90-2.ぐるり中国瀬戸内ふれあいパン紀行 〜vol.2 広島瀬戸内→岡山〜




* vol.1(出雲広島編)はこちら *




2日目* 衝撃! 竹原の石風呂温泉



ここからは18きっぷでゆっくり各駅列車の旅。

広島から岡山へ向かうなら、普通は「山陽本線」を使う。

しかし、目的の温泉が瀬戸内にあるので、「呉本線」を進むことにした。

瀬戸内をぐぐーーっと進む呉線。

坂、呉、広… 気付くと一文字の駅名が多い?(笑)





竹原の2つ先(三原寄り)の忠海という駅で下車。

しかし駅の地図案内にもその温泉宿は載っていない。

もしや休業してしまったとかないよね?!

トイレに行きたくて、猛烈に暑くて、ほんの10分の道のりもものすごく長く感じた。

しかし…瀬戸内って、無花果の木が妙に多い。

丈夫で庭先ににょきにょき生えるという話を聞いたが


ネットで調べた通り、鳥居をくぐり、道なりに海の方へと進んで行くと






うわぁ! なにこれ、厳島?!(笑)

真っ青な海、そして浜辺に仁王立つ鳥居!





情報通り、石風呂温泉の宿があり、そこで声をかけて1200円を払った。

石風呂とは、瀬戸内では昔からよくある浴場で、

狭い部屋に乾かした海藻を敷き詰めて、高温で熱する

要するにサウナ風呂があるんだそうな。

ここは、その中でも結構有名なんだそうだ。

たまたまネットで調べているときに見つけて、一目惚れ(笑)したのだ。


荷物を宿に預け、出雲の100円ショップでたまたま買ったビーチサンダルを履き、

タオルと水着とお風呂セットを袋に詰めて、海沿いに進んで行くと





うわーーー!

あれが石風呂?! ほんとに、海に面した崖に埋め込まれているかのような小屋が

凄いロケーション! うわわ、、、



ここは混浴で、8人くらいのお客さんが男女混合で蒸し風呂や休憩場でごろごろしていた。

海辺だからか、みたことのないような気持ち悪い虫がわさわさ湧いていて

ちょっとしたスリル


それに、一見さんの若い女性(彼らにくらべれば、の話だが(笑))

である私はちょっと目立っていたかもしれない。しかも独り。

シャワー兼更衣室は、唯一男女別れているスペースだが海から丸見え。

ほんっとにディープな場所で、ダメな人にはダメでしょう(笑)

軽くカラダを洗い、ここで水着を着て、サウナへ。



熱いのとぬるいのとの2種類があるのだが、

ぬるい(?)方でも、十分すぎるほどに熱すぎ!!!

なにこれ、とてもじゃないが動けないし、立ち上がれない!

床から50センチくらいのところで、湯気と言うか白い熱気のもやもやがただよっており、

ここから上に顔を出したら火傷しそうな恐ろしさがある


敷き詰められているのは藻の一種だそうで、確かにいい磯の香り

入るとものの1分で汗が吹き出してくる。

おじさんやおばさんが一緒に入っていて、みんなTシャツ短パン姿。

考えてみたら私だけだ、水着は(笑)。



私が思い出していたのは、まさしくあのワカヤマの山奥で遭遇した、

よもぎ風呂のことだった

そう、この瀬戸内の石風呂は、よもぎ風呂の海バージョンだったのだ!

(*よもぎ風呂の詳細はこちらをどうぞ!)



温泉、といっても、サウナ風呂の横に併設しているのは

ただの家族風呂(笑)。ひとり入れば十分、というか、入るのが目的というよりも

汗と藻をざっと流すだけの目的のようだ。

つまりお風呂に入る…という感覚ではないようだ。


となると





目の前には海が広がっているんだから、海で汗を流すのがベスト(笑)。

一応「入浴中の水泳は禁止」となっているが、

以前事故があったから一応書いているんだそうで、

みなさんフツーに入って行くんだそうな





ほら、土左衛門のようにおじいさんがひとりぷかぷか浮いてます(笑)。


おじいさんを追い掛けるかのように海へ飛び込んだ。

ふわーーー、水が気持ちいい…。

ちょうど岩陰になっていて、ここは日陰になっている。

日射しが強かったらためらうけれど、これならいける!


おじいさんと海の中で話をしていた。

このあたりに仕事にくるおじいさんは、ついついここに立ち寄ってしまうんだそうな。

一度この味を覚えると、もう他の風呂では満足できないそうだ(笑)

わかるなぁーわかる!


「この辺りは牡蠣殻が多いから気をつけて!」

おじいさんにそう言われたにも関わらず、

海の中ですべって着地に失敗、あっさり足のカカトを負傷、流血ーー!


取りあえず応急処置で絆創膏を貼って、

おじいさんと一緒に「熱い方の窯風呂」に入ってみたが

うああああ!

なんじゃこら、もーのーすーごーくー熱い!! 熱い!!!

息も出来ない、顔もあげられない、

とにかく顔を床につけて土下座の格好で座っているしか無理!(笑)

しかも、ズッキンズッキン、どっくんどっくんカカトから血が…(笑)


結局、宿のおじさんに大きな絆創膏をもらって、

今日はもう窯風呂に入るのは止めた。




(画像で見えるだろうか、おじいちゃんやおばちゃんがごろごろ横になってる、、、)

本当なら、窯風呂に入って毒素をだして、

休憩所で休んで、また入って…を繰り返すのが健康的な入り方。

私は2度しか入れなかったけれど、それにならってゴザの上に布をしいて

ごろんとなって休んだ。時間が許す限りこのゆるーい場所で寝ていたかったな


親切にお風呂の入り方などを教えてくれた人たちに挨拶をし、

身支度をして風呂を後にした。

こんなところにこんな場所があるなんて…これこそ極楽だろう。

ずっと海を見てのんびりすごしている(ようにしか見えない)

宿のオジサンの生き方、うらやましい



駅に向かう途中も、どっかのおっちゃんが親切に道案内してくれた。

なんでこう、広島の人ってどの人もこの人も親切なんだ?







2日目* ふたたびの尾道散歩




再び電車に乗り込む。

たまたま乗ったのが観光列車らしく、自由席でも、バーカウンターのように

海を眺めながら乗ることができる席がある。





残念! おっちゃんに阻まれ…海は背中ごし!(笑)



次の目的地は、尾道。4時過ぎの到着だった。

7年くらい前の下関〜東京18きっぷ旅のときに尾道に立ち寄り、

「ここは絶対また来たい!」と思わされた町のひとつだった。

古びた坂だらけの町並み、迷路のような小道、

そして瀬戸内を見下ろすあの風景…これまでの私の人生ではお目にかからなかった

類いの風景だったからだ(札幌育ちの東京暮らし)。


さっそくお目当ての尾道ラーメン!

朱華園という有名店に行くことが目的だったのに


がーーん、定休日!!!

がびーん、、、(こればっか)





代替案で取りあえず入ったお店は、店から海が見えるラーメン屋さん。





ネギラーメンはネギがお代わりもあるほど、テンコ盛り。

醤油風味の尾道ラーメン、チャーシューは美味しかったが、

麺もスープもなんだろ…他店を知らないから特徴がよくわからないな(笑)





尾道は、気ままに歩くのが一番楽しい町だ。

波止場を歩いていると、下校途中の女子高生たちが

いいなぁ…こういう風景。彼女達にはふる里の風景はどのように刻まれるのかな。








さっきカカトを切ったばかりなので、ラクチンなビーチサンダル(100円ショップの)を

そのまま履いたまま坂を登りはじめた。ひぃーーやっぱりハード!







あてずっぽうに歩いても、結局たどりつく展望台。

夕暮れの瀬戸内の郷愁をたっぷり吸い込んだ。

かつて同じ風景を見た時のあの頃の自分を懐かしみながら

(この道中、ものすごい量の蚊に射された、、、コノヤロ)





夕暮れのたそがれ時。

さて、これからどうしようか





昔ながらの味を守るアイスクリーム屋さん(卵味のプレーンタイプのみ)で

アイスをぺろっと食べ





さっきも通りかかって気になっていたオシャレなバーを覗き込んでみると、

店の人とお客さんに手招きされるまま、席に着いてしまった(笑)。





4年前にオープンしたんだそう、こちらのカフェは、

お茶とサイダーを混ぜたチャイダ−なる飲み物が名物なんだそうな。

やたら人なつっこい客(母娘)とオーナー(私とタメ年)で思いがけず長居してしまう羽目に!


お客さんであるお母さんがいきなり占いをしてくれた。

その占い自体は、当たっているのかどうなのか微妙なところだったが(笑)、

すっごく楽しいいい時間をすごさせてもらい感謝♪


ひょんなことから、「東京は家賃高いよ」みたいな話になったとき、

「じゃあ尾道に住めばいいじゃない」とな。

なんってたってこのカフェは家賃1万円だって?! まじですか!

「尾道なら住居費かからんしゆるく暮らせるよー」とな。

うーーん、それもひとつの案かもなぁ…。田舎暮らし…

一度も考えたことがなかったけれど、

今回、ふと心にポッと湧き出てきた…。

田舎暮らし、かぁ…。







2日目* 岡山到着、少しでも地産ものを


すっかりカフェで長居をしてしまい、尾道を出たのは20時過ぎ。

18きっぷだから、岡山までは1時間20分かかる。

岡山駅から歩いて15分くらいの、西川沿いにあるコンパクトなホテルへチェックイン。


明日は、地元岡山のパン友さんがクルマでパン巡りに連れて行ってくださるので

いわゆる「岡山の味」みたいなものを味わえるのは今夜しかない。


…って、岡山の味って、なに?(笑)

果物と吉備団子しか思い付きません(笑)

どうやら、「ままかり」という魚があるらしいが…。


とりあえず、フロントでもらったホテル周辺の飲食店のクーポン券を手に

適当な居酒屋に入ってみた(ビール1杯無料券つき)





がらがらっと引戸をあけると

うわ、カウンターにも席にも客がいない、でも引き返せない(笑)

結局、カウンターで大将とサシになってしまったのだが

この大将が思いっきりトークベタというか間の取り方が悪く(笑)、

会話のキャッチボールがうまくいかない(笑)。

座持ち悪いよー誰か助けて(笑)





「ままかり」と「ハモ」を取りあえず食べたからよしとしよう




それにしても、今日一日、いったい何人の人と話をしたことだろう。

一人旅というのは、見知らぬ人と出会い、会話するためにあるようなものだわ。




ここまでの道のり




vol.3へつづく*

2007.9.5〜9 2007.8.19