91-2.07年9月残暑・関西3DAYS 〜2日目・京都〜





1日目(大阪・西宮)はこちら



2日目は京都をゆっくりひとりで歩く。

最近オープンした某パン屋さんの2号店、

そして、前から気になっていたパン屋さんにも。

そして夜は、あの店に


今日は天気が途中で崩れるとのこと。

自転車借りるのはキケンなので、地下鉄&バス1日券(1200円)を購入。

これを使って、今日はバシバシ使い倒します!





まず地下鉄で訪れたのは、烏丸御池の側にできた某パン屋さんの2号店。

そう、通称「黒メック」。

マンションの1階にスタイリッシュな黒いファサードと壁。

1号店の「赤メック」とは対照的。

小さな店内には、半分がパンスペース、半分がフランス惣菜のショーケース。

後ろの棚には、1号店では見かけない小さな食パンたちが並ぶ。


とても対応の良いお姉さんたち。

朝から気分よく、調子にのって惣菜2つと小さいパンを3個選んだ。

…フレンチでランチが食べられるくらいの値段になってしまった(笑)。





テラス席でさっそくいただきます。

朝からフレンチとは。いったいここはどこだ、京都だ(笑)。





カーン風トリップ。

トリップ好きの私にはもう即決だった。

少しレモンの酸味が効いていてさっぱりいただける。

野菜にもちゃんと味がなじんで美味。

あー、これをひと皿どーんと食べたいなぁ(笑)。





デパ地下の惣菜売り場を思い出させる、プレゼンテーション。

ショーケースの中で幾つも並んでいると、

まるでカラフルなケーキ屋さんのショーケースを覗き込んでいる錯覚に陥る。


温泉卵のせラタトウィユも、あっさりさっぱりと。

ひんやり冷たい前菜で、つるりんとあっけなく喉を通って行く。

この2点ですでに1000円也…(笑)。





基本的に、赤メックとパンのラインナップは同じ(種類は限定)。

ただし、この各種食パンはたぶん黒メック限定じゃないかしら。

数種類ある中で迷った末に選んだのは、ゆずとショコラの食パン。





他にも、定番のアンチョビ入りクロワッサンと、

エスカルゴ入りのコロッケ(ごろんとまるまる入ってる!)を。



パン中心の「赤」とは、コンセプトが異なる「黒」。

パンと、シェフのかつての専門分野であるフランス料理のコラボ。

普段使いにはちょっとお財布が心配になるけれど

独身一人暮らしの私には、たまの贅沢なテイクアウトに

会社帰りにふらっと寄ると便利だろうなぁ〜と、

「普段の自分の生活」を思い出してみた。


たまにしか京都に来られない自分が行きたいのは間違い無く「赤」だけど、

「もしも生活圏内にこの店があれば」

きっと、「黒」を使いたくなるシーンがあるはずだ、と。






地下鉄で今度はぐぐっと北部、北山へ。

駅からすぐの場所にある、TOCOHA BAKERYさん。





グリーンを基調にした外観は見たことがあるのだけど、

実際にきてみると驚いたのは、お店の入っているマンション自体が

パン屋さんと色合いが統一されていたってこと!

なんてかわいい建物なんだろう…。





女性が2人でやっているという小さな新しいパン屋さん。

小さな対面式のカウンターに、横にはなにやらかわいらしい雑貨が。

スウェーデン(だったかな?)に旅行にいってきたときに

お土産に買って来たかわいい便利雑貨たちを、ほんとそのまんまのお値段で

販売していた。おもわず、スプーンを購入。

スプーン+フォーク+ナイフの、1本で3役こなす便利なスプーン!





どれもとっつきやすい、誰にでも愛されるようなパンのラインナップ。

その中で私が選んだのは3個。

トントロウインナーは、パリッとした生地の中に、豚トロのソーセージが

まるまる一本入ったもの。柚子胡椒でアクセントをつけているバランス感覚、おみごと!

当然だけど、帰宅して熱々に温めて食べた時のソーセージの美味しさと言ったら

この上なかったなぁ…!





画像がしょぼくてほんと申し訳ないけど

自家製のクリームパン、そしてマンゴーのジャムパン(珍しい!)

甘さは控えめなぽってりクリームも美味しかったけれど、

ココナッツが散らされたマンゴージャムパン、かなりいい。



北山駅前に戻り、次に行きたいパン屋さんの方面に行くバスに乗る。

かなりイイ具合に食べ歩いてマス…。






かなり前から、このパン屋さんには来たいと思っていた。

そう思いながら、場所的にぽつんと離れているお店なので

なかなか足が向かなかったのだけど


仏教大学の近くのバス停で下車し、そこから携帯のGPSを使って

ナビされるがままに坂道を登る。

昔ながらの木造家屋の湯葉屋さんなど、のどかな住宅街の路地。

しばらくがんばってのぼっていくと





ああ! 見えた!





ずーーっと来てみたいと思っていたクロアさん。

意外だろうけれど、今日が来るのも食べるのも初めてなのだ。

本当に「なぜこんなところに?」というくらいに

唐突にパン屋さん。しかもものすごくセンスのいいお店。

わぁん…、店に入る前から「来て良かった!」

…それはフライングでしょ、自分!(笑)





訪れたことがある方ならきっと共感してくれると思うけれど

全国、いろんなパン屋さんをこれまで見て来たけれど

本当に、本当に、こんなにセンスのいい素敵なパン屋さんはそうそうない…!!!

小さな店内の、どこを切り取ってもすべてが絵になる。

もちろん、パンも絵になる。

パンを絞り切るのがどんなに困難だったことか。


よく、オシャレな雑貨屋さんをみつけると

全部そのお店のものを揃えたくなるでしょう?

でも意外と自分の部屋では使いこなせなくて宝の持ち腐れになってしまう。

このお店は、おいているもの、使っているもの、

すべてがまるで「お手本」のように、完璧に使いこなしている…!

ああ…なんてうらやましい空間だろうっ!


パンはばっちりフランス系。

チーズやフルーツをうまく取り入れたパンたちが豊富で

その多様な組み合わせが一層私を迷わせる


そしてお店の奥様とおばあさまがこれまた

物腰丁寧な、本当に腰の低い接客で、心があらわれるようだった。

私が持っていたバッグをみて、おばあさまが

「素敵なバッグですね、ご自分でお編みになったんですか?」と

おっしゃった。もちろんそんなわけがないので

思わず奥様と顔を合わせて笑ってしまった。


とてもとても、いい空気を作っているパン屋さん。

とてもとても、いいパンを作っているパン屋さん。


ああ…なんでもっと早く来ていなかったのだろう…!





坂の途中でみつけた公園で食べようと、中に入ると

先ほどお店の中で遭遇した若いお母さんとボクが。

お互い「すぐに公園でパンを広げる」行動に思わずクスリと会釈。


たった今買ったばかりのパンを、ベンチに腰かけて

並んで食べるお母さんとボクの姿をみて、ああ、いいなぁ

心から和まされた。


ああ、なんだろう…パンを取り巻く風景って、

どうしてこう、幸せが似合うんだろう。





お店ごと買い占めたい衝動をおさえつつ選んだパンたち。


手前から、「トゥルヌ(チーズ)」。トルネードされたカリカリのバゲット生地に

コンテチーズをまぜ、山椒を合わせた小気味よいパン。


「りんごとクルミの天然酵母パン」は、いろいろ似たタイプのパンが有る中で

迷った挙げ句に選んだひとつ。リンゴのコンポートは、かなり個性的な味わいだ。

どこか「強い」。なにが「強い」かと言われても困るが、とにかく

印象が「強い」コンポートだった。生地と胡桃が境界線なく一体感があって美味。


ザクザクのデニッシュに洋梨を載せた「ポワール」。


「マンゴーとココナッツ」は、マンゴーもココナッツもイーブンの濃さ。

ややハード寄りのソフトパンで、発酵バター&生クリームのリッチな味わい。

かといって、決してくどくなく爽やかな印象が残る。


「クロワッサン・サレ」は、ブルーチーズ+はちみつ入り!

ハチミツだから甘そう…と思いきや、ブルーチーズの塩っぱさと

バターの甘さのバランスがちょうどいい。



このお店は「わざわざ来て良かった」と思わせるパン屋さんだ。

逆に言うと、このお店の空気に触れないときっと意味がない。

パンもさることながら、この空間でパンに囲まれてパンを選ぶ、という

パンが与えてくれる幸せ感にふんわりと包まれた店。

そういう空気感を与えてくれるお店は、そう多くはない。

どんなに多くのパン屋さんがある町であろうと。






なんだかもうクロアさんで十分満足してしまったので

ちょっと早いけど本日のパン屋さんめぐりは終了!(早!)

ところが夜の約束までまだまだ時間はあるし

なんせ一日乗車券はまだ元をとれていない(それかよ)


そこでバスに乗って付近の名刹散策することに。





年前の高校の修学旅行、7年くらい前に両親と来た京都旅行…以来の

竜安寺石庭。改めてじっくり見ると、石庭はさることながら、

このお寺は庭園が素晴らしいなぁと思わされた。





あーー、、今年の紅葉はさすがに京都に来られないわな。

年々京都の紅葉が遅くなっている気がするから12月上旬がちょうどいいのかも?






この後、バスの待ち時間やら方向違いやらでのんびりロスタイム。

なぜか辿り着いたのは”いつもの”出町柳エリアだった。


余談だが、この時も私は自分の晴れ女っぷりを痛感するのだった。

晴れたり曇ったりと怪しい雲行きだったが、

ちょうど履いていたサンダルが壊れた(!)ので、100円ショップでテキトーなサンダルを買おうと

出町柳のアーケード商店街に入った。すると、その瞬間にものすごい豪雨が!!!

アーケードをぶちやぶるんじゃないかというくらいに激しい雷雨。

しかし、アーケードを出たとたんに雨が弱まった…。

そう、私はやっぱり晴れ女なんです(笑)。ちぃとも濡れません(笑)



出町柳といえば…そうだ、まだ時間もあるし、

水餃子でも食べようかなと、あの小民家カフェに行こうかなと、

行ってみたら





あーーーーっ。

なんと東京に出張中とな(泣)

すれ違い、切ないーーっ。





歩き倒して、すっかり汗だくになってしまった。

秋なのになんでこんなに暑いのか、ほんと意味不明!

そして、京都と言えば銭湯でしょ(え?)。

時間潰しに、出町柳の駅員さんに

聞き込みして教えてもらった(笑)銭湯に行ってみることにした。


京大のすぐ側、百万遍にある実にこてこてな公衆銭湯。




そして、とっぷり夜。

久々に会う知人との待ち合わせに選んだのは


そう、久々のあの「夜の」パンカフェ

2005年夏に来て以来、あの「奇蹟の空間」のカフェ。

非常にわかりにくい場所にある店だけど、

忘れるはずがない。カラダにしっかり刻まれた道のりを





しかし

「今日はパンが終わっちゃったから終わりなんですよーーー」

ご、御無体な、、、、!!!






その計り知れないショックは、なぜか超庶民的な串揚げ屋さんで

いともあっさり癒されてしまった。ああ、私ってば。

しかも立ち飲み。連れにはこういう雰囲気の方が正解だったのだろう。

しかも私は隣のお客さんと盛り上がってしまってすっかり長居!

やっぱり……こういう「空気」も、私には大事にしたい。


とはいえ…錯乱しまくっていた私にストッパーをかけるのはひとつの”約束”。

ドミノには必ずストッパーをしかける、それは必ず、ドミノを倒す本人が据えるもの。

過去の自分を救えるのは、きっと今の自分しかいないって



大阪行きの終電では、気を失ったかのように眠った。

それは泥酔だったからに他ならない、おはずかしいことに

きっと車中ではいびきかいて寝てたんじゃないかしら。


過ごした夜が長いと、昼のことがまるで別の日の出来事のように思えてくる。

たった1日でも、パンに陶酔する時間、酒に酔いつぶれて錯乱する時間(!)、

あ、それは京都でなくてもいつものことですが(笑)




*おまけ*




これは「別の日」に食べたワンショット。

そう、考えてみたらこれは「別の日」だったのよね(笑)。



3日目に続く

2007.9.15〜17