66.6月大阪パン出張〜フールにクールにアッシュクレ〜




06年6月。

4ヶ月ぶりの大阪は、仕事の出張でもなく、泊まりでもなく、

近々本業での出張もあるというのに日帰りのパン出張。

日帰り…と言っても、帰りは夜行バスの体力戦。


それでも私を呼ぶのは、2つのパン屋さんと、仲間たち。

会いたい人と会いたいパン屋と会いたいパン。

ただそれだけ。

それ以上、他に理由は何もいらない。






早朝の羽田伊丹便を使うときはいつも大阪空港のトイレに直行する。

そう、すっぴんメガネ状態を脱却するためだ。


そういえば以前、かばんにしのばせていたマニキュア(もちろん赤)の蓋があいていて

カバンの中が真っ赤になったこともあったっけ。

空港を駆け回り、除光液を捜しまわったこともあったっけ。

…と、余計な、ものすごく余計な回想をしてしまった。

本題とは全く関係ありません(笑)。


今回のパン出張は泊まりではないから荷物がいつもより軽い。

ごろごろカートを引きずる必要もない。

梅雨の季節だから雨を覚悟していたし、カートに傘をさしたら

両手がふさがってパンを歩き食いできないじゃない?(笑)

たまには日帰りのパン出張もいいかもね。





*シュクレ前回来訪06年2月はこちら



空港からシュクレへ直行する時に一番いいルートがある。

新大阪までバス、そこからJRで3駅ばかり。

もちろん、駅からの長い長い道のりは、

空腹パン飢えコンディションではつらいものもあるけれど、

特製バゲット袋をひっさげて向かうはもちろんこのお店。

(実はもっといいルートがあると後でしる…。

山田駅から、岸辺行きのバスに乗れば一本! 30分程度でつく!!)





土曜日の午前中はフル稼動!

絶え間なく訪れるお客さんの勢いに負けないくらいに

次から次へと焼き立てパンが並べられる。

奥にはIシェフが。いよ! 4ヶ月ぶり!


しかし…困るのよ!!

シュクレは某h店とは違って、定番が多いんじゃないの???

なんでこんなに新作パンが多いのよーーー!!!





新作パンを中心にわんさか購入して、イートイン。

あ、もちろん、全部は食べてないから安心して?(なにを安心せよと言うか)


焼き立てほやほや、まだ脂がじゅうじゅうと鳴っているような

タケノコとキタアカリとロックフォールとカマンベールの

タルティーヌだけは今、一気に食べ切る目論見。


このタケノコも、キタアカリも、たまたま手に入ったものらしく、

まさに一期一会!!! パン運の強さが今日も出た?!


カンパーニュを薄くスライスして、ありえないほど大量のブルーチーズを敷き、

その上に、パンが支えきれないほどの重量感でキタアカリとタケノコが

ずんずか乗っている。さらにカマンベールでまろみをプラス。

丸いカンパーニュを想像してもらえばわかると思うけれど、

一個のカンパーニュからこの大きさのスライスを取りだせるのも2枚程度とか。

両端は別に使い回すんだとか

なんて贅沢な「パンの耳」???


ブルーチーズがパンに染みまくり、パンを突き破ってしまってる。

んもーーー贅沢すぎて、パンが決壊しているのである。

「乗せすぎだから! これ!!!」と思わず文句(賞賛?)を言ってしまったり。




人気の「イチゴとルバーブのプティカンパーニュ」

無我夢中で画像は具のない、色だけが染まっている状態で申し訳ないが(笑)


日替わりパンたちも、きっと一期一会。

「ブリオッシュ・パラディー」は、シュクレ風常夏菓子パン。

なんと、ドライメロンが入っているの!!!

ドライメロン??? なんちゃそれ!

まだまだ未体験な素材がこの世にはあるのね…。

メロンの甘みがぎゅうぅぅぅ〜っと、生のメロン1個分の甘みを

濃縮したんじゃないかというくらいに、くっきりはっきりメロン味!

さらにキウイ、パイナップル、ココナッツまで入って…。

パラダイスって、こういうことなのね?! シェフー?!



画像にはないけれど、悶絶だったのはエキゾチック。

ジューシーパインやレモン、ピスタチオ、胡椒などの入ったハード系。

こりゃまた口にするまで味が「読めない」パン。

そう、恋も同じね、ミステリアスな部分があるからこそ惹かれるの♪(なんのこっちゃ)

一口含んだ瞬間にジューシーパインの激烈な甘みに悩殺される!!!





そして…これは掲載しようかどうかヒジョーに悩むところだが

「シュクレ、すんげぇぜ???」と訴えたいがための

掲載である。心情を汲み取ってください(笑)。


前回と同じかと思いきや、今回のショコラザマンドは、フランボワーズ入り???

(あまり画像でそのしっとりしとしと具合は伝わらないが)

これはほんとに一期一会なんである。

なぜなら、フランボワーズのコンフィチュールは

作っても作ってもすぐなくなるそうで大変なのであるそう。

それこそ寝る間を削って?

…シェフの睡眠時間を確保するためにも、

私が代表して最後の食べ手になろうぞ?!

全国のパン好きを敵に回す発言)


「ふち」のダマンドだけが焼き固まった部分から攻める。

はぁ〜ここだけでも十分すぎるほどに美味しすぎ…。

…そして…ショコラとフランボワーズが

しとしとと混じりあったボディ部分を口に含む…。


…ふ、ふ、ふぎゃあぁぁ…!!!

(たぶんこの瞬間、私はあっちの世界にいっていた模様)

私は…自分のボキャブラリーのなさを痛感したわ。

…やめて! パンとの遠恋は辛いのよ???

説明できないのよ、だって、あんなに絶品だった前回のカシスを上回るだなんて

食べたことのない人にどうやって説明すればいいの?!


はっ!

いいのか、もう他に食べられる人いないかもしれないし(鬼!)

一期一会…。

あぁ、一期一会…。

(ほんとに一期一会なのかしら? シェフ?)



思いがけない再会なども重なり、笑いと幸せで包まれた

そんなこんなのシュクレ一期一会編。

ほいじゃ、遠くない近々、また会いましょう!







*アッシュ前回来訪06年2月はこちら



4ヶ月ぶりのh。

ものすごくごぶさたのような気がしてしまう。

それくらい、大阪本町にいることが自分にとって自然であり、

いつも隣にいるかのような錯覚さえしてしまう。

それはきっと、逐一アッシュの挙動を伝えてくれる友のおかげかもしれない。

(時に報告、時にたれこみ、時に告げ口…(笑))


この日は、何人かのパン友たちと落ち合い、隣のマルシェで前菜を摘みながら

パンのイートイン。みんなと一緒なら、大きなパンもわけられる。

そう、あの大きな大きなあのパンも…。




待ち合わせよりも早めに到着。

まだ誰もいないけれど、パンたちは私を待ち構えてくれた。

土曜日だし、この時間ならもうパンは閑散としているかなと思いきや

今日のシェフはまたまた張り切っていた模様?

いや、ただ単に売れ残っているのかしら?(笑)


hは本当に目まぐるしくパンが変わる「一期一会パン屋」だから指定買いはしにくい。

でも、今日は会えないと思っていたパンたち、あの子もこの子もいるじゃないの!





「適当に10個ばかり見繕ってくだされ。文句はいわないから」

そう、シェフにはプレッシャーな取置きをお願いしておいたけれど

あははーわかってらっしゃる!

そう、この子もあの子も。

そして、みんなで分ける予定のあの子も…。




まだ来ぬ友をマルシェで待つ間、

思い掛けない「失敗作」をいただいた。

フリュイをタルト状に整形したものの、手で持てないほどのやわらかさゆえ

売り物にならないんだとか(笑)。

だーかーらーやりすぎなんですから、シェフ!(笑)

暗所での画像では全然その美味しさが伝わらなくて残念だけど

ハチミツやシロップのような甘味がまんべんなく塗られたタルトの美味しさといったら

早く商品化されることを祈るわ???




みんなが集まったところで、マルシェで乾杯。

何に乾杯するのか、それは私たちだけの秘密。

いつも長居させていただくマルシェに恐縮なので今日はパンのイートイン以外に

前菜などもオーダーして、気兼ねなく?

乾杯はするだけして、あとは各自の購入パンを食べる、という(笑)。


本日のスペシャリテのひとつ(あくまでひとつ)は

オレンジ入りの生地にルバーブのコンフィチュールのパン。

酸味が強いはずのルバーブなのに、

その酸味とイーブンの甘みでぐっと食べやすい。

初めは見た目「キウイ?」なんて超月並みな読みをしたのに。

そんな月並みさはこの店にはこのシェフにはありえないのに。





うっわ、画像がしょぼいけれども…。

これはものすごいパンなのです、「白桃のリュスティック」!!!

一口食べて、「まさにネクター」!!!

ここまで桃の風味を出すには、どれだけの桃を使ったことだろう…。

そう…桃といえばあの子ですかね?(笑)

食べさせたかったなぁ〜





こちらも会いたかったパン・ア・ラ・ピピ2種。

いずれもニンニクとマスタードが効いて、食事感がすごく強い。

くっきりはっきりマスタードのきりきりっとした酸味が効いているのに

決して味わいはきつくない。

イチジクの甘いバージョンも、チョリソーの入った辛めバージョンも

どちらも食事感が強いので、空腹の時に食べたらなお美味しいだろうなー!





みんなで共同購入したのはおなじみのグロセーグル。

グロいくらいにデカいです(笑)。

ほら、今すぐ携帯取り出して、およその大きさを想像してみてね???





…そして…

これがもっとも会いたかったパン。

日本酒で仕込んだ生地に、マロンと柚子が混ぜられたパン。

柚子のおかげで、より日本酒の生地が「ジャポン」を際立たせる。

お酒を片手に粋に微笑む女性の顔が浮かぶかのようなパンだ。

私はこれがものすごく好きだ。

このパンを作ろうとしてくれたシェフに感謝するし、

そもそもの「出会い」に感謝する。

…!! 廃盤とか封印とか、いやですよ???(笑)






パンを囲むひとときに、個人的にひとり感動に浸っていたのはやはりこのパン。

そう、前回アッシュで集まった時に、出会ったトゥルト・オ・ルヴァン。

今日も相変わらず


どろどろした、

ねばっこくて粘着質で、

じめじめして、

うじうじして

べたべたどろどろ

しているこのパンよ(笑)。


やっぱり、私ってそんな女なのねーーー???(笑)



今日という日は、特別でありながら、さりげなく。

いつもパンでサプライズさせてくださるシェフへの感謝を込めて。

そして、また隣のパン屋さんに行くかのように

さりげなく扉を開くよ。






楽しいパンの宴の後はこれでしょう。

酒盛りin大阪。

待ち合わせた友達と夜風に吹かれながらオープンテラスで

蚊と格闘しながら時間を忘れて語り明かす。

もちろん、店も場所も覚えていない。

それがいつもの大阪の夜。

日帰りでなければもっと語れたのに? ウソよ???

このためだけでも私は大阪に来られるよ? ホントよ!!!




終電で別れた後、…私は夜行バスに乗る。

午前1時出発までの間、私が計画していたのは銭湯。

このまんま汗まみれのまんまで一晩明かせません??

深夜まで開いている銭湯をちゃーんとピックアップしてきたのだ。

ふふふ…だてにパン修羅場の場数は踏んでなくってよ(←?)


ところが、調べて来た銭湯は福島区。

…甘かった! 福島って梅田の隣なのに、この銭湯はもっと遠かったのだ(笑)。

時間もあと1時間ちょいしかない、歩いたら往復1時間かかりかねない。

むむむ、、、初志貫徹!

ヘイ、タクシー???






タクシーでわざわざ乗り付けて訪れた銭湯、

滞在時間10分(笑)、しかも顔の粉を落として(厚化粧は辛いね(笑))

歯を磨いて、湯舟につかったのは1分か?


…という訳で銭湯タクシー往復、2500円也(笑)。

涼しくクールな顔をして、限り無くフーリッシュに…。


深夜1時。

4200円の格安バスは間もなく出発です(笑)。










また会いに来るかんね!!




2006.6.24