29.この街に住んだなら-2- 〜代々木上原を歩き食う〜




先生が走り回れば、パン好きも走り回る師走。

私も例年どおりはちゃめちゃに忙しく

1年でもっとも過ぎるのが早い12月。

そして、とっても濃密なのも12月。


NYCから帰省中の友達、少女A(仮名)をどうしても連れて行きたかったのはこの町、あの店!!

週末はいっぱいいっぱいなので、平日の午前中、代々木上原を歩いた。

…もちろん、パンをかじりながら…


久々の再会にはしゃぎながら降り立つのは

代々木上原から徒歩圏の幡ヶ谷。

私は 例のベーグル屋さんとの出会いや、 朝いちのパン屋さんめぐりを通じて

ますますこの代々木上原に住みたい〜と思いを募らせていた。

このサイトでもさんざんそれは訴えていたところ(笑)。

でも人気度に比例して家賃の相場も高いのよね〜と

ぼやいていたところ、最近この土地に引っ越した友達曰く

「幡ヶ谷と上原の間のエリアはわりと手頃な部屋もあるんだよー」

ま、まじですかー。まじで住んじゃっていいかなぁ…。






幡ヶ谷〜上原間と言えば、寄る店はもちろん決まってる。

(というか、この店に寄るために幡ヶ谷でおりるわけで(笑))

平日朝なので、まだハード系は揃っていなかった。

けれど、あまりにきらきらと黄色に光るヴィエノワズリーや菓子パン、

サンドイッチたちが揃っていたから目がくらんでしまって(笑)





なんと! シュトーレンとヴェラヴェッカの試食もいただいてしまったり!

これが本当に素直な美味しさ。私は難しすぎない、

わかりやすい美味しさのシュトーレンほど好みなので

ここのフルーティーなシュトーレンの甘さにくらくら来ちゃった。

スパイスの効いたヴェラヴェッカもたまらない〜。





人目を気にすることなく歩き食いっ。

フロマージュレザンは酸味の強いクリームチーズが入って

さながらオトナのチーズケーキ。





代々木上原駅に差し掛かるあたり、少女Aがショーソンナポリタンを齧り出す!

「服に粉がついちゃうぅぅぅ」とかなんとか言いながら

食べる手が止まらないでやんの!

美味しい記録を残そうにも、あれよあれよ食べ進んじゃって

シャッターチャンスを逃しまくっている少女A。

超好き、その美味しそうな食べっぷり!

やっぱり日本のパン屋さん、いいでしょぉぉ?!





本日、私のハゲウマちゃん(=ハゲしくウマい)はこれ!

パルミエを舞台にカスタードクリームとアーモンドクリームが共演した

「パティシエ−ル」!! キャラメリゼのような風味もして

とにかく甘さが濃くてメリハリがあるの。これは…絶対食べるべき!


こんなに「何を食べても百発百中」なパン屋さんが

町の中にさりげなーくひっそりとある代々木上原。

やめて。私を誘惑するのはやめてっ!(笑)




そうそう、代々木上原にはもう一軒パン屋さん「PV」があるよね、

今日は覗くだけだったけれど、ここのパン屋さんも

目でまず楽しませるのがうまい店だ。

なんだか「パンが好き」な気持ちをくすぐってくれる。


サンドイッチがたくさん並んでいるのをみると決まって私は思う。

「この町に住んでいれば、食べられるのに!」

サンドイッチは、当たり前だが「食べ切り」が条件。

買うことに食べることに、すごく計画性がいる。

どんなハード系よりも、ソフト系よりも。

私にとって「この町に住みたい」と思わせる起爆剤は

もしかしたら「サンドイッチ」なのかもしれない。






さぁ! ここが私を「代々木上原に住みたい病」に冒した張本人よ!

(ってひどい言い方だな)もうすっかり見なれたベーグルたち。

小さな店内は、熱気がこもって曇ってます(笑)。

今日も元気にMちゃんはベーグルを焼く!


NYCでの仕事とか話は盛り上がりつつ、今日のサンドイッチは

何にしようかをあーだこーだいいながらセレクト!

「素でまずは食べないと」とこだわる少女Aに

熱く「タマゴを食えー」と強要する私。

すまん、ますます迷わせちゃったかな(笑)。





かくいう私は、新しく出ていた「紅イモサラダ」が食べたくて、

今日もサンドライトマトクリームチーズはやはり食べたくて、

生野菜も入れたくて、ベーグルならエブリシングが好きで…と、何も考えずに

「これとこれとこれとー」と食べたいものをサンドしてもらったのだが。





話に夢中になって、誰もこの組み合わせの妙を突っ込む隙がなかったのだ(笑)

欲張りすぎたらこんなサンドが出来ました★





どーん! 初の野菜サンド! かなりいろいろ入れてくれているんだ。

お店の中でもがっついていたのだけど、

やはり人気店、お客さんも途切れなく入ってくるので

「また来るねー」と、次に場所を移すことにした。

もう少しゆっくり話したかったけど…とめちゃくちゃ後ろ髪を引かれながら。





商店街をそのまま駒場東大前の方まで歩きながら

私たちの「ベーグルサンドかじりつきパフォーマンス」を

代々木上原住人に見せつけろ!(笑)


こんな駄菓子屋さんも並んでいる商店街。

現在ニューヨーカーの少女Aと、

ニューヨークでベーグル焼きを身につけて来た子が作る

「和製NYCベーグル(しかも紅イモあん入り)」をかじりつく。

代々木上原、奥が深いでしょう!


しかし、この紅イモサンドはちょっとね、ちょっと…失敗だったの(笑)

ゴマが入ってしっかり甘めの紅イモと

エブリシングの辛めなトッピングと

それらを打ち消すかのようにさっぱりさせちゃう野菜(笑)

(しかもハーフのサンドライトマトクリチまでしゃしゃり出る始末(笑))

この3つの具が縄張り争いをするかのように主張するもんだから

ベーグルの「粉のうまみ」の立つ瀬がない★

あららー初めて失敗しちゃったか?(笑)

(というかどう考えても合わない組み合わせだよな(笑))


そんな私の横でタマゴサラダやサンドライクリチをセサミベーグルで

無難な組み合わせ(笑)をめっちゃくちゃ美味しそーに食べる少女A。

いろいろ分析モードに入っているようだが(笑)

Aは、あらゆることで分析モードに入っちゃうところが面白いのだ)

なんだかその顔を見てホッとした。

だって、この「和製NYCベーグル」をどうしても食べてもらいたかったんだもん!




もう一軒、私のリクエストで寄ってもらったのがここ。





1階はパン屋さん、2階はオトナなカフェバー。

パンはソフト、ハードと揃えている、馴染みのあるパンのラインナップ。





なんと懐かしいパンを発見!

道産子の私には小さいころからの馴染みある「バターパン」。

そう、ビスケットをかぶった菓子パンである「帽子パン」と同類で、

中にたっぷりのバターをサンドしているものだ。

北海道以外では見たことがなかったのでちょっとびっくり。





2階のカフェは外国の書斎風。非常にセンスのある空間だった。

少女Aが「自分の部屋みたいー」と言うではないか。

「こ、こんなにかっちょいい部屋に住んでいるというのか、君は」

「まさかですぅ(笑) でもこんな部屋に住んでみたいなぁって感じで」

うん、わかるわかる。私もこんな部屋に住めたら

というか、「この町でこんな感じの部屋に住めたら」

これ以上の贅沢なんて他には見つからないわよー。





しばし一つのソファで隣り合わせに座りながらまったりと過ごす。

…でも、お互い同時に心残りがあった。


「もう一回、ベーグル買いに戻ろうか?!」




結局再びベーグル屋さんに舞い戻って来た私たち!

Mちゃんも、なんだか私たち二人が戻ってくる気がしたらしくまたまた盛り上がる。

…さっきの強烈なベーグルサンドは「失敗かも」と率直なアドバイス(?!)

「じゃあ、その組み合わせを選ばれそうになったらNG出しますね(笑)」

(こんな組み合わせ、私くらいしか選ばないと思うので大丈夫かも(汗))


そして改めて買い直した焼き立てオニオンベーグルに

「んまぃぃぃ」と嗚咽を漏らしたという…。

ほっと一安心(?)



どうよどうよ、少女Aー!

日本にはこんなに魅力的な町が店があるんだよっ。

こうしてNYCからパンで餌付けして帰国を促そうとしている私だった(?!)