31-2.「2004年食べ納めパン」を巡る旅 〜盛岡→八戸→函館〜


 *前編はこちらから*



2004年の食べ納めパン? その3「盛岡・福田パン」


花巻10:25発→盛岡11:05着


最終的に函館に17時台に着くには八戸14:15発の特急に乗らなくてはならない。

八戸でもちょこっと寄り道したいし、盛岡滞在に許された時間は1時間。

盛岡…と言ったら、なんといっても行きたいパン屋さんがある。

“t”という名前のパン屋さんはパン好きの憧れなのではないだろうか。

しかーし、営業時間のタイミングでこのお店には行くことができない。


1時間しかない。このまま駅前で麺類でもすするか?

3年前の東北北上旅行の時には、ひとりわんこそばやったり、

冷麺食べたり、パンの出る幕はなかったっけなぁ〜。


そうそう、もう一つ盛岡で名前を耳にして気になっていた店があった。

特大のコッペパンに、甘いものやコロッケとかを挟む

昔ながらのパン屋さんがある、という。

駅からも近そうだし、面白そうだ、よしゃ、そこに決まり!

これが私の2004年締めパンになるかもしれない! 今度こそ?!(笑)



前日に降った大雪のせいで道が汚く歩いて行くのには不安があった。

バスを待っていたら時間がどんどんなくなって来た。

うわぁ、大丈夫かなぁ…。間に合うかな?!





実は駅からそれほど遠くないところにその店はあった。

おほ、想像した通りのお店だ〜♪


そうそう、福田パンはいわゆるコンビニ袋パンも作っているメーカーで、

地元の人なら子どもの頃から口にしているパンのようなのだ。

ふと自分に当てはめて考えてみた。

…北海道だったらロバパンとか日糧パンとかかなぁ…。

小さいころから身近だったし、北海道にしかないなんて思わなかったもんなぁ。

…逆に言えば、まさか北欧が東京にもあるなんて思わなかったなぁ(笑)。


だから、地元盛岡の人に言わせれば

「なぜわざわざ食べに来るの?」とおかしな話だろうか。

私の会社の近くの「オフィス街のパン屋」に

わざわざ平日昼間に食べに来る人たちの心理に似ているのかしら(笑)。





妙にだだっ広い店内に、どこか「学食」の風景を思い出す。

壁にはすごい種類の「具」の品書きが書かれているが…(笑)。

これ、地元だったら全種類食べてみたくなるわなー!!





それにしてもすごいクリームやジャム(今風にいうとフィキシング?!(笑))

毒々しいというか…実にチープな彩りで…逆にそこにそそられる私(笑)。

別にせかされているわけではないけれど、急いで決めなきゃと焦る。

私が選んだのは、野菜ミックスサンドにコンビーフをトッピングしたもの。

キャベツやトマト、チーズ、カラシマヨネーズ、オニオンなどが基本ベースで、

そこに実はパンとの相性がいいコンビーフをサンドしてもらった。


それだけではなんか寂しいので(ボリューム的には1個でも持て余すほど!!)

甘いものも行っておきますか!

2種類を半分ずつでも大丈夫ですよ」というおばちゃん。

そこで新製品の黒豆きな粉クリームと…さて残り1種類。


な、なんですって、あんこ+クリームや、あんこ+マーガリンは

それだけで2種類の扱いになるからだめだって? がーん。

大好物のあん生(もしくはあんバター)は食べられなかった。がっくり。


そこで代替は…。一番毒々しい色を発していたブルーベリークリームに決定(笑)。

どピンク、である。最近なら選ばないが、昔なら好きだったタイプのものかも(笑)。





手際よく具をパンに挟み込み、袋に入れてくれてお会計。

まるでぞうりのような大きさ(それこそ子供用の靴のようだ…)。

絶対食べきれないであろう予感、明日家族の誰かに食べてもらうか(笑)。

しかし袋がかわいいよぉぉ〜。だめ、これも超ツボにくる。


野菜サンド+コンビーフは305円、

黒豆きな粉+ブルーベリークリームは126円!!

うーーこれもツボにくるっ、この値段じゃないと!!





お店で食べる時間すら残っていなかったのでそのまま駅まで小走り。

福田パンに行くためだけに下車して再び乗り込む盛岡(笑)。

タッチ&ゴーだな、こりゃ。





乗り込んだ盛岡12:26発→八戸13:04着の新幹線は満席、

自由席の私は通路で立ち食いする羽目に。

め、めちゃくちゃでかいぃぃ!!

ハンバーガーのバンズの3倍はあるんじゃないかというボリューム。

とんかつとかをサンドしたら大の男の人でもヘビーなんじゃないかしら?!





しかし、このぐっちゃり入った具が妙に旨い。

チーズも入っているのだがオニオンとカラシが引き締める感じ?

やっぱりサンドイッチにはカラシマヨネーズ!

コンビーフもマヨにあえられているのでちょっとくどめに感じるけど、

それ以上にでかすぎるコッペパンが見事に中和(笑)。





そして! 甘系のこのサンド。

黒豆きなこはこれがすんごく美味しいのだ。

ブルーベリークリームも、ひとくち食べて

……安!!(でもウマっ)」(笑)

実にチープな味なんだけどこれが旨いんだなぁ〜!!

やばい、これはするする食べられちゃいそう。

なんだか止められなかったのだけど一応半分ずつにとどめておいた。

だって、次下車する八戸でもなにか食べるかも知れないから〜っ!


花巻函館までの乗車券6830円


盛岡八戸間新幹線代2500円=9330円


累計 24540円






八戸で途中下車 郷土の味、せんべい汁





八戸駅は新幹線が最近開通したので新しく近代的な建物になっていた。

中心部である本八戸駅まで行って戻ってくるには1時間ではちょっと無理。

そこで駅前の適当な食堂で食べることにした。

八戸名物、せんべい汁!

名物南部せんべいが入ったけんちん汁、といったところかな。

定食にはせずに(でもビールをつける私…)、単品でオーダーした。

はー、これで八戸に来た証ができた(笑)。


 


八戸14:15発→函館17:31着、特急白鳥。

いよいよ東北を離れ、北海道へ突入だ!!


八戸函館までの特急券2600円

累計 27140円




青函トンネルまでもう少し。

夕暮れの海の風景を眺めながら

満腹のはずのお腹に私は何を流し込もうというの?!

おもむろにさきほどの食べ残した福田パン「甘系」をとりだした。

この「頭脳パン」よりでかいコッペパンを

くせになるこのパンを食べるのを止められなかった。

だって、無性に美味しいのだもん…コッペパンと甘いチープなクリームの相性は!





あぁ、もうこれっぽっちになくなった…。

そして食べ切った(笑)。

このぞうりのようなデカパンを(まさか)食べ切った時、

私の気持ちは不思議とすがすがしかった。

「大きければいいでしょ」的チープな甘いものを

食べ切ってものすごーい自責の念を抱く時のような後味の悪さは、ない。

むしろ食べ切ったことで改めて、一気に食べさせる福田パンパワーに

畏敬の念を抱いたのだった(意味不明)。

この先、たぶんパンを食べるチャンスは無さそうだし、やっぱりこれが2004年締めパン?!






3のふるさと、函館での夜


到着の時にはすっかり暗くなっていた。

到着した時、感じた違和感は、新しすぎて立派な駅のせいだとわかった。

そう、函館駅は何時の間にか生まれ変わり、駅前は少し様変わりしていたのだ。


話が長くなるので端折るが、私は函館に10年近く、年に4〜5日ほど「帰省」していた。

だからここは私にとって第3のふるさと…と言えるのかも知れない。

好きなパン屋さんもある。好きなお店もある。

散々歩き慣れた町ではあるけれど、ホテルに泊まるのは初めてだ。

当然だが、今はここには「うち」がないからだ。





乗り馴れた市電を待つ間、みるみる身体が凍り付く。

め、めっちゃくちゃ寒い〜!!

寒くて寒くてありえないほどだった。

北海道に帰省するたびに思うのだが「よくこんなとこに住んでいたなぁ」と(笑)。





今日泊まるホテルは十字街の方にある。

JALマイラーの私はもちろんJALシティ函館(笑)。

すごいよ、一泊たったの4900円でマイルが300もつくんだから。

こうやって私はちまちま年間5万マイルをためるのだ。


ホテル宿泊代4900円

累計 32040円





私が函館に途中下車するのをこだわったのはこれ!

これが見たかったのだ。

何度もこの景色は見て来たけれど、このHPで残しておきたかったんだぁ…。

今日は雲が多くて、いつもよりクリアではなかったけれど、

雲の切れ間にシャッターチャンスが訪れた。

どんな夜景よりも、この凍り付く函館山からみた夜景以上の美しさを知らない。




函館山から歩いて15分くらいのところにある市営谷地頭温泉。

370円で驚くほど立派な温泉施設だ。

五稜郭の星形をした露天風呂に浸かりながら

すっかり冷えきった手足を温める。

…つくづく思うよ、私はいつからこんなに寒さに弱くなったのかしら(笑)。

そうそう、函館山ロープウェーから谷地頭に行くまでの道のりで

何軒かよさげなパン屋さんを見つけた。

いつか来ることがあれば…来てみようかな!





さすがに福田パンパワーは強すぎて(笑)、

夕食は要らぬかと思われたがやっぱりそれじゃもったいない。

ホテルの近くまで戻り、周辺で食事処を探す。

さすがに30日の夜では店じまいが早いようだ。

そこでホテルのすぐ裏にあった一軒のお寿司屋さんに入った。


 
  


祐鮨さんというお店で、老舗のお寿司屋さんらしい。

私が最後の客だったので残念、ネタは切れているのが多かったのだが

こんな年の瀬の一人女性客というのは珍しかったのかすごくよくしていただいたのだ。

隣のカウンターのお客さんからはアラ汁(激ウマ!!)を恵んで頂き(笑)、

おじいちゃん板さんにはあれこれ出してもらったみたい…。

(だって、支払いがたったの1400円だったんだよ?! ありえないーー!)


美味しかったのは鱈のたち(白子)といくら〜!

単に私が魚卵、臓物ものが好きという話なのだが。

他にはソイ(こんな魚だよ、とお魚図鑑まで見せてくれた板さん♪)

ぶり、タマゴなどいくつか握ってもらってごちそうさまー。






翌朝。12月31日だ。

ホテルでの朝食は止めておいた。

だって、出発(11時)までにまた何か食べるかも知れないから(笑)。


いきなり夕べ思い出したのだが、私が函館に来てまっ先に食べに行くべき店があったじゃないか!と。

それは函館にしかない、超ローカルでありながら超メジャーなファストフード店、

ラッキーピエロ。ここのバーガーが異常に好きだった私。

ラッピのへんてこバーガー(ほんとに変なもんばかり。でも旨い!)を食べるのが毎度楽しみだったー!

夕べは鮨屋に行ってしまったので、結局翌朝にすることにしたのだが

てことは? ここが私の2004年締めパン?!

おぉ…なんか超オチがついていて面白いじゃないか、ネタ的に(笑)。





…しかーし! 残酷なことに、31日は全店休みだってーー?!

あまりにショックで言葉もでない。あぁぁ…やっぱり私の締めパンは福田パンなのね(笑)。

で、結局函館を発つ前に何を食べるか?!





取りあえず函館朝市を回るが、なんか観光客ぼったくり系という感じがして好きじゃなかった。

というわけでコーヒー飲みたいし取りあえず入ったのは

これまた函館と言えば…カレーで有名な五島軒……の喫茶店。





超レトロな(レトロ…というか…前時代的というか…)喫茶店で

おじさまたちがくつろげる空間といいますか(笑)

でも私はこういう喫茶店が意外と好きで

(だってこういう店の方が好みの酸味の強いコーヒーが出てくる確率が高い)

お腹空いていたのでフルーツプリンも一緒に。

これが妙に美味しかったりするんだよね(笑)、くっきりはっきり甘くてさ。

私のケーキの好みは実はオシャレなパティスリーじゃなくて

タカセとか近江屋とかの「洋菓子店」だったりするから(笑)。




で、それでも11時出発まで悪あがきをする私。

「函館に寄った証を〜!!」

こればっかりだな

そこで入ったのは駅前の和光地下にあるラーメン屋さん「ラーメンの超人」。

(前夜、コンビニで「函館うまいラーメン屋」なる本を立ち読み(笑))





恐ろしいほどベタなネーミングの店だが、

化学調味料無使用の店で、その誠実さが味にも反映されている。

この味噌ラーメン、私が子どものころから愛するサッポロラーメンの王道の味!

野菜をじゃんじゃか油で炒めて、その炒め油が味噌に浮いているところが。

それに出汁がとんこつじゃないところが。

ちょいピリ辛で、麺はちょっと延び気味で…というのが私の中のサッポロラーメン像。

かなりそれっぽい感じで嬉しかった。

でもね、なんか食べ終わった後に「…はて。どんな味だったっけ」と

印象に残らない地味な感じ、とも言えるわけで(笑)





いやいや、美味しかったですから。

(どっちやねん)




11時に目的地までの特急が発車する。あと30分。

正月に食べる何かを買わなきゃ…とボーニ(デパート)の地下を物色していて…

まさか買ってしまったのがなんと、パンだった(笑)。





はい、こちらのパンですー。

もうおわかりですね(笑)。

おばさんにも食べられるようにと思って無難なレーズンパンですー。

老人にも食べられるようにと思って、もちもちパンですー。

しかも量り売り、あ、ミニクロワッサンは買いませんでしたっ。

もちろん、ほとんどは私が食べました。美味しいんだもん(笑)





3日かけた「2004年食べ納めパン」を巡る旅。

わりとレトロ系、昔ながら系が多かったのは気のせいだろうか、

辿り着いたのは結局、こちらのパンでした★

ちゃんちゃん。



函館目的の駅までの特急代 2700円(そこからは父が出迎え)

累計 34740円