3日目前編:変身写真と小籠包と淡水

寝坊! 朝食ミステイク


携帯のバッテリーが切れていて、アラームがならなかった。 目覚めるともう7時!! 9時に変身写真の予約を入れているので、あまり時間はない。





やむを得ずホテルの朝食にしてみたが、しょぼい!! しょぼすぎ。 ごくごく普通のビジネスホテルの朝食で、パンがあったり、おかゆがあったり、ベーコンと目玉焼きがあったり(笑)。 ちょこっとお粥とか食べてはみたものの、「いや、この後にちらっとでも朝食を食べる時間ができるかも?!」と信じて、 とりあえずホテルを出る。化粧しなくてもいいと思ってすっぴんで。なぜなら、これから変身するのだから!!


変身写真のスタジオは、MRT淡水線の民芸西路の駅近く。早めに着いたので、 周辺でどこか朝食を食べ直しできるところを…と物色していたとき。突然「ベリン!!!」とものすごい音が。 ぬわんと、サンダルの左足の底が抜けてしまったのだ(笑)。ぎゃああ、やめてーーっ。 その直後に、またもや「ぶちんっ!!」とものすごい音が。ぬわんと、サンダルの右足のヒモまでもがちぎれたのだ。 ぎゃああ、丸腰ー(笑)。両足の靴がぶっ壊れてしまった。近くに靴売っているところもないし、絶対絶命だよぉぉ〜。 このサンダル、学生のころから履いているし、旅行の時はいつもこれだった。Parisとか和歌山とか(笑)、 あちこちで酷使しすぎたかなぁ〜。





適当に入った朝飯屋さん。私の風貌は、すっぴん、髪の毛は山んば状態、しかも靴が破れてひきずって歩いている(笑)。 恥ずかしすぎて、誰とも目を合わせられぬ…。朝ご飯は、小籠包(ハーフ)と、ネギ焼きにしてみたが…。 超ふつーーー。小籠包はただの小さな肉まんだったし(スープは出てこないし皮が厚すぎ)、 クレープのような薄い餅で包まれたネギ焼きも…。甘い豆乳(頼んではいないが、 どこへ行っても必ず「温かいのと冷たいの、どっちを付ける?」と聞かれる。断れない(笑)) をとりあえず必死に飲み干す。頭の中は靴のことばかり(笑)。



変身写真、やっちゃいました、化けちゃいました。


変身写真…とは、プロのヘアメイクに施してもらってモデルさんのように変身した姿を、 プロのカメラマンがグラビアのように撮影をしてくれるというもの。 それなりに料金はかかるのだけど、同じことを日本でやるとしたらもっともっと費用かかっちゃいそう。 なんせ、4時間もかけて、3着の衣装を着替え、その都度ヘアメイクを変えるのだから、すごい手間ひまだと思うのだ。 私も良い歳ですし(笑)、見合い写真じゃないけど、洒落に一冊撮影してみることにしたのだ。


 


まるで美容室の入り口のよう。壁中に変身した女の子たちの写真が飾られているけれど、ほんとにこんな風に私も変われるのかー?  だって、今朝の私はスッピン、山んばヘア、そしてぶっこわれた靴でずりずりと足を引きずった状態。 受け付けには、同じ時間に予約している模様の、日本人の若いカップルが待機していた。 この二人がまたえらく美男美女で、あぅぅ、、自分の姿が惨めーー。早く変身させてくださいっ(笑)。





まずは衣装選び。衣装室にはドレスやら普通のカジュアルなウェアやらスーツやらウェディングドレスやら(笑)溢れかえっている。 この中から3着選べるのだけど、難しいわー。正直なところ、いいと思えるような衣装がなく (それこそ、フリマの会場のようだ…)服選びは難航極める。いっそのことヌードも面白いが(冗談)、 ひとつ冒険してみることに。…バスローブを選んでみた(笑)。 あとはチャイナドレスと、今風の上下のセットアップ。さてさて、どうなる?!





衣装を着る順番は、(1)バスローブ、(2)チャイナドレス、(3)今風の上下のセットアップに決められる。 バスローブが一番ヘアメイクに時間がかからないからだ。あとで足し算できるように、 順番がちゃんと考えられているのだ。


バスローブのヘアメイクが終わったら、いざスタジオへ移動!! カメラマンさんはフィンガー5のようなめがねをかけた小柄の男性で、 なんだかえらく愛想がなく、全く無表情。どうにも息の合わない私たち(笑)。 指示されるのは「下見て」「顔、上」、ひたすらこの繰り返し。 もしかしたら私は全部同じ表情で写っているのではないだろうか(笑)。 バスローブでセクシーショットもチャレンジ(笑)。肩をぺろーんと出してみたり(笑)、とにかくここじゃ公開出来ない(というより、この写真は1ヶ月後に郵送されてくるので私もまだ未確認)。でもでも、あまり抵抗がなかったなぁ…セクシーショット(笑)。





お次はチャイナドレスに着替える。 メイクはさすがにプロ!! バスローブの時点ではよくわからんかったが(かなりナチュラルメイク)、 後半になるにつれて、“自分の普段のメイクは甘過ぎた!”と痛感させられるほどに別人に変身!! ハッキリ言って、めちゃくちゃ厚化粧なんだけど、見事に(?)化けまくり! き、きれいかも…自分(おいおい)。


バスローブではただのウェットな無造作なヘアだったのだが、チャイナドレスとなるとどんどん手の込んだものになっていく。 ちょっと失敗したら手を抜かずに、ちゃんとやり直して時間をかけてくれる。妥協のなさにプロのプライドを見た!





最後は、今風の上下のセットアップ。なんか安っぽい衣装だったのに、ヘアメイクで俄然化ける。 日本語がちゃんとできるのは、受付のオーナーさん(?)だけなのだが、このおじさんがとても親切で、 一人で来ている私は、なにかと世話を焼いてくれた。ヘアメイク中の写真をたくさん撮ってくれたり。 1衣装1時間くらいかけて、トータル50枚程度の写真を撮る。約4時間、無事撮影終了ーー! 





先ほどのカップルは、それぞれで撮影していたのだが、彼氏の方はぬわんと最後は女装!!  なんかシンデレラのいじわるお姉さんみたいな衣装で(笑)、いかついけど、 ちゃんと女になってる(笑)。





彼女の方は、片瀬ナナ似のめちゃくちゃかわいいコなので、なお一層映える! 二人で変身2ショットを撮ったんだけど、どぉどぉ?(笑)


後半にまた日本人女性3人組がやってきたのだけど、この人たちは、正直言ってまったくしゃれっ気のない、 垢抜けない地味な感じの人たちだった…昔の言葉でいうと、「イモっぽい」感じだったのだが(失礼!)。 しかし、そう言う人たちほど化け甲斐があるってもの。 1人、どえらく化けまくった人がいた。自分の隠れた美しさに気付いて快感だっただろうなぁ〜!


飯は安いし交通費も安い、お金のあまりかからない台湾旅行の中では、この変身写真は非常にexpensive。 まぁ、こんな体験絶対できないし、私にとっては「買い!」だったと思う。 …って、実際にできあがった「作品」を見ないことには何とも言えないけど(笑)。




市場で靴とマンゴーを買う





お店のオーナーさん(?)に、すぐ近くで靴を買えるところに連れてってもらった。 靴やら衣類やら売っている路面の蚤の市みたいなところで、なんと靴がオール100元!(約370円)  安!! ちょっとギャル系な靴ばかりで(笑)選択肢がなかったのでおじさんに奨められるままにサンダルを購入。 残り2日間、お世話になります!






ものすごい厚化粧のまま(明らかに今着ている服と合わなすぎる、パンダのようなメイク…)隣駅まで歩くと、 また市場を発見。





<果物や食品、雑貨店がずらずらーっと並んで生活臭が漂う。 ここでとびきりデカイアップルマンゴーを約50元(170円程度?)で購入!  冷蔵庫で冷やして明日の朝食べるのじゃー!!




念願の小籠包を食べる


そのまま、タクシーを捕まえて小籠包の店「小上海」へ。お昼ご飯を食べに行こう。…あぁー、厚化粧して行くのはやだな(笑)。


小籠包といえば、ディンタイフォンとか超有名なお店があるのだが、どーにもあまのじゃくな私(笑)、 そこは敢えて避けてみた。もう少しマイナー(といっても、十分メジャーな店だと思う)な、 美味しいというお店にしてみたのだ。





小籠包(10個入り)と牛肉とスジのスープを。 牛肉とスジのスープは、麺が入っているものもあるのだけど、炭水化物のバッティングを敢えて避ける弱気な私(笑)。





小籠包は熱々はふはふ状態の時は美味しい〜。脂たっぷりのスープがしたたる内部。 月並みな表現だけど、ジュワーっと溢れるスープと肉は、臭みがなくてジューシー。皮も美味しい。 でも、さすがに一人で10個はヘビーで(笑)、ぬるくなってしまった残りの2〜3個は残してしまった。





牛スジスープは、かなり濃い目の醤油ベースなので、やっぱりこれは麺を入れておくべきだったー。さぞかし美味しかっただろう! 野菜も少し入っていてようやく野菜補給(今回、野菜不足気味)。 小籠包は期待以上でも期待以下でもなくて、十分に美味しいけれど、 「もしかしたらもっと美味しい店もあるんだろうなぁ」と少し思う。 といいつつも、台湾は「名店」じゃなくてもどこでも十分旨いから、あまり差がないんじゃなかろーか? どーなんだろう? 次回の開拓のしがいがあるってものだわ!




サンセットを求めて淡水へショートトリップ


バスを2本乗り継いで一度ホテルへ戻る。汗を軽く洗い流してから淡水へ!(メイクは結局落とさず終い…ケバイよ、私!(笑))


「ボーカル」たちのライブは夜からだから、それまでになんとしても淡水の夕暮れを見に行きたい。 MRT(地下鉄)を乗り継いで、約40分で淡水に到着。


台北の北部にある淡水は、風光明媚な観光スポットとして人気があるらしいのだけど、ここまで混雑しているとは!!  老若男女入り交じった竹下通りって感じか(例えが古い(笑))。 違うのは、並んでいる商店がディープな食い物屋台が多いってことか?

 



淡水では食べてみたいものがたくさんあるんだが、夕べの鍋のおかげで、どれがどんな味がするか、大体予測がついたおかげであまり手を出さずに済んだ。 お馴染みの臭豆腐(しゅうどうふ、と読むんだろうけど、頭の中では「くさどうふ」と呼んでいる自分がいる)。 ぶったおれそうな暑さの中で、この臭気を嗅ぐとほんっとに吐き気がするんですけど(笑)。 でもでも、このニホヒ…なぜか求めてしまうのよね(笑)。 タニシを酒に漬け込んだ「焼酒螺」は結局今回食べ損ねたけど、次回はチャレンジしてみたい。すごいよな…。ほんとに食べ物?(笑)





ここでもやっぱり飲むのはマンゴージュース。小カップで30元。安!  さっきコンビニで買ったマンゴージュースもパック入りでありながらしっかり果汁度高くて美味しかった。 …一日に何杯飲んでるだろう、マンゴー。やばい、マンゴー太りする?!





どうせなら船も乗ってみましょう。対岸の八里行きの船は片道18元(約65円)。 ものすごい長蛇の列。この暑さだからみんなうざったい顔つきで列に並ぶ。私はケバイ顔で(化粧はほとんど崩れてただのパンダ(笑))。





15分くらい並んでようやく乗船! 頻繁に往復をしているので列の割には回転は早い。





対岸の八里も同じくらいに混雑。船着き場の周辺は、飲食店やお土産屋さんが並ぶ商店街があった。 もう歩くパワーはないので、サクサクッと辺りを歩いてみる。あわよくばご飯も食べて行きたいのだ。






名物料理「八里蛤」をぜひ食べてみたいと思っていた。 ムール貝っぽいルックスの貝で、バジルに似たハーブとニンニクで炒めた料理らしいのだが、 ナビに載っていた店は、いかにも「有名店〜っ。観光向け〜っ」ってオーラがびしばし漂っていたのでパス。 商店街の中の地味な店に入ってみることに。





家族総出で切り盛りしているような店で、しぶしぶ店の手伝いをやらされているのかなという感じのお姉ちゃんも。 とりあえず席に座ってみる。





本来2人前くらいのボリュームの八里蛤を一人でオーダーする、厚化粧&リゾート風ファッション&安サンダル&旅行用デカバックの女。 われながら凄い出で立ちだな。一品だけだとなんなんで、温野菜もオーダーしてみる。





八里蛤は、ムール貝&バジル&ガーリック炒め…というイメージから、イタリアンっぽいものを想像していたのだが全然違った。 ものすごい量の貝に、大量のニンニク(貝をかき分けると、わんさかニンニクが出てくる)、 そしてバジルと似ているけど非なりなハーブ。…めちゃくちゃ旨い!!! このバジルは、どっちかというとコリアンダーや、ミントのような香りもする、かなり濃厚な匂い。 ニンニクの強烈な臭いと甘辛い濃い口の味噌風味がなんとまぁ旨いのなんのったら〜!!





貝はがっちり口を閉じているので、こじあけて実をほじくる。箸でこじあけると汁が飛び散るので、後半は手づかみで。 こじ開けた貝殻でスープとニンニク、香草(?)をすくって口に流し込む。旨い〜!!! 青菜の方もほんっと美味しかった。茹でているのかと思ったら炒めている感じ。これまたタイ料理を思わせるような味付けで、 ニンニクと醤油と油の混じった味つけ。さらに干しえびの出汁も効いている感じ! うますぎーー!


しかし、いかんせん濃いので、ビールが欲しくてたまらんかった。もしくは白飯ウォンチュー!! でも今、白飯をたべちゃったら、今夜行くつもりの夜市で何も食べられなくなっちゃう。がまん、がまん、でも濃くて後半はけっこうきついーー。 これで食べる白飯の美味しさや、ビールの爽快さを妄想しながら、全部完食!! いやはや、旨すぎました。





食べるだけ食べてタイムリミット、淡水へ船で戻らねば。 ちょうど夕日が良い具合に沈んできた。アメリカSFでの夕焼けを思い出すなぁ…。





あともう少しでサンセットだけど、日の入りまでは見られないかも…。でも満足。





帰りは商店街を通りながら歩く。エネルギッシュな店がしのぎを削る。そんな中、なんと「フランスパン」がおいてあるパン屋に遭遇。 台湾にて初・バゲット遭遇(笑)。どっしりした(ように見える)ハード系もあるじゃないの、台湾にて初・ハード系(笑)。





しかし、「北海道産」かぼちゃパンとか、プレッツェルとか、ベーグル(!)とか、どーもフランスに限らず多国籍(笑)。 とりあえず胡桃パンとスコーンを買ったのだけど…。えーっと、えーっと(笑)。





結局、ソフト(笑)。粉以外の甘さがする、なんとも(昔の)日本的なパンだったなぁ…。 台湾にもいつか、フランス的な(もしくはドイツ的、NY的)パンは登場することがあるのだろうか?






最後の最後にもう一度デッキに戻ってみると、…おぉぉ! さっきの夕日とはさらに太陽の色が変わってびっくりするほどに幻想的になっていた。 これ目当てに淡水に訪れる人たちが後を断たないのもよくわかる…。


帰りのMRTは座れずに、疲労がピークに。 7時にはライブ会場のある圓山駅に到着。夕べも来ているから会場の地図は予習済み。 …さぁ! 今回の台北来訪の「本来の目的」はもうすぐ始まる…。


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