6.冷凍パンだっていいじゃない〜解凍編〜



「冷凍編」に引き続き、「解凍編」。
冷凍なら誰でもできる。その先が難しいゆえ、筆も進まない(笑)。
とりあえず難しいこと抜きに、自分がいつもやっていることを書きつづろう。


私の朝は冷凍庫からパンを取り出すことから始まる。
小さくカットしたパンを幾種類か取り出す作業。
たいていはハード系、練り込み系、ときにソフト系、ヴィエノワズリー。
多いときは5種類くらい解凍してしまう。
バランスよく選択するときが一番楽しい。
このピックアップをするがために私は休日でも早く起きる。
このために朝がやってくるんだとばかりに勢いよく飛び起きる。

まずはラップを取り除く。
決してラップで包んだままでは解凍しない。
水滴がパン生地に染みこんで臭くなってしまうからだ。
タオルで軽くつつみ(かぶせる程度でもいい)少し時間をおく。



モデル…「オゥ・ルヴァン」ダンディゾン@吉祥寺


写真ぐらいの薄いスライスや気泡の空いた生地なら
自然解凍はとくにいらないかもしれない。
たっぷり霧吹きしてガンガンに温めたオーブン内に入れればよい。
なぜ自然解凍をするかと言えば、厚みのあるパンを焼き戻したときに
外は戻っているのに中は冷たい、という状態が起こらないようにするため。
冷凍庫からパンを取り出すと一緒に、オーブンを温め始める。

パンの自然解凍を始めたら、その間に冷蔵庫から必要なバターも
使う分だけバターナイフですくって常温に戻しておく。
ここで顔を初めて洗い(笑)、用も足しておく(笑)。

…と、ひとつここで嘘をついた(笑)。
私は実はパンを焼き戻すときには「オーブンレンジ」を使わない。
「オーブン」も「トースター」も家にはない。
私は10年間、ずっとパンはガス台のグリルで焼いている。
高さはないので大きなパンは焼き戻せない。
(そんなときはやむなくオーブンレンジを使うが)
「焼き戻し編」で触れようと思うが、
ガスコンロのグリルは慣れると非常に使い勝手がいい。
しかしこれをご覧の方々の実状とはズレていて
参考にならない可能性があることをご了承いただきたく(笑)。

バゲット類はスライスの厚み次第。
薄ければあまり解凍しすぎない方がいい。
(一気に乾燥が進みやすい)

食パンも即トーストできる。
熱が通りやすいのでわざわざ自然解凍しなくても間に合う。

ソフトなパンは解凍に強い。
解凍時間は短くて済むので楽だ。
砂糖の入ったタイプのソフトパンなら
ちょっとくらい放っておいてもしぶとく美味しい(笑)。

ヴィエノワズリーやクロワッサンなどは自然解凍後、
ちょっと端をかじって解凍具合を確かめながら(笑)、
フィリングを温めたくないタイプのものなら
すべてが焼き戻って火を止めた庫内の余熱で温めるくらいがちょうどいい。

全粒粉やライ麦などの目の詰まったようなハード系は10分くらいおく。
私がもっともよく朝に食べるタイプのパンはこれらに属する。
以前は15分くらい置いていたこともあったが、最近は短めになった。
"低温状態で時間をおくことは冷蔵庫に入れている状態と同じ"
ということがひっかかり始めたからだ。
解凍時間は短い方がいい、とはBさんからのアドバイス。

ベーグルなど、レンチンをした方が食感的によくなるパンもある。
私はパンの解凍にレンチンはあまり使わない。
たぶんあまりうまくいった試しがないので「使わず嫌い」かもしれない。
(ローテクな我が家のレンジは10年選手。
 今のレンジはもっと解凍しやすく高機能だろう)
それにそれほどベーグルを普段食べていないせいもある。

掲示板に寄せられたベーグル好きさんたちからの情報では、
便利グッズを使う技もあるようだ。
中華まん専用レンチングッズ(Thanks Hさん)
ティーポットウォーマー(Thanks Bさん…が参考にされた方)
追々私も検証していきたい。
"レンチン VS 自然解凍"。

私にも例外はある。
チーズ入りのパンやベーコンやソーセージ等の加工肉入りのパン。
あれらは、生地の解凍よりもずっと時間がかかるので、
焼き戻す前にレンチンを少ししておくと
(クラストがしなしなならない程度に)
焼き戻し時にガゼンとろける。じゅわじゅわ脂が浮いてくれる。

とにかくパンは乾燥が一番大敵だ。
乾ききってしまったパンは霧吹きでいくら吹いたとしても
レンチンしたとしても復活させるのは難しい。
なので、乾燥をふせぐためのポイントは

(1)乾いたパンは買わない

(朝焼かれたパンを夜買うというのは厳しい)


(2)買ってすぐ食べるわけではないなら、なるべく袋に入れる。

(紙袋に入れてくれるのはクラストがしならないで

済むというメリットがあるが、どうせ家で焼き戻すのであれば

クラストのパリッは復活できる。

水分を守る方が大事。長時間持ち歩くなら袋に移し替えよう)


(3)解凍の時に水分を飛ばさない。

(4)焼き戻しすぎない。




偉そうなことを書いているが、私も未だに模索中。

「焼き戻し篇」ではもっとアラがでそうな予感(笑)。

ちなみに自然解凍中はちょくちょくひとかじりしながら

様子をみるので焼き戻しする前に歯形だらけになるのである(笑)。


トップ画像のモデル…「カンパーニュ・プティ」VIRON@渋谷