120.生き甲斐はここにある〜関西パンdeタッチ&ゴー!




昨年11月から会社を休んで現在療養中の私。

意外と時間が経つのは早いもので、

あっという間に2月になってしまった。

せっかくの休日なのに何もしないうちにもう夕方!

なんて思う不毛な週末があるが、まさにそんな感じ。

何をしたわけでもないのに勝手に時が過ぎていってしまった。



そんなとき一通のメールが。

サブメインでためていた航空会社のマイルが2月で失効するようだ。

もったいないので急いでどこかへ行かないとと思ったが、

実家の札幌に帰ろうにも少しマイルが足りない。

となると、もう大阪に行くしかないでしょう!

前回の来阪は昨年の6月以来。

(前回のESSAYは117番。こちらから)



「ひとりで大丈夫?」

相方が心配するが、まぁ大阪なら目をつぶっても歩けるし?

だいぶ「今のカラダ」にも慣れて来たところだし。


それに、なんとまぁタイミングのよいことに

パン友のひとりが全く同じ週末に関西にいくとのこと。

しかも、手配したホテルまで同じ!(笑)

これなら安心だよね?!

(ちなみに、普段カプセルとか激安宿しか泊まらない私だが

さすがに今回は断念。ちゃんとしたホテルだ。というかそろそろ安宿卒業しろと(笑))



そのパン友は、とあるアーティストのライブが目当ての来阪らしい。

彼女は、この全国ツアーのうち、東京はもちろん、

仙台も岡山も札幌もいったらしい。

なんて酔狂な!

(いや、意外と普通のことらしいけどね(笑))


「どうせ、同じツアーなら同じセトリ(曲順)でしょ? 飽きないの?!」

そう虐めてみたが、どうやら1曲でも2曲でも違うだけでも十分面白いんだそうな。

なんて酔狂!

そんなもんですかね

いったいいくら投資しているというのかね


私からしたら彼女は十分酔狂だが、

考えてみたら全国パン行脚する私も同じ目で見られているわけだな(笑)

これこそ、自分のことを棚にあげて、というやつか(笑)



そんなわけで、関西1泊2日のパンツアー(←私は)が催行されたのだった。

今回、1日目はどっぷりパンめぐり。

といっても軒数は欲張らない。

新規開拓は1軒のみ。

(実際のところ、移動時間ばかりで欲張る余裕などなかったわけで)



空港で待ち合わせし、まずはバスで京都にレッツらゴー!!

この週末はあいにく「雨」の天気予報だったのだが

そこは心配いらない。パン友もその点は心配していなかった。

だって私は「晴れ女」。本当に晴れるのである(笑)



余談であるが、このパンツアーにはもうひとり参加していた。

彼女のライブ仲間で、全くパンとは無縁のお嬢さんであったのだが(私も初対面)、

「大阪来るのは初めて」だというのにぽっかり予定が空いてしまったというので

我々のパンめぐりについてくる、というのだ。


えええーーー!? 大丈夫?

だって、だって、、、パンめぐりよ?(笑)

京都にいっても仏閣見ないでパン屋だけよ?

パン屋だけのために交通費も労力も惜しまないでただひたすらタッチ&ゴーよ?(笑)

それでもいいの?


…と、散々事前説得(?)したのだが、それでもついてくるというのだ。

本当に彼女は最初から最後まで愚痴のひとつもこぼさずに大人しく我々について来た。

…ある意味、彼女が本当の酔狂なのかもしれない(笑)









まずは、京都から地下鉄で北山駅下車。

ずいぶんと閑静なエリアを北上し、探し当てたのはとあるベーグル屋さん。

京都も最近はベーグル屋さんがたくさんできているが

とても全部はフォローできない。

その中で、とびきり惹かれるものがあったのがRadio Bagelさんだ。


素敵なご夫婦が二人で切り盛りしているナチュラルなお店。

京都という場所とは思えないような、

どこか海辺のそよ風が似合うような爽やかな。

そう、radioから流れる音楽って、海のイメージが似合う(と思い込む私)。


ベーグル屋さんといえば、「女性」がひとりで、とか、ふたりで、とか

そういうフェミニンなイメージがあるのだが、

夫婦でベーグル屋さんというのは結構珍しいような気がした。





その場で作ってくれるサンドイッチは、

プレーン(少し全粒粉入っているのか、ツブツブが見える)に

ツナ+にんじん+セロリ+オリーブのサラダに、

あめ色に炒めたオニオンをトッピング。

これがものすごく美味しいーー!

特にセロリのインパクトが強いなぁ。

ツナサラダにセロリ。絶対真似てやる!


ベーグルも、ハードめでぼーっとしていると弾かれそうな力強さ。

ぼーっと食べるのではかなわない。心してかぶりつく。


おまけでついていたベーグルラスクも、

絶妙な塩加減で。子供にはポテチではなく是非こちらを(笑)





お持ち帰りベーグルは4個。

ラス1だったさつまいものベーグル、

ココア+フランボワーズ、

ほうれん草、そしてシナモンレーズン。

どれもむぎゅっと目が詰まっているのに

まるまるっと膨らみがあって表皮もバリッとしてる。

なにより、顔がいい。

野菜でいうなら、堀りたてのじゃがいものような

均一じゃなくてふぞろいな個性がある。



サンドをまるまる一個完食した私たちは

大満足で北山を後にした。

ここまで来る価値はあり、そしてここで終わってしまっても後悔なし。






最初、パン友とパン計画をたてるときに、

ふと彼女が「たま木亭いったことがないから行きたいんだよね」と

提案した。おおおーーっ。私は6年ぶりかも!

(こうやって書くと、あまりの久々度に自分でも驚いた。直近は2004年、ESSAYはこちら


御存じの通り、たまちゃんは京都市街からはややアクセスしにくい宇治にあるので

他を削ってプランする必要がある。

私とパン友はもちろんそれでいいのだが、

もうひとりの同行者ちゃん、ホントについてくる?(笑)

何度も何度も念を押して聞いてみたが「いきますー」とな。

むむ…酔狂だ…



北山からバスに乗り、出町柳で下車、そこから京阪に乗って

1回の乗り換えを経て黄檗へ。

6年ぶりでも、場所ははっきり覚えてる。





おおお、見えて来た!

一体どこから集まってくるのか、お客さんでぎっしりの店内。

松戸や岸辺でもそう思うけど、

ほんと美味しい店は場所ではないのだなぁ



久々のたまちゃん。

相変わらずパンがうっちゃりと敷き詰められていて

しかも、どのパンも強烈個性的。

狭い店内で何度もぐるぐる迷ってしまう。

迷い箸ならぬ迷いトング。


ここほど凝ったパンを作る店もそうそうないだろう。

名前を覚えるのにもひと苦労。

中に何が入っているかを覚えるのもひと苦労。

といいつつ、以前来た時に覚えているパンが相当あり、

結構我ながら食べているなぁとちょっと悦に浸ったり(笑)


…正直、前に来た時よりもより「庶民度」が増していないだろうか?(笑)

年季が入ってきた、ということなのかもしれない。

パンのジャンルやレベルは全然違えど、

大変失礼ながら、頭の中では私の会社の近くの

「オフィス街のパン屋」を思い出してしまったのである


せっかくなので近場(某大学の構内…)の屋外で広げちゃおう!





今回、文句なく一番美味しかったのは「焼き苺」!

平べったい生地に、焼き苺とフロマージュソースが乗っているのだが

なりかけの苺ジャムみたいな状態で激ウマ!

チーズはひたすらまろやかな方向で苺をアシスト。

これ、買ってすぐに撮ったから正解だが持ち歩いていたら

きっとぐじゅぐじゅに崩れていたかも(笑)


これも相当インパクトのあるおやつパン!

「アプリコットショコラ」は、クッキー生地をかぶせたパンの中にチョコチップ、

さらにはアプリコットチョコがサンド…なのだが、

見た目だけでは、とても「アプリコット」とは想像できない。

ところが、アプリコットジャムとチョコレートが一体化してとろけて

まさに「アプリコットのチョコレート」!

ショコラティエでそういうチョコを食べたような感覚(笑)






クロワッサンたま木。

見た目普通にクロワッサンなのに、

説明を読むと「カンパーニュにクロワッサンを巻いた」という。

食べてみてもやっぱりクロワッサンはクロワッサンだけど、

確かに生地部分と表面のバリッとした部分のメリハリが強いかも。


名前のキテレツさに惹かれて買ってしまったのが「ミイラ」。

ラムシロップを染み込ませた別のパン生地を

クニャーネ(コロネ状に焼いたデニッシュ。その場でクリームを詰めてくれるらしい)の生地で包んだもの。

確かに包帯に見えないこともない…!(笑)

味はラムシロップのせいで生地がオザマンドのようにツブツブとなり

さらに包帯(笑)はカリカリっと好対照、

持ってかれそうなほどに旨かったりする。





パン友が買った、強烈なやつ。

たしか…カンパーニュ生地の中に、クロッカン(だっけ?!)が

入っていたような…。黒いのはカラメルだっただろうか(??)、

とにかく、食べて「うああーーそのまんまだぁ!」と叫んだ覚えが(笑)。


そして、昔「ハリネズミだ!」と思った山栗ショコラ。

突き刺さったアーモンドの粒、前はもう少し整っていた覚えがあるが

けっこうテキトーな感じでゆるい(笑)。

でも味は圧倒的なマロングラッセの量とそれに負けないチョコで

バランスが絶妙!



他にも私は、かつてたまちゃんで購入して美味しかった記憶のあるものたち

(基本的にどれもとても旨いんだが)それらを選んで購入した。


染み出た脂が激ウマのベーコンハースはダンナ用に、

ブリオッシュカネル(あずき入り)も、記憶以上に甘〜くて。

残念ながら、記憶に一番美味しかった「カンパーニュフリュイ」は今回不在だった…。



外で、しかも冬にパンを広げてがっつく。

こういうのもなんだかとても久々の気がする。

この店にはかつてそうしたように、

パン仲間と「これも凄いよ! 食べて食べて!」と

がっつき合うのが一番楽しい。

ひとりでタッチ&ゴーするにはちょっと寂しいし遠い。


うーん、なんか、とても若返った気がする!(勘違)

さぁ、京都は本日これまで。

大阪に戻ろう!






大阪に戻り、直行するのはもちろんh。

いろいろ御心配おかけしたので元気な顔を見せにやってきた。

思った以上に元気そうで拍子抜けしただろうと思う。





あら?

なんかちょっとオレンジが派手になってない?!

こちらと比べると歴然)

隣のマルシェは閉店し、その一部のスペースがhのイートインスペースになるらしいのだ。

オレンジのファサードがなんかいつも以上に目立ってる。

なんか、本町の風景が変わった!(気のせい?)





到着するのが5時頃になる見込みだったので

事前に予約をしておいたのだ。

最近、このパターンが多いのだが、今回もやはり到着前に完売クローズ。

少ないスタッフで本当に大変だと思うけど、

売れ残るよりも売り切れてくれた方が嬉しい。

到着したときの選択肢がなかったとしても


シェフにもマダムにも久々にお会いできてほんとよかった。。。

お礼が遅れたことを詫びた。そして感謝した。

数日前に予約の電話をしたときに、シェフに代わってもらった。

考えてみたら電話の声を聞いたのは初めてだったかもしれない。

風貌に合わず、高い声でなんか微笑ましかった(笑)



隣のイートインスペースを使わせてもらうのは次回ということで、

とりあえずホテルにチェックインした。

長く歩いていたのでどうしても休憩が必要なヤワなカラダ。

すっかり「面倒なカラダ」のことなんて忘れていた!



久々にちゃんとしたホテルの部屋で「パン撮影+試食+ラッピング」という

3段飛びをやった(笑)。…そういやこんなに時間がかかるもんだっけ(笑)


1時間後にロビーで待ち合わせする予定だったのに

時間足りないし! パン友に電話したら、彼女もホテルの別室で

同じようにパンの3段飛びで格闘していた。じゃあ15分先送りで(笑)





マンゴーフロマージュ2010!!

(ちなみに、パンの名前は結構テキトーです(笑)正式名称じゃないよ)


今年の1月にもマンゴフロマージュを送って頂いたのだが

あれはまだ2009年バージョンだったように思う。

変化といえば、ホワイトチョコがなくなり、

素手で持つのにためらわれるほどにたっぷりとマンゴージャムが表面にかかり

生地もますますマンゴーが入りよりソフトに☆

さらにマンゴー度がアップした!





hのサンドが食べたいけれど、遠方組の私には厳しいところ。

それを少しでも叶えてくれたのはこの鴨とチーズ入りのパン。

最初は細かい鴨だったのだけど、中に進むほどに大きな肉厚な鴨が!


さらに画像奥の黒いガレットは

なんと! ビールのガレット!!!

勝手に命名させてもらうならガレット・ビエール?

私のビア好きを知ってか知らずか、このセレクトに大ウケ!

甘くバターの溶けたビール生地は確かなホップの苦味のある香りが。

それに爆笑ものだったのは、中に挟んでいるのが「あんこ」!(笑)

ビール+あんこ。この意外すぎる世紀のカップルは、

想像以上にマッチしていたのだ。

というか、あんこが控えめな奥君という感じで。





奥の黒い子はチョコレート生地にドライ苺入りのハナミちゃんのショコラ。

(記憶が確かならば、ホワイトチョコも入っていたような)

苺とチョコの組み合わせは無条件に「アポロ!」となるわけだ。


さらに手前は、御存じミエルシリーズ。

今回は「非凡なミエル」。

ピーカンナッツ、クルミ、ゴルゴンゾーラ、クランベリー、そしてハチミツ。

(記憶が確かならば)

いつも通りに、ものすごく美味しいのだが、

私がhのパンの中でいつも感じるゴルゴンゾーラの使い方、

それがこれにも非常に効果的すぎた。

どこか和風のお出汁のような香りづけになっていて

なにも先入観がないまま食べたらきっとゴルゴンの仕業とは思えないのだ。

非凡なミエル、というよりは非凡なゴルゴンってとこかしら?!





そして、溢れんばかりのミルティーユのパンで締めくくり。

(これも記憶が確かならば、hお得意の薔薇が入った生地だったような)





変わらずに作ってくれていることに気恥ずかしさと感謝の念が絶えない

お馴染みミワパンやリュスティックアローなどの

h鉄板ハード系を大事に東京に持ち帰るのだ。






夜は、梅田にてこれまた鉄板こなもん。

パン友が是非とも食べたい&私も何度でも食べたいネギ焼き。

もちろん、ここにも同行者ちゃんもついて来たのだが、

ようやく「大阪っぽいもの」を食べさせてあげられるのでホッとしている(笑)

とはいえ、行列に並ぶこと1時間近く…





いやぁ、旨いっす。

旨いんだが、今日はこれまで食べて来たのとちょっと違い、

粉度が高い気がした。もっとスジコン度が高かったような。

でも旨いことは変わらない。




もう一品、パン友らが選んだのは、オムソバ。

正直、「ここでオムソバ〜?」と思ったのだが、

これが大正解!! ここのオムソバ、すんごく美味しい!

太めの麺にソースがよく絡み、しかもほんのりカレー風味なのだ。

周りを見ると、これを頼んでいる人が多いことにも気付く。

頼んでくれてありがとう!



本日はこれにてホテルに戻った。

本来なら飲みにくり出したりするところだが、

連れらは明日のライブのための体力温存、

私は体調を考えて…といいたいところだが、もうひとつ理由が。

オリンピックである(笑)

何がなんでも「ライブ」でみたい私は、開催中はいかなる手段を用いても

オリンピックはライブでみる。

この旅行の日程も、一日歩き回る土曜日は注目の競技がなかったからだ。

ホテルでは、朝5時には起き、パシュート(スケート)を観戦。

見事メダル獲得をこの目で見届けた! はははー!

…眠い!!(笑)






そして、日曜日の朝は岸辺へ。

いつもなら、11時頃焼き上がるキッシュを目指し

ちょっと遅めの朝ご飯としたいところだが、

今回はちょっと事情が違う。



少し前に、関西ローカルの30分番組でシュクレが紹介された。

(休日の午前中の番組らしい。東京でいうとぶらり途中…みたいなもの?(笑))

いや、シュクレを紹介された、

というよりは、シェフという人物が紹介された。

いつもの「お店紹介」的な番組ではなく、30分たっぷりと。

あのお店を語るには(特に人物を語るには)数分の情報番組なんかじゃ無理。

これぐらい丁寧に描写してくれないと。…30分かけても足りないくらいだが。


関西のパン友にDVDを焼いてもらって私もみたが、

これは反響が大きいわ、と納得。



そういうわけで、今や岸辺には大量のお客さんが流入しているという話なのだ。

シャッター待ちラーメン用語。開店前に客が並ぶという意味)が現れ

早い時間で品切れしてしまうという噂


そこで、開店時間より少し遅めの、9時に来訪してみた。

これがビンゴ!

ちょうどシャッター組がはけて、落ち着いたタイミングだったのだ。

スタッフは全力でフル回転、パンもたっぷり種類が並んでいた。

(それでも、午前中には一度完売、また午後に再開店してもまたすぐ完売してしまったそうだ)



乱れた髪とやつれた顔で窯と向き合う彼は

手を振り返すのが精一杯だった。

ちゃんと寝ているのだろうか。

休めているのだろうか。


もちろん長居はしない。

長居どころか、イートインテーブルも予約のパン置き場となって

それも不可能だったのだ。

みたこともないような予約パンの取置きの数。

さすがにびっくりした。



これだけ人気のシュクレなのに、

今思えば、不思議と…、

行けばいつも席に座れていた。

それは、地元のお客さんがいかに多いかってことの現れだと思うのだ。

早く、元の落ち着きを取り戻してくれたら







いやいや、でもがっつり今すぐ食べますよ(笑)

ちょっと店から離れたところにある公園 …まで辿り着かなかったのでもっと中途半端なところ)


まずはいつもとちょっと見た目が違う(笑)

クロワッサンをがぶり。

カリカリ、パラン。

ザクザク、ショリン。





焼き立てでまだほっこりと温かかったパン2種。

トゥ−・ノワールは、黒糖生地になんと黒豆と黒オリーブの黒三昧!

黒糖と黒豆だけなら甘い和風味に片寄りそうなのに、

えいえいっと黒オリーブが洋に引き戻す、絶妙な綱引きパン(笑)。


そして手前が金柑とヨモギとクルミのパン。

唯一であろう名前が日本語のパンである(単に命名放棄か(笑))





これがものすごく美味しかった…!!!

パリッとモチッとした生地が凄まじく美味しいのだが、

それが最初はなんのせいなのか忘れていた。

…そうか! ヨモギなのか!

ヨモギであることを忘れるくらい美味しかったから。

そして熱で柔らかくなった金柑がとろけるように鮮烈で

美味しい! 美味しい!! 美味しい!!!


かつて風邪をひいてげほげほ言いながら

シュクレに来た時に(あの時)、金柑のパンが用意されていた。

今日は別に風邪など引いていないけれど、

金柑とヨモギの入ったこのパンが心もカラダも温めてくれた。

なんでだろう、いつも以上に。

いつも店内で食べるときとは違う、

寒空の下で食べるこのパンが余計に温かく感じた





パケ・ドゥ・マロン・トルーブルは、

たぶん、このシーズン3回目かもしれない。

昨年末にパン友たちからもらったことがあるものだ。


手前のヴィエノワ・キャラメル・ノワゼットは、

ヘーゼルナッツ入りのまんまるヴィエノワの中に

キャラメルクリームがたっぷりサンドされたもの。

ツヤッとした表面の香ばしい茶色みがかわいくて!





前にも食べたことがある、ショソン・ボロネーズ。

キッシュが間に合わなかったので、こちらでフランスを懐古するのだ。

濃い味付けの豚ミンチの赤ワイン煮が

これまた濃厚なフィユタージュに包まれて

あ、珍しく今回のパン旅は、昼間はノンアルコールだ、

そういうどうでもいいことを思い出した(笑)。





外だからこんなショットも撮れる、バトン・ブランシュ。

はちみつとナッツのぎっしり棒パン。

香ばしさと甘さがほどよく広がり、

じわじわとナッツのコクが後追いしてくる、意外なスルメ系。

これ、ものすごく長い上に、友達用も含めて3本!も買ってしまい

しばらくトランクからこの棒パンがひょいと飛び出していた。





最後、これはBoulangerie et Patisserieの大定番のフラン。

フランスのパン屋には必ずといっていいほどおいている。

そういえば、シュクレにこれまでなかったんだ


正直、ものすごく素朴。

エッグタルトとかを想像したら拍子抜けするくらい淡白な、

フランらしい、フランたる素朴さ。

メニュー表をみて「野暮ったく仕上げてます」と書かれており

大ウケしてしまった。

ご、ごめん! 私もまさにその言葉、探していたわ(笑)


いくらでも美味しくリッチなものを作れるシュクレでありながら、

あえて、これを作ろうとしたある意味挑戦的なところが

「らしいなぁ」なんて思ったりした。




パン・ラミジャン。

パリのビストロの話は聞いているが、

私は残念ながらその店にはいったことがない。

そのお店に想いを馳せながら作ったというパン。


そのまま食べると、おそらくこのパンは難しいかもしれない。

同じリーンなパンでも、バケットやセーグルとはまた違う。

何かを混ぜたり、アレンジされたりしていないというのもある。

食べ手の想像力、あるいは、これを一緒に提供する担い手に

大いに任されている気がしてならなかったからだ。

このパンが、食卓の友であり料理の友であり。

これ一つで完結するものではない、

何かと、誰かと、共にあるパン。

そんな印象を強く受けたのだ。




一時的にたくさんのお客さんが嵐のように駆け抜け、

おそらくいずれは「今よりは」落ち着いた岸辺に戻るだろう。


言葉は悪いけど、ふるいをかけられたあとに残る、

留まり続けるお客さんがまた新たに生まれ、

この店を描く「一員」になっていくに違いない。

残る人は残る。わかる人はわかる。

この場所にあり続けるこの店が、与えてくれる幸せを知る、

そんなラッキーで幸せな一員に…。




またまた余談だが、ここで我々は解散。

彼女らは夕方からライブらしいが、ひとまず1人行動するらしい。

パン友はひとりで美術館へ、もう1人の同行者ちゃんはというと

母親に頼まれたスイーツの行列に並ぶらしい(笑)

大丸の地下で行列になってるなんとかブリュレの(笑)。

私も聞いたことはあるが、正直興味なし。そもそも行列なんて御免被る。

ちょっとちょっと、せっかくの初大阪のせっかくの1人行動に

母親のおつかいで終わらしちゃうのーー?!

んもー、欲がないなぁ!


…と心配したが、考えてみたら彼女の欲は、夕方のライブですべて満たされるのだろう。

趣味って、生き甲斐って、そういうものなんだよね。

そのためならお金をがっつり使える。普段の節約だってがんばれる。

私だって、パンさえあればすべてOKってこと、あるからね。






さて、今回の旅の最終目的地。

昨年、二世を産んだよもぎちゃん(仮名)に会いに行くのだ。

よもぎ夫のイナゾーくんともすっかり家族ぐるみのおつきあい。

またおうちに伺おうと思ったら、

夙川のアミーンズさんとこまで出て来てくれるらしい。

夫婦はちょくちょくここに来ているらしいのだ。

おお、それは願ってもない!

アミーンズさんとこにも挨拶とお礼に行きたかったから!





少し寒いけど、テラス席でランチ!

スープが美味しい♪ 春菊と蓮根のキッシュも美味!





迷った挙げ句、選択しなかったひじきと黒米のキッシュはお土産に。

無駄な味付けがしていなくまさにベストな塩梅!

これ、絶対おすすめーー!





これも大好きなアミーンズさんとこのブラウニー。

お留守番の相方さんに遅いバレンタインを(笑)

(他にも「大阪の味」をいくつかお土産にしたが、

なかでもヒットだったのは、ikariスーパーのお好み焼きキット!

400円程度でスジコンや豚エビのお好み焼きが

自宅で作れるセットなのだが、ヒジョーに美味しく簡単にできる。次もこれだ!)





よもぎ夫妻の最高傑作、ベビすけクンと初対面♪

噂通り、ほんとにでかい。。。

同じ月齢のベビちゃんに比べて異様にでかい!

1歳は越えてそうに見えるのに君はまだ8ヶ月とか?!


おむつの交換もしてくれる子煩悩な草食男子のイナゾー(笑)

最初はここまで出かけて来てくれて、無理させてないかな?

そう思ったのだが、ダンナが一緒に出歩いてくれるからこそ

あちこちに行けるんだなぁ。

帰り、伊丹までずっと一緒に帰って来たが、つくづく思った。

きっと、うちも(もし授かったならば)負けず良いパパになりそうだなぁ、

そうしたら、大阪だってどこだって飛んで行けそう。



話しても尽きない楽しい時間が過ぎていく。

ほんと、よもぎ夫婦と話していると面白過ぎて。

パンとコーヒー、よもぎ一家が描く夢が現実になることを

なんか自分の夢のように楽しみで仕方なくなってしまう。

二人は好きなもので生きていこうとしており、

二人は好きなもので守ろうとしている。

もし郷里でお店を開いたら、

絶対二人で…いや、三人で遊びに行くから!




パンとパン屋とパンが取り持つ縁。

結婚したって、

病気になったって、

忙しくなったって、

子供ができたって、

使うところには惜しみなく使う。

守るところは守る。

時間もお金も労力も。

それが私の生き甲斐であり、生きる道。

それはこの先もずっときっと、変わらない。

2010.2.26〜2.27