124-2.レギュラー? イレギュラー! 2010関西夏の陣【vol.2】

1日目vol.1はこちらから



さて、2日目!

旅の道連れであるパン友mちゃんは今夜の夜行バスで東京に戻る。

私はもう1泊、明日飛行機で東京に戻る。

ということは、彼女にとって今日が最終日。

ならばやはりシュクレは今日いかなくては。

そして夜は、彼女の友人夫婦(私は初対面)がごはんに連れていってくれるというので、

私も便乗することになった。



シュクレに向かう前に

シュクレ出身のパン屋さん第一号のお店に行ってみることにした。


そこは、寝屋川という私も足を踏み込んだことがないエリア。

大阪中心地から北東にあり、淀屋橋から京阪電車で。

香里園が最寄り駅、そこから庶民的な商店街の中をくぐりぬけて





あったあった。

ビエルさん。このパン屋さんだ♪


広いオープンキッチンには、強面(失礼!)なシェフと奥様と、おそらくお母さま。

たまねぎを刻んでいらっしゃいました(笑)


パンはなるほどシュクレの面影が!

その中で、選んだパンの一部を紹介。





フロマージュ・ド・テートのカスクート。

名前だけ聞くと「チーズ?」と思えるかもしれないけれど、

これは豚のゼリー寄せのこと。

シェフはもともとフランス料理出身だそうで、

その足跡を感じられるのがこのサンドイッチだと思う。


奥様が「温めると中が溶け出しますので、

温めても冷たいままでもどちらでも召し上がれます」と教えてくれた。

うわーん! 温めても食べてみたい!

でも今我々は冷たいままでしか食べられない…とほほ。


マスタードが効いて、テリーヌのコクを旨くバランス取って引き締める。

このフロマージュ・ド・テート、美味しい…!

冷たくても美味しいし、きっと温めたら脂が溶け出してパンに染みちゃって

なお旨いソースとなるんだろうなぁ!


それ以上に、私が感動したのはやっぱりこのパン。

パンが本当に、カリッと、中はむちっと、

そして粉の香りが鼻腔を突き抜けていく、すばらしいパン。

さすがはシュクレの右腕として活躍された方のパンだ


あ、熱心な「この世パン読者」の方は不思議に思われるかもしれないが

角煮もとんかつの脂も食べられないのに…ここのは食べられた。

場合によっては豚の脂は食べられる私である(笑)

その基準は私にもよくわからないのだ(笑)




エピがすごく美味しい!

塩ブタとたまねぎだったか…申し訳ない、失念したが、

口に含んだ瞬間、ふわっと何か味覚のスイッチを押すような旨味が

広がって、美味しい…! 違和感なく生地と折りあっている。





「黒糖」は、バゲット生地に黒糖を入れてほんのり甘く、

ソフトなタッチに仕上がっているパン。

バゲット生地ということをすっかり忘れてしまうくらいに(笑)。


画像手前はラム・フリュイ。

フリュイとの違いは、ラム酒に漬け込んでいること。

見た目が輝いているパンはやっぱり味もひときわ輝く

リッチなフルーツが、パンによってより花咲かせられるような




また新しい町の名前を覚え、新しい町を訪れた。

何度も足を運べるわけではないし、

もしかしたら「一見」で終わってしまうかもしれない。

それでも、いつも思うのは同じこと。

「その店がその土地にどんなパン文化を浸透させてくれるのだろう?」と。


岸辺でたっぷり吸い込んで来たであろうフランスの風を

ローカルなこのエリアに、このエリアでしか買えない人々に

パンとフランス惣菜というカタチで広めてくれるのだろう。


フランスまで行かなければ味わえなかったパンが日本で味わえる。

岸辺まで行かなければ味わえなかったパンがこの町でも味わえる。

そんな心と技の伝播を喜ばずにはいられない。






さてさて、今度は親分・岸辺へ向かうわけだが

香里園と岸辺は、2つを結ぶ交通手段がない!


位置的には吹田は寝屋川の真西にあたるのに、

それを結ぶ手段がなーい。

ああ、練馬区のようだ…世田谷区のようだ…(笑)

わざわざ大阪まで戻ってV字ターンしないといけないなんて。


同じ道を戻るのをとことん忌み嫌う私。

そこで、香里園枚方まで京阪電車で、枚方高槻までバスで北上し、

高槻岸辺をJRで戻るというルートを試みた。





…すんごい時間かかってますけど?(笑)


1時間後…岸辺に辿り着いたのであった…。

あまりこのルートは推奨できません(笑)




前回のような「シュクレ狂想曲」を心配したが、

(前回は2月来訪。こちらを参照

強烈な猛暑に反比例するようにやわらぎ

常にお客さんで店内にとぐろが巻いている状態は脱したような気が?




さっそくおもむろに


以前、おみやげにもらって食べて悶絶経験済のキッシュ "ドフィノワ"。

まるごと一個食べるという夢にまでみた夢をいま


うっわーーー、、、美味しい、、、

美味しすぎるでしょ、それ。

ジャガイモとゴルゴンゾーラのグラタン風。

ああ、一昨日の晩、ご近所パン友の家で出て来た料理を思い出した。

(あの美味しい料理たちのせいで私は寝坊したと逆恨み(笑))

美味しいものを知っている人が作るものはどうしてこう、美味しいのだろう。





「パン・トゥールネル」は、私が知る中で初のニンジンパン(笑)

ニンジンのピューレで色付けしている生地だけど、ニンジンの香りよりも

オレンジの香りの方が印象的。これだけでも十分美味しいのに、

ここにひまわりの種を入れちゃうところが賢くて頭にくるなー(笑)


マダムソレイユもシュクレの夏の風物詩。

苦いくらいに柑橘系が香る逸品、手がべとべとになるけどやめられませぶん。


最近、こういう華やかなオレンジのワンピースを買ったんですよ。

でもね、あまりに鮮やかすぎて、おひさますぎて、

明らかに「服負け」していて着る機会がないんすよ。

これを食べて「これでいいんだ」と勇気が湧きました(意味不明)




シュクレの挑戦状、その1。

パン・ラヴァンド・オ・ミルティーユ。

ラベンダーといえば…強烈に思い出すのはあのパン。

ちょうど「パン・デ・ザミ」が出た頃

あの冬の日に、ラベンダー入りのデザミが出たんだ。

パンにラベンダーを使うなんて、シュクレ以外あり得ないから


しかも、遥かに前作(?)を凌ぐ美味しさ! 完成系?!

赤ワイン漬けのブルーベリーにオレンジ、ホワイトチョコ。

甘さとのバランスを取る方がラベンダーには良いのかも知れない。




シュクレの挑戦状、その2(笑)

ブリオッシュ・ムロン・フルー。

これはメロンパンなのである、正真正銘のメロンパン。

だって、本当にメロンが入っているのだから…(笑)


最初は、何も先入観なく食べたので「ミントの香りがする。爽やかな夏パンだなー」なんて

頭の中でコメントを考えていたのに、いきなりメロン。…爆笑(笑)。

色的にも、我がふるさと北海道を思い出しました。

ええ、夕張メロンに富良野のラベンダー畑(笑)。




最後にとどめは

ブリー・ド・モーのカスクルート!

とにかくブリーの厚さにたまげてしまい、即決。

だって、これだけの分厚いブリーを入れちゃって400円台に抑えるパン屋って、

他のどこを探せば見つかるだろうって?

東京じゃ無理だ、渋谷じゃ無理だ(爆)





セレアルにサンドされたブリーは、厚さ約1センチ。

ほんのりハチミツの香りがするが、かかっている形跡はない。

後で知るが、胡桃をハチミツにくぐらせていたんだそう…いちいち芸が細かい…

「ブリー・ド・モーの美味しさを堪能していただくために」

その心で、ブリーを入れっぱなし、味わせっぱなし!!

ほんっとうに贅沢すぎて、逆に申し訳なくなるサンドイッチだった。

申し訳なくなるついでにもうひとこと。


「あんたんちのパンはお酒が飲みたくなってたまらん…どうにかしてっ」

ほらほら、みてるかー?(笑)






そしてお隣でもベロる。

パン友さんから「モンテベロにビールのスイーツがありましたよ!」という

タレコミをもらっていた。それはまさにワタシ向け?!


(わーん、名前を忘れてしまった…)

ビールのジュレに、柑橘系、そしてタイムで風味づけ!

確かなビールの苦味もあり、なによりタイムのせいかとっても爽やかで、

あれだけパンを食べた後でもすーっと「ベツバラ」に入っていく。

これは傑作! ビール好きにもパン好きにも、そしてスイーツ好きも納得させられる逸品。


ベロの橋本さんは先日、札幌で挙式をあげたばかり。

(お嫁さんの故郷が札幌のため)

それがうちの実家の超近所なのでその話で盛り上がる。

おめでとうございますーー!

結婚って、いいものですよねー(イヒヒ)

どうぞおしあわせに♪






さて、大阪に戻って来た。

今度は、これも別のパン友に話を聞いて気になったお店。

なんでも、日本茶とパンのカフェなんだそう。

場所がまた渋い。天王寺から出ているちんちん電車の阪堺電車で

阿倍野筋をずーっと通り抜け、ほんの数駅の場所にある。





おお、ここだ。すずめの絵が目印。

古民家を改装し、ものすごく天井が高く縦に細長い。

一階の客席は2組につき、なんとも贅沢な空間づかい。


若い男性がオーナーのようで、全国各地のパン屋さんを回ったパン好きさんらしい。

木曜から日曜までの4日間だけの営業で

わりと早めにパンはなくなってしまうらしい。

私たちが訪れたときにはもうパンの選択肢はほとんどなかった。

種類は結構多めにあるようで(空の和食器が並んでいた)、

どれもほんわか懐かしくお茶請けにもよさそうなこぶりなパンたち。





最初は私たちだけの貸しきり状態だった。

パンはプルーンのパンを。

目の前でお茶を点ててくれる。

しゃかしゃか…とお抹茶をかき回す音を聞くと背筋がシャンと伸びる。

逆光がまぶしい窓の外の路地を覗けばローカルな町並み。

この閉ざされた空間とのギャップにまた静かな興奮を覚える。






そして夕方。

今度は京橋へ。ちりとり鍋のお店に連れていってくれるらしい。

私はちりとり鍋は初めて。関東じゃあまりメジャーではないのでは?





京橋の駅から遠くはない「富鶴」という創業60年の老舗!

出口を間違えなければ徒歩すぐだけど、間違えたのでぐるりと駅をひと回り(笑)





連れのお友達ご夫婦と合流し、初めましての乾杯!





刺し系がことごとく品切れだったようで残念だったが

ミノ湯引きかなにか(うまーす!)牛タンの薫製かなにか(うまー!)

テンションがどんどんあがる!





そしてこれがホルモン鍋、てっちゃん鍋!!!

牛モツとハラミなどをがっつりテンコ盛りにした鍋で

めちゃくちゃ安い。ホルモン鍋なら800円からとな!





ちりとりのようなカタチのちりとり鍋でがんがん煮る。

ハチノスやセンマイもどさどさ(ほんとにどさどさという表現が合う) 投入され、

しかも甘辛ベースが好みの超ド・ストライク!!!

めちゃくちゃ美味しくてがんがん食べ、もちろんお代わりも!




割り下を追加し、ごはんとタマゴで雑炊(というか、チャーハン)!!

これもコチュジャン大量投入でコリアン飯好きにはなけるほど旨い!!!

とにかく感動、てっちゃん鍋!!

かれこれ大阪通い歴は相当長いが、今さらながら初めて大阪の食文化の奥深さを痛感するのだった。

もちろん、東京でも食べられるのかもしれないけれど、

あえて知らなくてもいいや、あえて探さなくてもいいや。

大阪にきたらこれ食べねば!

というのがまたひとつ増えたのが何よりも嬉しいのだから!





鍋を撤収してから仕切り直してホルモン焼き(笑)

本当によく食べました。。。



ご夫婦には車で宿まで送って頂き、友達は難波のバス乗り場まで

さぞかし匂いぷんぷんだっただろうなぁ。

ゆっくりお休みなさい



最終日vol.3へと続く*

2010.7.17〜7.19