーー!!

みなさん、このお店ではなんとしても、栗ものを食べてクリ−(笑)。





この日一緒だった、カメラの得意な友達が

なんと自分で撮ったアッシュのパン達をアルバムにしてプレゼントしたそう。

それをお店に飾ってくれているのをチェキ。

なんて素敵なプレゼントなんだろう!!

こんなの頂いたら、パン屋さんも嬉しいだろうよ…。

私までなんだか感激!!

これは店内で閲覧できるのでぜひぜひ!!




これだけは買わせてフロイン堂


せっかくJRの一日乗り放題を持っているのだから

全然車じゃなくてもよかったのに、

結局いつもどおり車に乗せてもらっている私(笑)。

いつもすまんねぇ〜。なんか居心地がいいのよ。

チビ助を抱きかかえ、後部座席に乗り込み、さぁ次は神戸へ急げ!





私だけちょっと寄り道をさせてもらった。

朝予約を入れておいたフロイン堂の田舎パン。

これだけはどうしてももう一度食べたいパンだったのだ。

(その時の感動レポはこちら

ほんとにこれだけをピックアップ。でも十分。

普通のぶどう胡桃パンなのに、これだけは他とは違うから。

こんなにジュースのようにワインのように

ジュワーっと甘い汁が溢れてくる干しぶどう、他に知らないし!




通販パンを通販させてたまるかameen's!


今回の旅を思い付いたのとほぼ同時に、ameen'sから「秋のパン」の知らせが届いた。

その通販スタートの初日がちょうど今日だったのだ!

ネット予約開始の10/5の午後10時にはみんなPC前で張り付き(笑)。

無事予約できた仲間たちと今日、ピックアップに伺った訳だ。


ameen'sを引き取りに行くためにこの旅に出たのか、

旅に出るからameen'sを引き取りに来たのか。

にわとりか卵か、どっちでもいい!(笑)

ついこの間も通販したじゃないの? …どっちでもいい!(笑)





前回来た時より、一層「お店」っぽくなっている!

ロゴ入りのブラインド−も、今回初めて。わーん、かわいいよぅ。





これから全国に発送するパン達を袋詰めにしている作業中におじゃました。

どもー! こんにちはー。

相変わらず人なつっこい愛嬌のあるMさん。

(って、怒んないでね(笑))


こんなに可愛いコウバ(工場)になってしまったので

普通のパン屋さんと勘違いされるお客さんが後をたたないらしい。

「うちは通販だけなんですよー」

そうお断りすることが一日何度もあるようだけど

そりゃそうだよーーこんなに美味しそうなパンが外から見えちゃ蛇の生殺しだ(笑)。





イスもチャイも用意してくださって、楽しく歓談。

お馴染みのあのフリーペーパーを置いたイス。

「あ、そのイスは座っちゃダメよ」

ディスプレイのためだからか?

  …と思ったら単に壊れているイスだからだって(笑)。





秋の季節限定パンである、クロワッサン!

そしてかぼちゃトースト!!

このうちの1個ずつが私のお腹に入るわけですな♪





お店でおもむろに食べ出す、レアな、…奇妙な? 私たち。

クロワッサンは、層が厚めで、かといってぎしぎしし過ぎておらず少しゆとりがある巻き具合。

バターと粉の風味がイーブンに香り、美味しい〜。

サクサクなクロワッサンとは対極の、「噛み切る」歯ごたえのクロワッサン。

これもスローに食べるのがよろし!





かぼちゃトーストも、まだまだ柔らかくて水分しっとりと貯えている!

ほんっとこのかぼちゃトーストも、かぼちゃそのまんまのリアルすぎる味わい。

うわーーん、ほんと直接ピックアップできて良かったヨー。


画像にはないけれど、胡桃とシナモンの餡が入ったクロワッサンが絶品!!


ついでに、私が悶絶したのはミレットスコーン。

「焼かないと歯が立たないよ」と言われたものの、それは嘘!(笑)

ぼろっぼろっと口に固まりで飛び込んでくるその生地は

バターと粉とツブツブ雑穀だけの純正スコーン、これはできたて当日に食べたこその感動…!!


そして、同じく季節限定のGOBOコンプレも…!!

まだ袋にも入っていない、パリッとした状態でかじりついたのだけど、

ごぼうには遭遇しなかったので単にゴマのバゲット状態でかじりついたのだけど、

これも感動するほどに後味がじわーーーと深くて大騒ぎ(笑)。

他のお客さま、ほんとに申し訳ない。

ていうか秋限定のパンはもう来年まで食べられないのに、

美味しい美味しいを連呼して申し訳ない(笑)。



いつもなにかしら他に都合をつけて来る大阪だけど、

今回は全く「パン」オンリーだな(笑)。

名古屋は日帰りが可能だけど、さすがに大阪は18きっぷでは往復は難しい。

今夜は可能な限り、東へ戻るのだ。

大阪駅まで送ってもらい、東へ戻る新快速に乗り込む。


だいたい大阪を18時頃出発するのを見込んで、

今夜は豊橋でホテルを予約しておいたのだ。


夕べから夜行であれだけ時間かけて通り過ぎて来た

京都、米原、大垣…と、全く逆戻りをその日のうちにする。

なんだか苦労して並べたドミノを

一気に倒してしまうような無力感すらあるな(笑)。


大阪18:15発 → 草津19:03着

草津19:19発 → 米原19:51着

米原19:56発 → 豊橋22:03着






* 後編につづく *