71.筋書きなしの関西8月出張〜大阪+京都〜





一体この夏何度目の関西やら(笑)。

先月の関西ロングステイはもうすでに遠い過去。

先週の同じ日にも別件で関西に来ていたし、

前日まで北海道にいた。

そして今夜は関西。

一週間に5度も飛行機を乗ったのは初めてだ。


仕方ないの。これは仕事なのっ!

…といいつつ、本業そっちのけで美味しいものをむさぼること。

宿命と書いてサダメと読む。

性と書いてサガと読む。

それが私の職権濫用出張…。


これだけ来ていればいい加減、関西に飽きるだろうとお思いのそこの貴方!

…でもね。この夏。これだけでは終わらないのよ?


今回の出張は、ほとんどプランになかったところばかり。

いつもの店には"珍しく"行かなかった大阪編と

筋書きなしに灼熱の中を歩き回った京都編をお送りします。





***大阪編***


台風が迫っているからと、早めに会社を出て空港に向かう。

しかしここははやり「自称・晴れ女」ゆえか(笑)、

持って来た傘はついに本来の役目を果たさず、最後の最後まで

私の邪魔扱いを受けるしかなかったのだ。

(どんなことがあっても旅行に邪魔な傘は持って行くべきではないと悟った…)


到着後、待ち合わせに向かったのは中津。

一体どこに連れてってもらえるのか、どこで何を食べるのか

まったく聞かされていなかったのだが…。





そこは、なんとシュクレのパンを出すビストロだったのだ。

をを! ナイスせれくと!!!


予約が取りにくい、人気のビストロらしい。

パン目当てに通うお客もいるとかで、

信じられないくらいにパンばかりお代わりする人もいるとかいないとか。


カウンターに並び、とりあえずコースを選ぶ。

まさか今夜、フレンチ食べることになるとは思わなかったし

まさか今回は食べられないと思っていたシュクレパンが食べられるたー。

あーた、グッジョブ!!


もうねー、ほんと御免。お店の方御免。

ひたすらパンが美味しい(笑)。

あぁ、パンヲタのたわごとと思って流してください、

ちゃんとお料理もこのあと食べますのでっ。


この店用に、細めに整形されたプチバゲット、

料理が来る前にどんどん食べ進んでしまう。

違う場所、しかも「料理」がそこにある場面で食べるシュクレのパンは

それはもう格別だった。新しい発見があるというか。

こんなに甘みが強いパンだっただろうか!


連れは「太いバゲットの方がシュクレの良さが出る」とかなんとか言っていたが、

いやーー、クラストのウマさが際立つよ、これ。



で、肝心のお料理の方だけど

これもイケていたのである。













暗所ゆえ、画像が汚い上に羅列状態でほんっと申し訳ないけれど

これだけ頂いて、3500円!!! これは抜群のCPかもしれない。


どの皿も、メリハリの効いた味付けでしっかり食べさせるものだった。

お酒が進むであろうし、パンが進むであろう。

夜にここまでがっつり食べることに慣れていない私にはどの口が言うか!)

後半少々重たい部分もあったけれどこれは予約が取りにくいのも納得。

満腹満足日感謝…だっけ? 某ブログのタイトルの通りだわっ。


シュクレのパンが、こういういい店で使われ、

そして「ここのパン、美味しいですね」と評判を呼ぶことにも

なんだか親心のように嬉しいのだ(笑)。

予期せぬディナーをありがとう♪








本町に宿泊していた。

「朝からやっているパン屋」の選択肢は2つ。

イートインができるゆえいつも片方ばかり行ってしまうので(笑)

今日はこちらさんへレッツらゴー。

(これは、当初から予定していた筋書き通りの朝ご飯である(笑))



平日の朝だしさすがに行列はないので

ゆっくりじっくり選ぶことができた。

といってもわりと決断は早かったかも知れない。

絶対食べたいと思っていたもの、大好物のもの、

そして消去法(笑)。


それは店とは全然関係のないこととは分かっている。

分かっているのだけど、いつもながら向かいの公園とは本当に相性が悪い。

蝉の鳴き声が激しすぎるし

蚊がすごい!! ベンチに座った瞬間に蚊が私の血を奪いに猛攻勢!! ぎゃーやめれー。

(バチンとひっぱたたいたら一発で3匹同時にしとめてしまった時には笑うしかなかった(笑))

えーん、やっぱりここは鬼門、場所を変えて改めるー。





小さなバナナ…。

じゃなかった、大好きな天然酵母オリーブ。

焼き立てでなくてもウマイのなー。

ビールがなくてもウマイのな(笑)。


そして、もう一つ「これなら旨かろう」と選んでみたのが





天然酵母 岩手産白金豚のソーセージ …。

これは…もう、白旗振るしかないわ(笑)。

文句無しにウマスギ…出来杉…のびたくんもこれじゃかなわない。

この白いソーセージがべらぼうに旨いのだ。

どことなくレモンのような…爽やかな…肉だけでは説明が出来ない芳香。

生地も旨い! と思った。

それはソーセージが魅せるマジックのせいだけではないと思う、

美味しくなってる。美味しくなってるー!





こちらのデニッシュは初めて来訪した時からずーっと好きなのだが

これにはやられたよ…ショコラバナーヌ。

伊勢原の某店の次点くらいに美味しいかもしれない(笑)。

(ヒトコト余計?(笑))





というか、3本もずさずさずさっと突き刺さっている時点で反則(笑)。

チョコレートクリームを入れるのは名前通りだから良しとして(?)

フランベされたバナナ、キャラメリゼまでしっかり施しているのは反則!!!(笑)


…次の出張の時は、朝からハシゴ。

するかもしれません(笑)。

(筋書きなし?!(笑))





***京都編***


もともと、この日の昼は京都の予定はなかった。

午前中会社で仕事をしている最中に、

連れとメールをやりとりしながら話は一転二転。

「じゃ京都いこか!!!」

京都なら、あのカフェに行きたいっ。じゃあ今すぐ地図プリントしなきゃ!

行き当たりばったりで大阪を飛び出した。





出町柳からほど近い下鴨神社界隈。

…京都、この日、35度の灼熱地獄…。





世界文化遺産とな…。

ゆっくり下鴨神社を散策してみたいところだが

腹ぺこ虫は悠長な歩みを許さない。

がっがっがっとわれらが目指すのは。





cafe bar yugue。

昭和の古き良き時代を思わせる酒屋さんに視線を送ると

そのお向かい、小さな民家がそれだった。





2フロアのカフェの1階部分は、炊事場と3つのテーブル。

両手の指でファインダーを作ると

覗くものすべてが絵になる空間だった。

そのほんの小さな空間を切り取っても、ひとつとして無駄なものがない。

手作りの装飾と雑貨、お菓子。パン。

この家自体が「手作り」とすら思えてしまうほどに





しわしわで、ぶきっちょで、愛くるしいベーグル。

おすましして行儀よくおすわりしているベーグル。

なのにいちじくベーグルってば。

たっぷり隠された白イチジクときたら…!




よそのサイトやブログで見たこちらの風景には

冬のストーブが目に焼き付いていたけれど

今は夏。私たちの横には扇風機。





cafe barですからね(笑)

瓶ビールが「サッポロラガー」!!

じ、実にマニアックだわ…。レアだわっ!

しかもグラスがアサヒと来たところに脱力(笑)。


もう、いろんな意味で「脱力カフェ」と呼ばせて頂くっ。





メニューはベーグルサンドだけではない。スープだけではない。

水餃子に焼きナスとは(笑)。

この局所的に絞り込んだメニューセンスがまた脱力。


うぅ…この水餃子!

まるでフォーのような、香草が効いたエスニック風味。

香草…といっても、香菜だけではなく

ミントやみょうが、大葉、シソなども入っているのに

ちゃんと釣り合いが取れてものすごく美味しい…!


らっきょのようなちゃめっけたっぷりの

ちゅるんとしたひとくち餃子。

ハーブソ−セージでも口にしたかのようなお肉!

美味しい…美味しい…(ひとり占めすべきだった…)

脱力…。





絵になるスープ。



この具だくさんの日替わりスープも…。

男の方が作っているものとは思えないほど

ピュアで邪(よこしま)なものがかけらもなくて

「私なんかが食べていいのかしら」とふと立ち止まる(なんのこっちゃ)


そういえば汁ものばかり頼んでいて

気付くとおなかはだっふんだっふん。

飲み過ぎです。





絵になるベーグル。


ベーグルサンドは、ポテトサラダと夏野菜を具に。

しみじみ、絵になる


汁もの(もといラガー)で

お腹たぷんたぷんの邪な私たちを許して。





ポテトサラダに夏野菜のソテーをトマトハーブのベーグルに

サンドしたもの。…これもしみじみおいしい…

やさしいのに、効くところが効いている。

このカフェそのもののように。


目に入るものひとつひとつが心にとまり眺めてしまう。

おいしいものをゆっくりひとくちひとくちいただく。

窓の外にはゆるやかな昭和の路地。

そして、小さなコップに注ぐ瓶ビール。


時を止めるもの。

ここにはそれがあふれていた。






京都に来てみたはいいけれど

今回の出張では京都までくる予定はなかったので

丸腰なのである(笑)。

資料関係、一切なし。

もちろん、知っている店はたくさんあるけれど

あのお店は定休日だし、あの店は平日はやってない。





とりあえず出町柳ならここは寄っておくとして(笑)。

(昔、ここのくるみパンが大好物だったのである…昔…といってもそう遠くはない昔)


京都駅付近の某パン屋さんの新店ができたらしい、と

連れがプリントアウトして来た地図を元に

寄り道してみるも


…この灼熱の太陽が私から購買意欲を奪ったのかしら(笑)わはは

連れはなにか買ったみたいだけど、どうだった?





2年くらい前、関西のパン友たちに案内してもらったとき

鴨川沿いを歩いたときの記憶を辿り

再訪したくてたまらなかったパン屋さんを探す。

記憶だけが頼り。


腕にぶらさがる傘はあまりに邪魔、

岩盤浴並みに汗がじとじと、

そうして、ようやく見覚えのある白と青の壁を見つけて駆け寄ると





あぅーーー。。。

脱力…。。。





もうさすがにこれ以上歩くのはしんどく

我々は大阪(私は空港、連れはミナミ)に戻ろうと

河原町から阪急に乗ったのだが…。


乗り換えは十三。

…十三?


十三…十三…十三…

十三ーーっ!



そう! 去年のちょうど同じ仕事の出張で大阪inした時の、

まさしく同じ日だったと思う(笑)、十三で食べたネギ焼き!!

あれがメッチャクチャ旨かった美しい思い出のある街!そんな街かよ(笑))


「あたしゃ一人でも行くよ。飛行機遅らせてでも」

さっきまで、パン屋にふられてしょぼんと脱力していたのに

俄然エナジー注入された私。

連れも結局エナジー逆噴射(笑)

行きますか! 降りますか! 十三!



これも全く予定していなかったので(笑)

たどり着けるかどうか保証はなかったが

だてに街歩きしてません、カラダがあなたを覚えてる♪

すいすいーっと店のあるあたりまでいくと…。

ばばん。



「改装工事中」




うぞーーーーー!!!!

うそようそようそよー?!


撃沈


そう思われた時、中で工事していたガテンなおっちゃんたちが

「支店の方はやってるよ」

私たちにナイスアシスト!!

そっか、本店以外にも支店がすぐ側にあるのね?!





…というわけで行きつくところに行きついたわけで。





スジ焼きに、トッピングで海老を加えて二人で半分こ。

んもーーーほんとに旨い!!! 旨い!!! 旨い!!!

ここ以外にネギ焼き屋なんて知らなくてもいいよと

思わせるくらいに旨いーーっ。


好きな食べ物はなんですか?

そう聞かれたら「スジ焼きですっ」と即答できるくらいに旨い!

あ、パンの次にね(笑)。


もともと汗だくでべたべたな私たちの肌は、

熱々のネギ焼きを食べることでますます汗だくに

もう、ヨゴレキャラ。

ビバ、ヨゴレ!!!


筋書き無しで食べたスジ焼き!

それは

真夏のラーメンにも通じる、

真夏のカレーにも通じる、

だけど真冬のかき氷では通じない(笑)

汗だくになって食べ切ったあとの爽快感!!!


ただの出張も、夏の思い出のヒトコマに変えてしまえる

筋書き無しのおいしいものとの出会い。共有できる人。

何にも変えがたいですなー。最高!




*余談*


このあと、蛍池で下車。

モノレールに乗り換えて空港までは一駅なのだけど

時間も少し余裕があったので

空港まで歩いてみた。たしか1キロ程度しか離れていなかったような記憶が。


…ところが、やっぱり筋書きがないと、うまくは事が運ばない(笑)。

えらく遠回りしてしまって30分以上さまよう。

役立ったのはいつも所持している方位磁石と、太陽の沈む方角(笑)。

もう、浮浪者のように異臭をまき散らしているのはというほどに

飛行機の中ではぼろぼろだったわけである(笑)。


それでも夕暮れ時の汗だくウォークは疲労とは別の次元で快感だった。

食べたら出す。飲んだら出す。

飲んだビールは全部汗で飛ばしてしまえっ!

(品性までも飛ばしていいものか?! 自分っ)

2006.8.9〜10