32.新春パン屋さん始め@洞爺オテル・ド・カイザー
32.新春パン屋さん始め@洞爺オテル・ド・カイザー
日本海の祖父母のところで過ごしたお正月。
元日2日に出発し、車で札幌の自宅へと戻る。
父は雪道の冬季はなるべく峠を通らずに、海側(余市、小樽経由)を通ろうとする。
もちろん、海側を通れば「海のパン屋さん」を通れるのだが
正月はやっていないので今回はありがたくない。
だから…私は諦めていた。冬は諦めていた。
…のだが! わがまま言ってみるもんだなぁ〜!
洞爺経由で帰ってくれることになったのだーー!
そう、洞爺にはあの超高級ホテルがあるのだから〜!
まさかの2005年初のパン屋さん詣!
このホテル、以前別の経営母体が営業していた時代、
家族で泊まりに来たことがある。私の中では「お風呂に入ってバーで飲んだ」という
記憶しかなく、全く料理のことや部屋の事もすっかり抜けていた。
ただ、眼下に広がる素晴らしい洞爺湖の羨望は焼き付いていた。
現在、ウィンザーホテルとなり、全国のグルメたちがこぞって訪れる
夢の「食のリゾート」として生まれ変わったのだ。
ここのホテルブーランジェリーは「オテル・ド・カイザー」。
そう、関東以北で唯一カイザーのパンが食べられる場所なのである。
父「このホテルはじゃかじゃかお客にお金を落とさせて行くんだろ?」
m「そうらしいねぇー1泊滞在しただけで二桁くらい平気でお札飛んで行くんだろうねぇ」
金持ちはサッポロからタクシーで来たりするんだろうなぁ、
マイカーで来るのは庶民の証拠か、うちみたいに…と父。
そんな父に適当にあいづちを打ちながら
「あわよくばランチは『ミッシェルブラス』で、うひひ…」と
目論んでいたのだがそりゃ無謀だった、甘過ぎた。
やはりここは完全予約制。アポなし父娘、あえなく玉砕。
ま、今回は父と二人のみ。フレンチは母と一緒の時の方がいいもんね。
そこでまずは「オテル・ド・カイザー」でパンを選ぶことに…♪
おぉ、見なれたカイザーのパンたち…。
試食してみると、…味的に東京のものとは大差はないように感じた。
同じくらい美味しい、というのが率直な印象。
しかし、形状が小ぶりなものが多めでうらやましいぞ。
いつもオフィスでいただくカイザーのパンは1回で食べるにはでかすぎて
持て余すことが多かったからなー。
カイザーと言えばやっぱりヴィエノワズリー。
お馴染みザマンドもあるし、季節限定ガレット・デ・ロワもあるでよ!
これはお手軽なお試しセット?
いやいや、ここでしか売ってないパンを優先して選ばせて頂きますわ。
東京でもお馴染みのパンたちが多いけど、形状が違うと惹かれます。
東京では「エピ」でしかお目にかかれないパヴォのプチパンを選択。
そうそう、オリーブオイルを使ったねじりぞうきん型のトルサデシリーズには
オリーブ&ドライトマトなんていうのもあった。
(東京ではドライトマトやノアレザンならあるのだ)
これが洞爺限定の「イタリアン」。
お隣のダイニングレストランのために作られた、オリジナルパン。
スキムミルクとオリーブオイルを使った、ふんわりソフトなタイプ。
「ここでしか…」というものに弱い私、3個も買っちゃったんだけど
みたまんまわりと淡白なヴィエノワで、絶品を期待しちゃった私が悪かった(笑)。
しかし! このトゥルトゥフラマンは!
石臼で挽いた道産小麦を使用したトゥルトゥなのだが、
他のカイザーで作られるトゥルトゥとは味わいが異なっており
「ここでしか買えない」を満足させてくれた一品。1/4カットで336円。
トゥルトゥはかなり酸味が効いたカンパーニュで、
ねちっこいクラムとコクの深さが魅力の、お気に入りの一つだが
このフラマンはそれにくらべると酸味はかなりマイルドで食べやすい。
しかしクラストの香ばしい甘苦さみたいなものは共通していてオススメ!
断面図しかないけど、これはなんとショコラザマンド!!
これもここでしかお目にかかれない一品かと?!
ラムは効いていない代わりに、チョコが甘い。
この手のものに使われるにはちょっと甘過ぎなほどミルキーなチョコだったか。
このガレット・デ・ロワは秀逸!!
ストレスなく重なった層が軽くて、クレームダマンドの味わいが穏やかに広がる。
層を押しつぶして行く時の食感が心地よい。
ここのクレームダマンドは比較的マイルドな印象。濃厚すぎないみたい。
ちょっと後悔しているのが、自分用にクロワッサンダマンドを買わなかったこと!
食べ比べするべきだったかしら、マニアとしては?!(笑)
明日会う地元の友達へのお土産にはダマンドを購入。
こんなおしゃれな袋にラッピングしてくれるのが嬉しい。
すごい高級な土産に見えるけど実はパン、へこーっ、みたいな(笑)。
(*いやいや、後日二人ともすごく美味しかったと報告してくれた♪)
そんなこんなでおよそ2000円分ほどお買い上げ。
着実にホテルにお金を落として行く(笑)。
雪が降っていて曇り空だったので、あまり景色を眺めることができなかった。
一番ナイスビューだった瞬間はトイレに入っている最中(笑)。
ちなみにここは個室トイレの中より激写!
心も身体もすっきりします(笑)。
で、結局、父娘が入ったのは予約が要らないというお蕎麦屋さんだった。
そうそう、年越し蕎麦ということで(笑)。
この鴨せいろ、1680円。うひゃ、高い。
父ちゃんごめんな。これじゃ足りないでしょ? 車の中でパン食べる?(笑)
蕎麦といったら鴨せいろを頼む私。
ここの鴨がめっちゃくちゃ美味しかった!
…が蕎麦つゆは薄味で蕎麦湯を楽しみにくかったのは無念。
ここで4000円ほどお会計。確実にホテルの売り上げに貢献しつつある。
軽くホテル内を散策、ショップを眺めた後、
「コーヒーでも飲んで行きますか」ということで
ジェラールミュロのサロンドテでオペラも食べてしまうのだ。
なんか不思議な感じ。北海道でカイザーとかミュロとか食べているんだから。
昨秋Parisで食べている店を、北海道で食べているんだから。
しかも正月。父ちゃんと二人で(笑)。
やっぱり今度は覚悟してミッシェルブラスに来ないとなー。
予算の都合上、日帰り&マイカーということになりそうだが★
m「正月にホテルで過ごす人って多いんだろうね。何してるんだろうね」
父方の実家で過ごす以外の正月の過ごし方を経験したことがない私、
生まれてから紅白を見なかった正月は一度もない(笑)。
父「なんにもしないんだよ、なにもしないのが正月だ」
それこそ贅沢だね。ほんとの贅沢だわ。
お茶して約2000円。またホテルに落として行った。
…すごい、確実にお金を使わせるホテルだわっ
父娘は苦笑いしてしまった。
まんまと策略にハマってしまったか(笑)。
今年もパンゲル係数はさぞかし高かろう。
そんな予感の、2005年新春パン始め。