9-1.4月北海道・雪景色現実逃避行 〜札幌こてこてグルメ編〜


「雪が溶けてクルマでも行ける季節になったらあの洞爺のホテルに行こう」

そう、ちゃくちゃくと計画は進んでいた。

ところが昨年末からえらく仕事が忙しすぎる。

さすがに春になったら楽になるかなぁと思っていたが甘かった。


適当に「4月の第二週くらいで」なんて決めたけど、

仕事は全然楽にならないわ、東京はちょうど桜満開で花見し損ねるわ、

…そして、まさか4月なのに北海道があんな天候になっていたとは思いもよらかなかった。


気候的には大誤算の「4月北海道グルメ旅3日間」。

でもでも、計画以上に濃厚な、デリシャスな、そして楽しすぎた3日間だった。




出発前夜。…というか、出発の朝まで私は会社にいた。

仕事が終わらず、休憩なしで朝の5時まで仕事をしており

一睡もしないまま自宅へとんぼ返り、風呂に入り、支度をしてダッシュで羽田へ向かう。


本当は有休とって北海道なんて行ってる場合では全然なかったのだけど

私はマイルで航空券をタダゲットし、連れはその「おともでマイル」で往復2万円。

予約変更はできない、変更したら全部パー。

仕事なんかに邪魔されてたまるかーってんだ。


へろへろで羽田に到着、連れと合流。

連れも仕事がテンぱっていたらしくて「とにかく来られてよかったぁぁ」と合流を喜ぶ。

お互いの「仕事からの逃避」に不安を覚えながらのフライトになった。

頭の中は実はやり残して来た仕事の不安でいっぱい、

文字どおりこれは「逃避行」だったのだ(笑)。





昨日の昼からほとんどなにも食べてないのでお腹空いておかしくなりそう、

空港で「空弁」を買って、飛行機が離陸する前からもう弁当をがっつく!

空弁、初めて食べるけど結構旨いなぁ〜。

味覚が繊細になっているので薄味なのがちょうどいい。


珍しく機内誌にも目を通さずに、つかの間の眠りについた。

目覚めたら札幌だ。




東京では20度くらいで超お花見日和だというのに

なんと札幌は3度くらいだったのだ!

東京で言えば真冬の寒さ。

北海道の4月ってこんなに寒かったっヶ?!

道産子であるはずの私ですら驚くほどの寒さ。

…というか、なんでこんなに雪が残ってるのーー?!


連れは北海道は10年以上ぶりとのことで

今回は「こてこてなサッポログルメ」に案内することにした。

たぶん、札幌に観光に来る人なら一度は訪れるんじゃないかというような

こてこてな王道コースを案内した(笑)。




空港からバスでまっすぐ向かうのは、我が家の至近の鮨屋。

そう、札幌、お寿司、と言えば「すし善」だ。

(というか、私はここしか美味しい鮨屋を知らないんだもん(笑))

円山店と本店は隣同士なんだが、本店は敷き居が高すぎるので円山店へ。

こっちなら我が家もよく利用する。




カウンターに二人並び、連れはランチのコースで。

私はお好みと季節の野菜の揚げ物を。

連れのコースがちゃくちゃくと握られてひとつひとつ出されて行く。

私も頼まなくっちゃ!

あれこれ頼んだがどれもこれも美味しかったなぁ。




これは連れのコースに出て来た、うに、いくら、カニ!!

ぎゃーーん、全部大好物! おいらもこれ、くらさーーーい。




このカニが絶品…!!

カニ肉にカニ味噌がかかって、さらにオレンジか何かの柑橘を一滴絞っているのだ。

めちゃくちゃ濃厚なのに、さわやかさも加わって、、、幸せぇぇ。




絶対はずせないアナゴ。

ここの鮨は本当に丁寧な仕事をするので、

板さんの仕事っぷりを見ているだけで飽きがこない。

柔らかい柔らか〜い、アナゴとは思えないほどにほろっとした実。

使い古した言葉だが、「美味しすぎてほっぺたが落ちそう」★




野菜の揚げ物は、春野菜満載。

例えは適切ではないが、まるでフライドポテトのような薄くてカラッとした

衣だけを食べてもすごく香ばしくて美味。

野菜はフキノトウやゼンマイなど、苦味の効いたものが中心で口の中に春の息吹が広がる〜!


…外は冬景色だと言うのにね(笑)。




せっかくここまで来ているのだし、

我が家はすぐ目の前。というわけで、連れを我が家に御招待!

「ただいま〜」

mi_wa母も交えて三人で我が家でお茶タイム。

なんか不思議な気分だわ〜。友達を連れて実家に帰ってくるなんてね。


ほんとは連れを少しサッポロ観光に連れて行こうと思ったけど

そういやサッポロって、どこを観光すればいいの?(笑)食うだけじゃない?(笑)

だからというわけではないが、おしゃべりがついつい盛り上がり(mi_wa母はよく喋る)


明日の洞爺には、うちの母も一緒に行くのだ。

連れとも行きたかったし、母とも一緒に行きたかったし。

みんな一緒に行っちゃおうということで今回の計画が進んだのだが

明日のランチがますます楽しみになって来た〜!




母の運転で、本日私たちが泊まるホテルに送ってもらう。

(実家があるのに今日は外泊(笑))

北大にも案内しようと思ったのだけどこの天候じゃあちょっとねぇ…。


…ということで、ホテルに荷物をおいたあとは、

大丸の地下でサッポロスイーツグルメを御案内♪

六花亭、柳月、もりもと、ロイズ、きのとや、北菓楼

空港でも買えるような超こてこて北海道スイーツを物色させるのだ(笑)。




駅の近くの「ぱん吉」にも連れて行くがもう夕方なのでパンはほぼ売り切れ。

でもでも、昨年秋に買ってものすごーーーく美味しかったパネトーネは残ってた!

これこれ。絶対食べてほしい。小さいカップケーキサイズのものを購入。


…買ったはいいけど、いつ食べるんだ?

これからジンギスカンを食べに行くと言うのに!




こてこてサッポログルメ、今夜はここへ行く!

北海道と言ったらジンギスカン。ジンギスカンと言ったらビール園。

他にもジンギスカン専門店はいくらでもあるけど、

いろんな意味でも、やっぱり北海道観光ビギナーにはここに連れて行きたい。

私は赤ん坊のころから年に1回くらいは行っていた、大事な場所だ。




…しかし…連れには悪かったが、駅から歩くバカ(笑)。

寒すぎて、まるで吹雪のようにみぞれが打ち付けて、めちゃくちゃ悲惨!!

意外に駅から遠かったんだっけな(笑)、ごめぇ〜ん。


久々に来てみたら、ビール園はずいぶん寂しくなっていた。

…というか、まるで林の中にあるような、あのうっそうとしたポプラの木々が

ずいぶんなくなっていて、すっきりしてしまっていた。


しかも、こてこてなビール園らしさを味わえる「開拓使館」ではなく、

普通のビアホールとあまり変わらないような「ポプラ館」に通されてしまったので

私的には「えーん、『ビール園らしさ』が味わえないーー」とがっくりきたが、

でもでも連れが満足してくれているようならそれでいいっか。




ビールで乾杯!

取りあえず中ジョッキにしたが、ここのなら大ジョッキでも一気に飲めるよ〜。




お約束の紙エプロンと中ジョッキと私。

小さいころはこれがうまく結べなかったんだよね。




北海道民は、ごくごく普通に家庭でジンギスカンをする。

だから、やっぱりジンギスカンは生(柔らかい)よりも

どーも食べ慣れた冷凍(円形に成形されたやつ)が好き。




二人きりで来るのは滅多にないので、

加減が分からずついついあれこれ頼んでしまったが

こんなに食べきれないよぉぉ。

魚介のサラダにニシン漬けにイカの一夜干し。




ひたすらジンギスカン。すぐ焦げるから、手を口を休めるヒマがない。

めちゃくちゃ真剣にジンギスカンを食べる二人!

満腹になっているヒマもないほどに?!


…ド満腹。

明日のフレンチに堪えなきゃいいがなぁ…!




春だというのにこの景色。

まるっきり正月に帰って来た時と変わらない気が…★




ぜひ「開拓使館」の方もみせたくて、帰りに覗かせてもらう。

そうそう、このビールタンク!

これを眺めながら飲むビールの方が気のせいか美味しく感じるんだよな。




さぁ、今度は夜景でこてこてサッポロ観光を締めくくり!

札幌駅に併設されたJRタワーは札幌の比較的新しい観光名所。

それまで夜景といえば、テレビ塔か藻岩山…だったのだが、

個人的にはここの夜景が一番オススメだ。

最上階38階の展望室には900円の入場料がかかるけれど、

宮越屋のコーヒー300円をつけて1200円でこの景色をゆったり眺められるんだから。




外は吹雪いて、雪が下から吹き上がっている。

それでもテレビ塔を見下ろすこの景色は美しい。

エッフェル塔でもよく思うのだが、やっぱりテレビ塔は登って眺めるものじゃない。

テレビ塔のある風景こそがサッポロだからだ。




この展望室はトイレもちょっとしたビューポイント。

こちらは子供用のおトイレ。可愛い〜。

ぜひ立ち寄った時は探してみて!




こてこてサッポログルメ、最終章は翌朝の朝食。

ホテルからほど近い時計台裏の喫茶店へ案内した。




はい、お約束で写真をパチリ(笑)。

そういや私、時計台の写真を撮るのは初めてかも知れない!(そりゃそーだ)




札幌には、クラシックな喫茶店が町の至る所にごろごろある。

カフェ巡りも楽しいのが札幌のいいところなのだ。

その中でもこの北地蔵という喫茶店は、観光客にも知られているはず。

利便性と早朝からの営業、ジャズの流れるシックな空間。

古き良きレトロな時間がここには流れている。

そんな「北国の喫茶店」が、旅人にも印象づけるのだと思う。




寒い外から避難するように店内に入ると、メガネがくもるような温かさ。

美味しいコーヒーをいただきながらカウンターで雑誌をめくるとき、

まるで暖炉でもあたっているかのようなぬくもりを感じられる。

私はこの店がとても好きで、ぜひ連れにも紹介したかった。




うちの近くにある「地蔵商店」とは姉妹店で、

地蔵と同じパンを、こちらでも買えるし食べられるのだ。

地蔵のパンは、ちんまりとした人なつっこいパンが豊富。


 

 

パンのオブジェが飾られていてかわいい〜!





お昼には本命のフレンチを食べるから、控えめに…と思っていたけど

やっぱり食べちゃう、パン食いの悲しいサガ(笑)。

私はできたてのライ麦パンサンドイッチとサラダ、珈琲を。

連れはミニクロワッサンと珈琲を。




こんなに手のこんだサラダが300円程度なんだから。

内容は、一見プリンに見えるツナペーストと、

里芋、カレー風味のジャガイモ、セロリや人参のころころサラダ。

お店の姿勢がこの一皿ですべて伺えてしまう気がする。




すんごーーく美味しかったサンドイッチ♪

具はサーモンや野菜、タマゴサラダなどオーソドックスなのに、何か美味しい。

このキャラウェイの爽やかな甘みがライ麦くるみパンの風味とものすごく合うから。




10時過ぎ、母がクルマでホテルまで迎えに来てくれた。

さぁ、これから目指すは洞爺の山の上のホテル!!

天気は今にもこぼれおちそうなほどにどんよりしているけど

「丘〜を越〜え〜ゆこ〜うよ〜」な、ゆかいな気分だった。


今回、洞爺へ行くまでのサッポロ滞在は、

ほんとに「こてこて」な王道サッポログルメを紹介したのだが

やっぱり「王道」は良い!!


これで六花亭の喫茶店も、ラーメンも連れて行けたら

私の中では完璧なこてこてコースだったのに(笑)。




* 洞爺篇へつづく *