3.7月恵比須 はんぶんこ
3.7月恵比須 はんぶんこ
永遠不滅の名作 バゲット・ア・フェルマンタシオンラント
大好きな大好きなブティック・タイユバンロブション(以下TR)が
シャトーレストランの閉店に伴って7月末までの営業となった。
そのことを聞いた時に、耳を疑った。
あんなに素晴らしいパンたちが、もう食べられなくなる?!
お店に問い合わせてみたところ、
秋ころリニューアルオープンするとのことだったが、
同じパンが並ぶとは限らない。職人がそのままであるとも限らない。
現在の、私が大好きなあのパンたちに会えるのはもしかしたら
7月いっぱいかもしれない…!
彼女はTRのパンは未食だという。
なにぃ!! そりゃー、なんとしても食べさせなくてはっ。
「これが私を虜にしたバゲットたちよっ」と口の中に押し込めなくてはっ!
これは首にナワをつけてでも連れて行かねばならぬ。
…そうして、江古田に続いて2日目の「はんぶんこ」が始まった。
*
じりじりじり…!
カンカン照りの日曜日。
今年の夏はちょっとおかしいね。
なんだってこんなに暑いのだろう?!
パンめぐりには堪える日ざしの強さ。
しかし、どんなに暑い日だろうとも
「涼しげ」な微笑みをたやさない。
彼女は生まれ持っての優雅さみたいなものを持っている。
その才能(?)を分けてほしい…。
せっかく恵比須へ行くのだから…と、もう1軒くらい欲張りましょう。
どのみち寄り道しても、TRに行けば欲しいだけ買ってしまうでしょ?
だってすべてはんぶんこ。いつもの倍選べてしまうのだから。
以前からとっても行ってみたかったお店。
土曜日定休というのがネックで、幾度となく店の前に辿り着いても
振られ続けた相性のヒジョーに悪い店(笑)。
「PANYA-Z'S」だ。
駄菓子屋的な、昭和の遊び心たっぷりのおもちゃ箱のようなお店。
天然酵母で作られたいかにも「自家製です!」なパンたちが
並んでいるかわいいお店だった。
若い女性が一人でパンを焼いているらしい。
厨房はむき出しになっているが、普通のブーランジェリーとはどこか違う。
なんとなく「台所」なのだ。
パンよりもお菓子が登場してきそうな感じ。
オーブンの存在よりも生地を伸ばす台の方が存在感があった。
いつもならはんぶんこの私たちだけどこのお店ではどちらともなく
「それぞれで選ぼうか」と、トレーをそれぞれに持っていた。
小さな小さな、ころころしたパンが多かったからなのだ。
はんぶんこにしたらものたりないよね!
なにはなくとも食べてみたかった大好きむっちり系クロワッサン
…でもおもしろいのは、ことごとく選ぶパンが同じということ(笑)。
「まねすんなよーー」「そっちこそーー」
黄色いパックマン?! パンオレのあずきバターサンド(笑)
ちょっと迷ったものははんぶんこ。
それでも後ろ髪惹かれるパンばかり。また日曜日を狙ってこないとね!
***
さぁ、恵比須ガーデンプレイスへ!
この見なれたブティックも見納めなのかも…
どことなくホテルメイドなよそ行き感を持ち合わせる、
少し堅苦しい雰囲気すらも、私は好きだった。
後悔のないように慎重に選ぶ私たち。
いつもなにかしらの焼き立てに遭遇するのだけど
今日もフロマージュの焼き立てに遭遇…!!
チーズのパンは焼き立て(or焼き戻し)でなければ味わいたくない。
彼女の白目をみたい私は(笑)、これもすかさずトレーに載せる。
さぁ、心置きなく買いました。
さぁ、これからどこで食べましょう?
本当はこのあと、さらに欲張って 白金の某パン屋さんでバレンシアも…と
思っており、そこの2階のフリースペースで広げちゃおうかなんて
目論んでいた私だけど(←いいのか?(笑))
もう、いいよ。
今日はTRに集中したい。というか、今すぐここで広げたい!
「ベンチ」を求めてぐるぐる。
そして、地下で理想に近いベンチを発見!
…といいつつ、ちょっと人目には付くのだけど…(笑)。
じゃん!
このエピ、これまで何回くらい食べたかな…。
ここまで何度もリピートしているエピはここのくらいかも。
あれもこれも広げてしまいましょう。
もう、人の目なんて気にしない!
チーズがひたすら「甘い」焼き立てフロマージュ。焼き立て以外で食べたことがない私は果報者?!
お約束、バゲット・ア・フェルマンタシオンラント。
こちらはプチパンフェルマンタシオンラント。全然プチじゃないのが嬉しいの(笑)。
押せば押し戻ってくるへちまスポンジのようなクラム。
とにかく甘い。噛み締めると舌で甘みが、飲み込んだ時にも喉で甘みが。
矢継ぎ早に甘みが押し寄せて、息継ぎする暇もない!(笑)
こんなクラムを生み出せる腕前の店は、そうそうお目にかかれない。
クラムを楽しむならこちら。クラストを楽しむならバゲット。
それぞれの良さがあるので私の中では全く同レベル!
どちらも楽しみたい場合は?
どっちも買ってしまいましょう(笑)。
「…ど、どーよ?」
私は彼女の顔を伺う。
期待させるだけさせておいたので、ちょっと反応が恐いのだ。
彼女は空中に視線を泳がせ、無言になる。
…みるみる鼻の穴を大きくさせて
ぷるぷる震え出す。
そして今にも泣き出しそうな声で
「美味しい…美味しすぎるぅぅぅ…!!」
その顔には似合わないほどの興奮で唸り出した。
よっしゃーー!!(ガッツポーズ)
そうこなくっちゃー!!
「でっしょでしょでしょーーー!!」
思わず私も鼻の穴を大きくさせる。
美味しいパンには過剰すぎるほどの反応を示す私たち。
食べるパンどれもこれもに悶絶の連続。
プチパンロブションにはちみつ入りフルムダンベールをサンド。
ブルーチーズのシャープな部分をそっとはちみつの甘さで包み込み、ひたすらまろやか〜な逸品!
生イチジクの下にはフランボワーズソースとクリームが。フランボワーズの鮮烈な酸味とクリームが絶品!
その強力なタッグはフィグを無力にしていた(笑)。完全に負けていた(笑)。でもフィグが好きなの、私たち!(笑)
お、お願い、…もう降参(笑)。
美味しすぎて呼吸できないから(笑)。
息が止まりそう〜!!
忘れていたわけじゃないけど、TRのパンたちにやられっぱなしで
Z'Sのパンたちはおうちで食べましょう、
…でも…クロワッサンだけはちょっと食べてから帰りましょう。
すごいな、この巻き…。空洞が見えるんですけど?!
…と、いろんなアングルで写真を取り出す私。
先に一口食べた彼女がまたまた呻き出した。
「は、早く食べて! 早くーー!!」
「そ、そんなに美味しいの?! ちょっとまって…」
あむあむあむ…むちむちむぐぐ…
「ーーー!!!ーーー」
美味しすぎるーーー!!
なんなの、これっ!
甘い、甘過ぎる!
これまで食べてきた天然酵母系クロワッサンの
常識を覆すような「甘さ」。あぁぁ、止められないーー。
右は日曜日限定黒ごまのクロワッサン。
どれだけ美味しかったか、この画像で伝わるだろうか…。
(補足はこちらに描いてあるのでごらんあれ)
***
今日も美味しすぎて興奮し過ぎてへとへと(笑)。
一生分の「美味しさ感知パワー」を使い果たした気がするほど。
でもでもでも欲張りな私たちは、絶対にTRのパンたちに再会したい。
きっと再会できるって信じてる。
そうして、また鼻の穴を大きくして ベンチではんぶんこしようよ。
もちろん、クロワッサンも一緒にね。
***
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