42.Nicolas会でフードバトル疑似体験




2周年を迎えた我らがNicolas。

去年みたいになんかやりたいなーお祝いやりたいなーと思っていたら

自分からまさか企画しちゃうとは。お見それしましたスギヤマ氏!


「取手のとあるカフェを貸し切って、

Nicolasのパンに合う料理を堪能して頂きたく思います」


「ニコラ会」が告知されたものだからさぁ大変!

パン好きの間ではこの話題で持ち切り。

10名の枠に応募者殺到、誰もが神頼みをして発表を待ったことだろう。

ところが全員参加できるように何回かに分けて開催することになったのだ。

もーーー太っ腹! 太い腹!! あんたはエライ!!!




6月12日。

第一回ニコラ会の開催は17時。

夕方まで待っていられないので、水海道に寄り道してしまった(笑)。

店では助っ人も参戦し、いつも以上に忙しそうに働き回っていた。

ニコラ会ではお土産パンもセットに含まれているので、

下手に今買ったらダブるかも

なにがお土産に入るかは聞きたいけれどそれじゃーお楽しみが減っちゃう!

だからお土産に含まれそうもないパンをあーでもないこーでもない、と厳選!


…で、この二つ(笑)。





ニコラ会の参加条件は2つだけ。

「パンが好きなこと」

「その時間にお腹を空かせることができること」


前者はたぶんクリアしてるけど(笑)

後者を満たすには…今、目の前のメロンパンとベーグルを

食べるべきか否か……

あぁ、葛藤!


とかいいながら、その葛藤タイムはものの5秒(笑)。

ほんのちょぴっとつまみ食い。あ、ほんとにちょぴっとだよーぅ。






水海道からまた取手方面まで戻り、会場のカフェを目指す。

駅からそんなに遠くないはずなのに、一本道路を曲がると、辺りが田園風景に早変わり!





さらに別世界に通じてしまいそうな緑のトンネルを

くぐり抜けるとそこには黄色い一軒家があった。





こちらはスギヤマ氏のゆかりある方が自宅を改装して開いたカフェ。

まだ新築の匂いがする、まさにおうちカフェ。

「おじゃましまぁす」とついつい言ってしまう。





庭からは緑がいっぱい!

ホーホケキョ。

うぐいすの声だけBGM、ここが今日のニコラ会の会場!


<ふりかえり>

「花」を愛でるのはここまで。

あとはひたすら「団子」のみ!(笑)





イスは10人分。今か今かとゲストたちを待っている。

スタートは17時。

ぞろぞろと集まり出す今日の幸運なゲストたち。

みんな生粋のNicolasファン!

(恐ろしいことに、9割顔なじみ(笑)パン好きは世界が狭すぎ)


照れながらのスギヤマ氏がまずは御挨拶。

カフェオーナーの奥様の一言も頂戴し、さぁ、宴は始まった…!


<ふりかえり>

ちなみにメニュー名は勝手に作って書いてます(笑)。間違ってたらすんません。

いったいどこまでが前菜でどこからが主菜か、全く適当ですから(笑)

あ、でもパンなら合ってる自信があるよ?(笑)






アペリティフ:自家製梅酒のスパークリングワイン割




自家製の梅酒でまずは乾杯!

乾杯直前にスパークリングワインを注ぐ。

ほいじゃ、かんぱーい!!

ね、ね、もう食べていい?(笑)






アミューズ(?):冷製オードブル「肉盛り」





みんなで取り分けるのかと思いきや、ひとり一皿。

ひぇ〜! この量を一人で?! こりゃー「肉祭り」じゃないか!(笑)

アミューズ…といいながら、どこがっ!(笑)


照焼き風なスモークチキン(?)と、脂がのったペッパーシンケンと、赤身の甘いハム。

中央にはカリフラワーのピクルスが。

どれもすごーーく美味しいんですけどっ!

肉! 肉! 肉ーー!!




この「肉盛り」に合わせて登場したのはバゲットニコラ!





取りあえずシンケンを載せてみるか!

ほんのちょっとバターも塗って。

(このバターもきゅうぅぅんと美味しい〜バターは最後まで大活躍だった!)

超〜美味しいんですけどぉぉ。

甘い肉にくどくない脂にペッパーがピリリ…ほんっとに。





3種も肉が来たなら、一気に載せちゃうか!

1枚ずつでも美味しかったけど、きっとこれなら美味しさ三乗?!

バゲットニコラに3種肉盛り!!





さらに2枚で挟んでサンドイッチ! それ、一気に口に放り込め〜!

……プルプルプル……うまーーい!!

もいっちょやっちゃおうかなー♪ それーっ。


<ふりかえり>

この時点では後先のことは考えておりませんでしたな






前菜(?)その1:幻のピタパンと自家栽培レタスのサラダ


せっせと「肉盛り」を食べているところに、じゃじゃんっとピタパン登場!

このピタパン、Nicolasでは非売品。

こちらのカフェにのみ卸しているのだ。

しかも、破れやすい全粒粉のピタはやめて、

今後は白いふっくらピタパンに替えちゃうんだって。

うわーーん、店で復活させてーー…と思いつつも、心うらはら。

こういう一期一会的なのもまたいいかな、と(笑)。





まだ「肉盛り」が皿に残っていたのでてっきりこれに挟むものと思いきや、

「サラダを挟んで頂きますのでちょっとお待ちください」と。

うわぁ、蛇の生殺しだよ、それ。

鳴くまで待とう、ホトトギス?!

いやーん、早くぅ〜!!





やっぱり待てませーん。

こっそりとパクっ!!

うはっ。ウマっ!





鳴かぬなら鳴かせてみよう、ホトトギス!

肉盛りを挟んでパクリ! ぎゃおう、これ、超ーーー旨いんすけどぉ!!

醤油の味が染みた濃い口のスモークチキンは、絶対この素朴なピタには合うよねー。


パンは、そのまんま食べるのが好きな私。

料理は、パンに挟んで食べるのが好きな私。

…結局、パンばっかり食べるんじゃん(笑)。

まだまだ宴は始まったばかりなのに…飛ばしてるのが自分でも良く分かる。





きたーーっ、サラダ!

イタリアンパセリとパルメザンチーズと一緒に、

ドレッシングに和えられて(あえて)しんなりさせたレタスは、

なんとスギヤマ氏んとこの自家製レタス!! そうきたか…!(笑)!




ようやく、本来挟まれるべきピタサンドの具の登場につき

ずさずさ挟み込む! もちろん、肉もねー(笑)。


<ふりかえり>

このとき、ようやく肉食べ切った。

…この時点ですでに配分を誤ってましたな(笑)






前菜(?)その2:シリアル衣のクリスピーチキンとグロフリュイ





Nicolasって言ったらフリュイ。フリュイを食べずにNicolasは語れない、

そんな「ようこそ、Nicolasの世界へ」的、パスポートパン(なんのこっちゃ)。

画像汚くて申し訳ないが、通常は流木のようなスティック状だが

右のグロ・フリュイは普通の3倍くらいの太さ。

それをスライスすると、また別の味わいのパンに変身!





それにあわせるのは、クリスピーチキン!

てっきり主菜かと思ったら、どうやらこれはほんのまだ前菜だったみたい(笑)。

このクリスピーチキンは、なんとシリアルを衣にしたササミ!

レーズンもバナナチップも張り付いていて、香ばしさと同時に甘い! 違和感のない甘さ!

しっかり胡椒も効いているからピタにサンドしても抜群に旨い。


<ふりかえり>

1本ずつ取ったものの、一人2本ずつでもまだ余るチキン。

必死に食べていたものの、最後はやはり一人1本ずつ持ち帰ることになったのだけど、

ピタパンにレタスとチキン2本とバターを詰め込んで持ち帰り、翌日の弁当にした。

これがめちゃくちゃ味が馴染んで絶品すぎた! すごーーく美味しかった!!

あーー、この時必死に食べないで、ピタにこっそり挟んで持ち帰っていたならば(笑)。





フリュイに載せて

これね、ほんと贅沢。

普段、もったいなくてこんな食べ方できないっしょ(笑)。

でもでも、目の前にはまだまだフリュイもパンも、山ほどあるんだもーーん。


<ふりかえり>

あぁっ。ばかっ! 抑えろバカmi_wa!

まだこれは折り返し地点だっツーの!(笑)






箸休め(?):新じゃがのふかしイモとロデヴ


「まだまだ行けますよね?」

ニヤニヤしながらスギヤマ氏。

次はなに?!





ぎゃーーー!! イモ!!!

新じゃがが採れましたーという、ころんころんしたかわいいイモ!!

…イモかぁぁ…こりゃー、満腹寸前の胃袋にとっては強敵が来ましたねぇ(笑)。

これにバターを塗って、即席じゃがバター(笑)。甘い、甘いっすー。

(でも苦しいっ)


<ふりかえり>

北海道で大人気のキタアカリ。まるでさつま芋のように黄色くて甘いこのおイモ、

私が北海道に住んでいたころはまだ市場に出回ってなかった品種で(たぶん)、

つい数年前、帰省のときに「今これがブレイクしている」と奨められた。

パンが主食になった現在、じゃがいもを食べる機会が激減した近年、

貴重なイモ食いチャンスなのだ(……と、言い訳(笑))



そしてこのタイミングでロデヴ登場!

ロデヴは、Nicolasの中でも特に粉の香りの強い逸品なのだけど、

あぁぁぁ、後が恐いのに、ついつい、

このロデヴを求めてしまう…。ほんっと、まじ旨い。





<ふりかえり>

…ていうか、あとどれくらい出てくるの?(笑)

駆け引き抜きの真剣勝負はついに後半戦に突入(笑)。






魚料理:魚介とアスパラのスープ煮、パン・ペイザン





よーやく、よーやく、メインディッシュらしきものが登場…!

魚介をコンソメで煮込んだものでほんのりバター風味(のような気がした)。

チキンにジャガイモ、そして続いて来たのは優しいスープ煮。

味に変化球があって、美味しいよぉ〜。これならお腹一杯でも食べられる。





「スープに浸して食べてください〜」

げ!!

また来たよーーーパンが!(笑)

まさに、一皿でてくるたびにパンが!!





しかしペイザンもウマイから、ほんとに困ります★


<ふりかえり>

でもさすがにこの時点でパンを食べるのは難しく

ほんのひとちぎりのみのスープ浸しパン…残念〜。





何人かペースがダウンしてしまったメンバーもいるのだけど

結構みんな、強胃のねー。

じゃなくて、強いのねー。

一応コース仕立てなので、次が来るまでにはちゃんと食べ切った私たち。

えぇ! ちゃんと順序は守りましたとも! 誉めて頂戴!(笑)


このころから、シェフは一応聞くことは聞いて来た(笑)。

「次も…ありますけど…どうします?」


なーに言っんのー出て来たら食べますともぉぉ

あー、泣くほど嬉しーやぁぁぁ…(笑)。


<ふりかえり>

私はこの時点でズボンのホックをはずしていたという……実は(笑)。






肉料理:牛テールのシチューとカンパーニュニコラ





「次はスープが主役です。肉じゃなくてあくまでスープです」

出て来たのは牛テールのシチュー!

かー!! 最後にどーんとメインにふさわしいのが出て来たねぇ〜。





ずもぉぉぉ〜ん!!!

けっして根っ転がったウナギでも、

ピラミッドのミイラでもございませぬ!

そう、カンパーニュニコラの特大版!!!

絶対に出ると思ってたものが最後の最後に…!





コラーゲンたっぷりのぷるんぷるんくにゅくにゅな牛テール!

やわらか〜い甘〜いにんじん!


それ以上に、このスープはほんっとに絶品だった…!!

たしかに主役がスープ、というのは本当だ。

牛テールも、野菜も、このスープを美味し〜くするために

じっくりじっくりと愛情込めて煮込まれたんだろうね〜!


シチューにカンパをつけてパク!!!

強い酸味とコクの塊のカンパに、シチューの動物性脂肪が染みて…!

あぁ…ほんっとはち切れそう、苦しいけど、けど、ほんっとに美味しい〜!

これは正直、別腹だったよ〜!!


<ふりかえり>

ズボンのホックだけでは抑えきれず、ファスナーも半分までおりていた(笑)。






パスタ:冷製トマトのカッペリーニ




そうそうそうそう、シチューが最後じゃなかったのよ、そーなのよ!

シーフードの時点で「パスタまでありますから〜」って聞いていたのよ!

もう、こんなに食べたの、初めてかも知れない?!

フードバトルを彷佛させるほどのこの「美味との戦い」。

私も女です! パン好きです! 受けて立つわよぉぉぉ!!!


このパスタ、ありえないほどこんもりと一人前!!

普通、スプーン3口分くらいが相場でしょー?

こういう場合はぁぁ!!(笑)


でもでも、おいしかったんだよなぁ! ちくしょー。

麺が甘くて、余計な油っけがなくて

つるつるつるっと口に滑り込んでくるんだもん!


…しっかり完食させていただきました…






デザート:ホワイトチョコクリームのココアサンド


もうお腹には何も入りそうもない。

全身の力を振り絞ってパスタを食べた私たち。

これ以上おろすファスナーもない(笑)。

ただただ、イスの背もたれにお腹をうえにしてもたれ掛かるだけだ。


厨房の奥で何か声がする。

「みなさんまだデザート入るかなぁ?」

「だいじょーぶ、ベツバラ、ベツバラ…」


おいおいおいおいおい!!!

恐ろしいこと言いますねぇ!(笑)





これが、これが正真正銘最後のメニュー!

ココア風味の軽いビスキュイに、ホワイトチョコレートのホイップが挟まれている。

ラズベリーの酸味できゅっと引き締めながらいただくのだ。

私はさすがにこのデザートの味はあまり覚えてない…(すまん!)

でもでも、やっぱりこれもちゃーんと食べ切れてしまえた。

おっしゃる通り、「ベツバラ」だったわね(笑)。




やむなく食べきれなかったスライスパンたちを、

みんなで分け合って持ち帰り用に包んでいたところ…。





シェフからお土産パンセットが配られるのだ…!

もう、料理コースだけでもゆうに会費分は

オーバーしているんじゃないのというほどの内容。

それなのにぃ…!





お土産パンのごく一部、ドライバナナをくるみ込んだベーグル。

はっきりいって。バナナがめちゃくちゃ旨いです。

ドライバナナ、見た目はグロいんだけどね(笑)。





パティスリーNicolasの名物菓子、ウィークエンド。

しゅるしゅるっと口どけする生地には小豆入り!

あまり甘くない小豆が、軽くも濃厚な生地にアクセントを加える。





このカンパーニュニコラは、今が一番最高の美味しさなんじゃないかなー。

私、失敗作も何回かあたってるもの(笑)。

今、ここにあるカンパーニュは、肌理が均一の完璧なまでのフォルム。

嚼み始めのガムのような、粘性と弾力のあるクラム。

一度口に入れて歯をたてれば、もろくも口どけしていく。

強い酸味は、口の中でまろやかなコクにシフトしていつまでもいつまでも…。

このカンパーニュは、フランスパンでもないし、ドイツパンでもない。

たぶん、Nicolasだけの、無国籍パンなんだ。




2周年を迎えたNicolas。

何度も何度も水海道まで通ったり、通販もしたけれど、

やることなすこと、作るもの出すもの、全部がサプライズの連続。

次は何が起こるか全然読めない、わからない。


今年も…めっちゃくちゃ振り回されるんだろうな、と、

「聖戦」を終えたあとのお腹をさすりながらそう思った。

こんなすごいもてなし、こんなにすごい幸せ、こんなにすごい…。

こんなことやっちゃうパン屋だもん、一瞬たりとも目を離す訳にはいかないよ!

ねぇ、みんな!



<ふりかえり>

なお、この全3回のニコラ会は、すべて「違う内容」で行われるという!

今週と、来週と、再来週とでは、出される料理を変えるんだって!

一同感嘆をあげる。「毎週来たいーーー!」と。

こりないねぇ〜。また戦う気?!(笑)