3日目:単ジャンルハシゴ編(小龍包+猫空茶芸館)

またまた去年と同じ店で朝食を





翌朝、とりあえず朝食に向かったのは、去年の4日目にも訪れた善福寺向かいの豆漿(トウジャン)の人気店。 宿からは2駅もあるから歩いて行くと結構な運動になったけれど、 近場だとここしか知らないからだ。 いや、単に「失敗」したくなかったからだ(私は旅の後半、「守り」に入っていた!)





他にテナントは入っていない廃虚のような雑居ビルだというのに、 ずらずらーっと列が続く。地元の人はもちろん、日本人の姿もちらほら。





去年ここで食べた「パン」がめちゃくちゃ旨かった。 ナンと同じように、壺のような窯に張り付けて焼くパンなのだが (画像でおじさんが手を突っ込んでいるのがその窯) これに卵焼きをサンドしてもらうのが定番。




そうそう、この卵焼きサンド! こう書くとだいぶイメージが違うが…。 熱々で、ほのかに甘い生地に薄ら焼き色がついている香ばしい部分がまたたまらない。 豆漿も去年と同じものにしたが…考えてみたら、同じ店ばかり行っているので、 私はこことあそこ(昨日の朝ご飯)しか、豆漿の味を知らないんじゃないだろうか(笑)。 (画像的には去年のレポの方が旨そうなのでどうぞそちらを御鑑賞ください(笑))




あまのじゃくな小龍包めぐり〜1軒目〜


だいぶ前に台湾に一度来たことがあるという連れだが、 その時に食べた小龍包が旨かったと言っていた。…かの有名な「鼎泰豊(ディンタイフォン)」なのだが、 たぶん、私一人で旅をしていたらきっと行くことはないだろう。 あまのじゃくなので「1番」が嫌いなのである)

いや、嘘。実は日本では食べたことがある。…京都だったけど…(なぜ京都?!) それじゃ「食べたことがある」の内に入らないよね(汗)。

いずれにせよ小龍包は食べたいよねぇ〜。朝ごはん、ハシゴしてみよっか。 鼎泰豊はまだ朝早くて時間的に開いてないと思うし、その付近で開いている店、行ってみよう。


タクシーで向かうは永康街。ここって、鼎泰豊もあるしマンゴーかき氷の人気店もある観光メッカだというのに、 地下鉄で行きにくい不便な場所にあるんだよな。東京で言うと西麻布みたいなもん?(←美味しいところが多いのに交通が悪い都会の離れ小島)





小龍包で有名な店をリストアップしても、朝っぱらから開いているのはここしかなかった。 永康街の「高記」という店。…なんか高級中華料理店という店構え。うーん、なんかイメージ違う。





2人で小龍包1つしか頼まなかったが、それでも全然大丈夫だった。 前回来た時には一人旅だったので小龍包を一人で頼まなきゃならなかったので、 こうやってシェアできるのは助かる〜! うぅ、食べる時はやっぱ誰かと一緒がいいねぇ〜(←酷)





弾けんばかりのたぷたぷのスープ! うぅ〜濃厚で旨いなぁ〜。 日本でも小龍包はよく食べるけど、こんなにスープ入ってない(もしくは破れて流れてしまう)。 …けど…「ものすごい旨い!」とは断言できない気がした。 もっと小龍包をいろいろ食べ比べてみたいよね、そう意見が一致。じゃあ昼も小龍包にする?!




お茶屋さんで片っ端から試飲


一度チェックアウトし、宿を引っ越す。今度の宿は台北駅から北東に位置する、 南京東路駅にほど近い宿。宿代に多くを割けない自分としては値段がそこそこするが、 高級ホテルに比べたら格安。 圓山大飯店(←超有名ホテル)の、「窓のない部屋」くらいの値段と言えばわかるだろうか(笑)。

しかし場所は便利だし、近年改装したばかりとかでものすごーーーいデラックス。 ラウンジではネットし放題!  部屋はスタイリッシュ! 布団もキレイ!(他人の臭いがしない!(笑))  ぎゃほーっ、なんで風呂場がガラス張りなの?!(笑)





荷物を落ち着けたところで、宿から西の方に30分くらい延々と歩いてみた。 ホクロ情報を教えてくれた台湾通の友人が紹介してくれたお茶屋さんに土産を物色しに行く。


その店は、小龍包といえば鼎泰豐の次に有名な「京鼎楼」の向かいだった。 そのお茶屋のオーナーは、京鼎楼のオーナーとも仲がよく、店の前で談笑していた。 ちょうどいい。「ほいじゃ後で行かせてもらいますわ!」そんな挨拶をしてしまった。 考えてみたら、油っこい小龍包食べてからお茶選びをした方がよかったかもしれない…順序が逆だ…と、 後からそう思ったのだが。





思ったよりも庶民的な店で、たぶん友達の口利きがなかったらスルーしてしまうような商店。 奥のカウンターに通され、片っ端からお茶を試飲させて頂く。 たかが烏龍茶でも種類が多く、値段もピンキリ。たとえキリだとしても、十分に香りが出ていて美味! 友達のおかげで恐ろしく安く買うことができたのだが(感謝!)、 たぶん一見さんとして行ってもそれなりに安価に感じたかもしれない。





上海に行った時にハマった球状のジャスミンティー。 お湯を注ぐと花が華々しく咲き誇る。香りだけでなく目でも楽しませてくれるお茶である。 母に土産をしたら、母の方がさらにハマってしまい、「台湾でももしあれば絶対あのお茶を!」と調達命令を受けていた。 もちろんここにもあったのだが、これも太っ腹に試飲させていただいた。 やはり美しい…。美味じゃ…。




あまのじゃくな小龍包めぐり〜2軒目〜





というわけで、お茶でたぷんたぷんのお腹を抱えてお向かいの「京鼎楼」へ。 近年改装したのか、一階部分はおしゃれな感じの店構えになっていたけれど、 通された地下はごく普通に普通の客席。地下というのはちょっと閉塞感があるけれど。





まず最初に食べたのは大好きな空心菜の炒めもの。 こっちにきて外食で野菜を食べようと思ったら、これくらいしかわからないのである(笑)。 どこへ行っても空心菜炒めばかり食べている私である(笑)。 しかしこれもうまーーい♪ ニンニクががんがん効いて、白いご飯が思わず食べたくなる。


 


小龍包は、2種類頼んだ。緑色の烏龍茶小龍包と蟹味噌の小龍包。

友達に「もし京鼎楼に行くなら烏龍茶小龍包を絶対食べるべき」と聞いていたのだが、 これは本当に美味しかった!!  小龍包は、大きさは小さいのに豚の肉汁のスープだからか少量でかなりもたれる。 しかしこれは、混ぜられた粉末烏龍茶の香りが、豚の脂スープの重さを中和してくれるようで、難無くするする食べられる。 スープもたっぷりなのに、漏れたり破れたりしない。余すところなくスープを堪能できる。 うわー、、、これは旨いわ!





一方で、蟹味噌の小龍包の方は、最初の1個2個は、濃厚な蟹味噌のコクがぐいぐい前にでて圧倒されるウマさがあるのだが、 …2個が限界だったかもしれない。意外とくどくてヘビィ。たくさんは無理だ…。


ハシゴした2軒の小龍包専門店。 いずれの店も美味しかったのだが、意外と脂っこい小龍包のハシゴはカラダに堪える!

「もう小龍包はしばらく見たくない、食べたくない(笑)」 ……まさか我々の口からそんな言葉がもれるとは思わなかった(笑)。



「猫空」茶芸館めぐり 〜その1〜


今回、私は台北に来たら絶対に行こうと思っていた場所がある。 前回は時間がなくて断念したのだが、台北市の南部にある「猫空」という山林地区である。 このエリアには茶畑があり、お茶農家が直営する茶芸館が点在しているのである。 標高が高いので眺望がよく、夜は夜景を楽しみながらお茶を楽しむ…のがオツなんだそう。 少なくとも一人で行くと寂しい場所であると思われるので(笑)、 どうせ行くならやっぱ誰かと一緒がいいねぇ〜(←酷)





MRT木柵線の萬芳社区駅から猫空行きのバスが出ているそうなので、そのバス停を探してみた。 「小型10番」。これでほんとにこれでいいのかな? ぼんやりと20分くらい待っていると小さなマイクロバスがやってきた。 おぉ、ほんとに「小型」だなぁ。まるで幼稚園の送迎バスみたいだ!(笑) バスは市内と同じく15元(=約50円)。


山へ向かう途中の町並みは、賑やかであれどどこか都心とは違う落ち着きがあっていい感じである。 バスは30分くらいかけて、どんどん山奥へ進んで行く。風景が緑色オンリーになっていく。 標高が上がるに連れて、茶芸館がぽつぽつと現れだした。 茶芸館は山道に点在している。近い場所同士ならば可能かも知れないけれど、 なかなかハシゴはしにくいかもしれない。 バスやタクシーで行くなら、ターゲットを絞ってからでないといけない。





私が最初に目当てにしていたのは、「猫空」バス停から徒歩圏の「邀月」という茶芸館。 森の中に、ひとつひとつ趣向をこらした席が設けられているという。 山の中なので夜景は見られないので、日が出ているうちはここで時間を過ごそうと思ったのだ。 入り口では赤い中国ランタンがお出迎え。胡弓のようなBGMが流れる。周りはどっぷり緑。おぉ…。





思ったよりも「進んでいる」茶芸館であった。 私はもっとどっぷり田舎な、ローテクのイメージがあったのだが、 なんだかビール園とかバーベキューハウスに来たような感覚を覚える(笑)。 これは選ぶ席で良し悪しが決定的になるのでは…。 バイトらしき若い兄ちゃんが案内してくれる場所はどーも適当だった。 そこじゃ全然風情もないし景色見えないし!  席に妥協ができないわがままな私たちは、あちこち席を選り好みさせてもらった。


結局、このような風景の場所に落ち着いた。ここもここで悪くはない。 しかし後で敷地内を散策すると、もっといい席があることを知る…。 斜面に切り立った場所にある席なんて、谷間も見えて素晴らしい景色だったもんなぁ…。いいなぁ…。





茶芸館では茶葉料理も食べられる。お茶っ葉を刻んで料理に入れた精進料理みたいなもんらしいが、 夜は夜で絶対食べたい鍋料理があったのでとりあえずお茶だけをオーダーする我々。 ここのお茶は、冷凍茶葉を使用するらしい。 乾燥させた(通常の)お茶とは違って、摘みたてのほやほやをフレッシュなままで冷凍するため、 解凍したらすぐに飲まなきゃならないんだそう。 茶葉はそれほど細かく刻まれていないので、お湯を注ぐとまるでワカメのようにわさわさーっと膨張(笑)。 思ったよりも香りは出ず、だんだんお茶に疲れてきた我々なんせ昼にあれだけ飲んだのだから…(笑)) 1時間くらいで退席。 ぶっちゃけ本音を言うと…、こんな緑も空気もきれいな場所だもの、お茶に飽きたら…やっぱりお酒が飲みたい! (注:お酒も飲もうと思えば飲めます。たぶん)




「猫空」茶芸館めぐり 〜その2〜


もう一軒の店はとくに決めていなかったが、とにかく「夜景」にこだわった。 夜景をみながらお茶をする…が私の夢だったの!チイサイ夢…) 「邀月」を出て、夜景が見える茶芸館がありそうな辺りまで山道をてくてく歩いた。 いろんな虫や鳥の鳴き声がするが、日本では聞いたこともないような鳴き声ばかりだ。 15分くらい歩くと、さっきバスで通った時に「ここから夜景が見えそうだ!」と思った辺りに戻って来た。





この茶芸館ならきっと景色がよさそう! 一等地じゃない?! そう思い、店を覗こうとすると、どうやら一つの建物に2軒の茶芸館が入っているらしく、 入り口でどちらに入ればいいのかわからなくなった。 どうやら、右側の店はネットでも調べた店の一つだったと思ったのだが… 「右にしようか」と言い出そうとしたそのとき。 左側の店の中から、一人のお兄ちゃんが声をかけて来た。「どうぞどうぞ」と。 我々はその手招きに応じてあっさり左側の店に入って行った。 どう考えても右側の店の方が雰囲気がいいというのに……。 すべてはその兄ちゃんに手招きされてしまったのが悪かった。そのお兄ちゃんは……




…ものすごいイケメンだったのである(爆)。





その「左側」の茶芸館は……恐ろしく風情のかけらもなにもない店であり(笑)。 屋上のテラス席は、景色こそは抜群だが、いきなりKTV(=カラオケ)ルームがあったり、 お茶を入れるお湯は「ガスコンロ」と「やかん」!(笑) しかも、お茶っ葉の入った袋をとめていたテープはキティちゃんと来たもんだ(笑)。 今まで台湾や上海でいくつかの茶芸館に訪れたけれど、こういう店は初めて。なんという落差…。 やばい、笑いが止まらない(笑)。






もっと恐ろしい目にあったのは、連れが頼んだチャーハンだった。 このチャーハンは…日本の土曜日の家庭でよく出没する、各家庭の母親が作るような、 ミックスベジタブルと卵のチャーハンだった(笑)。





しかも…このチャーハンを食べた瞬間に連れが叫んだ。

「あ、味がしない…!!!」(笑)

私も茶碗一杯盛ってもらい食べてみたが…まさしく「塩コショーを入れ忘れたチャーハン」だった(笑)。 塩が効いてない食べ物ほど不味いものはない… 例えるなら、『料理ベタな彼女が「失敗しちゃった〜」なーんて舌をぺロッと出して差し出されて、 「あ、、うん、、、うまいよ、、、」と泣きながら食べさせられる彼氏の心境』ような?(笑) もう、がっかりするとかの問題ではなく、なんなんだこの店はという滑稽さに我々は腹がよじれるほど笑った。


イケメン兄ちゃんに塩をもらおうと思ったが、なんか声をかけられなかった(泣きながら食べる彼氏の心境?(笑))。 それにしても…なんてイケメンなんだろう(笑)。なんでこんな店でけなげに働いているのか、 明らかに場違いである…あぁ、兄ちゃん…。


なにか間違っている、この店は…(笑)。






なぜか隣の席の料理はものすごくイイ匂いがしてくるのに…。 実はうまいのか? チャーハン以外は?(笑)いや、もう確かめるのも無意味だろう(笑)。 「もう帰ろう」という連れを制止し、踏ん張ったのも、「夜景」が見たいから! それだけは頼む、譲れない!





どんどん日が暮れ、少し寒くなって来た。 遠くにぽつぽつと灯りが灯り出した。おぉ…夜景…。だけどすでにもう、 すっかり脱力(=笑いと落胆)してしまった我々は、完全に真っ暗になる前に店を後にした。 兄ちゃんのピュアな微笑みに複雑な思いを抱えながら(笑)。



通りかかったバスをつかまえ、下山した。なぜかこのマイクロバスは、 最初から最後まで「ドア」が開けっ放しだった(笑)。 スピードを上げて山を下って行くと言うのに、なぜに全開? ここから転がり落ちたら面白いだろうなー …って、違う?(笑)





三段腹になってかまわない! 悶絶・酢白菜火鍋


 



MRTで台北市内まで戻り、次に目指すのは国父紀念館駅から徒歩圏の庶民的な佇まいの火鍋屋さん。 中国北方の鍋料理らしいのだが、酸っぱい酢漬け白菜を投入した鍋に、豚の三枚肉(バラ肉のこと?)を入れるしゃぶしゃぶみたいなものである。 余談だが、韓国ではこういう豚のバラ肉を「三段腹」肉って言うらしい…なんていう余計なお世話なネーミング…)





鍋のお値段は意外とお高め(二人前で800元くらい)。あらかじめ野菜と数枚の肉は煮てある。 この白菜、キムチから辛さを取り除いたような、発酵させた酸味と臭気があり、 スープと味が馴染んでめちゃくちゃ旨い。 臭いものにウマさあり、だなぁ…クサイものって、大概ウマイんだもん。





そして何よりタレがすごい。ピンク色のどくどくしい色とは対照的に、とても馴染みのある味わいだ。 芝麻醤+ニンニクという感じで、胡麻のまろやかさをベースに、ニンニクの強い香りが混じりあってむちゃくちゃ絶品! このタレにかかればどんなものも絶品かも。いやー、、、うまかった…。




 

さらに、いくら食べても胸焼けしない三段バラ肉!! うっまーー! 豚の脂身が天敵の私でも、モノに寄るのである。この鍋ならいくらでも大丈夫。 これでほんとに三段腹になっても後悔しない?!





高級デザート店で今夜の締めくくり





夕食後のデザートは、初日に空港バスで出会った台湾人の女性に教えてもらった高級デザートの店、「京兆尹」。 ガイドにも載っていたのですぐにたどり着けたが、ここは中国宮廷料理の店なんだそう。 店構えがド派手でこてこて。店内では生唄の演奏が流れている(けどたまたま時間的にも客は我々くらい。贅沢)。





台湾人の彼女が「絶品!」と教えてくれたスイーツの名前を忘れてしまったので(笑)、 ここはマンゴーの載った牛乳プリンを。牛乳と酒粕で作ったというプリンに、角切りマンゴーが載っている。 さらにドライアイスでスモークが炊かれた、どこか昭和歌謡的センスな(笑)デザートではあるが、 これがほんっとに美味しかった! 甘過ぎず、汁気がなく、固めに仕上げられたプリン。 そして甘くてとろとろっとした濃厚なマンゴー! お値段はやや高めだった気が。席代も追加されたのか、2人で400元?! もわー。高級!




始終食い倒れ…もとい飲み倒れの一日だった。小さな爆弾、小龍包はしばらく遠慮したい(笑)。



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