77-1.「2006年食べ納めパン」を巡る旅 〜東京→仙台→花巻〜




*旅の前書き*



父方の実家(北海道)で年越しをするのが我が家のしきたり。

(詳しくは2003年年越し篇。こちらから)


しかしこの繁忙期。

北海道までの片道3万円、往復6万円の飛行機代がもったいなくてもったいなくて

そこで始めたのが「3万円かけて陸路で東北を北上する」…という

恒例の「食べ納めパンを巡る旅」。


2006年も散々、呆れるほどパン旅をしたというのに

それでもこの年末北上旅には毎年並々ならぬ思い入れがあり。

2004年の旅(ESSAY31番)も、

2005年の旅(ESSAY56番)も、

本当に珍道中で自分の旅ヒストリーの中でも指折り数えるほどにオモロイネタなのだ。

(ぜひ、過去の復習をしてから2006年をご覧頂きたく(笑))

そう、この「食べ納めパンを巡る旅」がなければ一年が終われない!!



今年も年末の激務中、あれこれプランニングして妄想を楽しんだ。

今年も18きっぷで各駅停車で北上しようか?

でも時間を優先するなら新幹線か…。

そんなとき、「青森・函館フリーきっぷ 」なるきっぷの存在を知る。

東京から青森〜函館エリアまでの新幹線が一週間乗り放題で29800円!

もしこれを往復で使ったなら、ものすごい安く済むじゃないだろうか???


しかし…。これだと肝心の「仙台」で途中下車できないのである。

そもそもこの北上旅は、仙台でパンを食べるために企画されたもの(笑)。

青森まで新幹線で一気に行ったところで、パン食べられるか、と(失礼)


あれやこれやシュミレーションした挙げ句、

今回はなんと大奮発。最初(東京)から最後(函館)まで

ほぼ新幹線と特急で乗り継いで旅することに決定!

温泉旅館も一泊は1万円以上する宿に決定!


おおお、、、なんか少し去年よりグレードがあがっているんじゃないだろうか、今年の旅!

…といいつつ、2004年や2005年とあまり変わり映えのしない旅ルート。

そう、お馴染みのあの店、あの風景が私を待っている!!!

…長い前置きだナ)





出発はほぼ始発のやまびこ。

(始発の「はやて」は全席指定なので自由席の私は乗れない)

おおお、、、滅多に乗らない新幹線。憧れの新幹線(笑)

仙台には8時台に着く。18きっぷで行くと5時間かかるところを…

なんとラクチンっ。


…しかし…たいてい私は旅の前夜は準備やらなんやらで

いつも徹夜なのである。もれなくこの日もそうだった。

長い電車の旅は貴重な睡眠タイムなのだが…。

新幹線、到着早すぎますっ!(笑)



東京 6:04発 → 仙台 8:01着



八戸までの乗車券(途中下車OK) 9350円

仙台までの新幹線特急券 4810円


累計 14160円






2006年食べ納めパン@仙台その1 ハイカラ?老舗パン屋さん




仙台に到着したのはまだ朝の8時。

「いつもの店」バーニャに行くにはちょっと早すぎるか、

同じ駅にある老舗のパン屋さんでコーヒーでも飲んで待機していよう。

バーニャとは駅を挟んでちょうど反対方向に10分弱歩くと

近代的なカフェ付きパン屋さんが。


このパン屋さんは昭和初期創業で老舗らしいのだが、

パンのラインナップ的には至って現代調。

郊外のファミリー向けパン屋さんとかデパ地下とかに通じタイプ。

主力は菓子パン惣菜パン、イチオシはクリーム入りのメロンパンとか。

…が、解説だけで終わるのは申し訳ないので(笑)一個だけ選んでみた。





自家製スイートポテト入りのパン。

その名も「さっちゃん」。

さつまいも餡、ではなく、スイートポテトってところがハイカラである(?)





二階のカフェテラスでいただいたが

このスイートポテト、すごい美味しいなぁ…。

もっと無駄に甘いかと思ったら意外に甘さ控えめ。

バーニャが控えているというのに丸ごと一気にぺろり。






2006年食べ納めパン@仙台その2 バーニャのパン




この店に来るために年末旅があり、

この店があるからこそ仙台があるのであり(笑)

本場の味を伝えるパン屋さんが増えてきている昨今であれど

全国各地の名パン屋さんに足を運べど、

こんなパン屋さんは他にはない、奇特なパン屋。

それがバーニャ(笑)。かれこれ4度目のバーニャである。




(クロワッサンが全部あっち向きになっている(笑)いちいちツボにくる店である)



この店の「すごさ」については04年にも05年にも散々語っているので

今回はお手やわらかに(笑)

厨房には兄ちゃんともうひとりの職人さんがパンを焼き、

いつものお母さんが接客。

一年に一回、この日に決まって訪れる客…だなんてこと、

どんだけ私が熱烈なバーニャファンであるってこと、

この日をどんだけ待ちわびているかなんてこと、

……知らないんだろうなぁ(笑)。





「トブルトン」?(笑)

もうねーー、、、朝から笑わせないでください(笑)。

「ザ・マジパン」ってくらいにねっとりアーモンドクリームがペースト状になった

ガレットブルトンヌ。ねっとりねとねと甘い。さすが!





これもものすごく美味しそう

名は体を…じゃない、「字」は体を表さない(笑)。

私はリンゴのタルトをお正月用のお菓子としてホールで購入。

(もう少し小さいサイズだったがたしか600円程度だった気がする、立派なタルトなのに、、、安ぅ!

しかし、旅の道中、持ち運びに苦労。下敷きにずんだ餅を一箱買ったりして何とか北海道まで運んだが

ずーーっと「バーニャ臭(=窯の焦げ臭い匂い)」が漂っていた(笑)。さすが!!)





あれこれ買うも、なんだかこうみるとあまり美味しそうに見えないのだが(笑)

見た目を裏切ってくれるのがこの店の定石。





レジでおかあさんに「焼き立てよっ。美味しいから」と薦められるままに

購入したシュバルツブロート。ひまわりの種つき。買わせ上手だな(笑)。




すかさず試食にくれたシュバルツブロートは、

湯気がぼわぁぁ〜んと立ちこめるまさに焼きたて。

手に渡されて火傷しそうになったほどだ(笑)。

普通のパン屋さんなら焼きたてのライ麦パンは薦めないのが定石なのに

やっぱりここは違う(笑)。


そして、この焼きたてシュバルツはありえないほどに美味しかったのである。

つきたての餅…というか、歯切れのいい餅というか(笑)

「これは粘土か」というほどにねちょねちょした粘着質の塊、

噛めば歯に確実に挟まってくる。つまようじ必携、みたいな(笑)。

そして濃すぎるほどのライ麦の旨みとコク…!! ひぃぃ〜!!





カンパーニュもっ。




クロスグリもっ。





バゲットも〜っ!


ほんとにほんとにどのパンもひとくせふたくせあり

一度食べたら他のパンが「やわ」に感じる本場臭さ。

ひとたび店に入ったら、焼肉屋に入ったあとのように、

硫黄の強い温泉に入ったあとのように、

ちょっぴり残り香が気になる不思議なパン屋さん、バーニャ(笑)。

また来年も…来年も…。






2006年食べ納めパン@仙台その3 BAGEL U



バーニャで降り出した雨は、富沢に着いたころにはだいぶ止み

青空が広がっていた。そういえば…年末のこの日にくるときは決まって雪景色だった。

今年は雪が遅いのかな?





バーニャとセットで仙台では必ず遊びに行くベーグルUちゃん。

Uちゃんところに「今年も年末行きます」とメールをするときに

ようやく「1年が終わるんだなぁ…」と実感するのである。

そして1年という時の流れの早さに驚くのである。


「今年は雪がまだ積もっていないね」

「毎年mi_waさんが来る日に大雪とか初雪なんですよ〜今年はめずらしい」

おおお、私は雪女だったのか(笑)





いつもの定番に加えて、季節ベーグル。

今年の冬はなになに?

ラムココマロンベーグルにフルーツチョコベーグル。

ふぉぉ…! これ、2個ずついただきまふ!


ラムココマロンは、マロングラッセとココナッツをペースト状に

混ぜ合わせたもの。しっかり甘いけれどココナッツのせいかキレのある味わい。


個人的に悶絶したのはココアのかかったフルーツチョコベーグル!!!

「フルーツケーキとチョコが入っている」

とのことなのだが、フルーツケーキ? え? どゆこと?

しかし食べてみて納得。


甘〜いドライフルーツと火が通って粒状に固まったケーキっぽい部分(笑)に

シナモンがスパイスになり、さらに甘いチョコレートがとろけて混じり合う!

うわーーー、これは、、、確かにフルーツケーキを巻き込んでいる感覚!

なんて贅沢なんだろ、、、美味しすぎるよぉぉ〜!





大好きなスコーン、なんといちごみるく味♪

まんま、練乳をかけたいちごのような、

昔ながらのいちごミルク飴のような、

あまりスコーンでは食べたことがない斬新さなのに、やっぱりどこか懐かしい…。





定番の中でダントツに好きなのがこのとろけるモッツァレラ。

目には見えないのに、生地にたっぷりとモッツァレラが混ぜられており

確かなチーズの存在感。チュウイーさが一層増すのである。

今回は3個も買って来てしまったが、画像は去年のを使い回す(笑)。





まさか今年も再会できるとは思わなくて感謝! のシュトーレン。

去年のとはまた趣向を変えて、今年はよりベーシックにマジパン入り。

レーズンや胡桃といったお馴染みのパーツなのに、他店のとは違って

生地と具の馴染み具合がすばらしい!

生地が全然粉っぽくなくて、ひたすら生地と具が舌の上で溶け合う。

旅の途中、電車の中でちょこちょこつまみ食いしながら何日もかけて味わった。

はぁ…。これもすでに年末の風物詩。





しばし楽しい時間を過ごさせて頂いた。

そして店を後にするときには決まって「それじゃ、また来年!」

いいな、毎年こうして必ず会いに来れるお店があるのって。


私信。

ゆず、肉。

最高にハゲウマ。心から感謝!!!




*余談*


仙台でこの2店を巡るときに困るのは、食べるタイミングがないこと。

まぁたいていバーニャの方は歩き食いしてしまうのだが(笑)、この日は雨に泣かされた。

食べたい気持ちを抑えながら、とりあえず東京へクール発送するための梱包をしなきゃなのだ。

一番持ち込みしやすいカラオケ屋は時間的にまだ開いてないし(笑)


やむなく今年もコーヒー店でこっそり梱包作業しようと、

駅近くの広めの店に入り、注文する前に席を選ぼうとうろうろしていると…。

中高年の婦人に突然声をかけられた。


「よかったらこのカフェオレ、飲んでいただけません?」

…は?」


突然のことになんのことやらさっぱり(笑)。


「待ち合わせのつもりで飲み物注文したんですけどね、待ち合わせの店がここじゃなくて

広瀬通りの方の支店だったみたいで…すぐ行かなきゃいけないんだけど、これもったいないでしょ?

全然手をつけてないので、汚くないですから、ぜひ(笑)」


こういう予期せぬラッキー(?)に、よくよく遭遇するmi_waである。

お店には申し訳ないけど、ゼロ円でパンの梱包(しかしヒジョーに目立つ)を働く

mi_wa@旅の恥は掻き捨て、…である(笑)。




無事パンの梱包を済ませ(途中つまみ食い)、いざ発送しようと

調べていた宅配便の営業所を探すが…駅の東口西口を間違えて、

延々歩き回った挙げ句にようやく辿り着いたのはなんと1時間後! へろへろでんがな、、、


しかもそのせいで、乗ろうと思っていた新幹線は明日からの増発便。間違えた!

げ?! まさか次の便は…花巻到着14時42分?!

それは困ります!

やばい、やばい、やばいーーー!!!




仙台 13:42発 → 新花巻 14:42着



新花巻までの新幹線特急券 2520円


累計 16680円






花巻名物?! 満州ニララーメン、そのお値段は



2004年に続き、今年も花巻で宿泊することにしていた。

それは…どうしても寄りたい店があったのである。


だてに3年も連続で東北旅行の計画を立てているわけじゃない、

けっこう東北の温泉や宿、グルメにも詳しくなっていくわけだが

その中でこの3年間、ずっと行きたかった(でも時間がなくて行けない)

”そそられる”店。

…それが花巻にあるのである。



ついでに、なにかこの辺りでラーメン屋でもないかと聞き込みしたところ

「満州ニララーメン」なるものが地元でも有名らしい。

調べると、かーなーりー私好み(担々麺好き+ネギ辛みそラーメン系好き)

これも、絶対に行かねばならない。


しかし、この店の問題点は

…「午後15時閉店」なのであった…



新花巻駅は、新幹線の停車駅。

花巻駅とは、別の駅なのだが、

てっきり近いもんだと思い込んでいた。歩いて30分くらいかな、と。

いや、それは大いなる勘違いであり…バスで30分の間違いであった(笑)。


その満州ニララーメンの「さかえや本店」さんは

場所的には花巻と北上の間くらいにあるようなのだが

ろくに調べないでいたので、これも「歩いていけるのかな」と勘違いしていた。


花巻への新幹線の中、お店の地図を携帯で調べると、

こりゃ歩いてなんて絶対行けなさそう!

とりあえず15時閉店、新花巻到着が14時40分ってことは…

20分しかない!! ぎゃーー。


即座にお店に電話をした。

「すみません! 15時ぎりぎりに到着してもオーダーだいじょうぶですか???」


かなり必死だったのである(笑)。



「新花巻」に到着、猛烈ダッシュでタクシーに乗りこむ。

「このラーメン屋さん、おねがいしますっ!」

お店の住所と地図を渡す。

ラーメン屋ごときにタクシーか、、、

私っていつからそんなセレブになったのか(違)。


想像以上に「新花巻駅」から店までの道のりが遠かった。

新花巻駅は思いきり田舎にあったようだ。

風景がまさに「イーハトーブ」!

「花巻駅」からだったらここまで遠くなかったと思われ


タクシーのメーターは無情にもカウントし続ける。

ひぃぃ、、、ラーメン代が1000円越えた…





私、年末にバカみたいに高い洗濯機を新調したばかりでお金ないんですっ。

ラーメンと洗濯機が頭の中でぐるぐる追いかけっこをしていた(笑)。





ひぃぃーーー(泣)。





15時1分前に到着!

タクシーのメーターは2800円くらいだった。

3000円行かなくてよかったですね」

と語るはタクシーの運ちゃん。

…余計なことおっしゃらないでよかとです(苦)。


15時ジャスト。

店の中から店員さんがのれんを外そうとしていたところだった。

タクシーで乗り付けた私を見て少し面喰らったような表情で(笑)。

すみませんーーーまだそののれん、そのままでっ!!!





ラーメン自体は非常に手頃。びっくりするほど手頃。

ただのラーメンは330円!

お目当ての満州ニラみそラーメンは480円!!! 餃子つけても50円アップ程度とわ。





毛筆のお品書きが壁にはられ、ちょっとシュールな笑いを誘うイラストがはられ。

ちょ、それ、笑わせないでください、ワシントン倶楽部(笑)。





オーダー後、ものの3分で出て来た!

おお、これぞ「安い、早い、美味い!」の3原則を守る店!

この「男の味」満ニラ、色がものすごいことになっていて

見るだけで唇がびりびりしそうなのだが、食べてみると、…やっぱり辛くて(笑)。


味はなんというか、ラ−油味。

ラー油を飲みやすくしたような味で(笑)、いやいや、なかなかどうしてこれが旨い。

ニラと焼肉、オプションの揚げ餃子がいかにもスタミナ系の組み合わせ。


さらに、細くて縮れた麺は、よく担々麺で使われそうな

中華の乾麺っぽい、ちょいチープなテイスト。

これになにか変わった具が絡み付いてくるのだが

こ、これって、紅ショウガ????

この突拍子もない組み合わせはなかなかどうして旨い。





気付くとしっかり完食していた。

いや、次の店のことを考えなければスープも全部飲み干していたかも。

ぷはー、、一気に体内発電on。カラダがhot!


…しかし…

なんと高くついたラーメンか(笑)。



往復タクシーを使うわけにもいかず、小雨の中、荷物を引きずりながら

駅の方までとぼとぼ歩き出した私。

タイミングよくバスが私をおい抜かして行った。おお、バスが通っている!?

乗せてくださいーーー必死の形相でバスを追い掛けた。






花巻名物!! マルカンデパート展望大食堂



次の目的地こそ、今回の旅のメインのひとつ(笑)

とあるデパートの食堂である。

デパートといっても

どこの田舎の町にも一軒はある百貨店である。

ほとんどの階は「問屋」とか「洋品店」という感じで(笑)。

しまむを大きくしたような感じといって伝わるか?

決して、若い女性が好き好んで行く類いの百貨店ではない。





しかし! ここにはなんと昔ながらの「食堂」があるのだ。

そう、私がまだ子供の頃にはまだ存在していた、

デパートの最上階レストラン街の大定番、ファミリー食堂である。

今や化石となってしまったデパートの食堂。

今のようなフードコートとは違う、ひとつのカウンターから、和・洋・中の

あらゆるジャンルのメニューが豊富にそろう、あれ、である。

昭和年代生まれの私にはたまらない、あれが「現存」しているなんて。

このデパートの存在を知ったのは2年前の北上旅のことだけど、

ようやく、ようやくここに来ることができた…感無量!

(なぜにそこまでして)





最上階の6階フロア全部がまるごと食堂!!

ふぉぉぉーー!! このステンドガラス調の色彩センス!

たまりませぶん!!!





ショーウィンドゥには、感動するほどの大量の食品サンプルが!!!

ラーメン、蕎麦、ナポリタンにオムレツ!

どれもすごい安いのだが寿司がやたら充実していたのには驚いた。

食券制というのもまた懐かしい。

券売機ではない。ちゃんと食券売り場で係員が食券を切ってくれる。





とにかく広い食堂は、時間帯的にもう食事の時間ではなかったので

ゆっくりお茶を飲みながら井戸端会議をしているおばあちゃんたちや

若い子たちがお水でねばっていたりとか。

各テーブルには魔法瓶、中身はもちろん番茶!





窓際の席は、さすが「展望大食堂」と呼ぶだけある、ほんとに景色がよい。

この食堂から古い町並みを眺めていると、

今が平成の世の中であることの方が嘘くさい。





私が頼んだのはまたまたラーメンであった(笑)。

いや、さっきの満ニララーメンはお昼ご飯。

今度のは夜ご飯ですから(笑)。


今日のランチとディナーの間隔、たったの30分(笑)。



さっきの満ニラと味がかぶらない、塩味のワカメラーメンにしたのだが

わさわさワカメまみれ(笑)。

しかしワカメに隠れて見えなくなっているが

ホタテも海老も大きいのがまるごとごろりと入っていたのにはびっくり、

お値段もなんと420円!!! ありえねーー。





しかも!

これがなかなかどうして、旨い!!!

懐かしい函館ラーメンを思わせる、きれいな透明感のある塩味。

いや、正直言うと、そういうラーメン通には通じない味かも知れないけど

一般ピープルの私には十分すぎるほど通じる味。ようするに、フツーに旨い!(笑)





そして!!!

全国B級グルメの登竜門(勝手にそう思わせて頂くが)

マルカンデパートといえば、ソフトクリーム!!!

この職人芸を感じさせる9段巻きのソフトクリームがなんとなんと、お値段据え置き140円!!!





北海道の人間が家で焼肉と言えばジンギスカンを食べて来たように

北海道の人間がお赤飯には小豆じゃなく甘納豆を入れるように

北海道の人間が鶏のから揚げをザンギと呼ぶように

花巻の人々は、

このソフトクリームを食事の締めに食べるのが、

このソフトクリームを"箸"を使って食べるのが、

ごく当たり前なんだそうな。





ほんとなのだろうか、周りにソフトクリーム食べている人が

ひとりもいなかったのでその真偽は確かめられなかったが(笑)、

私もさっそく"箸"でソフトクリームを食べる!

(もし違ったらただの恥ずかしい人の気がする(笑))





これがなかなかどうして、食べやすい!

箸でソフトクリームの上部を挟み取る。

箸でソフトクリームの表面を削ぎ取る。

すごい、これは食べやすいーー!





し、しかし食べやすいのは方法上であって、

ソフトクリーム自体はこってり昔ながらのソフトクリームで

少しなら美味しいが、最後まで美味しく食べるのは困難。

ましてやラーメン2杯食べた後の私にはあまりにヘビィで、

だーだー溶け出して来た(笑)。

キャッチする皿がないからナプキンを申し訳程度に敷き

がんばってがんばって9段巻の部分は食べたが…



コーンは食べずに逃げた(笑)。




いやー、マルカン。

感無量。ほんとにここに来た甲斐はあった!

平成の次の世も、その次の世でも永年存続して欲しいなぁ。






すっかり定宿?! 花巻鉛温泉自炊部



2004年、たまたま偶然知った温泉宿。

それが花巻温泉郷の鉛温泉、藤三温泉。

この時に泊まった湯治客向けの「自炊部」があまりに印象的だった。


古風な佇まい、素朴な人々、大正浪漫を感じさせる底の深い岩風呂、

川のせせらぎを眺めながらの露天風呂。


…そして…

なにより安い!!!

2年前は食事付きで泊まったからわからなかったが、

素泊まりだと2000円なのである!!

あのステキングなお部屋とお風呂がついて2000円!


実はこの鉛温泉よりも手前にある大沢温泉というところも

同じように旅館部と自炊部がわかれた

ピンとキリを合わせ持つ(笑)旅館があり

そちらも風情があるのだが残念ながらこの日の自炊部は満室。

(ちなみにその温泉のすぐ側にドイツパンを焼くレストランがあるのだが年末につきパンは焼いていないとのこと、、、)


もう、やっぱりここは鉛温泉に再訪する運命なのである。

もはや私の定宿である。





到着したのはとっぷり夜、18時頃だったのだが

嬉しいのは、花巻温泉郷というのは無料の送迎バスが走っていること。

駅からおよそ30分、久々の鉛温泉にやってきた。





旅館部と自炊部は2004年の時にも詳細に書いたが

料理やお部屋はもちろん、スリッパ、浴衣に至るまで全て格差がある。

自炊部はめちゃくちゃ寒いし廊下は暗い(笑)。

でも私にはこっちの自炊部の方が断然魅力的なのである。





素泊まり2000円、というのはあくまで素泊まり。

そう、ストーブ代などは込みになっていない。

ストーブ+燃料代=750円、

テレビ代=400円、

浴衣+バスタオル=500円(笑)。





寝ていてもすきま風で頭が冷たいほど、通気性のよい部屋だから(笑)

やせ我慢したらたぶん凍死するのでここは絶対ストーブは必須。

つまり、冬に額面通りの宿泊はしない方がいいのである(笑)。


こたつも使用したら400円かかるのだが

昼間にタクシーで散財した私には高額すぎて払えない(笑)。

こたつには電気をいれず、布団にくるまって年賀状を書いた(笑)。





しかしほんとに風情があってこの宿が好きだ。

なんていうか、、、不治の病にかかった書生さんっぽくて(げほげほ)。

さりげなくこの応接セットはカリモク? これぞ本物の年季もの。





食事はもう16時台に済ませてしまっているので(笑)、

あとはお風呂に入るだけ。

ここの露天風呂はヒジョーに熱いので長時間入るにはきついが

川のせせらぎと雪まじりの風に打たれながら入るのは至福…!!!





19時半からは混浴の岩風呂が女性専用になる。

一昨年もそんなに混んでなかったが、今年もさらに混んでない。

しばし一人占めタイム。

ここの岩風呂はとにかく天井が高く、とにかく湯舟の底が深い。





透き通ったお湯でも、底が見えないほどに深い。

だって、165センチの私ですら、顔しか出ないほどに深いのである!


ここの温泉、ほんとに好きだ〜。

画像では伝えられない、古きよき浪漫が満ちあふれている。

熱すぎてすぐにのぼせるお湯ではあるけれど

高い天井をみあげながら、休み休みお湯を楽しんだ。





ビールとリンゴジュース。

そして年末北上旅、恒例の年賀状書きタイム。

毎年「こんなとこでなにやってんだ、自分…」と思う時間である(笑)。





翌朝は、目指すパン屋さんがあり、8時前には宿をでなくてはならなかった。

しかし寝坊! うがーーー

お風呂へすばやくざぶん、すばやくメイク。

お代を払って駆け足でバス停へ向かった。





撮る時間がなかった旅館の画像。

この画像も前の画像も、2004年の使い回しです(笑)。

やっぱり定宿があると便利です?!



宿泊代3700円


累計 20380円


(旅費のルール: 直線距離の交通費と宿泊費のみ加算。

パン代やその他の交通費が…別途それなりにかかっているらしい(笑))




後編につづく*

2006.12.28〜29