19.Nicolas 1st Anniversary 〜2004.6.6〜




日本で一番老成された昭和5●年生の職人とクロワッサン・オ・ザマンド



この1年間、多くの人に尋ねられたセリフがある。


「どこのパンが一番好きなの?」

私は決まってこう答える。


「茨城県水海道にあるんだ、月1回は常磐線で北上するんだ」


***



2003年6月6日に"故郷に錦"を飾ったスギヤマヒロハル氏。

茨城県水海道市に「パン職人の店ニコラ」をオープンさせた日である。


私がこの再出発をどれだけ心待ちにしていたか、

どれだけこの店にこだわりをもっているか、

語り出すと"うんざり"するほど長くなるので止めておく(笑)。



氏の焼いていたパンを未練がましくこよなく愛する者や(私とか)、

なかば伝説的となっていた(笑)氏のパンの評判を聞き付けた者。

2003年6月6日(「ろくろくツアー」と題された)に

開店祝いに詰め掛け、感動のパンたちとの再会を果たした日だった。


まぎれもなくこの「ろくろくツアー」が

私にとってのオフ会デビューだった。

これがきっかけでパン友との交友範囲は一気に広がり、

日本を飛び出しParisまでパンを食べに行ったり、

まさか自分でもHPを持つようになるとは思いもしなかった。

そんな激動の(?)1年間。

こんなに濃くて長い1年間はかつてなかったと思う。



だって、私の長いパン生活の中でようやく自信を持って

「一番好き!」

そう言えるパン屋さんは

まだオープンしてたったの1年しかたっていないのだから!



***




というわけで2年目に突入する2004年6月6日。

この日にNicolasに行こうというのはずいぶん前から考えていたが

奇しくも世田谷オフ&モーニングR'Zopfオフと日程が重なった。


そんなこんなで大勢の友人達と今年もニコラのパンを囲むことに!



雨降りの午後。

13時にお店に駆け付けた。

この日職人は不眠不休でパンを焼き続け、

いつも以上に腕をぶるんぶるん奮わせていた。

お客さんが次から次へとやってくる。

こんなにお客のいるNicolasは初めてだ。貴重かも(失礼)。


おかしなことに、やってくるお客さんはことごとく

私や水海道Mちゃんのことを知っており(笑)

いろんな方に声をかけて頂いた。

私以上に私の拙サイトを読み込んでくださっている方も

いらっしゃってなんか感謝感激雨霰である。

もっとちゃん化粧してくればよかった(笑)。


もともとNicolasが結び付けたパン友のネットワークである。

Nicolasがなかったら今のmi_waは存在しない)

そう考えると胸にじんわりと熱いものが込み上げるなぁ。




今日も絶好調Nicolasダノワシリーズ。



いつも以上にニコラの定番パンが揃っている。

1周年だからといって奇をてらうのではなく、

いつも愛されている定番のパンたちに全力を注いでいるのかも!



「特注のパン」が焼き上がるまで、2階で宴会をさせてもらうことに♪

昨日の世田谷オフに引き続き、持ち寄り惣菜やチーズを広げて

パンを片手に料理を片手に美味しい宴を繰り広げた。



Nバゲットに水海道Mちゃんのお手製のピクルスと、

ハムとチーズを合わせた「逸品」!



3種のチーズを重ねした豪華リュスティック〜!

チーズ3種なんて、家で食べる時はこんな贅沢できない私(笑)。




焼き立てのチーズフランス…♪

旨いチーズが生地に溶け込むように馴染んだ絶品パン。

Nicolasの生地は押して戻るテンピュール枕のような

もちもち感と、どことなく米ぬか臭さが特徴的。

単純にチーズが入っているだけのパンであっても、

他とは全く別の表情のパンになるのだ。

以前食べた時はバジルは入っていなかったような気がするが、

前に食べた時も「絶品!」と思ったのに、

もうバジル抜きの味は思い出せないほどに絶妙な組み合わせ。



そうそう、このチーズフランスもそうなのだけど、

こうして何度も通っていると、

微妙にパンが変わって来ているのがはっきりわかるのだ。

そう、Nicolasのパンは明らかに「進化」している。

特にそう感じたのは「フォルコンブロート」。


以前茨城どぶ汁 の日に買った時には、

フォルコンブロートの割にはごまごまごま…と、

正直な話、「ごまのパン」だった。

(そのころのフォルコンブロートの画像はこちら

私はフォルコンブロートにはもっと穀物の複雑なコク、

しっとりと湿った口当たり、

「まろやかさ」と表裏一体の「酸味」を求めていたので

この「ごまフォルコン」はリピートしないだろうなぁと思っていたのだ。


しかしこの日のフォルコンは全く別物! 

ごまの存在はなりを潜め、様々な穀物が混じりあった理想的なフォルコン…!!

やばい! また「来るたびに買うべきパン」が増えてしまった!

お願い、これ以上増やさないでほしいのだけど(笑)。


…全く油断もすきもありゃしない…

「これはそうでもない」と思っていたパンですら、

Nicolas一押しのパン!」に成り上がる潜在性を秘めているのだから…!!



もっと油断も隙もありゃしないのが、

この特注パンである「クロワッサン・オ・ザマンド」!

御存じの通り、私は自称「ザマンドマニア」であるので(笑)、

なにはなくともNicolasのオザマンドは食べたかった。

というか、食べる使命? 宿命? 運命?(笑)

何がなくとも「ザマンド作っておいてね!」と懇願しておいたのだ。

だから、王蟲のごとく横たわったザマンドたちが陳列されると

思わず歓声(奇声?)をあげてしまった。







じょおぉぉ〜ん!

みてみて! もっと寄って!

これがNicolasの「クロワッサン・オ・ザマンド」!

…職人、もしかして私の好み、熟知してないかしら?

だってこのザマンド、かなーり私のツボついてくれている(笑)。


クレームダマンドの「クッキー部分」のはみだしっぷり!

もちろんわざとそういうものをわざと選んでいる私)

クロワッサンの「はしっこ」部分にはダマンドをかけないで

「がじがじ」食感を楽しめる仕組み!

たまたまか?!)

時間がたつと馴染んで別の味わいを醸し出す「粉糖がけ!」

といいつつあっという間に食べ切ってしまった)

中のクレームダマンドにはほんのりとラム酒の香り!

個人的にはもっとプンプンさせてもいいぞ、遠慮なく)


ほんとに美味しかった♪

(ほんとだってば(笑))


***


この1年、本当にこうやって何度もNicolasの2階では

美味しい集まりをさせてもらった…。

2周年といわず、いつまでも、いつでも駆けつけるつもり。

一人でも、二人でも、大勢でも。

とにかくこの月1ペースは崩したくないな。


Nicolasのパンが水海道にある限り、

私は常磐線を北上し続けよう。




Happy Birthday To Dear Nicolas!