121.さいたまパンツアー2010年【春】合併号




さいたま在住の専業ママ、「ボーカル」ちゃん。

学生時代はカタギだったのに、今やすっかり私に毒されてかパン好き主婦に。

「次のさいたまパンツアーどうするー?」と、

あれこれパン屋情報を仕入れてくれる、頼もしい【パン友】だ。



*過去のさいたまパンツアーESSAYはこちら*

2008年1月

2008年7月

2009年2月



2010年に入って、1月中旬にまず一度、さいたまんツアーを決行。

そこで、「これはすぐにでも再訪したい!!!(また食べたい!)」

というビンゴなお店に出会ったので3月に再ツアーを実施。

「早くESSAY書かないのー?」

そう、お尻をつつくボーカルちゃんであるが、

ものぐさなmi_waさんは、すでにこう目論んでいたという。

1月のネタと3月のネタは合併しちゃおう…ふふふ…」






1月篇。

一軒目は、おなじみのタローさんちから!





09年の最後、11月と12月に、お店に行かずして

タローパンが我が家に送られて来た珍事(?!)があった。

そのうちの1回は、なんと夫の親族からのプレゼントだった。

なんでも、チャリンコでいけるご近所に住んでいるそうで、

1回ペースでタローパンを愛食しているのだそうな(笑)

絶対途中ですれ違ってるような気がする…。





本日も大豊作☆

まだ冷凍庫に大物パンたちが残っていたので、

今回は食べ切り系のフォカッチャや柚子入りのショコラパン、

苺酵母のベーグルや白パンを購入♪






さて、ここからが長い道のり。

これから目指すのは、幸手という埼玉北部の町。

橋を渡ればもう茨城、というようなロケーション。

さいたま市から1時間強のドライブ。

後部座席に乗るチビスケはとっても大人しく、

暑いのか疲れてるのか眠いのかつまらないのか(笑)



イベントや、都内のインテリアショップで

何度かパンを食べる機会があったcimaiさん。

そもそも、こちらのお店を知るきっかけになったのも、

埼玉のとある「秘密のパン屋」(過去のESSAY参照)を調べているときに辿り着いた。

ちょうどその頃、店鋪を構えたというのを知り。

行くならやっぱり直接お店に、もちろんボーカルと一緒に。

長年(といっても2年弱か)温めていた構想がついに実現!





まさかこんな場所に?!

さいたまパンめぐりを続けていると、

こういうロケーションのパン屋さんが実に多いが、

ほんっとに静かなローカルな町

こちらも、相当に「ほんとにお客さん来るの?!」と

驚かされるようなところだった。


車で来ても驚くほどのどかな田園風景。

最寄り駅からは歩いて20分ということだが、

きっとのどかすぎるこの風景の中を歩けば、

もっと長い距離を感じそうだ。

もちろん、私はそういうパン屋さんほどたまらなく惹かれる。

もしもわざわざ歩いて訪ねて来た先が

こんなお店であったならどんなにテンションが上がっただろう!



白壁のシンプルな…シンプルすぎるような佇まい。

しかし、中は想像を超えるほど素敵すぎる空間だった。

アンティークのインテリア雑貨は、

見知らぬ外国でじっくり年季を重ねた分、

まだ2年しか経っていないこの埼玉の空間でも

驚くほどしっくりとそこに染まっていた。


まるで雑貨のように、小さく少しずつ置かれたパンたちも

絵になる。どこを切り取っても絵になる…!

すてきすてき!!!





イートインスペースすらも徹底してる。

コーヒーをオーダーし、パンも頂いていくことに!


御存じの通り、姉妹でやっているパン屋さんだが

お姉さんが天然酵母のパンを、妹さんがイーストのパンを焼く。

正午前後の時間だと、どうやらイースト系のパンが中心のようで、

ふわっとやさしい顔つきのコッペパン、食パンなどが並べられている。

みて! このキュン死しそうなほどにまあるいあんパン!





最初に嗚咽を漏らしたのはクロワッサン!

見るからに、ザクザクジョリジョリ系のクロワッサン

食べる前から、もう音が耳の奥で鳴ってしまいそう。


数えられるくらいにはっきりと層を成し、

一層一層に味と食感が主張する。

歯の咀嚼を拒むかのように実にハードで重みがある。

ごく控えめに使われているのであろうバターが最大限に活きて

驚くほどに後味が後から後から膨れ上がってくる…!


この手のクロワッサンは大好物であるが

こちらのクロワッサンはその中でも群を抜いて美味しい…!


この美味しさは、チビスケにもわかるのか、

ボーカルのクロワッサンをほとんど一人占めしてしまったようだ(笑)





そして、さらなる感動を与えてくれたのがこれ…!

野菜たっぷりのキッシュ!


クロワッサンと同様にハードで深みのある生地に、

まるでマヨネーズを焼いたかのようにふわっと柔らかい

卵液が悶絶するほどに美味しいーー!!!

これはすごいこれはすごーーい!


しかも焼き立て。野菜がじゅわーっと甘味や酸味を絞り出し

とめどなく押し寄せる快感にもう止まらない!!!

これからランチを食べるというのにまさかの完食。

…これは途中で止めろといわれても絶対不可能…!





お砂糖を使っていないというノンシュガーのりんごパイ。

学生時代、ルヴァンのアップルパイを食べて育った私は(笑)

めっぽうこの手のアップルパイに弱い。

本家よりもたっぷり溢れんばかりに詰め込んだリンゴ煮は

ノンシュガーでも十分すぎるほど甘い。



ボーカルが買ったクランベリーとチョコの天然酵母パンは

以前私ももみじ市で購入したことがあるが

いやぁーーほんっと美味しい。

あの時よりも、よりできたてに近いから

クラストにフレッシュ感があってなお美味しく感じる!

(馴染んだほうが美味しい、という考え方もあるけど、クラストに関してはやっぱザックリしていて欲しいものね)

やっぱり、パンはナマモノ。

窯の近くで食べるのが一番美味しいんだ。



ぷはーーっ。。。

ちょ、ちょっと食べ過ぎたね。。。

こんなに美味しいなんて嬉しすぎる誤算だったんだもん(笑)。






さてさて、ランチに考えていたのは同じく幸手の

やはり「さいたまならではの」のどかなおうちカフェへ。





これまでも、さいたまパンツアーではゆるゆるカフェやゆるパン屋さんに

たくさん出会って来たけれど、ここも相当すごい場所。

ほんと、田園カフェがなんと多いことだろう

東京の隣の県とは思えないほど。


田園の中にぽつんと白いお家、その中でカフェを。

敷地内ではフレンチ雑貨のかわいいお店もあり。

こちらもインテリアや雑貨の使い方がすごく素敵。

こういうのどかな場所で、好きなものに囲まれた暮らし、

あまりに贅沢すぎる…!

こういうおうちでワンコを飼えたら理想だなぁ…。





店名には「bagel」とあるのだけど、残念ながらベーグルは名前のみのようで

メニューも、特にベーグルは見当たらず☆

パン好き的にはちょっと拍子抜け(笑)

私が頼んだのはロコモコ丼、

ボーカルは野菜せいろ蒸しとシュウマイのセット。

フードはあくまで「おうち」ごはん…かな?





それにしてもうらやましいほどの理想的な絵になる空間。

さらに写真に写ったチビスケがあまりにかわいすぎて萌〜。

超がつくほどの親バカなボーカルじゃなくても

これは反則のかわいらしさ(泣)

こやつ、自分でかわいいことを自覚しとるな?(笑)








3月篇。

今度は、前にも何度か一緒にパンめぐりをした

ボーカルの元・同僚のHちゃんも参加。

車中では、Hちゃんのだめんず彼氏のエピソードに爆笑しながら

「そんな奴別れちまえ!」と散々ダメ出し(笑)

大いに盛り上がりながら最初に到着したのは大宮氷川神社の近く。





まさに店名通りの「小春日和」な暖かい日射しの中、

小さな小屋にずらっと行列が!

こちらは、パン好きOLには難易度の高い、平日のみ営業のベーグル屋さん。

驚いたのは、意外と年輩の女性が2人で切り盛りしていたこと。

私の中で「おっかさんのてづくりベーグル」という絵が

食べる前から頭の中で出来上がっていた(笑)。





車中でさっそくがぶり☆

季節のベーグル、さくら餅!

車の中をぷぅ〜んとさくらの甘い香りが漂う。





まだ温かいうちにいただいたのだが

中からさくらの葉に包まれたあんこがたっぷり!

表皮はぺたっと手にくっついてくる感じで、食感はもちもちだけどソフト。

ボムッと重さはあるけれど、食感は決してハードな重たさはない感じ。

だから、こういう桜餅風な味はぴったりかも。





他にもシナモンレーズン、オレンジチョコ。

このオレンジチョコ、かなり好き!

とろけるチョコにオレンジの香りがかぶさり、

これがいわゆるショコラティエの風味(笑)。

大人の味というのかな、子供には贅沢だわ(笑)






続いて、2009年2月にも来訪した、東大宮のパン屋さん。




娘さんが焼いてお母さんが売るというスタイルのパン屋さん。

今日は、ダンナへのお土産にガトーショコラ(ふんわりしっとり!)と、

焼き立てのレンズ豆のカレーピザを購入♪

生地がほんと粉の旨味が出ていて旨い!

冷凍庫の在庫パンを思い浮かべて買い控えしてしまったけど

焼き立てのブール、いい香りだった…☆






そして再訪!





どうしてももう一度食べたかったこの2つ。

ちゃんと予約しておいたのだ。

(キッシュはすでに売り切れていたので正解だった!)

ボーカルも、前回はクロワッサンをチビスケに

食べられてしまったので今回はしっかり自分用に。

私はパン友用にもう一個。


この絶品クロワッサンとは全く関係ないけれど

まだ学生時代、家の近所に某ブーランジェリーがあったのだが

そこで食べた全粒粉のクロワッサンがたぶん私の目覚めだったような気がする。

もちろん、食感はイーストのふんわりした通常のクロワッサンだけど

風味の濃さは目からウロコが落ちる思いだった。

あれはもうそれ以来出会えなくて幻のパンだったけれど

なんかパンひとつ、素材ひとつでその当時のいろんな思い出が

絡まってくるのって面白いなぁ…って。

そんなことを考えていた。





私たちはこれからもう1軒カフェでランチする予定なのに

キッシュはまるごと完食!

ちょっとでも味やカタチが変わっちゃうといやだ!

いやぁーーーほんとに美味しい。

ここんとこ旨いキッシュばかり続けて食べているけど

どこも作り方、味わいが全然違って本当に奥深いよ。





午前中は妹さん作のイースト系のふんわりパンが中心。

にんじんの食パンは冷凍庫在庫状況的に断念☆

かわりに選んだのはマフィン。にんじんのツブツブがかわいい。


このバターロール、バターのほんのりした甘さもあるけど

見た目のほんわかさとは裏腹に

もう少しキリッと塩気が効果的に効いていて大人っぽい味わい。

やわらかさの中にも芯が通ってる感じでかっこいいのだ。





もんのすごく美味しかったのはキャラメルナッツスコーン!!!

ぎゅぎゅーーーっと美味しさ香ばしさ甘さを凝縮しつくして

小さなナリでふふっとおすまししてる。

小さいのになんていう実力なんでしょ。

こんな遠くの地で、このパン屋さんはなんていう実力なんでしょ。

このスコーンなら、ここまで来れなくても

イベントや卸しで再会できるんじゃないかしら

ちょっと嬉しくなってしまった。






さて、さらに車は幸手の北の方へ。

いくつもある埼玉のおうちカフェ、田園カフェの中で

今回選んだのはこちら。





これまたすんごくのどかな場所にあったけれど

なんと、小さな(ほんとに小さな)平屋建てをまるごとカフェにしている

まさしくおうちカフェ。

だって、玄関だっておうち。

「おじゃまします…」と

あがってすぐにもうお客さんがちゃぶ台を囲んで「ごはん」食べてる(笑)


(お店の中の画像はNGぽいので残念ながら省略しますが)

女性がひとりで台所でランチを作ってる。

手作り雑貨を展示していて、その作品があまりにかわいすぎて

私たちはごはんそっちのけで盛り上がってしまった!

(しかもその作家さんが横でフツーにランチ食べていたのでさらに盛り上がる)


ランチは1000円のほんとに「おうち」で食べるようなごはん。

よくいえば、「私もカフェやってみようかしら」なんて思えたり。

それにしても6畳+4.5畳+台所の小さなおうち。

その中に女性客が10人弱もいる。

ものすごい人口密度だと思う(笑)。










なんと☆ 帰り道にまた戻って来てしまったcimaiさん。

だって、午後はお姉さん作の天然酵母パンが並ぶから。

このお店のインテリアの凄いところは、

ハードな焼き色のパンたちも

イーストのパンのほんわかした色合いも

どちらともすごくマッチしているということ。

ああ、どんどんはまっていく


カット売りしてくれるイチジクのパンは

1センチくらいで150円。

ああ、もっと買って来てもよかったのに。

そういう後悔は、家に戻って来てからいつも味わうんだった。




すっかりさいたまパンツアーが定着した今日この頃。

まだまだ行ってみたい&何度でも行きたいお店がたくさんの埼玉。

次のツアーのネタ集め、がんばりましょ。

夏の増刊号、なんていうのもいいかもね(笑)

2010.1.20+2010.3.12