97-1.「2007年食べ納めパン」を巡る旅 〜秋田乳頭温泉郷〜
97-1.「2007年食べ納めパン」を巡る旅 〜秋田乳頭温泉郷〜
*旅の前書き*
父方の実家(北海道)で年越しをするのが我が家のしきたり。
しかしこの繁忙期。
北海道までの片道3万円、往復6万円の飛行機代がもったいなくてもったいなくて
そこで始めたのが「3万円かけて陸路で東北を北上する」…という
恒例の「食べ納めパンを巡る旅」。
2007年は…例年以上にパン旅頻度が高かったように思う。
それでも、やっぱり年末のこの北上旅への思い入れは強い。
2004年の旅(ESSAY31番)も、
2005年の旅(ESSAY56番)も、
2006年の旅(ESSAY77番)も、
本当に珍道中で自分の旅ヒストリーの中でも
指折り数えるほどにオモロイネタなのだ。
(ぜひ、過去の復習をしてから2007年をご覧頂きたく)
そう、この「食べ納めパンを巡る旅」がなければ一年が終われない!!
…といいつつ、今年の「食べ納めパンを巡る旅」は、
「パン」の登場が申し訳ないほど少ない。
その理由は…
12月の上旬に、すでに仙台に赴き、例年通うパン屋さんへの訪問を済ませていたからだ。
(12月仙台旅行はこちらから)
仙台をスルーすれば、毎年時間的に余裕がなくて立ち寄れなかったあの温泉へいける!
というわけで、第1日目は、温泉巡りがメイン。
珍道中…というほどでもないけれど
個人的には非常に実りある旅だったので書き留めたいと思う。
*
明け方の盛岡、リニューアル福田パン!
12月27日の深夜に夜行バスで東京を出発、
明け方6時過ぎに盛岡に到着した。
まだ辺りは真っ暗で、寒い!
凍り付く盛岡の町で、とりあえず駅で待機をし、
朝7時の開店に合わせて向かうは…
そう! 4年連続、福田パン!
今年、通りの向かい側に店鋪を移転し、新装開店したんだそう。
うわはは、ほんとに新しい! 新しすぎて違和感(笑)。
なんていうか…コッペパンの店、というよりは、
メロンパンとか似合いそうな(笑)。
福田パンのマスコットキャラのおじさんがにこりと微笑む。
わはは…なんか意味も無く笑いがこみあげてきます(笑)。
綺麗な店内だけど、変わらないのはカラフルなフィキシングたち。
店内でのイートインも可能なので、ここでサンドを食べて行こう。
おばさんの手際の良さは相変わらず、
ぞうりパン…もとい、巨大コッペパンに具をサンドしていく。
キャフェテリア(笑)でコーヒー(100円!)をいただきながら
今回は、いつもの野菜サンドに、カレーフィキシングをプラスしてみた。
326円(だったと思う)でこのボリューム…
子供の靴くらいの大きさのぞうりパン、毎度ながら「完食できるか?」と不安になるが
食べればその説明しがたい美味しさで、あっという間にペロリといけるのだ。
カレーフィキシングと野菜サンドの組み合わせは、
野菜サンドの持ち味である「辛子マヨネーズ」の美味しさをかき消す感じがあるが
それはそれ、これはこれ。美味しいーーっ。
盛岡までの夜行バス 5500円
累計 5500円
*
今夜の宿は、かの有名な乳頭温泉郷で宿を予約した。
私は学生のころ、夏と冬に1度ずつ、乳頭温泉郷に訪れたことがある。
いずれも名湯「鶴の湯」に行ったのだが、温泉もさることながら
そこで食べた名物の「山の芋鍋」と岩魚の美味しさが忘れられず、
「死ぬまでにもう一度食べたい味」のひとつに数えていた。
鶴の湯での宿泊はどのみちできないので(ひとり旅だし予約は夏から埋まるというし)
立ち寄り湯、そして昼ご飯に食べるのなら、朝から盛岡を出発しないとならない。
毎年、時間的な余裕がないので乳頭温泉に立ち寄れなかったが、
仙台に寄らない今年は、念願の「鶴の湯再々訪」が実現できる!!!
盛岡9:24 → (新幹線こまち乗車) → 田沢湖9:57
田沢湖10:12 → (バス) → アルパこまくさ10:46
鶴の湯の送迎バスが11時30頃にに来るので
それまで「アルパこまくさ」で待機することになった。
このアルパこまくさには、とても見晴しのいい、標高の高いところにある
ネイチャーセンターみたいなところ。
乳頭温泉郷は、標高は高いのだけど、山奥なので
眺望がよい、というわけではない。
しかしこのアルパこまくさの温泉は田沢湖を見下ろす眺望の良さが売りなんだそう。
そりゃーーー30分の待ち時間、無駄にしないわけがない!
いっちょ、ざぶんといきますかーー。
湯めぐり(1)アルパこまくさ
近年つくられた施設なのだろうか、
ものすごく綺麗な浴場でしかも貸しきり状態、
露天風呂からの景色が絶景…!!!
雲が晴れていたならば、きっと田沢湖も見えただろう。
ここは是非是非立ち寄りたいスポットかと!!
あまりゆっくりはできないのでサクッとあがり、
バスの到着を待つ。
同じバスを待つ人たちが6人くらいいただろうか。
前に冬に行った時は、立ち寄り客でごった返していて
しかも悪天候で吹雪の中で大変な思いをした鶴の湯。
今回も芋洗い状態だったらイヤだな…
アルパこまくさ →(宿の送迎バス)→ 鶴の湯温泉
マイクロバスに乗り、山の奥へと進んだ。
ああ、ようやく再訪できる、鶴の湯…
湯めぐり(2)乳頭温泉郷:鶴の湯
山の中にひっそりと佇む、湯治場風情が残る名湯、鶴の湯。
全国の秘湯好き、温泉好きにもっとも愛される温泉宿だ。
私は今日は一日前倒しで仕事納めをして旅に出て来たけれど
世の中的には今日が仕事納め。
狙い通りだったのか、そこまで混雑していないみたいだ!
私は3度目だが、一度も宿泊をしたことがない。
いつかこの本陣の長屋で宿泊したいのだが…
軒下につらなる干し柿(?)がまた郷愁を誘う。
事務所で、受け付けおよび食事の予約をする。
岩魚は焼くのに時間が30分以上かかるとのことで、
先にお風呂を済ませ、食事をすれば
ちょうど帰りの送迎バスの時間になりそうだ。
乳頭温泉郷には7つの温泉宿があるが
いずれかで宿泊するのであれば、この湯めぐり帖を1500円で購入できる。
これ1冊あれば、1500円で湯めぐりができるのだが
3軒以上寄れば元がとれる計算。
(自分の泊まる宿はもちろんタダだから、4軒以上じゃないと元がとれない)
ついつい欲張って、全部制覇したいと思うのは自然のなりゆき?!
この湯めぐり帖は、スタンプラリーと入場券と葉書を兼ねていてお得。
しかし…このあと4軒以上めぐれるんだろうか???
雪と氷でおおわれた橋を渡り…
鶴の湯にはいくつかの露天風呂があるが、一番大きい露天風呂は
混浴なので、女性専用露天風呂へ迷わず直行。
うわ! まじで?!
誰もいない! 貸しきり! うわーーうわーー
やっぱり1日前倒しで旅行に出てよかった!!!
乳白色のお湯がかけ流される、本物の温泉。
強烈な硫黄臭でいつもその後服が臭くなって大変だけど(笑)
いやーーー、ほんとここは山奥の極楽…
学生のとき、夏に一人旅で来た時も貸しきり状態だった。
当時は、「写真は自分が写るもの」と思い込んでいたので
そのときは、セルフタイマーで入浴中の自分を写真に撮っていた(今じゃありえん(笑))
食べ物風景専門となった今は、足を写すのが精一杯(笑)。
ちゃぷーーん。きもちいい。。。
休憩場へ移動し、お待ちかねの山の芋鍋定食!!!
こんなに色とりどりの小鉢がついていたのは記憶していなかったので
うれしすぎる誤算ーー!
菜の花ととり肉のからし和え、フキの煮つけ、山菜の白あえ、
いぶりがっこ(大好き!秋田の味)、そして岩魚の塩焼きに
山菜やきのこがわっさわっさはいった山芋団子入りの鍋!!!
山の芋鍋ももちろん美味しいけど、
やっぱり岩魚の塩焼きが失神しそうなほどに旨い。
これだけでご飯2杯いけるさ…
ああーーー、ほんとに来て良かった!!!
鶴の湯温泉 →(宿の送迎バス)→ アルパこまくさ
アルパこまくさ13:49 →(バス)→ 乳頭温泉14:02
乳頭温泉郷の中で、鶴の湯だけがやや離れたところにあり、
その他の温泉宿はすべて徒歩ではしごできる。
私が今回泊まるのは、「大釜温泉」という宿(後述)。
先にチェックインを済ませ、夕御飯の18時まで、たっぷり湯めぐり!!
湯めぐり(3)乳頭温泉郷:蟹場温泉
大釜温泉のすぐ側にある「蟹場温泉」。
ここには、宿から歩いて数百メートル山道をくだったところにある
離れの露天風呂がある。これが入りたくてやってきたのだが…
番頭さんにスタンプを押してもらい、
靴をそのまま持参して、外の雪道を歩き、露天風呂へくだっていくと…
ほんっとに谷間に自然の湯治場が!
し、しかし…
ここでも混浴という高いハードルに阻まれる(笑)。
遠くから盗み撮り…(笑)
先客の男性は、おじいちゃん3名、やや若い男性1名。
計4名があがってくるのを待つしかないのか…
うう、ここまで来て諦めるのはやだなぁ。。。
しかたがないので内湯に入って時間を潰していよう。
内湯も悪くはなかったが(岩風呂は平凡だったので木風呂に入った。湯の花が浮きまくり)
正直言うと、ここの宿では露天風呂に入れなきゃあまり意味がない!
再度、雪道を歩いて様子を伺いにいくも…
また新たに男性客がっ。
あーーーん、混浴のバカー−。
こういうとき、女性であることを恨むよ。
男になりたい!
いや、男になるのは現実的じゃないから、
早くおばちゃんになっちゃえばいいか?!(笑)
湯めぐり(4)乳頭温泉郷:孫六温泉
続いて、今度は孫六温泉へ。
ここは、学生のときに夏に立ち寄り湯したことがあるが
そのときは車で近くまでいけたのだが、
歩くと15分くらいかかるとのこと。
雪道だったから、少なくとも20分かかる。
延々と誰も通らない寂しい川沿いの道を歩きながら…
唄でも唄いながら目指した。
孫六温泉は…
以前きたときは、ほんっとうに「ザ・秘湯」の風情で
とにかく、他の温泉宿に比べて格段に湯治場風情が強烈。
混浴風呂が外から丸見え状態だったのを覚えている。
しかしそんなに人がいなかったので構わず強行突破した覚えが…
延々と雪道を歩くこと20分以上。
完全に下界と隔絶された、文字どおり人里離れた渓谷沿いに
一軒の温泉宿が! 到着ーー!
何種類も風呂があるのだが
女性専用風呂以外は全部混浴。
以前来た時に女性専用風呂があったのか記憶がないが(相当前だし)
助かった。。。
男性って、ほんと得だよね−ーー(笑)。
ここも男性が占有する露天風呂。
非常に風情があるけれど、通り道から丸見えなので
入っている者も、横切る者もちょっと目が合わせづらい(笑)
からこの湯!
これは女性専用。
大昔のお風呂って、こういう感じだったのだろうなーと思わせる
現代では化石のようなお風呂である。
こちらが石風呂。
この日、私以外に3人しか客がいなかったので
このようにパシャパシャ写真が撮れたのだが…
「さーて、誰もいないすきに…」
タオル一枚で、岩風呂に入ろうとすると
同じタイミングで向こうの入口からおじさんとはち合わせ!(笑)
お互い同時に「す、すみませんーー!」と謝る。
混浴ってのは意外と男性も堂々と出来ないものである(笑)。
結局私が逃げるカタチで、お湯をゆずったのであった…とほほ
じゃん!
こちらが女性専用露天風呂!
渓谷が横を流れ、野生度満点!
じゃぶじゃぶ無駄遣いのように流れる温泉!!
最高じゃないかーー
と、思いきや、お湯がめちゃくちゃ熱すぎる!!!(笑)
あまりに熱すぎて、一瞬にして足が真っ赤ッかに。
雪でちょっと薄めてみるものの、やっぱり熱いよーーー
一瞬入っては出て休みの繰り替えし。
とにかく熱くて、ある意味それもワイルド…
さすが孫六っ?!
湯めぐり(5)乳頭温泉郷:休暇村
大釜温泉のとなりに、妙の湯というこの温泉郷の中で唯一の
モダンジャパニーズな、優雅な温泉宿がある。
ここの立ち寄り湯の時間は非常に短いのでお風呂には入れず…
せめてちょっと中を覗いてみたいなと思い、扉をあけた。
「お土産品だけでもちょっとみせて頂きたいのですが…」
「お土産はここにちょこっとあるだけなんですよ。
お土産品なら、この坂を登ったところにある休暇村さんに
売店がありますよ」
休暇村かぁ〜。
湯めぐり帖のうちの1軒だ。
近代的なホテルだし、あまり興味がなかったけれど
夕食までまだまだ時間あるし、ちょっと覗きに行ってみようかな。
車道をのろのろ登って行くと、ブナ林の中に、大きな施設が。
休暇村は、まだ新しいのかとても綺麗で立派なホテルだった。
お土産も充実しているし、お風呂も入ってみようかな。
お風呂は、アメニティが非常に充実していて、
それこそタオル一枚で完璧。そう、温泉旅館につきものの
「お試し化粧品、シャンプー」の類いが充実しており(笑)、
どれもじゃんじゃん使える。
とても清潔で行き届いていて、ここで洗髪など済ませておくといい!
泊まるならここでも良かったかもーー。
そして、なにより野天風呂はこれまたブナ林に囲まれて
屋根はあるけれど、イイ風情。
ここですべて身支度整えられてよかった。
帰り道はもう真っ暗で、街灯なんて当然ないので、
恐る恐る雪道をくだりながら宿へ戻る…
車が来る時はちょっとしたスリル!
湯めぐり(6)乳頭温泉郷:大釜温泉
今回泊まるのは大釜温泉。
ここは、小学校を移築した建物だそうで、
外見は黒い木造校舎の佇まい。
ただし中はごくごくフツーの家庭的な下宿的なもの。
他の宿はどこもひとり客はお断りだったり満室だったりで
消去法的にこちらの宿になったのだが
楽天で手軽に申し込めたのがよかった。
温泉は、他の宿にくらべるとちょっと見劣りするけれど
やはりここでも貸しきり(女性客はこの日は4名だけだったこともあり)
露天風呂の温度はどこよりも適温で、ゆったり入ることができた。
(ただし、翌朝は大雨で、朝風呂は冷たくて入っていられなかった)
6時になると、宿に響き渡る鐘の音。
手で鳴らしているようで、それがなかなか面白い。
食堂に移動すると、ひとり客が多いのか、
お一人様のお膳がいくつも並んでいた。
みんな楽天で申し込んでいるようで、こういうひとり客歓迎の宿は
ありがたいんだよなぁ…。
あまり期待していなかっただけに、食事の良さがありがたかった!
山菜を中心とした山里料理で、
いくら食べても太らなさそうな料理ばかりで(イイ意味で質素)
きりたんぽ鍋も絶品、なによりも鮎の一夜干しが最高に美味しすぎる!
こういう料理なら大歓迎〜。
ふと、部屋の向こうの方に見覚えある顔が…
…あ! さっき孫六の混浴ではち合わせたおじさんだ(笑)。
気まずいなぁ…(笑)
またお風呂に入り(本日いったい何回お風呂に入るんだ…)
寝床でフィギュアスケートを見ながら早めの就寝。
朝食は夕食にくらべると非常に質素だったけれど
まぁ昼ご飯にがっつり他で食べればいいことで!
湯めぐり倒した乳頭温泉を後にし、今日は一気に北海道まで移動!
念願だった乳頭温泉湯めぐりも叶い、
ほんとに来て良かった〜。
乳頭温泉8:40 →(バス)→ 田沢湖駅9:27
田沢湖駅9:58 →(新幹線)→ 盛岡10:38
盛岡11:03 →(新幹線)→ 八戸11:31
盛岡←→田沢湖新幹線往復+北海道(長万部)までの乗車券 17510円
宿泊代 10500円
(温泉めぐりに関わる交通費等は含まない)
累計 33510円
八戸八食センターで廻る寿司!
今日はひたすら移動で、夕方までに函館につくために
ほとんど車中で過ごす状況。
昼食のために、八戸で2時間ほど時間をとった。
八戸で目当てにしていたのは、
駅から100円バスで20分くらいの場所にある、
八食センターという、巨大なショッピングモール。
八戸の一大観光スポット(?)である。
別にどこで食べるとか考えていなかったのだが、
入口に入るとすぐに見つけたものすごい行列に目を奪われた。
回転寿司なのだが、この行列は尋常じゃ無い…
しかも、どうやらすべて地元の人のよう。
(普通に買い出しに来ている感じの格好)
最後尾でも30分以上は並ぶようで…
どうせ1時間以上余裕あるし、よーし、これは並んでみるか!
45分並び、ようやく店内に入れた。
店内での撮影はNGだったので画像はないけれど、
どのネタも美味しく、相場よりもやや安い印象。
あれこれ食べて、伊勢海老がまるごと半身(でも中身はない…)入った
超ド迫力の味噌汁も絶品で、2600円程度で済んだ。
お酒飲まなかったからこんなに格安で済んだのか〜。
まさか八戸で寿司食べることになるとは思わなかった、
さーて、今夜函館では何を食べようか…
*後編:函館上陸編へ続く!*
2007.12.28〜30