119.伊豆温泉パンエビリハビリ旅行

11月に手術のため入院し、退院するのに1ヶ月近くかかった。

退院しても半年先にまた再手術する必要があるので

仕事への復帰も遅れ、なによりカラダに不便が残ったので

なにかとしょぼんとしていた。

なんせ私は健康だけがとりえだったのだから!



そんな中、「退院したら温泉でも旅行に行こう」と、

じゃらをドンと渡してくれた相方さん。

願ってもないけれど、体力的にも体調的にもまだまだ不安な時期だった。


条件として、電車ではなく車で移動すること、

それから温泉は人と一緒には当面入ることができないため、

露天風呂が部屋についていること。


そこで、方面は伊豆、そして部屋から海と夕日が眺められる

露天風呂付きの部屋を予約してくれた!

わぁ、これならなんとかいけるかも! ありがとう。。。

母にも心配されたけど、大丈夫大丈夫。

いいリハビリ&気分転換になるはず。


時期はクリスマスの頃に決定。

ちょっと贅沢なクリスマスプレゼントとなったのだ。







近所のレンタカー屋さんで配車してもらい、

そこから沼津まで一気に向かった。

途中、海老名のSAで休憩。


私はとにかくエビが大好きなのだが

海老名だけあって、妙にエビの名物が多いらしい。

これはたこ焼きならぬエビ焼き。

エビ尽くしに相応しいスタート(笑)


うちの相方さんは沼津に何度か来ており、

前から「沼津港に海の幸を食べに行こう!」と熱く言っていたので

今回ようやく実現! 





前に入ったことがあるという食堂に入った。

バカみたいに巨大なかき揚げが有名な食堂である。





こちら、ボリュームはあってもお値段は控えめ。

海鮮丼に目がない相方さんはこちら。

なんと言っても桜えびと生しらす!

北海道の海鮮丼とは違うアイテムは私も横からつんつくつん。





そして私は!

どーんとでかい海老フライ定食☆

でかい海老フライといったら、衣が半分を占めていそう…と

思われそうだけど、いやいやどうして! 隅々までたっぷりエビ!

しかも、下味がしっかりついていてタルタルをつけなくても

十分すぎるほど美味しかった!





沼津といえば干物が名物。

方々からお見舞いをたくさんいただいたので

家族や親戚などへ干物を配送してもらい、

私たちも自宅用にアジの干物を購入した。

これまでのパン好きシングル食生活からは考えられない(笑)。

アジの干物って、改めて食べるとものすごく美味しいなー!




沼津から西伊豆まで結構距離があったので道を急いだ。

今夜泊まるお宿は、湾に沈む夕日がキレイというからだ。

宿に到着してすぐに夕日をチェック!!




わぁ…!

間に合った…!

同じ風景を、部屋についている露天風呂からも見られる。

お部屋も広々で、大きな窓から海と夕日を見下ろすことができる。





到着のお茶菓子。

こういう温泉旅館に来ると、必ず到着のお菓子があるけれど

たいてい旅行のときって空腹になるタイミングって難しい(笑)

昼にたっぷり食べて、夕食の時間が早いから

このお茶菓子を食べるときっとまたお腹一杯になっちゃう

でも、3種類も出て来たのはびっくり。

カスタード入のケーキに草餅、そして焼き石を敷いた蒸かし芋!

お抹茶と一緒にずずいといただき、案の定空腹になるタイミングを失った(笑)





夕食までの間、少し周辺をお散歩。

どこから来たのか、客船が港に着いた。

夕日も好きだけど、日が落ちた後の紫色とオレンジが混ざりあったような

空の色も大好きなんだ。





夕食は、部屋食。

旅館らしく、量もたっぷり、皿数もたっぷり!

お造りにはかわいいサイズの伊勢海老もちょこんと乗っていたり。

(画像はごく一部)


板長さんと女将さんが挨拶にきてくれた。

客室が少なめの旅館ということもあるが、

ほんとマメでていねいな接客で親しみがもてる。


女将さんはうちの相方を気に入ったようで

「ほんと気持ちの良いさわやかなご主人で♪」と何度も言われた。ははは…。

うちのダンナさんは、年輩女性に妙にウケがいい。結婚式の司会の女性にもえらく気に入られていた…)





これは伊勢海老の鬼殻焼き!!

旅館を予約するときから、「あわびにするか伊勢海老にするか」を

聞かれた時に、まよわず「伊勢海老!」と答えていた。

今日はなんてエビづくしなんでしょう☆

嫌いになりそうなほどに食べても

ますます好きになっちゃう、それがエビ。

不思議な食べ物です…(パンと同じ?(笑))





お野菜も海の幸もお肉もたっぷり出て

もう十分いただきました…というところに…





最後の締めがなんとしらすご飯!

たっぷりの釜揚げしらすに大根おろし、ゴマをふりかけて

お醤油をたらしていただくのがめちゃくちゃ美味しくて!!

しらすにゴマってものすごく相性がよくて感動。

家に帰っても早速真似してしまった。





さらにとどめがこのデザート盛り(汗)

記念日(特に記念日ではなかったのだが退院祝いとこじつけて)の

スペシャルプレートということでこんなに豪華にしてもらってしまった。

さすがにこれは相方さんに手伝ってもらわないと無理でした(笑)

(パンのベツバラはあってもスイーツのベツバラはない私)



お部屋のお風呂以外にももちろん大浴場もあり、

(人がいない時間を見計らってちょこっと入って来た。

海面に写る白い月が幻想的できれいだった…)

さらに貸しきりのお風呂もあり、お風呂ざんまいで夜はふけていったのだった。









翌朝。

朝ごはん前にさっそく出て来たのがおめざのジュースとヨーグルト。

こういうちょっとしたサービスが女性心をくすぐるのである。





夕食もよかったけれど、私たちはむしろ朝食の豪華さに感動。

土地柄、やはり干物がでてくる。アジではなくて金目の干物。

アジは朝から刺身ででてくるあたり!


みなさんにお見送りをいただき宿を後にした。

とてもいいお宿、フンパツしてくれてありがとう…。









お宿からほど近い場所にある、恋人岬。

私は来るのは初めてだが、相方さんは過去に来たことがあるという。

「え?! 誰とー?」と問いつめると、

「父ちゃんと母ちゃんと(笑)」


駐車場からモニュメントのある恋人岬までは結構歩くので

病み上がりにはかなり堪えたが、これもリハビリリハビリ!



駐車場の付近にたくさんくくられた絵馬には、

突っ込み所満載の書き込みが。

「ずーーっと一緒だよ♪ けんじ&あい」

みたいなものは当たり前。


「キャバクラで運命の出会いから半年(はあと)」

とか

「先生と生徒のカップルです♪」

とか(笑)



カップルしか来ないところだと思いきや(私の思い込み?)

結構家族連れが多い。


とあるファミリーとすれ違ったときのこと。

お父さんが「ほら、こっちの鐘の下で写真を撮るぞー?」と

10歳くらいの娘を手招きしてみるものの、

「お父さんとなんて、結ばれたくなーい!」

走って逃げていく娘(笑)。あははははは!!!

父、かわいそう。。。







お次は、私のリクエストで浄蓮の滝へ。

もちろん、道中口ずさむのは天城越えでしょう(笑)


ワサビ沢を横目に、滝を眺める。

世界どこへ行っても最近は日本人よりも中国人観光客が多いのだが

ここでもまさか中国人ばかりだとは思わなかった(笑)









そして…ここからようやく「パン」の出番。

最初、「温泉に行こう」と言われた時にすぐに思い浮かんだのは

湯河原だった。もう2年くらいごぶさたしているから…

だから、場所が伊豆になっても絶対に寄らなければならなかった。

(外観の画像は2年以上前のもの(笑))


もう2時過ぎていたのでパンもあまり無いかと思いきや、

平日だからかまだ若干残っていた。

それでも、ひっきりなしにお客さんが訪れ、

みな凄い量のパンをトレーに積んでいく。


なにも予告なしに訪れたので、私の顔をみてマダムが「まぁ!」という驚きの顔。

ああ、マダム…! ごぶさたしています…!!!

結婚したときにお祝いのメールをくださり、

報告がてら早く会いに来たかったのになんだかんだ2年の歳月が流れてしまったのだ。



何年か前に訪れたときにマダムが私におっしゃってくれた言葉。

その言葉をずーっと心の大事なところにしまっていた。

私にとって、それは「教え」みたいなもので

それを守るべくどこか私の指針になっていて

その言葉が本当に正しかったと実感できた今、そのことを何より伝えたかった。



奥からセンセイを呼んで来てくださり、

私がパンを選んだり並んだりしている間に

うちのダンナとセンセイが外でなにか立ち話をしている(笑)。

どうやらセンセイは相変わらずで

「パンの修行は2年くらいでいいんだよ」とかおっしゃっていたらしく、

うちのダンナも「オレもパン屋になろうかなーここで修行させてもらうかな」と

本気か冗談かわからないことを言っていた(笑)。





おなかぺこぺこで食べたのは、野菜のピザ。

甘〜いほこほこのかぼちゃが美味しい!!!

焼き立てのチーズ入りのソフトなパンも、瞬食してしまった。





ベリーがたっぷり入ったカップケーキもしっかり甘さのエッジが立っていて

ほんと美味しいーー!


画像にはないけれど、久々に買った「ばななブレッド」も、

相変わらず激ウマだったし、

「ブルーベリーとレモンのパウンド」も、相変わらず「うっちゃり」(笑)。

カットすると原形をとどめないくらいにブルーベリーが溢れて来て

結局フォークなしでは食べられないほど。


B&Cさんのスイーツは相変わらず大らかにダイナミックに甘い。

甘さがどこか「人なつっこい」のはなぜだろう。

このパン屋さんほど、食べる時に作り手の顔が思い浮かぶ店はないように思う。

あの人のあのパンを食べているんだ。

そう思うことがどんなに幸せなことか。


…本当にうちのダンナさんを研修に送り込んでしまおうか(笑)








さて、最後は鎌倉。

入院中何度も励ましてくれたGAMA姉さん&兄さんのところへ御挨拶。

とても心配をかけてしまったので元気な姿を見せたかったのだ。

相変わらずロックなパン(この日もいつものようにフォカッチャを)と

ビールを飲みながら、たわいもない話で笑った。





ここに来ると、やっぱりパワーがもらえる。

こころにパワー。

病気でヒヨったこころにパワーを。





材木座ビーチの夕日を眺めながら、

思いがけずこんなに早く旅に出られたことを喜び、

連れ出してくれたことに感謝した。


そして間違いがなかったことを確信する。

いちかばちか旅に出たこと。

よい旅先を選んだこと。

大好きなパン屋さんたちに会えたこと。

私が選んだ人に間違いがなかったこと。

2009.12.26〜27