30.2004年パン好きどもが夢の跡 〜経堂オランでXmasパーティー〜



パン好き垂涎の集まり、パンクラブ

毎年恒例のクリスマスパーティー、今年は経堂のORANGさんを貸し切って

なんとも贅沢な、ハートフルな、そしてマニアックな(?)

楽しい集いになった。その一部始終を御報告。




「受付ガール」をすることになり、早めに会場に到着。

(注:「レディ」ではない。「ガール」である。ここ重要っ!)

久々のオラン、以前来店した時にカフェでいただいた

クロックムッシュやサンドイッチの美味しさと、

開放的なカフェ、そして店頭のパンのディスプレイの豪華さがとても印象的だった。

おほ、変わらずにディスプレイたちがお出迎え♪





続々とパン好きさんたちが会場に集まり、各自の席に着く。

30人の大人数での開催、初めて来る方も多いから公平に席はくじ引きで。

パンに詳しい人がまんべんなく配置するような配慮があったのだが、

それは後で行われるパンクイズ大会のため。


ケーキ買い出し部隊も人数分のケーキを抱えて到着!

今回、粒ぞろいのパティスリー3店で、ケーキたちが調達され、

後で行われるパンクイズの成績順に好きなケーキを選べるらしい。





そのうちの1店に釘付け!!

ぐはっ。近々行ってみようと思っていたパティスリーのケーキがあるじゃないのっ。

ぜーったいにここのケーキをゲットしたるーー

パンクイズ、絶対勝ったるーーと

始まる前から意気込みはハンパじゃなかった私。

2年前のパンクラブクリパの時は初戦敗退(笑))




席には本日のプログラムと、オランの周辺のパン屋さんMAPが

用意されている。こういうマメなレジュメ、いつもながら事務局の方々には感謝〜♪






どん!

これが各グループごとのパン!

本日のパンについてのお話を、お店のお兄さんから直接伺う。





ノア(バゲット生地にミルクとクルミを混ぜこんで。

褐色のクラストは少し多めに入れたモルトの作用なり)

ルヴァン・フリュイ(サルタナ、アプリコット、ひまわり種入りの全粒粉10%)

フュウフコーンブロート(五穀パン。これがのちほどクイズのネタに…)

などなど…すべてのパンについて丁寧な説明がなされる。





お話中にも続々と焼き立てがあがってくる…!

これは焼き立てフィグ。

そう、このお店の名物パン「ブルーフィグ」のブルーチーズ抜きバージョン。

むーーん♪ イチジクの香りが惜しみなく、クルミ生地のコクを舞台に広がる…。

これはブルーフィグより好きかもっ。





私がかなりキタのがこのアンチョビキャベツパイ!

「アンチョビパスタが大好きで、それを思い浮かべて作ったんです」

こちらのパン職人のお兄さんたちは、海外での旅先で出会った美味しいものを

国籍問わずにパンで表現しているよう。美味しい旅話を織りまぜながら食べるパンたちは、

「なれそめ」を聞きながら食べるパンたちは、また違った美味しさがあるのだ。


非常に塩気をしっかり効かせているのだけど、

そのおかげでキャベツの甘さがくっきり浮かび上がって絶品!!

アンチョビキャベツパスタも大好きだけど

こっちの方がもっと好きですよー(笑)。





これはザワークラウトソーセージ。

そう、シュークルートをイメージさせるパンだ。

つかのまのアルザスの風を思い出させてくれる。



パン全てに「自分達が美味しいと思うやり方」が活かされている。

人の好みが人それぞれにあるように、パンの作り方もパン屋の数だけある。

「これが正解」というものがないのがパンの奥深さなんだろうなぁ。



やっばいね、こりゃちょっとセーブしながら食べないと

ケーキまでもたなくなくなるかもぉ?!





ほーら言わんこっちゃないっ!

カンパーニュサンドのプレートが各自に配られる。

食べきれるかなぁ…でも食べるもん!

塩豚のレシピの説明がなされていたのだけど

食べる方に集中してしまったバカmi_wa、

300グラム…ジプロックに入れて…」と、断片しか記憶にない(笑)。

ふぬー、誰かレシピ教えて。事務局、頼む!(笑)


他に乗っているのは焼き立てカイザーとカヤトースト。

このトーストが香ばしくて美味しいわぁ

カヤジャム、すでに塗られていたらしいのだけど

はしっこしか食べていないので分からずじまい。

家でカヤジャム塗り直していただこう。





まだでるお料理、こちらは牛スジの煮込み。

一番好きなパターンなんだ、トマトとお肉の煮込み料理が〜♪

そしてボリュームも控えめにしておいてくれたのが幸い!

やっぱりパンには動物性脂肪が一番合う。

カイザーでしっかり拭って最後までいただいた。




会は速やかに進行、私の食べるペースとは違うところで(笑)。





「オランさんパンセット」争奪パンクイズーー!!

(どんどんパフパフ)


パン籠にたっぷりのヴィエノワズリーやガトーがつめられたスイートセット、

これは勝ち抜いた2名に当たる個人戦。

オランさんのパンを食べ比べながらの出題

ぐわー、この籠を腕に釣り下げながら帰りたいわ〜。

絶対電車の中で注目されちゃう、ハズカシイわぁどうしよぉ

年内に食べきれるかしらぁどぅしよぉ

…なんて余計な妄想を抱きつつ。




第一問!

フュウフコーンブロート(五穀パン)には、

この3つ以外に何が使われているでしょう!


げー、分かるようで分からないよ。残り2つの穀物を当てるんでしょう?

むしろ九穀くらいなら数打ちゃ当たるって感じだけどさー(笑)。

もう一回食べ直してみると、なんだか「生の米粒」のような味がする。

でも生で米粒なんて入れられないしーーっとあれこれ考えていたら

タイムアップ。さて、正解は


「もち粟」(おぉ、当った!)

「燕麦(オートミール)」(がーー違ったっ)


2つとも正解者がいなかったので、片方でも当っている人が正解に。

よっしゃー、次も当てたる!




第二問!

2種類のクロワッサン、どちらが発酵バターで作ったクロワッサン?


Aはバターの香りにフレッシュ感があって、層がはっきり出ており口当たりがいい。

Bの方も、香りはいいのだけど、口当たりがべたっとしている。

むーー、これならなんとかわかりそうだよ、

美味しい方を当てればいいんじゃない?

発酵バター信仰のある自分はまんまと「美味しい方」であるAを選んだ。


正解は…「B」!


ぐわー、はずした!

こちらのお店では、クロワッサンは某メーカーの「普通のバター」を

使用しているとのこと。必ずしも、発酵バターを使ったからと言って

大きな違いがでるわけではないそうだ。

なるほどねー、素で塗るなら個人的には発酵バターの方が断然好きだけど

クロワッサンにしたら、そうそう如実にあらわれるわけではないのか。

目からうろこだ。すっごい勉強になるぞ、このクイズ!!




崖っぷち第三問!

3種類のバゲット。

「スタンダード」「発酵時間が違う」「粉が違う」

さて、お店で出している「スタンダード」はどれでしょう?


これは意外と正解者が多かった。

最初に「スタンダード」を会の初めの方にいただいていたからだ。

一番美味しいと思ったものを選べばよいと思ったので簡単だった。

(って、正解したからそう言えるだけ(笑))




かの志賀シェフがいた時代のアルトファゴスで修行された

三人が開いた店だけあって、バゲットの美味しさには説明がいらない。

いや、うそ。説明をください(笑)、真剣にみな耳を傾ける。


粉それぞれに最適な発酵時間があり彼らの使う粉にもそれは存在する。

時間を変えても、粉を変えても、その味が出せないのだという。

発酵時間の長さをクープで見分ける術もレクチャーくださり

本当に有意義なパンクイズだった。

…たとえハズれても!(笑)



気を取り直して今度は「ケーキ争奪グループクイズ」。

…そうだった! 私にはこれがあったじゃないのっ(笑)。

なんとしてもあのケーキを奪取するのだ。

まかせろ、今に見ておれ〜っ。


今度のクイズはグループごとに相談しながら、

44問のペーパーカルトクイズに答えていくもの。

パンの写真、店の写真、シェフの写真などがあり、

Zテンチョの顔が出て来た時には思わず「ぶっ」(笑))

それぞれについて「店の名前」を当てて行く。


…これはまさに私の得意分野じゃないかっ。

目の色ががぜん変わる。ここはおいらにまかせろっ。

ボールペンで店の名前をドリルのように書きなぐっていった。

一応ヒントが出されるのだが、「それ、ヒント与え過ぎーー」という

ものだったのだけど(笑)おかげで何問か助けられたっ。


結果、44点中、42点を獲得!!

見事トップ賞〜!!! うっきゃーー!!

だてに変人扱いされるほどにパンおたく稼業やってないわっ(笑)。





得点の高いチームから順にケーキを選べる。

どこのケーキも美味しそうだけど、私は最初の目論見通り、

「トシ・ヨロイヅカ」のモンブランをゲット!





なんか反ってますけど(笑)、

和栗ペーストに、中はたっぷりのクリーム、土台にはパートフィロで包まれたタルト。

クリームが軽くてほわほわっとしているのに「どぉん」とコクがある。

和栗ペーストもリアルな栗の味わいで…。むーん、うまいぃぃ。





チームでヨロイヅカケーキを食べ比べ!

個人的には「ジャンピエール(画像中央)」というチョコレートケーキに一票!!

チョコのドームの中には、想像できないほどにごろごろナッツが出てくる。

これだけでは飽き足らず、いろんなテーブルへ行って味見させてもらう私(笑)。

自分の分はしっかり食べ終わった後なのにね(笑)ありがとー皆様っ。




楽しかったXmasパーティーもあっという間にエンディング。

職人さんのパンへの思いを生で聞きながら、

美味しさのからくりを「なるほどねぇ〜」と言いながら、

そんな風にして食べるパンの美味しさ。

それは一般消費者の私たちにとってはレアな味わいだ。

しかし、その時だけでなく、これからもパンを買う時、いただく時、

いろんな場面で「作り手の顔」を思い浮かべながらいただくだろう。

そんな、パン好きにとって「糧」となるようなひとときだったに違いない。


オランの皆様、パンクラブ事務局さま、それと参加されたみなさん、

素敵な企画をありがとう!

楽しい時間をありがとう!



…と、「ライ麦パン」に続き今回も真面目に締めてみました(笑)。

来年もどうぞよろしくーー。