160.三浦半島パンめぐりきっぷ


現在、パパが単身赴任中である我が家。

といっても、比較的短期なのでつかの間の母と娘の2人生活をしている。


パパの赴任先は、横須賀。

横須賀にはあまり詳しくないけれど、

一度は三浦半島パンめぐりなんかもしてみたいと思っていたところ。


チビ子をパパに預けて私ひとりパン屋さん行くのはどーだろうかと提案したところ、

今週はどうかと。えっ、今週末???

実はこの翌週に、私の母も連れてチビ子の3人で横須賀観光に行く予定だったのだが…


というわけで、2週連続の三浦半島。

おそらく次週はどこにもパン屋さんに寄る余裕はなさそうなので…

今日のこの数時間にかける! 三浦半島パンめぐり!!




①スゴイロケーションのベーグルサンド屋


京急では、三浦半島1Dayきっぷの他にも、

三崎まぐろきっぷや、横須賀ぐるめきっぷなど、

周遊きっぷが充実している。


今回利用したのは「三浦半島1Dayきっぷ」。

あいにく、「パンめぐりきっぷ」などというものはないのだが(笑)


パパと横須賀中央で待ち合わせ。

チビ子を託し、私はそのまま京急の終着駅、三崎口へ。

(※チビ子とパパは、横須賀デートをしたとのことw)


三崎口駅はなにもないザ・ローカルな風景で、

終着駅ということもあるが、なにより天気が小雨の曇天だったため

最果て感が強く…(失敬!)

しかし、それこそが久々のひとりパン旅の気分を盛り上げてくれるのだった(笑)



今回、最初のお目当てのお店は、

割と新しめの「みやがわベーグル」さん。

いや、正確に言うと、ベーグルサンド屋さんというか。

三浦半島の野菜と、同じ三浦の人気パン屋、充麦さんのベーグル

(他は自家製だけど、ベーグルだけが自家製ではない(笑))

でサンドイッチを提供する地産地消のお店。


そこからバスでさらに南下、Google Mapsさんが指し示すとおり、

最寄りと出たバス停(栄町)からアップダウンの激しい道をたどり

海の方へひたすらあるくこと 徒歩20分弱…(やや雨)




目の前が港のスゴイロケーション!

漁師小屋をリノベした、週末だけのお店。

週末のお昼しかやってない上に、通いでやってるそうなのできっと本業は別にありそうな(笑)




外は漁師小屋だけど、中はすてきにリノベされておりセンスの高さを伺える。




雨の日のせいか、お客さんは比較的少なめだったのかもしれないけれど

わざわざここを訪ねてくる人が多そう。

三崎まぐろきっぷを手にして?

いや、この場所なら車でくるのだろうからまぐろきっぷじゃないか(笑)




ビーツのクリームチーズにラペのサンド、

そして地元のカジキマグロとセロリのサンドをオーダー。


ショウガそのまんまの辛みの効いた自家製のジンジャーエール。

ベーグルの単品売りもあり。




これらを、目の前の海で(やや雨)

うわぉ!なんか火サスの現場みたいな断崖絶壁があるー!

スゴイロケーション!!

雨に若干打たれながら、太平洋を真ん前にしてかぶりつく!!




きっちりキッチンスケールで具の分量をはかってつくられる、

整いまくったこのベーグルサンド。

彩りがほんとうに女子向けといえよう!!

ビーツのクリームチーズに、ラペサラダ、そしてお野菜。

ベーグルは胚芽っぽい素朴な旨み。

なんといってもこのロケーションですから!!




ベーグルのサイズがやや小ぶりなので2個目に突入☆

三崎のまぐろで作った自家製ツナに、セロリの香味が非常に相性良く。

それに加えてなにか独特の香味が効いて美味しい♪


港では釣り客がまばらに見えるけれど、

小雨の中、こんな場所でベーグルをスタンディングでかじりついている

奇妙な女は…というか、人は私くらいしか存在しない。

晴れの海を眺めて食べるよりも、不思議な高揚感につつまれる。



お店の人によると、徒歩五分のところにも三崎東岡というバス停があるらしい。

えー、グーグル先生は教えてくれなかったのに。

調べたら、マップに登録されてないバス停だった。

経路検索しても、出てこないわけだしかも1時間に1本しか運行しておらず

タッチの差でバスを逃し、結局元の徒歩二十分のバス停へ戻ることに。

坂がめちゃくちゃアップダウン激しい道のりにつき、

往復1時間以上歩いたような疲労感が…

おばさんにはキツい!!(笑)






②ここまで来て休業中のパン屋さん


スンゴイロケーションのベーグル屋さんをあとにし、

三崎口駅へバスで戻る途中にあるパン屋さんを訪ねるも、

なんとご無体にも休業中…!




夏期休業とあるけど、いつまで夏なんだ?!

店の中を覗くも、なんか袋に包まれた資材で店の半分が埋まり、

廃業?と思えなくもないような、でもやはり営業再開しそうな雰囲気もあるよーな

パン友によると、「昨年2回通りかかったけれど休業中だった」とな。


うーん、安否不明…

そしてここまできて振られた痛手は…

パン屋さんに受けた痛手は、パン屋さんで癒すしか無い!!


そろそろ体力限界ですが、こうなったら老体むち打ってもう1軒行くべし!

(もともと行こうと思ってはいたけれど)




③現場主義ならあだち充麦


スンゴイロケーションのベーグル屋さんに続き、

安否不明の休業パン屋さんに続き、

最後に訪れるは三浦のパン屋さんの代名詞的な充麦さんへ。


三崎口駅から別の路線バスに乗り換え、数分。

目の前に畑が広がる、こりゃまたスゴイロケーション。

自家製小麦(!)の充麦さんのパンは、催事等で何度か買って食べたことはあるけれど、

袋に入って一日以上たったであろうパンからは、

ここまでわざわざ来るモチベーションには結び付いてなかったのが本音。




…ところが!やはり、現場は違う。

現場に行かずしてはパンは語れない!

そう、私のパン好きの原点といえるべき体験。




催事等ではハード系しかみたことがなかったのに、

こんなにカラフルで細やかなバリエのサンドやパンたちが!

ハード系のパンがつまらないとかそういうわけじゃないのだけど、

イベント等でしか抱けなかったイメージがいい意味で裏切られた瞬間だった。


なんていうのかな、これまでモノクロテレビしか知らなかったのに、

カラーテレビがやってきたかのような、

急に視界に色が鮮明についたような。

ちょっとした感動。




パンにも彩りを求めてしまう自分の嗜好を再確認してしまったり。

かなり厳選して選んだのは、このパンたち(プラス、週末限定のロデヴも)

冷凍庫事情が許すのであれば、食パンなどもぜひとも買いたかった…!!


なんといってもサンドが魅力的過ぎ!

ブーケというサンドも発想が素晴らしいな。

クリームチーズを先に詰め込み、

さらにオリーブオイル等で絶妙に調理されたお野菜をスタッフド。

ぎゅぎゅっとお野菜をバゲットに押し込む様にしてかぶりつくと

クリームチーズと合わさって美味しいですよ、という

マダムのおススメはまさにその通り!


巨峰とりんごのパンは、なんとベーグル!

先ほどのベーグルサンド屋さんに卸すのであろうベーグルが

店内に「予約」としておかれていたのを目の当たりにすると

手を伸ばさずにはいられない。

なんて美味しすぎる巨峰とカスタードとりんごのペアリング!


結局、この日の三崎パンめぐりは、

充麦さんのパンしか食べていないという結果に(笑)


お店にいる間に、次から次へと、別の種類のサンドなどが、

一、二個、の少数個だけでてくる。これはほんとに一期一会かも!

どのパンもステキ!来て良かった!






この道二十年、しかしこの数年は子育ての合間にちまちまと、

パン現場主義の私が久々にこてこてに「現場主義」を楽しんだ、

ほんの数時間のパンめぐり。


車で行くべき場所を徒歩で。

18きっぷを片手に、飛行機で行くべき場所を鈍行で。

道なき道をたどりながら…昔ならまさにボロ雑巾のように

パン屋さんに転がり込むことも少なからずあった、

あんな時代もあったねと、

ほんの数時間だけのデジャヴ体験。


そして、出会うパン屋さんは決まって驚きを与えてくれる。

美味しさも佇まいの素晴らしさもそうだけど

「どうしてこんな場所に?! 誰が買いに来るの?!」という

失礼ながらな老婆心もお決まりで。

ところが決まってどこのローカルなパン屋さんも客足が絶えない。

そういう風景を目の当たりにして嬉しさがあふれてくるのも

ローカルパンめぐりの醍醐味なのだ。



三崎まで行って、まぐろを食べずに…

いや、まぐろ、食べましたよ。

ツナサンドでね!(笑)



余談

このあと、チビ子とパパと合流し、

超破格のキタナシュランな居酒屋さんで

驚くべきコスパのまぐろづくしを堪能したのでした(笑)

やっぱり、三崎はまぐろだなぁ(笑)


2016.10.9