126.夏休みは日帰り長野攻め




今年は9月のシルバーウィークに夏休みを取る予定だった。

たった3日夏休みを費やしただけで、9連休!

これは海外に行くぞーもしくは国内攻めかー

あれこれ計画を立てていた矢先、

急に帯状疱疹を発病してしまい、絶対安静とな!

せっかくの1年に1度の夏休みがこんなんで終わってしまうなんて、、、


凹んでいた私を見かねた相方が

「車借りて、日帰りで信州いってみる?」

わーーん、ありがとう!


あまり相方さんにパン巡りをつきあわせるのは悪い気がして

今回は完全ひとりツアーを決行しようとしていたのだが

体力的に今の私には難しかった

泊まりや温泉は無理だけど、日帰りで車に乗ってるだけならなんとか大丈夫そう!


長野とひとくちにいっても広い。

3日がかりで山梨も含めて回るつもりだったが、

今回は佐久・上田周辺にしぼって日帰りのパンツアー決行!





渋谷で車を借りて、高速で一気に佐久平まで。

およそ3時間。10時半ごろには到着した。

佐久のICからほど近い場所に、最初のターゲットが♪







ベーカリーTETEさん。

都会的なスタイリッシュなパンのディスプレイは、

ローカルエリアではちょっと異色なほどにおしゃれ!


パンを見て、その完成度の高い整形、センス、

いろいろなものをひっくるめて驚いた!

うわー、首都圏のどこで修行されたんだろう




驚いたのはなんといってもクロワッサンたち。

私好みのショリショリぱりぱりの「板状」の層!!

幾層も折り重なり、口の中で粉状に粉砕していく。

どこかミルキーな甘みがふんわりと、やさしく広がる!

うわーーー、これはものすごく美味しい!

食感とかで言うなら、ブノとか彷彿させるものが。

この手のクロワッサンがこんなところに…。

ちょっとした感動!!




パン・オ・ショコラのチョコはもちろんヴァローナ。

表層には編み目のような切り込み(?)が入っていて

形をきれいに保ちながら食べるのは至難の業。

美味しいカスが無情にもハラハラとこぼれ落ちてしまうの




ハード系もちょこっと。

フルーツ練り込み系のものに、ほうれん草&チーズの総菜パン、

さらに、レモンとホワイトチョコの入った美味しい美味しいブリオッシュ♪

どれもお値段手頃、見た目よーし、味よーし、

なんか出来過ぎでちょっと近寄りがたいくらいである(笑)





さて、お次はお昼ご飯。

佐久から車で30分くらいののどかな場所に、

蕎麦と野菜料理のお店があるそうな。

それが相当「秘境」な場所にあるらしい…。


そもそも、佐久というエリアはじっくり立ち寄った事は

これまでになかったのだが、瓦屋根に、河川に、ローカルな町並み。

そして意外にも水田が多い。この時期は、もう黄金色の稲穂が垂れかかっていた。

古き良き日本の原風景がそこにあった。





「蓼科秘境都市」?!

どんなトンネルだー!(笑)


旧中山道望月宿の近く、

延々と続く田園風景の中、車を走らせると

どうやら着いた模様!

大きな小民家がそこに。





窓際の席に座ると、一面の黄金の田んぼが広がる。

どこへ行っても、秋桜が咲き誇り、いよいよ遅い秋の訪れを感じられた。





こちらの「職人館」というお店、

元々公務員であった方が、脱サラされて

この菜食のお店を開かれたそう。

(菜食といっても、乳製品や卵を全く使わないわけではない)


その日その日、畑や野山で手に入る野菜や、

豆腐や蕎麦を用いた自然食をいただける。

肉食獣のオットにはちょっと不向きかと思ったが、

長野と同じ、海のない栃木で育った彼は蕎麦好き。

つきあってもらうことにしたのだ。



「そばと何か欲しい膳」なる2600円くらいのコースがある。

みまき豆腐(単品で頼んだが、木綿豆腐? 水気がしっかりきられた重ための豆腐だった)

季節の一品、それからお蕎麦のセットだそうだ。

ちょうど、季節の変わり目ということで、

野菜が特に今日はいいものが採れてないらしい。

本日の一品なるものがスープだったので、

私たちはコースではなく、単品でオーダーすることにした。





これが! そばの実と放し飼鶏卵のリゾット風。

くたくたに煮込んだお野菜が甘くて美味しい。

チーズの風味もしっかりするところが意外だった。

先付けで出されたお豆がまた登場!

穏やかな風味の中で、バジルがかなりインパクトがあり!

(若干、おうちでまねできそう感があり…)






十割蕎麦は、太さは不揃いだけれど、つやっとしていて上品。

ツユではなく、出されたお塩をつけて食べるとより蕎麦の風味を感じやすい。

(お塩が甘くてうまみがあり、美味)

私たちが一番最初のお客だったせいだろうか、

残念、そば湯がほとんど白湯状態だった(笑)


リゾットとお蕎麦の合わせ技だったので

かなりお腹いっぱいに。もっとお野菜ものをいただきたかったところだけど

それはまた、いつか別の機会で






さて、今回の旅の本命中の本命のパン屋さん。

以前、関西の友達からパンを贈ってもらった時に、

たまたまこちらの紙袋に入っていた。

それがてっきり、そこのパンを送ってくれたもんだと思いきや、

「袋だけ」だったというオチが(笑)

読者の方のおすすめもあり、HPを見てみたらそのパンの表情にひとめぼれ!

久々に「パンのために○○へ行きたい!」という情熱に火がついた。


ナビに入れても、細かい番地までは出てこない。

その付近まで行ってみるものの、2往復してもいっこうにそれらしい店は出てこない。

しびれをきらしてお店に電話してみたら、おお、そこで曲がるんですか(汗)

ほんっとうに、「なぜこんなところに?!」という

きわめて謎なロケーションのパン屋さん、ここにもありました(笑)。






お約束ですが……店名通り、「わざわざ」まいりました!(笑)




ゆるやかな丘陵を見下ろす牧歌的なロケーション。

(それがわかるような画像を撮らなかったのが悔やまれる!)

板貼り(裏側が)の壁が目印の一戸建て。

こちらが「わざわざ」さん!


お店は、雑貨屋さんもかねていて、都会さながらのおしゃれなお店。

パンは古いショーケースに飾られ、その小麦色の風合いとよく合う。


予約したパンを受け取るとき、このお店を知ったいきさつをお店のお姉さんに話した。

「兵庫の方ですか? そういえば前におひとり…」

おおお、もしかしたら友達かもーーー。

とりあえず、本人に確認するのが一番早いのかも(笑)





入り口には、腰掛けてひといきつけるスペースがある。

わざわざ来たんですもの、そういうところがあるのはありがたいですな♪






ベーグル2種♪

プレーンとキャラメルナッツ。

がちがちとハードで、素朴な甘い風合い。

自家製酵母パンのぷつぷつした表皮に弱い私である。




ぶどうのリュスティック♪

空はグレーでも背後に広がる黄金の田園がパンを引き立てる。


画像には取り損ねたけれど、試作を繰り返すバゲット(笑)、

そして角食は後々にじんわりと湧き出る甘みがいい。




「失敗作なので、おまけで入れておきますね。あ、切りましょうか?」

おおお、クランベリーとカシュナッツのパンをいただいた。

私はよくもわるくも素人なので、

「え、このレベルなら売り物になりそうなのにー」とありがたさの方が勝る(笑)。






さて、この時点で1時半頃。

意外と旅程はスムーズに進み、時間が余りそうな予感。

それじゃ上田に行ってみよう!!!


ということで、お次の目的地は上田。

3年ぶり3度目の上田である。

1度目は2004年7月、ESSAY21番

2度目は2007年8月、ESSAY88番







最初は、これまたローカルさをみじんも感じさせないおしゃれな空間のカフェ、

駅前のhaluta に立ち寄る。

パンもそうだが、雑貨とかインテリアとかゆっくり見ていきたかったのだが

車を外で待たせているので慌ただしく





東京でパンを焼かれていた方がパン焼きを担当されているそう、

でも意外とそこの面影はなかった気も。

ここはクリームパンとシナモンロールをセレクト。

お値段がローカル価格なのが嬉しい。

たっぷりのシナモンペーストがおいしーー!





さて、上田といえば!

もちろんこちら。

過去2度の来訪時は、偶然にもカンカンに暑い夏の晴れの日だった。

今日は確実に雨の予報だったのだが、雨こそやられなかったが

曇り空をよそへ追いやる事はさすがの晴れ女の私でも無理だったよう(笑)





つい先日も富ヶ谷の方でパンを買ったばかりだけど

ここではやっぱり「上田のスコーン」を。

メランジェもここで買う事に意味がある、とばかりにしっかりと。


2階でしばしコーヒーを飲みながら休憩。

懐かしい、3年前の来訪時も懐かしいけれど、

ここがオープンした当時、チャリンコで訪れたときのことを思い出す。

あのときの連れの「大将」は元気だろうか?

あのときの激烈チャリンコこぎは、

どこからあの根性が湧いて来たんだったろうか?(笑)

私も、ずいぶん落ち着いてしまったもんだなぁ…。



そうこうゆっくりしていると、もう16時ごろ。

夕食のあてはどこにもなかったのだが、

こてこてなものが大好きな私。

あ、こってりが、という意味ではなくて「ベタ」という意味で(笑)。


峠の釜飯、おぎのや本店を目指す事にした(笑)




余談だが、

うちの相方さんはスモーカー。

とある銘柄を愛用しているのだが、長野のコンビニには

ほとんど見当たらないらしく、

通りがかったコンビニすべてに立ち寄っても全然みつからない!

 

「じゃあこれを機にやめちゃえば?」

そういじわるを言ってみたが、執念で なんと、

8軒目にして! ようやく見つかった(笑)

…やめちゃえばいいのにー☆





さすがに退屈なので運転を代わらせてもらったのだが、

あえて下道で向かったためにさけられない、「碓氷峠」越えは実に疲れた!!!

うねうね、延々と続く細かいカーブの連続、

無限ループかと思われるような同じ風景の繰り返し(笑)

眠いはずの相方さんも、恐怖(?)のせいか、

助手席でぎんぎんに目が冴えていた(笑)







とっぷり夜!

ようやくたどりついた横川。

あいにく、本店の方は17時までだったようで、

おぎのやのドライブインの方にきた。


こちらは、道の駅並みにお土産やカフェテリアが充実していた。

もう品物はほとんど残っていなかったが、ベーカリー部門での

コッペパンサンド的なものに強烈に惹かれる(笑)

あ、カツサンドにもね!!




誰もが思い出の中に残す、峠のかまめし。

私も、初めて友達と軽井沢に行った帰りに食べた、この峠のかまめしが

「意外に美味しい!」

そのインパクトは非常に強く、その後も幾度か食べる機会があるごとに

「やっぱり意外に美味しい!」

さらに記憶はインプットされた。

そして、捨てるに捨てられず、食器棚の奥で放置される空容器の釜もお約束(笑)。



やっぱり久々に食べても

「なんか美味しいよね(笑)」

すごく美味しい、というのではなく、

そこそこイケる! 具合が絶妙なんだと思う。

ここもまた、一緒に軽井沢を旅した友の顔が浮かぶ。

信州は関東と隣り合わせなだけに、

ちょっとした日帰り旅の思い出が数珠つなぎのように…。




家に着いた頃にはもう22時近かった。

信州は近そうで遠く、遠そうで近い。

2泊くらいかけてぐるっと回ろうと思っていた行程の

半分近くが相方さんの協力で回れてしまった。


まぁ、楽してパン屋さんを回るのは私の性には合わないので(笑)

またいつか、じっくりねっとりまったりと

信州攻略を練ろうではないかと!


2010.9.24