130.真冬の関西2days


*前回のイレギュラーな関西はこちら(ESSAY124番)*




2011年一発目の関西は1月の最終週。

年々どんどん寒さに弱くなって来ているので

思考は「どうせ寒いからなぁー」とかプランニングもあまり進まず(笑)

冬の困るところって、公園が使えない(=外で齧れない)ところなのよね(笑)

立ち止まっていたら凍えちゃう。

さて、ウォーミングアップがてらさくさくまいりましょう?!




今回は道中ひとり。

リーガロイヤル1泊がついた航空券パックがなんと23000円だったので

今回は(いや、わりと最近は(笑))ちゃんとした宿なのである。


今日は夜によもぎちゃん(仮名)一家とごはん食べに

神戸にいくので、そうなると大阪hは先に行っておくのがベターか。

いつも、夕方の閉店間際に行くパターンが多かったが、

今回はいの一番に本町へ向かった。このパターン、初かも♪





わりと毎回予告なしで訪れるので

シェフもマダムもびっくりした顔をするのがもはや楽しみである(笑)。


ああ! こんなに色とりどりにそろってる!

やっぱり昼に来るのが一番いいなぁ。

夕方はもうなんにも無いことの方が多いし、

逆に残っていたらなんだか切なさを覚えるし(笑)。





さすがは一期一会パン屋♪

私も知らないパンがてんこもり〜♪

今回は季節柄か、hの十八番、栗もののパンが並んでる!

あれもこれも買っちゃおう!


あれ。

手前の「栗 時々 セーグル」が

ありませぬが…。










でへ。

私が4個とも全部買い占めました(笑)すみませんーーー。





全部あげているときりがないのだが

本当にどれもこれも相変わらずhらしくて、

再確認と再発見と新たな出会いの連続で。

(ちなみに、画像に写っているパンはごくごく一部。

今回、まるで堰を切ったかのようにめちゃくちゃ一杯買った!!)



そうそう、まだ10時台だとイートインコーナーもがらがらなので

貸し切り状態。わーん。ゆっくり食べられる。

hで朝食というパターン、初かもしれない!!!






その場で食べられる場合は絶対に食べたいカスクルート。

自家製リエットとエメンタールのサンド♪

(鴨だったカモ? 豚だったかな? ごめんなさい、失念)


そうそう、マダムがおすすめしてくれたのが、

「最近変えた」というバゲット。

久々にバゲットを1本買ったが、

本当になるほど、「まるでお米」のような香ばしさが強くて美味しい!

カスクルートとともに、hのバゲットの美味しさを改めて再確認。


定番(?)ミワパンは、今回はイチジク入りバージョンの方を。

何度か食べているが、相変わらずすごいなぁ、このイチジクは

スペイン産イチジクがねっとりとごろごろ入っていて

生地のじめじめさと相乗効果が(笑)






再確認、その2!

久々に食べたパンオレザンが激ウマ!!!!

いや、hは基本の、オーソドックスなものが全部完璧に美味しいから

あえて新ネタに手を出せるというものなのだが(笑)

本当に、改めて「基本」が美味しすぎる。

レーズン、普通ここまで入れない(笑)

生地も、普通ここまでミシミシ言わない!!






ガレットものはいつも楽しみにしているが、

今回は紅茶生地にリンゴ…だったかな。

いや、たぶん忘れているだけだろう、なにかもうひと暴れしていると思う(笑)


今回キテレツネーミング大賞は

「ル・タイペイ」(笑)

ライ麦生地にジャスミンティー、マンゴー、杏、

カシューナッツのパンだった。

なんで台北なの(笑)

(もちろん、ちゃんと美味しいのがhならでは)






この栗系もほんと美味しかったなぁ〜。

こっちは焼き栗、マロングラッセ、シナモン、オレンジピールのかぶせ技。

ほかのパン屋がやったらたぶんマロングラッセどまりなんだろうな。


画像にはないけれど、カシス・エ・マロングラッセは

真っ赤なカシス生地に、マロングラッセとスイートチョコを包ませる。

ほかのパン屋がやったらたぶん、マロングラッセどまりだよ(笑)


画像にはないけれど、モングランメールは

柚子と酒粕とあんこと栗のパン。

ほかのパン屋がやったらたぶん、ゆずと栗どまりだーー。







とどめは抹茶のクロワッサン・オ・ザマンド!!!

これはほんっとうにすごかった。

シロップを吸っているせいか、とにかくやわらかくて

手で持てないくらいふにょふにょソフトなのだが、

味がすっごい抹茶! めちゃくちゃ苦くて度肝を抜かれる。

抹茶は菓子材料としては高価ということを聞いたことがあるが

ここまで入れているとなると…相当…アレなんだろうなぁ…

とにかくそのことばかり心配してしまった逸品(笑)



一個ずつ、ひとりぎゃあぎゃあ興奮しながら食べていたら

あっという間に時間がすぎていた。

周りをみるとお昼タイムでお店がにぎわってきてしまった!

こりゃゆっくりしていられない。

我退散なりーーー。




退散したはいいが、そういやパンをまだラッピングしていない!

ホテルはまだチェックイン前の時間だし、

真冬だから公園も、デパートの屋上も使えない。

となると

心斎橋の某ルームに身を潜めることにした(笑)。

パン好きなら理解される行動である。

中では食べませんから。包むだけですからっ!(笑)


…といいつつ、ついついたっぷり1時間、歌ってしまったことは内緒である。

ああ、冬のパン巡りはつらいなぁ〜(笑)




さて、大阪でもう一軒。

前回、時間を見誤って開店前に来てしまい断念した心斎橋のパン屋さん。

サミー・プーさん。




実は、この日も最初、hに行く前に寄ったのだが、

またもや開店前に来てしまってがっくり(笑)

わーん。いったいこの店は何時オープンなんだ☆

(答:平日休日に限らず11時オープンらしい)



いやしかし。

まだ時間もあるので昼過ぎに出直してみた。


おお、やってるやってる!!

パンの種類もわりとあり、とっつきやすいパンが多いようにも見える。

荷物をごろごろと引いていたせいか、お店のオーナーシェフさんに

声をかけられる。そこから、話が思わず盛り上がり、延々と(笑)

(シェフが修行したアルザスの話などなど…)

素朴で地味なパンが多いですが…と謙遜気味なシェフ。

確かにこの界隈はいわゆる花形、スターなパン屋さんが多いけれど

ここにはここの良さがある。




これは銀杏と栗のパン。

銀杏効果だろうか? 粉のそれとはまた違う、

独特の香ばしさがあってすごく美味しかった。




バナナのブリオッシュも、

蓮根とベーコン(だったかな?)の入ったパンも美味しかった♪




さて、神戸篇。

夕方15時過ぎに、よもぎ一家と「灘」で待ち合わせた。

「灘」。初めて来る場所だが、前から来たかった店があるのだ。

でもかなり難易度高い。

予約しなければまず買えない。

日曜日はやっておらず行くなら土曜日。

予約は当日の朝5時(!)から10時まで。


今回、三宮のほうでもう一軒必ず行こうと決めていたお店が

あったので、これは「今回は神戸ってことで」と決めて

よもぎ夫妻も北野エリアで食事するお店を考えてくれた。



今朝、伊丹空港に到着後、すぐにそのお店に予約の電話をした。

どんなパンがあるのか、実はあまりよく知らなかったので

よもぎちゃんの分の予約リストに習う。

○○はありますか? じゃあ2個お願いシマス。

○○はない? じゃあ似たようなのありますかー?」

なんとか予約を済ませたが、後になって後悔。

…もっとたくさん予約しておけばよかった!!!!




灘のちいさなこみちのパン屋さん。かてさん。

ほんと、ようやく来れました!

…しかし本当に小さなお店! あやうく見落とすところだった。

目印は、向かいのファミマかな?

(よもぎ一家とはここで待ち合わせた)



小さな小さな、2人も入ればいっぱいの販売スペース。

厨房の方も焼いているお姉さんと売り子のお姉さんの2人。

この時間だからなおさらだけど、

当然のごとくパンの棚はからっぽ。

予約分だけでいっぱいいっぱいなんだろうなぁ〜!




パンは、わりとどれもこぶりなので(もちろんその分、お値段も100円程度と手頃)

「もっと予約しておけばよかった!!!」と地団駄を踏む。

いや、こぶりだからじゃない。

食べてみてどれもものすごく美味しかったからこそ

「もっと予約しておけばよかった!!!」と心から地団駄を踏んだ。


ほんっとうに美味しくて感激!

どれもとても丁寧に大切に作られているのがわかるパン。

もちろん、どこのパン屋さんのパンもそうなのだけど

ここのは特に、ひとつひとつが「飾ってないのに『ハッと』する美味しさ」がある。


画像はほとんどちゃんと撮れなかったけれど(泣)

まずはさつまいもの入ったスティック状のパン。

さつまいも餡は、ごくごく自然な甘さに仕上げられていて

「手を加えてない?」と、良い意味で錯覚させられそうな。

もちろん、ちゃんと手をかけているのは言わずもがな。






ちょっと変わった形状の、ガーリックのパン。

ぽっこり帽子みたいにふくれあがったパンを半分にカットし、

中にバターとにんにくを塗りつけた強烈な香りがする。

もちろんガーリックバターの美味しさもあるけれど、

それを受け止めるバゲット生地の美味しさといったら!!!

実にのびやかなクラムは、それ自体にうまみがあるので

ガーリックバターが染みてない部分でもウマイ。

染みている部分は…極楽!!!






それ以外のパンたちもほんっとに美味しかった!!

明太子バターのパン、ぶどうのパン、チョコレートのパン…。

絶対また今度予約して訪れよう。

そのときは地団駄踏まないようにたっぷりと

それから、電車の乗り換えを間違えて須磨まで乗り過ごさないよう(笑)




さて、よもぎ夫妻と三宮の町を闊歩。

北野のイタリアンに行く前にまだまだ時間があるので、

今話題の元・コムシノワの西川シェフの独立店、

サマーシュに行くのだ。今回のある意味、本命?!



神戸・北野といえば、パンめぐりでも来たことがあるが、

どちらかというと、昔高校の修学旅行で来たときのほうが

インパクトが強い。

北海道の公立高校出身の私、なんと往復がブルートレインだった(笑)。

車中泊2日って、なんかすごく時間がもったいない気がしますが(笑)


奈良、京都をお約束通りまわり、

最後のグループごとの自由研修は、私たち女子グループは

神戸北野の異人館巡りを計画した。

…しかし実際のところ、異人館でめぐったのは2軒のみ。

「なんか、もう飽きちゃったね」という意見が出たからである(笑)。

そのあとはステーキにパフェに…とグルメツアーに変貌(笑)。






なつかしい!!

フロインドリーブの横で写真を取った十数年前!!

(注:20年は経ってない!!(笑))


サ・マーシュは、北野の坂の途中にある。

ここにたどり着くまで結構カロリー消費できる(笑)。




おお! ここだよここー!

看板は出ているけれど、入り口はまだ奥の方みたい。





まるで人様のお宅におじゃまするかのように

ずんずんと小道を突き進み




おおお! エントランスが!!

まるでどこかの邸宅、別荘みたい!

勝手なイメージだが地中海風な(笑)


看板からエントランスまでの距離、

まるで人様のお宅のようなエントランス、

そして重厚な閉ざされた扉(笑)。


こ、これは……お店を知らない一見さんは

ひるんで引き返してしまいそうな要素がたっぷりだ(笑)




衝撃はエントランスだけではなかった。

お店の中が特にすごかった!!!


事前になんの予習も先入観も持たずに訪れたので

最初はいったいなんのことかわからなかった。

「手すり」の意味が…(笑)


壁際にはきれいに並べられたパンたち。

(思ったよりもわりと食事系のものというか、色のトーンが控えめ)

パンを選ぼうと思ったら…なんと、お店の方がパンを取ってくれるらしいのだ。

パンと、私たちの間には「手すり」が。

手すりとパンの間には、店員さんだけが入れる仕組み。

似たような仕組みではSSを思い出すけれど、

あそこはパンとお客の距離も近いからやっぱり違うかも。



確かに、これならパンに触れられることなく、衛生的かも。

ただし対面式よりもプレッシャーになるし、

商品の説明も目が悪いと見えにくいかも。

(もちろん、それをフォローするのが店員とのコミュニケーションなんだろうけど)



よもぎちゃん夫のイナゾーがぼそっと

「動物園みたいやな」とつぶやく(笑)。

エサ(パン)に手を伸ばそうとする、柵の手前の私たち(笑)


いやー、新しいカタチの対面式なんだなぁ…。

このカタチ、定着するのかな?






期待通り、パンはどれもめっちゃ美味しい♪♪

リエットかなにかを薄く塗って、野菜を載せて焼いたタルティーヌ。

これもお酒を誘う絶妙な塩加減♪




これこれ!!

これがすごく美味しかった。

パンドゥーというパンだそうで、甘いという意味だそう。

そう、一見ハード系なのに、甘い。

例えるならば、ハードなビエノワってところだろうか。




さすがにクロックムッシュは鉄板の美味しさだったし、

このクランベリーだったかカシスだったか、

生地も真っ赤なパンも美しくて美味しくて♪




向こうに見えますのは、またさらに巨大化している

ノリさんでございます(笑)。


薄っぺらい、ピザのような一枚のパン。

表面にチーズがかかってるだけ…に見えるけれど、

実は中に、さつまいもペーストが入っている。

すみずみまで入っていて、まるでうすべったいお焼きのよう!

これも美味しかった〜♪



私にとってはこのあたりはなんとなくハイソなイメージがあるが

まさにそれを具現化したようなお店だった。

パンは期待通りの美味しさ。

店構えやスタイルはかなりインパクトあるけれど

パンは派手さよりも実直な美味しさ、より生活に密着感があるような。

もし今度きたときは、いくらかはこのスタイルに慣れるかなぁ(笑)




近くに、よもぎ夫妻の知り合いのカフェがあるというので

そこで一休みをすることした。

なんと、自転車屋さんとスコーンのカフェがドッキングしたお店!

これは面白い。

自転車を眺めながら、修理してもらいながらお茶を飲んで待つこともできる(笑)。

レンタサイクルもやっているというからなおさら面白い。




残念ながらすでにスコーンは売り切れていたけれど

美味しいコーヒー(美味しいのである)でまったり。


それにしても、ノリさんは店内をとことこ歩き回って元気いっぱい。

幸いほかにお客さんはいなかったけれど

子供の成長は早いなー早すぎるなー


…そして、次の店で、さらにその成長っぷりにびっくりさせられるのである(汗)




北野の坂をのぼったところにある、

一軒のバール&エノテカvin vinoさん。

知らないと見落としそうな、半地下にある、一見渋い店。





なぜよもぎ夫婦がここを提案してきたかというと、

彼らが不定期に北野坂でマルシェに出店(パンとコーヒー)を

するときに、よくここのマダムがよもぎちゃんのパンを買ってくれるのだそう。

どうやらマダムはパン好きらしい!

お得意さんなので、お礼がてら一度は来店してみたかったらしい。



ちなみに、よもぎちゃんの焼くパンは毎回とても美味しい。

毎度、どっかーんとお土産パンを持たせてくれるのだが、

ほんっとうに美味しいのだ。マジで何かの機会で見かけたら食べてみて。


今回、食パンとミニクロワッサンを持たせてくれたが

口溶けのよい食パンもさることながら、

クロワッサンの美味しさといったら!!

例えるなら鎌倉の…あのタイプ。

ほんと、ファンがつくのも納得の腕前なのである。






…話はそれたが、vin vinoさん。


ご夫婦でやっている、クラシックな雰囲気の店内。

正直、お店は若々しさはないのだが

マダムの美しさに驚愕! うわーーーこの人は…素人なんだろうか?

(あとで聞くと、どうやら元モデルさんらしい。至極納得!!)


まだ早い時間の予約だったので、ほかのお客さんはおらず

私たちだけが貸し切り状態。

なので、ちびすけノリさんがいても気兼ねなく過ごせた。


ノリさん、食べていればおとなしいのだが、

食べないと歩き回るので、ついついパパは食べさせるのだが

与えれば際限なく食べ続けるちびすけ。

ピザでもチキンでもパスタでもなんでも食べる食べる!

パパの分まで食べる食べる!


もともとカラダが大きく育ちまくっているノリさん、

検診でも「やや肥満」と言われたそうだが、「やや」…か?(汗)

ほんとにあんた、1歳児なの?!(笑)

(私は1歳児がこんなに食べるのを見たことがないので終始あっけにとられていた(笑))




1歳児がそれだけがっつくのも無理もない。

ここのお料理はどれも絶品だったのである!

もうもう、かなり感動してしまった。

ただし店内が暗いのであまり良い画像が撮れず、

魅力が伝えきれないのが残念





前菜の盛り合わせ。

大人3人分にちゃんと盛り合わせてくれている。

(いや、大人以上に食べるノリさんのことも考えると4人前でもよかったのかも(笑))

手前のお肉はなんとクジラ!

クジラはぎりぎり「小学校の給食」で食べたことがある世代の私。

しかし、そんなに美味しいと思った試しがないのだが、

これが本当にくじら? と驚くほどに肉肉しくて精気あふれるウマさ。

スモークチキンも、カプレーゼも全部美味しい!!




牡蠣と野菜のソテー バーニャカウダソース。

こってりと味付けられた野菜がウマイ! 牡蠣もボリュウム満点!


画像にはないが、ピザマルゲリータもすごく美味しかったーーー。

半分くらいはノリさんが食べていた気がする(笑)。

どんだけ!!




パスタはエビとカラスミのスパゲッティを♪

自家製のカラスミのきつすぎない塩気が

パスタ全体にメリハリを与えてとっても美味しい♪♪


お値段もおおむね1000円台でリーズナブル。

このお店、すごくいい!!

しかもマダムは美人でパン好き(笑)。

すっかり最後はパン好き談義で花が咲いてしまった。

でもマダムはまだhに行ったことがないらしい。

だめだめーーーそれはイケマセン!

そこは関西マストですからーー。



よもぎ一家、今回も楽しい関西のひとときをありがとう!!

次会えるのは、私が関西にいくときか、そっちが関東にくるときか。

いずれにせよ、次に会うときもまたノリさんの成長ぶりに

度肝抜かれるんだろうなー(笑)。












2011.1.15