157-2.別れと原点回帰の関西ひとりパン旅

〜後編 とことん京都パン〜


前編は”さよなら岸辺”篇

こちらから



中之島アッシュの目の前、渡辺橋駅から京橋へ、

そこから京阪電車に乗り、一路京都へ。


京都にパンめぐりに来たのは2010年以来

出産してから一度も来ていなかったのだ。

その間、京都のパン事情はますます魅力を増し、

宿題がどんどんふくれあがって来たのだ。


今回、もしシュクレとアッシュだけならチビ子同伴でもよかったのだけど、

「どうせなら京都を徹底的に自由にパンツアーしたい!!」という

欲望を抑えられず…

6年ぶりの京都。

とはいえ、日帰りのパンツアーなので時間は限られている。

しかも雨予報。マジか!!

どこまで行けるか、京都パンツアー。

私の中で、原点とも言える、久々にがつがつした体力勝負の…

さぁ、どうなる?!




てっきり雨だと思ってレインコートにレインシューズ、

ぬれても平気なスーツケースできたのに、まさかの晴れ!


と言うわけで、出町柳でレンタサイクル。

ここ、昔もここで借りてパンめぐりしたことあるけど、まさか、名前が残ってた!(笑)

10年前の個人情報(笑)




スーツケースって、自転車のかごに入るんですね(笑)

かなり不安定だったけど子供乗せて走る自転車よりはマシ(笑)

こうやって画像で見るとそんなにおかしい感じはしないけれど

やっぱりかなり奇異にうつるらしく、

すれ違う人の視線が少々痛かった…(笑)



私が住んでるとこも都内有数のパン屋充実エリアだけど、

京都には負ける(笑)京都の人困らないのかなー

こんなにパン屋さんあり過ぎて。私ならとても困る(笑)


一応、ある程度エリアを絞り込んでおいた。

バスを使う遠方の店は今回はばっさりカット。

徒歩でも地下鉄でもめぐることができるエリアに絞り込んでいた。






まず、出町柳から自転車で向かったのは…

京都で一番の宿題店だった、ナカガワ小麦店。

下鴨神社のそばで、徒歩では少々きついが

自転車なら難無く!





清潔感があり、誰からも好まれそうな穏やかな佇まい。

パンの種類はそれほど多くはないけれど

その分、ひとつひとつに手をかけて作られているのが

お店の雰囲気全体でそれが伝わってくる。




クロワッサンに、シナモンロール、ベーグル。

どの子も奇をてらわず、シンプル。

だけど、シンプルゆえに美味しさが際立つ。

特に、ベーグルが全粒粉の深みのある旨味で美味しい…!





予約必須のトーストモンターニュ

そうそう、これを買いに京都まで来たんです(えへん)

食パンって、いろんなタイプがあると思うけれど、

一見、特に主張はないのだけど、しみじみ甘く、なによりも飽きがこない。

なんだろうな、いろんな意味で豊かさを感じる食パン。

近くにあったら、毎朝がどんなに豊かになるかな。

そう思わせてくれる、お店との出会いに感謝…!




レンタサイクルは、当時は出町柳で借りてそこで返すものだったけれど

河原町に支店ができたそうで、そこでも乗り捨てられるとのこと!

なので、今回のルートはひたすら南下すればよいことになった。


下鴨神社から出町柳に戻り、さらに南下。

すると、かつて何度も通った懐かしい風景が。

ああ、覚えているもんだなぁ!




この青いファサードとドアと大きな窯!

懐かしい、下手したら10年ぶりくらいかもしれない…!

京都でとにかく大好きだった、このお店…!




そう、ボンボランテさん。

ああ、ああ…本当に懐かしいな。

今回、自転車じゃなかったら寄れなかった。





そうそう!!

こちらで私が大好きだったのは「モチ麦のパン」だった!

覚えているよーー!

ヘーゼルナッツ入りのモチ麦のパンをセレクト。

他にも、ベーグルやチビ子が好きそうなレーズンパン(めちゃ美味しい!)


さらに、マロンケーキ

このマロンケーキはカット売りだけでなくホールでも売っていたけれど

そちらをお土産にすればよかったとあとでとても後悔。

ぎゅっとマットなマロンケーキはものすごく美味しい。

パリで大好きだったマロンペーストを思い出させる。


思い出が蘇りすぎて、ああもう。

今日は京都にきてほんとよかった!




烏丸御池のエリアへ。

この界隈は、パン屋激戦区。

徒歩でも回れるのがポイント。




かつて一度だけ来たことがあった、flipup!
ここも、変わらぬ人気店。

パンの種類は豊富だけどあえてここで選ぶならやはりベーグル!




4種類のベーグルを予約しておいた。

ちょうど、午後の焼き上がりでほぼ全部揃っていたので

追加も可能だった。


・チョコベーグル

・もちもちミルク

・シリアルはちみつバナナ

・マンダリンオレンジ


いやー、記憶以上にここまでむちんむちんのベーグル、無双です!

どれも美味しすぎー

これ、ほんとに全国でも有数の名ベーグルだと思うわ、

チュウイーさがハンパない。

そして、単純明快に味がキャッチーで非常に食べやすい。

待った無しに美味しさが押し寄せてくる、実にラクチンなパン(笑)

京都に来たら寄らなきゃ嘘だな。






さて、こちらも今回本命のニューフェイス。

ファイブランさん。

さきほど岸辺につきあってくれたパン友ママが

最近京都行くと必ず立ち寄るお墨付きのお店。

あの福岡のパンストック出身とのことで

まだパンストック未訪の自分にはそれだけでも興味津々。

だけど、パン屋飽和状態(?)のこの京都では

まだブレイク前の模様。いやーもったいない!




昼ちょい過ぎとはいえ、イートインカフェスペースはゆとりあり。

このカフェスペースが良い意味で放置地帯、助かりました!!


今回は子連れではないけれど

こりゃ京都パンめぐりの休憩地点としては最高かもしれません。




イートインでいただいたのはひとつだけ、

シェフ’sピタ。本日のピタなのかな?

もしかしたらいつもはないかもしれないけれど、

海の幸(タラ、海老、サーモン)に

ナスのグリエ、ビーツのピューレ、

ベシャメルソース、フランボワーズ……ですと。

えええっ。

これらが全部この小さなピタパンの上に乗っているとでもいうの?!

お値段280円だというのに?!




ぎゃー!!何これ美味しすぎた!!!もはやひとつの料理!!!

今回、京都に来て一番の絶品でした!

いやー、これはまた食べたい。夢に出そう。夢でも食べたいっ!


イートイン中、厨房からはエスニックなカレーの香りが

漂って来て、いったいここはパン屋なのかレストランなのか

わからなくなるほど。




ブレイク前だからか試食天国(笑)

ほとんどのパンに試食が…。

普段はあまり試食をせっせといただく方ではないけれど

この日はちょっと若かりし自分に戻りました(笑)


試食、あるのは嬉しいのだけど

試食で食べたものは買わないという、パン好きあるある(笑)

そもそも、ものすごい種類のパンがあって

全部買う訳にはいかない中ではほんとにありがたい…

けど、ほんともうしわけない…


とはいえ、特に特に美味しかったものをテイクアウト。

値段も目を疑うほど安いのもあり。なんか、ごめんなさい!!(笑)


イチジク・マスカットルヴァンのジューシーさといったら!

ベーコンエピ(これを書いているときには忘れてしまったがヒトクセあって旨!)

ハニートーストも試食してしまったらクセになりすぎて買わずにいられるかっ。


ほんとはもっともっと買いたかったけれど

すでにパン飽和状態の荷物…

ううう、絶対にまた来ますっ!

そのときはこんなゆったり買えないくらい人気ものになっていそう☆




さて、そろそろパンめぐりも終盤。

時間はまだまだ余裕あれど、もうこれ以上パン増やせない感じで

回ってもあまり買い込めないなぁ…という

あきらめモードが自分の中に。


ひとつだけ、宿題店のひとつである

プチメックの新店へ。

(といいつつ、オープンしてからはだいぶ経っているけれど)




というわけで大丸京都店にある、プチメック。

こちらはイートインカフェもあり、

赤とも黒とも違うコンセプト。

パンの種類はごく限られたものだったけれど、

なんといってもベーグルとドーナツでしょう。




シナモンレーズンベーグルを1個だけ。

シナモンもレーズンも、しっかりと強めに効いていて

あごもしっかり刺激してくれる、満足度の高いベーグル。


ほんとはOMAKEの方に行きたかったのだけど、

自転車で探しているうちに方向を見失って

なんか億劫になってしまった(汗)




河原町のdocomoショップでスマホの充電をしている間に

自転車を返車。これで一応、京都パンめぐりは終了…


…のはずだったのだけど

これでほんとに終わってしまっていいのだろうか?

新幹線に乗ろうと思っていた時間まであと2時間弱ある。


いっちゃう?

でももう夕方だよ、4時近いよ??



この時間から行くのがどれほどリスキーか重々承知の上で…

乗ってしまった、京都駅からのJR奈良線!!

そう、黄檗のたま木亭をめざしてしまったのだ。




昨年の夏に、旧店舗のすぐ並びに移転オープンしてからは初。

以前の店舗は本当に狭くて、パンも迫り来るような

ごっちゃり感がまた一層、選ぶのを難儀にしてくれるところも

パンの聖地としてふさわしかったのだけど

新しい店舗はどんな風になったのだろう?


パンはもうすっかり売り切れてしまっているかもしれない、

でもなんか…爪痕をしっかり京都に残してから

東京に帰りたかったのだ(笑)




旧店舗を通りすがりながら、数メートル先に何台かとまれる

駐車場スペースが。警備員さんが「もうそろそろ完売でーす。お早めに!」と

呼びかけている。おおお、でかくなってる!!!




店内は天井が吹き抜けていてとても広い。

パンは残りゼロ…ではないけど限りなくゼロに近かった(笑)


すっからかんの平台も、奥の棚も、

ショーケースも、最後3〜4種類のパンしか残っておらず、

ただでさえ広い店内がとてつもなく広く感じられる(笑)





最後の京都での爪痕(笑)

奥から、レストランテフリュイ(いちじくとくるみ、レーズンがぎっしり)

3種のガレット(クルミとチョコ、クランベリー)

洋風あんパン


この3つしか買えなかった。

普段だったら選んでなかったものもあったのは否めない。

(あんパンとかあまり普段手を出さない)


けれど、この3つがとてつもなく美味しかった……!!!

フリュイはこれまでも大定番で何度も食べているけれど

他の2つは、想定外の美味しさに感動!


そうそう、たまちゃんには幾度となく訪れては

何を買っても小躍りしてしまう美味しさと

つっこまずにはいられないユーモアさが溢れてて

これぞ「死角無し!」のパン屋さんだったんだった。来て良かった!



3つだけでも残っていて良かった!

という思いと、

やっぱりたっぷり買い込みたかった!

という思いと、

相反する思いを抱えながら東京に戻ることとしよう。


そう、パン遠征には少しくらい心残りがある方がいい。

また絶対次がある。

また絶対次もくる。

満足してしまったらそれでおしまいになってしまうものね。


年をとっても、

子どもがいても、

いつまでもやりたいこと、いきたいところ。

尽きない方がいい。


私がパン好きである限り…

原点は“そこ”にある。





余談だけど…

黄檗から東京都区内域の乗車券(笑)

こんな乗車券は京大生か、

一部のパン好きくらいなもんじゃないかなぁ?(笑)



2016.3.19