86-2.07年七夕、織姫たちの沖縄パンドライブ 〜後編〜


1日目、2日目はこちらから*




3日目*



沖縄といえば

筆頭にあがる観光スポットが北の方にある。

そう、沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館である。

いろんな人に「絶対いった方がいいよー楽しいよー」と

言われていたのでその気になってしまい、

昨晩、ファミマで前売り券を買ってしまった。

結構北部にあるので、那覇からだと、車で最短2時間。

寄り道しながらいくといったいどれくらいに到着するものやら?!


パン屋さんは昨日たくさんいったので、今日は沖縄の味をむさぼりたい。

行きたい沖縄そばの店が首里城付近にある。

水族館付近にも行ってみたい沖縄そばの店がある。

あとは、タコライスの発祥の店が東海岸の金武町にある。

もちろん、今帰仁の世界遺産にも行きたい


さあ、上記のどれだけを回り切ることができるか?!

ていうか、こんなん欲張って事故なく運転できるのだろーか、私?!





沖縄パン屋さん(6) Tida





最初に朝食に選んだのは、那覇の北隣、浦添市にあるTidaというパン屋さん。

ここは沖縄を南北に走る国道58号線からちょっと入ったところにあるため、

那覇から北上する際には立ち寄りやすい場所にあり、

しかも早朝から店がオープンしているので「朝食」には使いやすい。

(正直、パンめぐり…としてはお薦めしにくいのだが、あくまで朝食どころ、として。

沖縄で朝からやっている店は貴重である…)





トマトと卵のスープ+ガーリックトーストのセット。

連れはサンドイッチセット(卵サラダがなんだか汁ダクだった…汗)

周りをみると、家族連れもちらほらと。

これから家族で行楽なのかしら?


空腹を埋め、さらなる北上!





沖縄パン屋さん(7) パリのパン屋さん ボンジュール





次に目指すパン屋さんは、恩納海岸にある、恩納の道の駅の中にあるんだそう。

ちょうど海岸沿いだし、海を眺めながらパン屋さんに寄ってみよう〜

そんな軽い気持ちだった。


どこまでも青い海、青い空に歓声をあげながら、海ありき、で車は進む。

…といいつつ、私はドライバー、瞬間的にしか目をやれない。つらいぜ、チラリズム!!)

実はそのパン屋さんにそんなに期待をしていたわけではなかった。





だって…。

お土産屋が並ぶ道の駅、物産館のような場所の二階にあるパン屋さんなんだもん、

こんな感じの看板は、パン好き的にはちょっと萎えるものがあるじゃないか?

(ひどいこと言ってるなー(笑))


…ところが…

この予想は大いに裏切られることになるとは思いもしなかったのだ。





オープン直後だったので、まだパンが揃い切っていない状態。

ハード系はお昼過ぎになるとのことで、

デニッシュ系、ガトー類が中心に焼き上がっているのだが


うわ、なんかクロワッサン、めっちゃ美味しそう

他のデニッシュたちも、これまで見て来た沖縄パン屋さんの中でも

群を抜いて美味しそうな印象


でも、値段がついてないよ。

いくらくらいなんだろう?



ようやく値段プレートをつけてもらったところ、

あまりのその安さに驚愕!!

うそぉ! うそでしょ!?

このクロワッサンが、東京でなら160円はつきそうなこのクロワッサンが…



60円?!


しかも、ここに並ぶほとんどのデニッシュたちがなんと



オール100円?!


ありえない!!!!





私たちがわたわたしている間にも

次々へと陳列されてくるパンたち。すべてがデニッシュ類だったのだが、

なんだか手が込んでいるものばかりなのである。

そして、プレートが付けられてやはり私たちは叫ぶ。

「ほんとにこれが100円ーーー?!」


もう、ナオキもびっくりである(爆)。





小ぶりだけど、きゅっとしまったクロワッサン。

焦げ付いた色は、そのまま味にも投影されて

すっごく香ばしくてめちゃくちゃ美味しい…!!!

おっどろいた…!

ここのクロワッサン、まじ旨い。

バターの香りがあえて控えめで、バタくさくなく、

脂に頼り切っていない風味がいい!

これが60円って…


東京では「絶対に」ありえない!!!





南瓜と小豆のデニッシュも、パイナップルのデニッシュも、

ものすごくいい。なにより、手がちゃんと込んでいるのである。

確かに生地は同じデニッシュ生地を使っているものの、

具の質感がいいし、きちんと仕事をしている。

パインは表面を焦がして、カラメルっぽい甘苦い香りがして美味ーー!


これが100円だなんて…

シンジラレナーイ、ココはドコ−?



私たちはこの嬉しすぎるどんでん返しに興奮して、

再度お店の中に入り、パンを追加購入した。

よっぽど気に入らないと、店に戻って買い足すなんてことしないのに


追加で購入したアップルパイも、やっぱり100円。

贅沢に入ったリンゴの甘煮だけにとどまらず、

表面にはシリアルのようなクランブルが。

連れの買った食パンはみずみずしく、まるでブリオッシュのように甘くて、

とてもじゃないがもったいなくてトーストなんてできない…!!

(ちょっと謎だったのは、デニッシュ系をすべて「ブリオッシュ生地」と書かれていたこと。

むしろこの食パンがブリオッシュ生地だったと言っても間違いないような…)


日本中パン屋さんをめぐっている私ですが

もしかしたら、コストパフォーマンスは断然1位かもしれないこのお店。

クロワッサンは追加で3個も買ってしまった。

ああ、沖縄パンって凄いよ!






車は恩納海岸の名所、万座毛へ。

ここは、10年以上前に沖縄に来た時にも

来たことがあったのだが、そのときは2月の天気の荒れた日で、

荒れ狂う断崖絶壁の姿は、…沖縄ではなく…


「これじゃ日本海と変わらん!」(笑)。





でも、これが本当の万座毛の姿なのね!!


コバルトブルーとエメラルドグリーンの2色だけの海!

どこまでも青い空!

自然の力が削り取った岩肌!!

うわーー、、、来てよかった、、、





泳がなくても、眺めるだけで十分満足な私たち。

よく、ハワイとかいって何日もぼーっとしているという話を聞くと、

「私には無理だな」なんて思うけど、こういう海を見せつけられるとわかるわ。






さらに車は北上(途中、はやり眠くて道の駅の駐車場で仮眠…)

ようやく突入するは、本部半島! 水族館は目前!

しかし、その前に腹ごしらえ。

そう、沖縄すばを食べるのである!!





事前にリサーチしていた「山原そば」は、

84号線の、ほんの道すがらにあった。

あまりに唐突にあるため素通りしてしまいかねない。

派手な看板や道標が出ているわけではなく、唐突に民家が…。

ただ、その前に人がずらっと行列しているからすぐにわかる。





駐車場には10台くらいびっしり詰められ、

店内に入るにも30分くらいは並んだ。

しかし、なんとも言えぬ味のある小民家の軒先で

縁の下に腰掛けながら待つのは、苦ではなかった。

夏休み、田舎の祖父母の家ですごす子供時代

そんな記憶の断片を、だれもが拾い上げるひとときなのではないだろうか。





店内も、タイムスリップしたかのような。

なんだか、そばを食べる前からもうお腹一杯になってしまうほど

満足してしまっている、この空間に!





連れは普通のサイズ、私は小サイズのソーキそば!

私のは麺が半分とのことだけど、…どこが?(笑)これで十分すぎるでしょう!

肉は1枚少ない4枚。豚肉の脂が苦手な私にはちょうどいい量(むしろ多い)。


かつおの出汁の、適度な濃さの出し汁が美味しい…!!

そして、醤油で甘辛く煮込まれたソーキは、

肉はちょっと固めだけど、決して出し殻になってはおらず、旨味を十分に貯えたまま。

出汁と肉、そしてそばが三位一体となっている

これまでソーキそばは食べたことがあったけれど、

間違いなく、こんなに美味しいものは食べたことがない!


大大大満足で店を出た。

はぁ〜。なんか満たされ過ぎてるね、この旅は!



水族館が目前なのに、

私は魔がさしてもう一軒、エントリーしていた店に寄ろうと提案する。

そばを食べたばかりなのに、

石窯ピザを食べようという目論み









山原そばから車で2〜3分、山道をくだったところにある、

自然系カフェのお店。


緑の中に囲まれたログハウスは、

ハイセンスすぎないところが親しみやすいと言えようか。

kuunelのイメージじゃ無くて私の家づくり的なイメージ(なんのこっちゃ)



こちらは石窯ピザが売りらしい。

沖縄に来てまでピザ…どこまで粉好き…(笑)。

ものすごく暑くてぶわぶわ汗が出てくるが、

逆にこの暑さが爽快だったりする。


はっ!

や、やっぱり時間がないかも。

優雅にピザなんて食べてる時間はない、

那覇に19時までに返車することを考えると、

16時には水族館を出たい。

てことは…このままだと、滞在時間は30分しかないじゃん!?

今頃計算した私がバカでしたーー!




出て来た石窯のゴーヤピザ。

胡椒がワイルドに利いて、なんだかすっごく旨い。

そばを食べて来たばかりだし、全部は無理かなーと思ったのだが

思いのほかそれそれーっと食べ切れてしまった。

美味しいものはいくらでも食べられるんだね


いや、それ以上に「時間ない!」という焦りが手伝わせたのではないか…。






連れがどうしても見たかったと言う世界遺産の「今帰仁城跡」。

私もすっごく見たかった。

しかし…水族館と今帰仁をハシゴするのはもう時間的に無謀。

二人とも、水族館は行かなくてもいいよ、という気になりつつあったのに

…前売り券、買わなきゃよかったーー!(笑)



水族館に着いたのは3時半ごろ。

入場券が1800円もする水族館を、滞在時間30分とは…(笑)。

4時に出口で集合ね! と、二人は解散した。

まるでバーゲンセールに買い物に来た時のように…(笑)。

駆け足でガガガッと水槽をハシゴするのだった。





水族館は久々だけど、やっぱ面白い〜。





なんてかわいこちゃん!

なんてブサイクちゃん!

海の住人達は、陸のそれよりも表情が豊かで面白いな〜。





実にもったいないが

イルカのオキちゃんショーも見る時間なく、退散…。

ああ、オキちゃん…。





限られた時間のなかでも、お土産ショップだけは10分確保。

どのぬいぐるみもかわいすぎて悶えていた私(笑)、

いい大人が……。

あーあ、買っちゃったよ、自分用(笑)。




水族館を出てから、あとはひたすら那覇を目指して南下するのみ。

ほんとは寄りたくてたまらなかった金武町(タコライス)も、

連れがこだわっていた今帰仁の遺跡も、

首里城の沖縄そば屋も…心残りを山ほど抱えながら…


途中、カーナビの設定を間違えて、

思いきり手前の沖縄市で高速を降りてしまった。

さらなる渋滞に巻き込まれ、那覇到着は19時過ぎ!

わーん、レンタカー屋さん、ごめんなさーい。

待っててくれてありがとう!






お土産を全然見ていなかったので、

国際通りでおみやげを見繕いながら、今夜の食事をどこにするか悩んでいた。


そんなとき、ビール仲間から聞いていた

「沖縄に行ったらヘリオスビール!」という言葉。


ヘリオスビール? どこでそれは飲めるのだろう?

オリオン天下の沖縄で、そんなビールを飲める店があるのだろうか?

酒屋さんに入って、「ヘリオスビール」について尋ねてみると、

どうやら、地酒の会社らしく、ヘリオスビールの直営ビアホールが

すぐ近くにあるらしい!! すごい!!


(ちなみに、ヘリオスビールからでている「ゴーヤビール」は空港で買える。

これもビアホールでも自宅でも飲んだが、すごく美味しいのだ! ゴーヤとビールの苦味は

ほんとにシンクロしていて、野菜臭さは全然ない、むしろフツーに美味しいビールなのだ)





ここだここだ〜。





ここでも無理矢理沖縄にこだわって、

もずくを敷いた、海ブドウをトッピングしたサラダと、

島らっきょうの入ったソーセージを。


ヴァイツェンタイプのビールが、めっちゃくちゃ旨い!!!

フルーティかつ、濃厚なアロマが口の中で停留していく。

最近、ヴァイスビアに凝っている私だが、

すごく高くて、1パイント(500mlくらい)で1300円くらいしてしまうのに、

ここのヘリオスビールのヴァイツェンは、1パイントで750円程度!

しかも、ヴァイスビアよりも旨いのだ!

これはすごーーい! これ、東京でも飲みたいよーー!


沖縄最後の夜に、すごくいいビールとの出会い。

しこたま飲みまくって、またまた泥酔状態(笑)。

少し落ち着いた頃に、またまた風呂屋へ。

泥酔のお客さまはお断りですのに?!





なんかこれで宿に帰るのももったいない、沖縄の夜

お風呂屋の側(三越の裏)にたまたま見つけた、

実に渋すぎるパーラー的沖縄食堂。

どう見ても喫茶店なんだけどな

こういう渋すぎる店がなんと多いことか。





金時豆がごろごろ入った氷ぜんざいをすすりながら、

沖縄の最後の夜を惜しんでいた。



そういえば沖縄のパン屋さんは意外にもハイセンスな店が多かったように思う。

たぶん、本土から移住して来た文化的な人たちが多いせいも手伝ってるのかな、

なごみ系のカフェが多いことを考えても


それと同時に、やはり私たちを惹き付けるのは、

渋すぎる食堂、むぅっとした熱気のアジア臭。

やっぱり私は両極端なものが好きなのかも知れない。


いかにも沖縄らしいもの。

沖縄とは到底思えないもの。

どちらもそれが沖縄。


濃厚だった3日間を振り返ると

なんと心残りが多かったことか!

やり残したことが多いことか!

こんなに時間が足りないと思った旅は無かった気がする。


今度来る時は水着を持って行こうかな


って、たぶん着るヒマがないほどに

味めぐりに忙しいだろうけど(笑)

2007.7.6〜9