-1.03年→04年 年越し恒例 北海道縦断帰省 〜帯広グルメ編〜




帯広で私を待ちかまえていた毛ガニ君





我が家の年越しは、毎年父方の実家で、というのがおきまり。


年末恒例の年越しは、幼い自分には苦痛でしかなかった。

高校生の頃は、近くの神宮で巫女のバイトを申し込んであったのに

頑固一徹な父にあっさり却下された。あれは悔しかった。


しかし過去に例外は数度あった。

高校受験と大学受験の年だけは自宅で年越しができた。

テレビをわがままにみられること、

年賀状を元旦に受け取ることができること。

「こういうお正月が理想だった!」と子供の頃はそう思っていた。


しかし、今年の帰省では自分の心境の変化が手に取るように感じられた。

この年になっても両親の両親がすべて健在だということがなんとありがたいことなのか。

その意味をようやく理解できるような年頃になったのだ(遅い?)。

大人になった私は、正月くらいパンが食べられなくてもダダはこねない(笑)。

今年の帰省は、父母両方の実家に行くことにした。


 

 

数年前に帯広の駅舎も様変わりした。イルミネーションがいつのまに…。

ステーションデパート時代が懐かしい



母方の実家の帯広に着いたのは28日。

空港から一度家に行き、祖父母に顔を見せてから帯広の町へ繰り出す。


帯広の町は昔からわりと拓けていて、暇つぶしがしやすい町である。

暇つぶしどころか、すばらしいグルメの町である。


おやつを食べるなら六花亭。

焼き肉は平和園。

カレーはインデアン。

スイートポテトを買うならクランベリー。

ほかにもいろいろおいしいものがあふれている町。


小さい頃から行くところはだいたい決まっていた。

これらはいずれも昔からある店で、生まれた頃からずっと変わらず食べている。

東京や札幌からみると、驚くほど値段が安い。

そして、うまい。

祖父母は私たちが帰ってくるたびに、必ずこれらの店に連れて行ってくれた。

食べ歩きや新規開拓が大好きな私でも、帯広に来たら必ず行くのがこの4店だ。



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〜おやつを食べるなら六花亭


 


六花亭本店。2階が喫茶室。1階は販売。

バターサンドやストロベリーチョコだけだと思ったら大間違い。

洋菓子和菓子の一大お菓子メーカーである。生ケーキは100円台で種類も豊富!

柳月もいいけれど、私は六花亭派


  


六花亭店内。店から眺める風景は大きくは変わらない。藤丸デパートが見える。

六花亭は社員教育がしっかりしている。お誕生日にはケーキと歌のプレゼント付き。

スタッフがテーブルを囲み「ハッピバースデートゥーユー♪」と合唱。

私もかつてよくお世話になった。けっこう恥ずかしい(笑)


  


メニュー。お持ち帰りできるようなケーキはあえてここではいただかない。

私はピザを決まって頼んでいた。あるいはホットケーキ。

大人になったらあんみつも好きになった。

ミルフィーユやショートケーキに敷かれたイチゴソースも美味!

そして私の大好物のホットプティング。

栗の蒸しケーキにアングレーズソースを染みこませてほくほくでいただく。



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〜焼き肉なら平和園


  
 


ここは帯広人なら誰もが知っている焼肉店。市内にいくつか店舗があるが美味しいのはここ札内店。

ひたすら安い! 定食にプラスお肉を追加して、ビビンバを追加してグビグビ飲んで…も

一人2000円行かない。食べるだけなら1000円あれば十分すぎる。ただしすごい煙。

たとえばカルビでもジンギスカンでも並、上、特上など階級があるが(せいぜい100円程度しか違わない)、

特上より上の方が美味しかったりする。おすすめはサガリ、牛ロース、ジンギスカン。



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〜カレーならインデアン


写真は今回撮れなかったが、必ず食べるのがここのカレー。

祖父母の家について荷物を置いたらインデアンに行こうかな、と思っていたが、

しっかりテイクアウトで買ってきてくれていた。

帯広にたくさん店舗があるが、帯広から「外」に出ていかないのが好きなのだ。

うちの母や叔父たちも、みな学生の頃からここのカレーを食べて青春時代を過ごしたという。

かくいう私もここのカレーを食べて育った、超庶民的なお味。

本当に普通の「早く安く…」なスタンドカレーなのになぜにこんなに旨いんだろう。

じっくり煮込んで煮込んで、奥の深〜いコクが生まれている。

絶対ほかの安かろう不味かろうな本州のカレーチェーン店では再現できない深みのある味なのである。


メニューが違えば、ルゥの味もしっかり変えられているのがエライ。

インデアンカレー(辛いがマイルドなビーフカレー)が380円、野菜が400円。

チキンやエビカレー(甘くてまろやか、絶品!)が550円程度。

うちのじいちゃんはカツカレー600円を絶賛している。

(しかしうちのじいちゃんは「インデアンカレーは馬肉」と思いこんでいる(笑))

我が家は、お鍋をお店に持っていき、ルゥだけを買ってくることが多い。

(なんかそういう家庭が帯広中にあふれているとか(笑))。

かくいう私も東京までタッパーに詰めて持ち帰ったことが過去に2回ある。

帯広にはほかにもうまいカレー屋があるらしいが、別にいいや、知らなくても、という気になる。



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〜スイートポテトならクランベリー


 


これも帯広名物。

この手のサツマイモの形状を活かしたスイートポテトは近年増えているが、

私は全部ここのパクリだろ? と思いこんでいる。なぜなら、私が本当にちびっこの時からの大好物だから。

当時は「アンデルセン」という名前の洋菓子だった。ケーキもある洋菓子屋だが他は平凡(笑)。


 


巨大なサツマイモの中身をくりぬき、香りが高いカスタードクリームと

サツマイモの風味を自然に活かしたスイートポテトをたっぷり埋め込んで焼いたものである。

100g180円。写真のサイズくらいなら800円程度というあたり。

これは絶対に温めて食べるべし。クリームやバターの「旨み」成分が溶け出たかのようになり

洋酒のくらくらするほどの芳香と混ざり合って絶品!! 一本まる食べ必須だ。


最近は催事への出店もやっている。

前に西武池袋でみたときには感激した(いや、ちょっと残念な気持ちにもなったが…)。

「ちょっと奥さん!! これ買わなきゃ馬鹿よ!!」とメガホンで呼びかけたくなる気持ちだった。


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今回は2泊3日の帯広ステイ。

叔父一家もそろって大にぎわいである。それでも個人行動してしまう私だった。


1日目は、インデアンカレーを食べてから街へ外出。


街をふらつきながら、ますやのパンに立ち寄り。

創業は昭和28年、帯広の老舗パン屋であり、十勝の顔でもある。

十勝産の小麦、小豆、乳製品を使ったパンたちは、むかしながらの菓子パンが中心。

私も小さい頃から食べさせられていた。

まぁ正直な話、ごく普通に「パン」であるが(笑)

そういうのは抜きで愛しさはある(笑)。


  


安い、大きい、柔らかい、そして甘い(笑)。

これが北海道のパン屋の特徴である(札幌でもそうだ)。

昔懐かしいデカいトレーにパンを乗せるのときには、

きっと「北海道らしいパン屋さん」を実感できるだろう。


  


左は普通の「あんパン」80円。右は「ミニサイズのあんパン」60円。

さて、下のパンは普通サイズか、ミニサイズか?





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2日目のお昼には、街へ出て、帯広名物の豚丼を食べに行く。


帯広の豚丼で有名なのは駅前の「ぱんちょう」である。過去に2回来店したことがあるが、

うちのじいちゃんとかは「あそこは観光客が行くところだ。昔の方がよかった」とけなす。

確かに以前行ったときは、出張で来たらしきサラリーマンが多く見られた覚えがある。

甘いたれと、香ばしく焼かれた厚めの豚自体は美味しい。しかしやはりお値段は高めである。

「ぱんちょう」と並んで有名なのは「新橋」という店だが、ここは真っ黒な濃い口のたれが個性的らしい。


  


私が今回行ったのは藤丸の近くにある「たんきち」という大衆食堂。

ごらんの通りの佇まい。ぎしぎしと鳴る階段をのぼり2階へ。昔ながらの店だ。

ラーメン、各種定食、丼もの、その中に豚丼650円が。みそ汁150円は別。

ここの豚丼は、豚肉がすごく薄い。「ぱんちょう」の厚さを思うと、焼き肉丼という感じだ。

しかし、しっかり炒められたせいで豚肉は脂が意外に軽く、たれの甘さもバランスがいい。

なによりテーブルコショーがかかっているのが特徴的だった。これはありそうでない経験。

たまたま私が食べたことがなかっただけだが、一般家庭の豚丼にはコショーというのはつきものらしい。


 

 

帯広は豚丼、とはいうけれど、一般家庭で食べるものであって外で食べるものではない、とも聞く。

それだけに帯広に訪れる人の旅情をそそるのかもしれない。



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1日目の夜に焼き肉へ行ったのだが、2日目の夜は回転寿司だ。満腹満腹。

腹ごなしに叔父が子供たちを連れて「ビリヤードに行こう」と言い出した。

日々仕事で忙しい叔父は、実家に帰れるこの正月だけがゆっくりできるとき。

それでも子供サービスするなんてえらいなぁ…と思いきや、

本人がすごくやりたくてたまらないだけの話だった。

「父ちゃんのかっこいいところをみせてやるぞー」といばっている。

昔から変わらんなぁ、この人も…。




モデル…スパルタ父ちゃんとその子供たち

サマになっている気もするが父ちゃんダメ出し



ビリヤードなんて私も学生以来だ。なんとなくノスタルジックな気分になる。

子供1は筋がよくてなかなか様になってなっている。

しかし子供2は初めてだから叔父に

「おまえはそっちでフォームの練習をしろ」と空の台で練習をさせられていた。


子供1「父ちゃーん、10回終わったよぉ」

叔父「まだ持つ手が変だぞ。あと10回!」

おいおい、まだ低学年のチビちゃんなのに…(笑)。




途中で飽きてきた私はこちらの方が気になってしまった。

そう、ボーリング場へ行けばかならずあるジュークボックス。

最近の曲はちんぷんかんぷんだが…。

うわあぁぁ、私の青春時代の歌がある!! 

速攻100円を投入。懐かしい映像が流れる。

私はこの人たちのファンクラブに入っていた過去を持つんだなぁ…。

映画も見に行ったなぁ…。受験そっちのけでコンサートも行ったなぁ…。

感極まりながらジュークボックスを眺めている私だった。




今度は卓球台へ(笑)。

今度は子供1が大活躍。子供2は力任せに打つので球拾いする側は大変。

父ちゃんに怒られる。「そういうやつは退場!」と。

しかしスパルタ父ちゃん、「父ちゃんは昔なぁ〜」と言う割には口ほどにもなかった(笑)。


そんなこんなの帯広ステイ。

さて、明日はもう一つの田舎、日本海の小さな漁村へ!!


後編へ続く