166.北海道パンクロニクル
166.北海道パンクロニクル
2018年8月。
1年ぶりのESSAY(笑)
やはり北海道帰省の、この画像で始まるESSAY。
個人的なことながら、かれこれ15年ほどやってきたこの「この世パン」であるけれど、
かなり古いソフトを使ってこのサイトを作っているため、そろそろ限界がきているのが実情。
(ブログとインスタがもっぱら最近のメイン)
自分的アーカイブに、このESSAYは残して行きたい…という意地だけで続けてきたけれど、
そろそろ…本格的に引っ越し等を検討しなければ。
もしかしたら北海道ESSAYは最後になるかもしれないけれど、
残しておきたいあのパンと、あの風景。
*
小学生になったチビ子と、母子ふたりのはじめての夏休み。もちろん、8月は北海道。
(パパはもう別の1週間で夏休みをとってもらって、なんとか夏休み期間を稼ぐ共働き世帯なのだった…)
今回の帰省はルスツ高原で1泊することに。
説明しよう、ルスツ高原とは…
北海道のディズニーランドばりに道民にとって唯一最大のレジャーランド。
洞爺やニセコに近いエリアにあり、札幌から車で90分と、
やや不便ながらも子供の頃はほんとにルスツにいくことが一番の楽しみで、
絶叫マシーン狂いに育ったのもここのお陰?(笑)
中学の仲良したちとも来た思い出も。懐かしすぎる!
●十年ぶりに来たのも、会社の健保の夏季保養所になっていて超格安で泊まれたため。
ちょうど、絶叫マシーンが好きなチビ子にも、
ママが大好きだった遊園地で存分楽しんでもらいたかった。
いやしかし、東京の猛暑が嘘みたいに寒い!
20度ちょっとくらいしかなくて嘘みたいな楽天地(笑)
いやー、当時となんにも変わらない部分が多すぎて…(笑)
ここまで変わってないのもある意味すごいと感心すら。
年季入り過ぎ、あちこちがくたびれひなびた雰囲気が出ており
逆に心配にもなったけど、絶叫マシーンは割と充実しており(おそらく道内一)
チビ子も絶叫マシンを堪能。
この子、ほんとすごい。
身長足りなくてハリケーンやスタンディングコースターは乗れずとも、
ループザループ(一回転)は余裕、
ハートビートは何回も乗り、
ウルトラツイスターは頭打ってちょっと泣いた(笑)
私の血を受け継ぎましたな。
※なんと、この日の翌日…
テレビのニュースを見ていたら、
「ルスツ高原でループザループで緊急運転停止、30分間乗客はナナメの状態で動けず」と!!
うわわわわ、一日ずれていたら…!!
だよな…私がよく行っていた●十年前と、風景全然変わってなくて逆に怖かったもんな(笑)
ウェスティンホテルのバイキングも大浴場も花火大会もすごくよかった!
(泊まったのはウェスティンではなくノースウイングだったけれど、悪くなかった!)
じいじとばあばも(見てるだけだけど)懐かしさでいっぱいだった模様。
そう、私たち子どもたちが遊んでいたあの風景をチビ子に重ねあわせていたのだろうと。
さ、チビ子の夏休みの絵日記のネタになったかな?(笑)
*
さて、翌日は天気も悪かったので気球乗船(!)は出来ず、
朝食を食べたら札幌へ帰路につくことに。
いやいや、もちろん私がただで帰るわけがないですて…
もちろん、パンめぐりもしっかり計算の上!
そう、新婚の頃のニセコ旅行以来の後志地方のパンめぐり!
(ESSAY123番参照)
父方の実家が桧山地方にあるため、生まれてからずっと洞爺や留寿都は通り道だったけれど、
近年こんなにパン屋さんが…それもすごい辺境なのにすごくステキなお店ばかり。衝撃…!
建物がぶどうの蔦でおおわれている。
田舎の風景によくあうけれど、やはり、隠せない洗練されたセンス。
パンも大地の息吹を感じるような。
系統でいうと、ルヴァン的な、自家製酵母で酸味ある重みのある風味。
リュスティックのようなカンパーニュがとても自然体な甘みで美味しい!
エジプト塩のパン!!
これはラムヤートのスペシャリテ。そう、あのエジプト塩を焼き印もろとも
封じ込めたパン! 全国探してもきっとここだけなのでは?
ベースはトマトパン。しかし、エジプト塩らしいクミンなどのスパイスも
存分に香って、非常に美味しく。
…いやしかし、1斤よりも小さいサイズでありながら確か700円くらいした。
この場所でこの価格でパンを出せることに、そのこと自体に衝撃!
全国的なパンブームというものは確実に単なるブームを超えている…!
ベジサンドは洞爺湖畔の道の駅のテラスでいただいた
(私以外はうどん(笑))
*
ラムヤートさんに教えてもらい、すぐお店の裏手にあるステキな焼き菓屋しまりすやさんへ。
たまたまこのとき静岡の器やさんが展示会をしており、前から欲しかった小鹿田焼きの器にロックオン!!
九州大分のお皿が→静岡のお店へ→個展で北海道の洞爺へ→東京の私が持ち帰る(笑)
もちろん、しまりすやさんの焼き菓子も。
素朴だけどきちんとじわる甘さがほどよい!大好き!すべてがステキな洞爺のほとりでした。
チョコミントのクッキー、美味しかったぁ…
お庭にミントの葉が群生していた。
きっとあれを使ったのかな。
てんとう虫くんもほほえまし。
あいにくの天気だったけれど、
道産子にとっても我が家にとっても思い出深い洞爺湖畔。
…そういえば、小学校の修学旅行も洞爺湖だったな(笑)
*
洞爺湖畔のラムヤートさんもビックリだった。
しかし、場所の辺境っぷり衝撃度はこちらのほうが遥かに上だった!!!
ソーケシュ製パン×トモエコーヒー。
辺境衝撃度★★★★★ (笑)
家も畑もない原野を数キロ(ときおり牛さんがいる)、
ナビを使っても不安になるほどになんにも目印がない道を延々進む。
かつてドライブインであったであろう風貌の建物をリノベしたパン屋さん&コーヒー屋さん。
パンがーー!ガチだーー!!!
全国パンを食べさ迷ったパン玄人の私ですら驚くロケーションとこのパン!
ええええーマジか…。
クロワッサンが一目見てもルヴァン的バキバキミシミシ系、もろ好み!!
パンオショコラはさらに上いく美味しさ!!
食パンも酸味がだいぶ和らいでむっちり美味しい!
確かラムヤートさん出身とあった覚えがあるけれど、
いやいやいや…この地域は贅沢すぎる(笑)
こんなハイレベルな…玄人向けな…
誰向けのパンなんだ?!
と、???マークが延々と頭に浮かぶパン…!
いやそうとうここのパン凄いよ。凄い。ひー!!コーヒーも美味しかった。
お菓子も甘さがほどよく、
むちゃくちゃ美味しかった。。。
美味しすぎるギシギシクロワッサンを、ハラハラ風に飛ばしながらほおばる。
庭にはブランコもあって、少し遊ばせていただく♡
【参考】私的辺境衝撃度
・ラムヤート★★★
・エグヴィヴ★★★★
・ブーランジェリージン★★★★★
(ロケーションは極めてジンと酷似。この辺りは、ほとんどがこういう風景(笑))
ソーケシュから車でそば、牛さんがほのぼのと放牧されている牧場に
併設されたチーズ屋さんにてソフトクリームを。
ソーケシュに来たらほぼここは立ち寄るのだろうな(笑)
牛さんを眺めながらのソフトクリームは最高!
ほら、これが北海道の醍醐味だよ。チビ子。
*
札幌でも数日滞在。
ペカッと晴れた日があったので、この日は小樽まで!
もちろん、海のパン屋さんに行くためであるのだけど、
ほぼ必ずセットで訪れるのは小樽水族館。
チビ子サービスを絡めないと、パン屋さんに付き合ってくれない、つれない娘(笑)
おたる水族館は、施設自体はかなり老朽化しているものの、
永遠に色褪せないのはこの日本海のパノラマ。
この風景を眼下に見下ろして風を全身で受けていると
正直言って、絶景っぷりは沖縄を上回っていると思う。
ペンギンショーもアシカショーもいるかショーも
大満喫! よし、チビ子サービスはこれでOK!(笑)
*
帰ってきました、海のパン屋さん。
2年ぶりだろうか、久々に来てみると、新しいトンネルの工事が完了しており、
忍路の半島に入る道を通り過ぎてしまった。
でも、前よりだいぶ右折しやすくなった気がする。
ほんとあの右折は怖かったものな…(事故多かったんじゃなかろーか…)
忍路の町に続く道をそのまま進むと、海のパン屋さんの前の道につながる。
ある意味アクセスしやすくなった気もする。
少し海を見下ろしたときの眼下の風景が変わってしまった感じはあるけれど。
変わったことといえば、外国人のポタリングのご一行が来ていたこと。
どこから自転車乗って来ているのだろう。結構ご年配の層にみうけられたけれど。
インバウンドの波、こんな小樽のはずれにも…(笑)
母も元々ここのパンの大ファン、
娘も何度か食べたことがあるのに「こんなに美味しいパン、食べたことない!♡」と、
悶絶する女三代。
実は前回来たときはクロワッサンの出来がイマイチだった感じがあったのだけど、
…たぶんあれはたまたまだったみたい。
トマトのパンは、そのあまりの美味しさに、
食べながら「どうしたらこんなに美味しいものが作れるのだろう」と、真剣に悩んでしまうくらい。
母はこの夏だけのトマトパンが好きすぎて、冬はそれほど行きたがらない(笑)
個人的にはクロワッサンと同じくらい、パンオショコラが大好きで
ここにくると、クロワッサンとパンオショコラとトマトのパンをその場で全部食べ切ってしまう。
…すごい量だと思われるが、あらがえない。
この美味しさと感動の前には…
やはりここのクロワッサンとトマトパンは、世界一でした。
いうまでもなく。
それを確かめに帰ってきたのです。
確かめることもう十回以上になるけど、やはりここが世界一だと。
裏切られることはないのだと。
*
この1ヶ月後の北海道地震。
家族や親戚、友人の無事を確認できたあとに浮かんで来た風景は
やはり、この夏のパン屋さんの思い出風景。
そして、広くて豊かなわが故郷の風景。
かつてあった風景も、いまある風景も、
私の中で同じくらい変えたくない、変わらないでほしい、と心から願った。
2018.8.3〜8.8
#miwapain