72-3.8月最後の旅、西へ 〜和歌山よもぎナイツ、山と海〜


*旅の前半、72-1「名古屋編」はこちら

*旅の前半、72-2「関と京都の町家編」はこちら




そもそも今回の遠征は

前回の和歌山来訪時に決定した「続編」なのである。

前回やリ残したことがたくさんあり

それを全部(いや、全部は無理だ…)やりつくすための「続編」。

この日は日曜日だったのだが、「お目当て」が日曜定休。

それゆえ、和歌山一泊旅になったのであるが…。


そう、前回を上回る「和歌山ナイツ」。

続編である(笑)。


さーて、長いぞー今回のも。

続編は長編である。覚悟っ?!






前回、GAMAさんから和歌山市まで車を走らせている時に

連れが突然大騒ぎした。

関西ではとても有名なイタリアンのお店を見つけたのである。

「こっちがいい、こっちで食べたい」と大騒ぎするが、

その夜は「和歌山ラーメンを喰らう」という

私にとっての大イベントがあったので(笑)却下してもうた。


あとでお店のHPなど見てみると、若きシェフのこだわりの料理に

私も完全に心を奪われてしまった。

満を持して今回、改めてランチでリベンジするのである。





…それが、リストランテアイーダ。

知る人なら知っているであろう店なのである。


和歌山と橋本、その間のやや和歌山寄りの岩出町。

国道から一本小さな道を入ったところにその店はある。

田園風景…と言うほどはのどか過ぎはしないが

周囲は畑に囲まれている一戸建てのアイーダ。

畑だけでなく、小さな庭にも、ローズマリーやタイムのハーブが。

その若きシェフの腕に、県外からのお客さんが絶えない。



エントランスを入ると、品の良いウェイティングルーム、

その奥には、失礼ながら和歌山という辺境の土地とは思えないほど

優雅な食事を楽しむ空間。自然の採光が白壁によく合う。



サービスの女性は、連れには見覚えのある方のようだった。

ここのシェフが大阪のビストロの女性シェフと結婚され

来年オーベルジュとしてリニューアルするそうなのだが

…その彼女じゃないか? と。

おおお、、、このナチュラルな物腰の女性が!



8月とはいえ、すでに夏の野菜コースは終わり、

秋の野菜コースが始まっていた。

3000円のコース…

都会のそれと同じ様な値段設定。

それでも、都会では味わえないような感動的な野菜のフルコースが

私たちを息つく間もなく魅了し続けたのだ。





前菜はバーニャカウダ。

畑からとれたてのきゅうりと、生でも食べられるナス、そしてバジル。

素手できゅうりをつまみ、ずぶっとオイルに浸して、ボリッ!

わーーーん、アンチョビとオイルがきゅうり、ナスを

味を殺さず、味を活かす…! なんて健康的な野菜!!


連れがぽかんとした顔をしている。

…しまった。

こういうところでは、ちゃんとフォークとナイフを使って

一口大にカットしてから食べるべきね(笑)

ついついはやる心を抑えきれなかったので(照)。





自家製のパンは…!

オリーブ入りだっただろうか(記憶曖昧)

ザクッと軽いクラストにむっちりとした弾力性のあるクラムに軽く目眩!

セモリナのような、ほのかな甘みのあるパンは、

お代わりの時はまた別の(オニオン入り?)フレーバーで…。

そう、「本気の」リストランテは、パンだって本気なのである。





赤玉葱と紅芋のスープには

弓削牧場のチーズ入りトルテッリ、そしてキノコ。

最初、「赤玉ねぎ」としか聞いてなかったので

なぜこのスープがこんなに奥行きのある、複雑な味わいなのか

不思議で不思議でたまらなかった。

その甘みはじっくり炒められた玉ねぎだけではなく

紅芋とのマリアージュだったなんて…あまりに美味しくて独創的で!!


感動は、黄色いパスタを食べてからなお一層湧くのである。

パスタを崩すと、中からはクリームチーズがほろろ…と

スープに溶け出して行く。…あぁ…。なんて美味しいのだろう…!!!





プチトマトで埋め尽くされたひと皿。

プチトマトがまるでフルーツのように甘く、

ひと粒ひと粒食べるごとにため息がこぼれる…!

絶妙なコシのパッケリに、トマトとオイルがからまり

さらに包み込むのがハーブの香り…。

そう、こちらのお料理はすべてにハーブが効果的に、印象的に使われているのだ。





パンまで行き届いてしまっていては

…もう十分お腹は一杯なのにおかわりしてしまう悲しいサガ(笑)。

さっきと違うフレーバーのパンが、ちゃんと焼き戻されてサーブされるのだ。





そしてメインは

白金豚モモ肉と根菜のロースト 土の香り


ハッキントンと言えば、絶品のプラチナポークでないの!

豚の脂身の苦手な私でもこの脂身なら食べられる。

肉が違うから、腕が違うから食べられるのである。

そして皮ごとまるごとローストされた人参も山芋も、

甘みと旨味がぎゅっと閉じ込められて…。

そしてこれもやはり、野を思わせるローズマリーの芳香に司られている。

あぁ…なんてすごいんだろう、ここのお料理は…!!!





極め付けは、やはりドルチェだった。

無花果の赤ワイン煮に、キャラメルアイス添え。

な、なんなの、この無花果…?!

こんなに大きな無花果は見たことがない…!

スパイスの効いた赤ワインのスープに、キャラメルアイスが溶け出し

赤ワインで酔っ払った無花果の濃厚さに、こちらまで酔いしれる…!!

…。言葉にならない…。







こういうお店では食後は必ずハーブティーにする。

コーヒーを飲んではもったいないと思ってしまうのだ。

こちらの期待通り、ちゃんとフレッシュハーブなのだもの。

今日はレモングラスとのこと。

はちみつを少したらして、素晴らしかった料理の余韻に浸る。




私の友人に、若き才能と情熱と人望を兼ね備えた料理人がいるが

その友人とこちらのシェフが重なってみえた。

HPで初めてここを知った時から重なってみえていた。


自分の追求する素材のために

型破りにも写るようなスタイルであったり、

辺鄙な場所で店を構えたり。

誰もが認める腕を持ちながらも、きっとそこが終着点ではなく。

若さゆえ、無限の可能性があり


私には、同世代ということがこの上ない魅力に写るのだ。

同世代の活躍するパン職人や料理人。

自分には到底なしとげられない何かを持つ彼らにこそ、

無性に惹かれるのだろう……。




はぁ…。

和歌山にこんなに素晴らしいリストランテがあるなんて

和歌山…すごいよ、和歌山?!


これは、オーベルジュができたらまた来なくては。

この店のお料理のために和歌山に来られる。


またこうしてESSAYで報告する日も遠くない気がするのだ。


…当然、昼に山奥でパンを食べてから…であるが(笑)。





店の裏に広がる畑を覗いてみると





な、なんと。

巨大な無花果が!!

そうか、無花果も自家製なのよね、やっぱそうなのよね…。

もう、脱帽ですわ。はい。

(あとで散々遭遇するのだが、和歌山には無花果畑が多い!)






ハーブティーは美味しいけれど、

やっぱりコーヒーを一杯でも飲まないと気が済まない我々は

道すがら喫茶店を探していた。

しかし、あまりにローカルなロードサイド、

渋い…を通り越して、ビミョーな傾き加減を見せる店しかない。


さっきまでぎらぎらの太陽が照りつける灼熱地獄だったのに

急に空は黒い雨雲に覆われ始めた。

こりゃ、ひと雨来ますな。



そこで目に飛び込んで来たのが、





青州の里?!

なにかありそうだ。なにかあるかも?!

車をぐぐっとターンさせて向かってみた。


江戸時代の医師、華岡青州の生地なんだそうな。

(世界で初めて麻酔を使って手術をしたえらーいお医者さんなんだそう。実は初めて知った…)





地物を使ったレストランや売店の入った記念館みたいなところであった。

うーむ、なんか話のネタにでも入ってみます…?(笑)

米粉を使ったパン屋さんもあるみたいだし、冷やかしに!

(画像には残ってないけど、立派にベーカリーが入っていた。まぁまぁ美味しかった)





ところが、カフェテラスの裏は、素晴らしい眺望が…!!

うわーんうわーん、適当に迷いこんだ場所だというのに

こんな嬉しいおまけつき。

ちょっとちょっとー。

今日は引きがいいじゃないですかー

やりますな、和歌山???


むせ返るような緑に、ざーっと雷雨が降り注いだ。

激しく打ち付ける雨が過ぎ去るのを待ちながらしばしのコーヒーブレイク。

それでもなかなか止まない雨。そろそろ出発しないと。



あぁ、せっかくの日に雨にやられるなんて。

うわー、GAMAさん方面の山、すっぽり黒い雲に包まれてるし!!

いや、私は究極の晴れ女!(のハズ!)

GAMAさん着くころにはきっと晴れるから。

あたしを信じて???








そして…この夏、3度目のGAMAさん(笑)。

まさか今年の夏がこんなことになるなんて

誰が予想しただろう? いや、私も想像してませんでした(笑)。



GAMA時系列★

過去のGAMA来訪ESSAYをおさらいしてから是非ご覧クダサイ。

面白さ1000%アップっぷでございます


04夏GAMA

05夏GAMA

05秋GAMA

06夏GAMA#1

06夏GAMA#2





私たちが到着する直前まで

「バケツの水をひっくり返したかのごとく」

ざぶんと雨が降っていたらしい。

メニュウを書いた黒板もこの通りきれいさっぱりと(笑)。


自分が恐いわ?!

この晴れ女っぷりが???





そう、今日は…よもぎなのである。

よもぎベーグルを食べて、よもぎを食べて、

よもぎよもぎよもぎ





雨でしっとりと濡れた中条はいつになく涼やかで

…そう、奴ら(=いつも私をつけ狙う蚊やらなんやら)がいないから?!

トマトのフォカッチャがあまりにあまりにあまりりすに美味しくて

あれだけ食べたあととはいえ

あのお料理たちには申し訳ないくらいに

すべてをリセットしまえるほどに





カリンカリンにトーストしてもらった胡桃ショコラ。

何度食べても、何度同じ風景の中で食べても、

初めて食べた時と同じような感動があるんだよな…。


…あとでこのとき買ったショコラやパンが活躍することになるとは

このときには想像もできないのである(笑)。





しばしGAMAさんでゆるゆるまったりした時間を過ごす。

緑とせせらぎと心地よい雨上がりの空気。

アフリカンアコースティック、そして虫の音。

ここに来ると、心もカラダも浄化される



…んだけど、

本来はそれでいいはずなんだけど。


今回は違うのだ!!!

今、ここで浄化しちゃいかんの!!

だめだめ、毒素取込まないと意味がないの!(笑)


てことでビールを飲んでしばし毒素注入タイム(笑)。





ここで今夜のメインイベントの参加メンバーが集結。

前回の「和歌山ナイツ」のメンバーである。


ハルちゃん、ほいじゃ行って来ますわ!!






前回、和歌山ナイツのメンバーから

どえらくディープな温泉宿のことを聞いていた。


「よもぎの窯風呂」なんてものがあるらしい。

GAMAさんところから車で1時間弱、

ひと山、ふた山越えたくらいの山の上にあるらしい

本場韓国人もビックリでショーな

そのよもぎの窯風呂とやらは



…昔むかし、ある山奥に

恐ろしく流行らないさびれた観光ホテルがあったんだそうな。

(って、全然昔話じゃなく現在進行形なんすけど)



窯風呂自体もすごいらしいのだが

そのホテルがかなーり「問題」らしいのだ(笑)。

ありえないほどの山道をうねうね登り詰めた先に

ぽつねんと現れるそのホテル、

従業員も支配人と厨房にひとりくらいしか居ない、

客なんて当然いないからいつも貸切り状態、

…なのに、その窯風呂だけが「本気」らしいのだ(笑)。


前回の和歌山ナイツで食べた和歌山ラーメンも

相当ディープで濃ゆくてそれだけでも「和歌山満喫!」だったのに

GAMAさんに来るだけでも自分では相当和歌山あっぷあっぷ状態なのに

まだまだ知らない和歌山が隠されている?!


彼らは我々にサジェスチョン。


「和歌山ラーメンで毒素取り込んで

よもぎ風呂で毒素出すんや!!!」


入れたら出す!!

出したら入れる!!

なんて人間の欲望に忠実な

いやいや、自然の摂理に従った企画なんだ!!!



…これが、今回の「和歌山ナイツ」続編なのである。

このために、ほんとにわざわざこの旅は計画されたのだ。

そうじゃなかったらこの夏、こんなに何度も和歌山きませんて(笑)。


そう、延々書いて来たけど、

ぜーんぶ前ふり、ぜーんぶ前座(酷!)。


…それにしては長い前ふりだったがな(笑)。




地元よもぎベテランチームが前の車に、

われわれビギナーはその車の後に続く。


車はどんどん山の奥へ。

最初はごく普通に2車線の山道である。

傾斜はどんどん急になっていくものの

ちゃんと舗装された山道。


「なんだなんだ、全然普通じゃない?」

余裕をかましていた私たちビギナー。


しかし、かなり登って来たところで車道は一車線になり

いよいよ本気で山道の様相を現し始めた。


ほんとにこの先に温泉宿が?!


すると看板がひとつ。

「今! 宿の看板あったよね?! もうすぐ?!」


…その看板を越えた辺りから、もう車道は車道ではなくなっていた。





ぎゃーー!

じゃ、ジャングルじゃん!!

車道とは言えない、まさに「けもの道」!!!

画像には残せなかったが、

真っ暗な山道はまさに「ジャングル」!!!


対向車が来たらもうアウト、そのままお見合い状態で朝を迎えないと

きっと動けない! 動いたら「落ちる」!!!


もう、あまりの凄さに私たちは大爆笑していた。

危険であればあるほど、笑いが込み上げて止まらないのである(笑)


ていうか、これ、どうやって帰り、帰るのさ???





「かまぶろ温泉」

何度か現れる立て看板すらも

なにかタヌキにでもバカされているかのような???





ついに到着…!!

うーーわ、ほんとにこんな山奥にホテルが…!!!

ここ、天国とか、黄泉の世界とか、そんなんじゃないっすよね???(笑)


ハンパじゃないさびれっぷりの宿、

ホテルはホテルとして機能しているのだろうか、

5階建てくらいの建物なのに、一階にしか灯りがついていない。

少なくとも宿泊者は誰もいそうにもないのだが



ここで男女別れていざ窯風呂へ!!!

われら女性3人は更衣室へ。


…と、突然更衣室に「問題」の窯風呂が?!





こ、これが窯風呂?!

ていうか、ただのゴミ焼却の窯にしか見えないんですけど?!(笑)

しかもなぜ更衣室の中にある???!!!





乾燥させたよもぎを窯の中に入れて、

下から弱火で一日中炊いている…んだそうな。

いったいどないですのん!!!





窯を開けてみると、むわぁ〜んと

エキゾチック(?)な草くさーい蒸気が吹き出して来た。

うあーーーーなんじゃこら!!

一面のよもぎのワラに、ござが敷かれ、

枕木が数個ぽんぽーんと放置プレイ。


こ、ここに寝るんすか?! 先輩ーー?!



とりあえず、風呂場でカラダを洗い、

いざ丸腰で窯の中へ突入。

慣れているからか、先輩がすでにごろんと横たわっている。

その姿はトドのようにマグロのように(笑)。


初体験組の私とNちゃんもおずおずと横に横たわった。

熱さは、普通の高温サウナと同じなのだが

なんとも言えないこの閉鎖的な穴蔵、

天井はめちゃ低いのに奥行きがある、

パンで例えたらなまこ型というべきか?(笑)

怪しい壁画のようなシミで染まった天井が何とも不気味である。

人の顔に見えたりもするし(笑)。


ほんの2〜3分ほどで、みるみる汗腺から真珠のような汗が

ぷつぷつと吹き出してくる!!!


す、すごい。

まさに「毒出し」(笑)。

毒がみるみるカラダから流れ出す!!!


す、すごい。

これ、和歌山ラーメン食べた後だったら

さぞかしドクドクと毒が流れていただろうなー(笑)。

案外、汗にとろみがついてたりして(笑)。

(本来はこの後ラーメンを食べるはずだったがあいにく日曜だったので明日に持ち越しとなったのだ)


でも惜しいかな、私は今日

「カラダに美味しいもの」しか食べてませんからっ(笑)。





小休止に、水風呂にざぶん。

水風呂からは、山の麓の夜景が広がる。

おおお…なんという…


しかしこの景色は外で撮ったものである。

実際、この水風呂の窓には、網戸がはられ

網戸にぴったり顔をつけて初めて夜景が見られる(笑)

…この眺望を売りにしてもよさそうなのに、全然そこを売りにしないところが

なんていうか…商売ベタというんじゃないが…

…「本気」でよもぎ、なんだよな(笑)。



水風呂水風呂…を繰り替えし2セット。

私たちビギナー組はそれでもうへとへとだったのだが

先輩は5セットくらい繰り替えしただろうか?!

うへー、まだ入るの?!

てか、あなた本気ですな!!!(笑)

うちら、もう出す毒ないし(笑)。





風呂上がりのビールを飲むために

ホテルのロビーでまったり

(実際は、蚊に襲われてそれどころじゃなかったのだ、

せっかくの風呂上がりなのに、コックローチがオーデコロン(笑))


それにしても恐ろしく寂れたホテルだ

今どき、修学旅行でもこれほどまでの宿には当たるまい。





Nちゃんがお土産売り場で発見、

「バリ島」って…(笑)

「ラップ」って…(脱力)



なんていうか

なんなんだろうな

この宿って…。

「あきらめた」ムードが漂っているというか(笑)。




えーっと

ほんとにほんとは、ここに泊まる予定などなかったのだが

…急遽泊まることになってしまったのである(笑)。


支配人のおじちゃんに、これから素泊まりできるかを交渉、

(先輩いわく、彼はなぜかどんなに客がいないときも

ネクタイをしているところがもう、この宿の七不思議…)

深夜になりかねない時間にチェックイン(笑)。

食べ物は当然あるわけがない。


あ。あるある!

食糧、ちゃんと持ってるし?!





腹ぺこの我々は部屋でパンを広げて食べる羽目になるのである。

そう、GAMAで買ったよもぎベーグルたちを(笑)。

よもぎ風呂で出して、よもぎベーグルを入れる。

なんてシュールなんだ…因果応報か?!


ぶっちゃけた話、

宿としてはヒジョー−に難ありなこちらのお宿(笑)、

旅館として機能しているのは2階までなのか、

(いや…2階だって十分な機能は果たしていない気もする(笑))

真相を確かめるべく、深夜ひとり部屋を抜け出して「キモだめし」をしてみた。

そう、真っ暗な3階より上のフロアに登ってみると…




そこはもう、廃虚だった(笑)。



ひえーーーこりゃ、なにか出てもおかしくないわー?!

さ、さすが、和歌山…????

恐るべし和歌山ナイツ…!!!!

(ここまで酷いこと書いていたらとてもじゃないが宿の名前は出せません(笑)御理解くださいませ)










おはよう、小鳥さん!

爽やかな山荘の朝よ……!




…って、全然爽やかなんかじゃなかったぞ、

一晩中、虫との格闘で…(苦笑)。





朝風呂に入った後、駐車場では採れたてのよもぎを束ねる作業を目にした。

おぉ…!!! フレッシュなよもぎ、ちゃんと交換しているんですね!!!(←酷)

交換したてのよもぎは、なお一層香りが強いんだそうな。

夕べだって十分すぎるほど濃厚な香りだったと思うのに?

うーん、それはぜひとも入ってみたかった…。





朝、明るい中でみると、このホテル

先輩の言っていた通りだ!

壁に赤い十字架がーーー?!

うわーー、シュール!!! 朝っぱらから肝が冷える!!

(そう言えば、すぐ側に神社と教会があった!!

ここはやはり…なんかの磁力があるんかな…ますますシュール…)


もう一つ、宿で笑えたシーンは、

朝早く、厨房に立ってお客用の朝食を作っていたのは

支配人のおじちゃんご本人だった(笑)。


あぁ、…なんだか、

もう…笑いのツボがいくつあっても足りない(笑)





よもぎの窯風呂で、窯(GAMA)のよもぎベーグルを食べる。

ベタ? ベタで結構!!!

…もう、今回の旅はこれに尽きるのである!!!!(笑)






…いや、和歌山編はまだ続くんですから。

もう少しつきあってください(笑)。



宿を後にし、夜だったらとてもじゃないが

降りられなかったであろうジャングルを下山。





たまたま通りかかったカフェで朝食を。

こんにゃくや地物の農産物、そして自家製のパンやケーキをおいていた

かわいらしいドライブインである。





夕べろくに食べてないから(いやいや、GAMAパン食ってたでしょ?)

えらく勢いよく食べたような気がする。

なんか、昨日から「たまたま見つけて寄った」場所は

どこもヒキがいいなー。やるね、私たち?





ご飯が欲しくなるぴりからこんにゃくも。

そういやこの2日間「米食べてない、米食べたい」と連れ。

三食パン党の私もさすがに米が恋しくなった。

かといってあの山荘で朝食を食べるのもビミョーだと思うんだ(笑)。









そして夕べに引き続き、地元よもぎチーム。

本日のメインは、この旅の目的2トップだった

和歌山ラーメン第二弾なのだが


「水着忘れたらあかんでー」と

指令がくだされていた。


え? え? なんでなんで?

水着なんて持って来てどーすんの?

少なくとも昨日はGAMAさんとこでは水着は使わなかったけど?!




そして導かれるまま辿り着いたのは


和歌の浦、海水浴場(笑)。



ま、まーじーですか?!

まじで泳ぐの?! うっそ、ちょっとまて。

私、海水浴なんて20年ぶりなんですけども!!!!

じょ、冗談じゃないっすよ、私、海なんて入りませぶん!

私の自慢の美白肌がピンチ!!自分で言っちゃおしめぇだ)





青い空、青い海、そして白い砂浜

そして日焼けた肌をおもむろにさらけだす若者たち

(あくまでイメージ画像です(笑))


あぅ! まぶしい!

まぶしいよ、あんたたち!!

こんな「ド青春」、私の青春時代にはなかったものである。

あえて避けてきたというか、縁がなかったというか(笑)


とにかく私は海水浴なんて避けて来た。

以前、グアムに行った時だって頑として水着なんて持っていなかった。

実際、何もすることがなかったことを覚えている(笑)。



とりあえず日焼け対策にビーチパラソルをレンタルしてきて

しばらくはみんなが泳ぐ姿を眺めていたが


むず…むず…むずむずむず。



わーん、おいらも泳ぐぅぅー!



水着は持ってきていなかったが「万が一?!」に備えて

それっぽいスポーツ用ブラと、寝まき用に履いていたスエット短パンに着替え

(なんだかんだ用意周到じゃないか、お前さん(笑))


20年ぶりの海!!!

一度飛び込んじゃえばもう、われは海の子!

意外と「海で泳ぐ」ってのは疲れるもので、

ものの数分浮いていただけでもうぜいぜい息がきれてきた。


でも、これがかーなーりおもしろかったわけで

なんか、これまでの20年間、頑に守って来たのに…(笑)

百恵ちゃんじゃないが女の子の一番大切なものをあげる状態である(笑)

あぁ、心もカラダも開放的な和歌山の夏

き け ん !!!

(だめだ、頭イカれた)





そして、ビーチでまったり語らう。

5人いながらも、ビールを飲んでいたのは先輩と私くらいで

…ていうかほとんど私で(笑)。


あぁ…和歌山ってば!!!

和歌山ってばなんてイカすのかしら???





前回、和歌山ナイツを過ごしたあの砂浜ビーチで飲み直そうと

行ってみたが、どうやら夕方からだったよう。


夕方には私も飛行機に乗らなくてはならない。

…じゃあ、行きますか!

満を持して、行きますか!!





一行が向かったのは、和歌山ラーメン。

先輩たちが「mi_waちゃんに食べさせたいねん」と

猛烈プッシュしてくれていたのがこの店だった。

前回行った「井出」の流れを汲む店らしいのだが

こっちの方がより麺とスープに一体感があるそうな。


井出だって私にとっては衝撃的に旨かったのに?!

もっと旨いってかー。一体どんなことに





店自体は、井出と違って新しく、ファミレス的清潔感があるが

ぶほ!! 毒素だしまくりなこの豚骨臭気は同じ!!

わはは、くっさーーーい!!(笑)


夕べはあのとおりだし、

今朝はこじんまりとしたモーニングを食べただけ、

あとはひたすらビールを飲んで泳いではじけきった後なので

猛烈な空腹。これは、巻き寿司も2個くらい食べれるで!!!

(塩気が効いた鯖の押し寿司。空腹には旨かったで!!)





そして出たぁ!!!

とろりんもったりしたスープに、黄色いストレート麺、

そして猛烈な豚骨臭気を放散する、ザ・和歌山ラめーん!!


なるほど、これは絶品。ほんっと絶品。

麺にスープが染み込んで馴染みまくっている。

鼻につく豚骨臭気は、口に含むと不思議にまろやかさと同化してしまう。

うぅーーー旨い!!!


特大ラーメンにした他のみんなは

「やっぱこっちの方が(井出より)旨いわ」

終始納得していたが、…私にとっては同じくらい美味しかった。

たぶん、井出で食べた普通盛りのラーメンの量が少なかったからだろう、

どっちも甲乙つけがたく旨かった…。




よもぎ風呂で出し切った毒素は

とろんとろんの豚骨スープで毒素再注入!!

入れたら出す!!

出したら入れる!!!

この生産性のなさがいいじゃないか!!!(笑)




この店の普通盛りも量が少なめなので

もう一杯くらい食べられそうである。


「もう一軒行こか!(笑)」


…でも、私の飛行機の時間が迫っている。

うぅ、じゃあ、その「地元の人たちがこぞって絶賛するラーメン屋」は

次回の宿題ってことで。続々編ってことで!!!


はーーー。

すべては終わった。

和歌山、夏の続編は終わった…。






和歌山なら、関西空港から帰ればいいのに

こうなること(=まさか和歌山に一泊すること)は、チケットをとった時には

予定外だったので、バカなことに私は伊丹空港から帰らなければならない(笑)。


「もっとゆっくりしていけばええのにー」

先輩たちとの別れの時間が迫っていた。

あと一杯だけ飲もう。

あと一杯だけ乾杯してから別れよう。


でももう、時間もない、イイ店もない、


…そこで、どっかの酒屋の軒下で(!)

最後の盃を交わす私たちだった(笑)。


酒屋のおばちゃん、約束通り宣伝さしてもらうで!

酒を買うなら「太田酒店」を御指名くださいまし!!!




このベタでねっとりこてこてな二日間。

ありがとう、先輩たち。

ありがとう、お連れさん。

ありがとう、和歌山!!!


あのよもぎ臭い和歌山ナイツ、一生忘れません。

忘れろっていっても、たぶんそりゃ無理でしょう(笑)。

こんな濃厚な夏の日を。

どんどんエスカレートしていく和歌山の夏を(笑)。


毒は出してもまた入る。毒じゃなくてもまた入る。

ならばまた出しに来ればいい。

何度でも和歌山に来ればいい!


てか、続々編。

まじやりましょう(笑)







*その後*


飛行機の時間ぎりぎりに和歌山を出た。

最初順調だった高速道路、大阪市内に入ると渋滞につかまり


絶対絶命、決断の時!

飛行機はやむなくキャンセル(痛!)


飛行機で新たに別便に乗ると予算大幅オーバーなので

やむなく、新幹線で帰ることにした。

とほほ…これならラーメン、もう一軒行けたかも???



…そして、大阪で結局寄り道してもらったのは。

バカの一つ覚えに、大阪本町、hである(笑)。





mi_wa「毎度!!!」

シェフ「ーーー?!?」

シェフのビビった顔、似顔絵に書きたいくらいだわ(笑)。


物事、予定通りにはいかないこともあるけど

結局はこうなること(=hに寄ってしまうこと)が

関西旅の予定調和ってやつか(笑)。



おしまい。

2006.8.26〜28