33.この街に住んだなら-3- 〜伊勢原ブノブノブノワトン〜
33.この街に住んだなら-3- 〜伊勢原ブノブノブノワトン〜
クロワッサンアンティーク……私の「もうひとつの」NO.1クロワッサン!
「わざわざ行く価値のあるお店」…って
実はそうそうないのかもしれない。
(私にはいっぱいあるんですが(笑))
それでもパン好きなら一度はしてしまうであろう
「伊勢原巡礼」。
私も他聞にもれず初めて「伊勢原巡礼」したのは2年以上前のこと。
パン好きになって初めて知る土地の名前とかあると思うけど
この町も、このパン屋がなかったらくることはなかっただろうなぁ…。
なのにこのパン屋があるから「住んでもいいかも…?!」って思ったり。
好きなパン屋さんが増えるたびに憧れの町が増える。
これもパン好きならでは…の共通項。
*
1月最初の連休。
本当は別のお店に行く予定だった友達と
突然伊勢原に行くことになった。
彼女はここ1年くらいでパンの底なし沼に
ずぶずぶはまってしまった人。
「あなたのせいよー」が口癖(笑)。
そう、パンに目覚めたらだれしも一度が通る道、「伊勢原巡礼」!(笑)
彼女の記念すべき巡礼の道連れとなることになった。
私は3度目の「伊勢原詣で」。
今年の「初詣で」はまだだけど「伊勢原詣で」が先なんて…♪
お店に来るのはひさしぶり〜♪
…といいつつ、10月の有楽町阪急催事の時にはたっぷり楽しませて頂いた。
(*その興奮の催事についてはDIARYの2004年10月前半を是非是非ご覧あれ!)
だから今回のターゲットは、催事では来ていなかった
グリルバゲットなどの調理パン!!!
焼き立てを、あつあつを〜!
そして私の中の永遠のNo.1、クロワッサンアンティークをーー!!
相変わらず車客が多くて整理のおじさん大活躍。
お店のはり紙をみて仰天!
「1月11日から有楽町阪急催事のため9連休します」
12日から7日間またあの夢の催事をやるんと?!
また催事をやることは耳にしていたけど来週からだなんて!
なんというタイミングのよさ? 悪さ? どっち?!(笑)
このお店、本当に本当にお客さんを大事にするお店なんだってこと、
今回来店して改めて痛感。
お店のお姉さん、催事の時に何度か来ただけの私の顔を覚えていてくれた!
私も「催事、毎日通っちゃいますからねー!」とアピール(笑)。
たくさーん買ってしまった袋のひとつ★ グリッシーニ25円は惜しみなく5本も購入♪
東京での催事ではパンの値段が高めになってしまっているのは
普段の伊勢原では地元の方のために思いきり低価格に抑えているためとのこと。
「ですからこちらで買うとお得ですよ♪」と
こっそり教えてくれたお店の奥様。
だから…というわけじゃないけど、めちゃくちゃ買いまくってしまった私たち!
だって…だって…こんなパンたちに囲まれちゃ逃げられないよー!
初めて伊勢原詣でした時に見つけた近くの公園で早速パンを広げよう!
どれもまだぬくもりが残っている調理パン、
冷めない内にかぶりつけー!!
数々の調理パンたち、私の中で1等賞は意外にも「ネギ焼き」!
なんか一番想像できそうな味だったのに、一番裏切られたのがこれ。
ここまで「何を食べても旨すぎる店」ではそう言う方が印象に残るんだ★
ふすまたっぷりのチャパティみたいな平べったいガリガリパンに
何かソースが塗られてさらに甘〜いキャベツとチーズがかかったもの。
(その時は夢中で気が付かなかったがあさつきがのっていたので「ネギ」なのね)
キャベツの甘みと生地の香ばしさが合体してめちゃくちゃ後引きする!
期待していなかっただけに、一番インパクトが強かったのよねー。
冷めていてもそのままで全然イケるのがこれだった。
これは金時豆入り野菜とトマトのブイヨンスープのグリルバゲット。
これを。これを…。食べに来たのですーっ!
絶品バゲットに載せられたラタトゥイユは人参とお豆がたっぷり。
チーズが底辺にも焼き固まっていてこれは立派な「お料理」です!
冷めていたせいもあって、私はこの時点ではネギ焼きとカレーパンの方が心に残った。
(*しかーし家で温め直して食べたら悶絶!!
そっか、これがみんなを骨抜きにする味かー! 遅ればせながらわかったー!!)
催事にも来ていたけど、今日の「まるごとカレー」パンは焼き立て!!
レーズンの入った生地に、まろやかでコクの深いカレー…。
熱々で生地もふにゃあとしているところにさらにとろりんとしたカレーが…。
カレーだけでなくパンにまで細心の技が行き届いていて、
嗚咽を漏らさずにはいられないーーー。座ってられないよぉぉ〜!
(と、この辺りから私たちはベンチを立って立ち食い状態に(笑))
二人合わせてすごい数を買ったけど、もちろんひと通り食べたわけよ、
それこそまるでパン○ラブの試食会状態?!(笑)
いちいちすべてに「ぐふぅ」「おぉう…」「はふん」とか
いちいちすべてに悶絶させられちゃったので筆者の体力の都合上画像のみ(笑)。
リンゴ酵母の生地にオリーブとアンチョビとバジルの入ったパン!
まるで「磯」のような鮮烈な香りに鳥肌! これ「も」イチオシ!
これほどまでに全てが全て美味しいとさ、
「じゃあ何が一番美味しかった?」って聞かれても
「…えーっと…全部」としか答えられない(笑)。
そう、この店の最大の欠点は
「全部うますぎて印象に残らない」ことなのかもしれない(笑)。
いや、嘘です(笑)。
「絶対これだけは何度来ても買うパン」
それがこのクロワッサンアンティーク。
この揚げ春巻きのようなパキパキとした食感と
一寸の狂いもないバターのストレートな味わいのクロワッサンは
初めて食べた時からその感動はいつまでたったも色褪せない。
「果たしてあの感動は本当だったっけ…?」
しばらく立ってから再度食べる時にいつも不安になる。
けれど、これは何度食べても絶対に裏切られない。
何度食べても初体験のような衝撃が走る。
これがもうひとつの「絶対これだけは何度来ても買うパン」
リュスティックフェルマンタシオン。
画像は前回来訪の時のもの。
香ばしくカラっとしたクラストに守られる、ぽこぽこ気泡のクラムの艶めきといったら…!
パリパリ揚げ春巻きクロワッサンで作るクロワッサンオザマンドは
作り置きしてもらったものー!
このシロップじゅくじゅくのクレームダマンドは
コアントローのような柑橘系の香りのするものだった…私はこれに座ぶとん5枚!!(泣叫)
しかもパリパリ食感が微妙に残っているところがねぇ…。あぁ…。
(*後日、催事にも来ていたこのダマンドフリュイ、
なんとレーズンもオレンジも入っていたことが判明! こんなの初めてよ〜!)
田舎「あげ」あんぱんも、ブリオッシュあんぱんも
本当にあんこが美味しくて柔らかい。柔らかく、興奮をしずめてくれる…
どころか新たに興奮を高めさせる(笑)。やめてーっ!
さぁ、ラスト。
おばあちゃんの…なんちゃら、そんな名前のりんごパイ。
(この店、覚えられない名前のパンばっかりだよなー(笑))
リンゴのしゃくしゃくした食感を残しながらも確実に「仕事」している。
マスカルポーネを下にさりげなーく敷いているのが憎い!
そんなこんなでたくさんの心残りを残しながら、悶絶試食タイムはおしまい!
*
パン好きにならなければ知ることのなかった小さな伊勢原の町。
そんな町を「巡礼地」にしてしまうほどのパン屋さん。
こんなパン屋さんが近くにあったなら…。
こんなに一度にたくさん買わなくても済むんだよね。
「クロワッサン1個くださーい」
…なーんて贅沢…してみたいよねぇ〜!
「催事中9日間も休まれたら、
いつも食べている地元のファンは寂しいだろうねー」
二人で駅前でお茶を飲みながら語る。
そうだよねぇ、寂しいだろうねぇ。
でもでも、たまには東京にも貸し出してください。
いつもこの町でこの絶品パン屋を楽めている
贅沢な住民のみなさまよ!