2.DEAN&DELUCA@東京丸の内


東京丸の内。
劇的に変わるこの街に、パン好きには垂涎の
ショップが誕生したのは2003年6月。
もちろん、NYCの高級食材店ということで、世界中のグルメアイテムが並ぶ、
というのもあるのだが、お値段がハンパじゃないので、あくまで観賞用。
パン好きにとっての位置づけは、「パンのセレクトショップ」。
首都圏の名パン屋さんの選りすぐりパンが集められるこの店に
私は開店以来足繁く通っている。

常に並ぶのはメゾンカイザーとふじもとベーグル。
カイザーは銀座松屋でも買えるので、カイザーじゃないものを買いたいな、と
思ってしまうのは私だけではないはず(笑)。
そしてカイザーしか並んでいなかったら
「ちぇっ、今日はカイザーだけか」と舌打ちするのも(笑)。
しかし値段は据え置き。都内カイザー普及化が進む中(笑)、当然かも知れない。
ふじもとベーグルは、60円も上乗せされているのでどうにも手がでない。

オープン当初は、月曜日はチクテ、水曜日はカノムパンとSAKURAベーカリー、
木曜日はポワンタージュ…というふうに、何曜日にどこのパン、
というのをチェックするのがなにより楽しみだった。
水曜日のカノムパンは、D&Dに卸されて初めて口にするようになったが、
こんなに野性味がある、生命力のあるパンだったなんて…と感激した。
鋭すぎない酸味に、ナイフも折れちゃうのではないかというくらいにハードな表皮。
使われているイチジクやくるみ、カレンツなど、素材がとにかく良い。

最近、また新たな顔ぶれがお目見えしてきた。
画像のマフィンは、自由が丘のSweet soul Sweetsのラムレーズン。
手作りで数量が少ないかなり貴重なマフィンとのこと。
ものすごく小さくてこれで300円かぁ…とちょっと懐具合を伺ってしまうのだが、
とても目が詰まっていて、正直な話、家で作って膨らみきらずに
あー失敗したーって思っちゃうような生地だが(笑)、
ヘンに膨らまず、旨みをきゅっと抱きかかえているようなマフィンだった。
ラムの香りがとてもよくなじんでいてなるほど美味。
焼きたてならさぞかし…とは思う。
しかし300円…なんとも贅沢。

それ以上に贅沢なのが、レイジーアフタヌーンのパンたち。
千葉幕張にあるこちらのお店のパンは、ちょっと目を疑うような価格。
食パンが1000円?! しかも1/2本で?! お化粧箱に入ったラスクは1000円!
もっと驚くのはマロンドショコラ。2000円以上する。ありえん。
三宿方面の某パン屋さんを思い出す…。
もちろん幕張の店頭で買えばもっと安いのだが。

それから埼玉東松山のリュネット。
こちらは天然酵母系の練り込みフルーツパンやカンパーニュなどが
卸されているが、これもなかなか良いお値段。厳選を強いられる。

便利なD&Dではあるが、パンのコンディションはあまりよくない。
店の通気が良すぎるのか、乾き具合がどうも早いようだ。
オープン時から卸されている店は、どこも店舗へ直接行ったことがある店なので
店舗で食べた味を想起しながら「うーん、やっぱり店舗へ買いに行きたい…」と
思わされたこともしばしば。
しかもパンにぷすぷす刺すネームプレートもいかがなものかと。
ニューフェイスたちのパンは、いずれも店舗に行っていないので、
D&Dで買う味が全て、とは誤解したくはない。そこはやはり見極めたい。

なにより、23時までやっているというのはありがたいこと。
残業後、八重洲PCPのPAUL(22時閉店)すら閉まっているくらいに
遅い時間の帰宅には、明日の朝のパンを調達したい時に重宝している。

いろいろ思うことはあれど、それでもやっぱり通ってしまう。
パン好きには、コンビニエンスストア以上にコンビニエンスな店である。
あっててよかった、D&D。