151.1日1パン屋さん! 札幌1週間帰省
151.1日1パン屋さん! 札幌1週間帰省
猛暑の東京を飛び出し、今年の夏も実家のある北海道へ。
今回は法事ということもあり、いつもとは違って7月中に、
そしてちょっと長めの1週間。
パパとチビ子ももちろん一緒。
かわいい盛り、元気盛り、そしてイヤイヤ盛りのチビ子に
じいじもたっぷり振り回されることに(笑)
札幌は猛烈な嵐の日があったり、それなりに 暑い日もあったり
(といってもクーラーつけずともなんとかなるレベル)
涼しすぎる夜もあり、
なぜか白いモヤにつつまれる昼もあり。
今回は、期間こそ1週間と比較的長めだけど
いろいろと予定が詰まっているので
まとまったパン屋さんめぐり…は
していないものの、「一日一軒パン屋さん」が実現☆
今回訪れたパン屋さんは、5軒中、3軒が初訪問。
どれも初めてなのにゆかりある、思い入れのあるあの店、この店。
忙しいながらも充実した札幌の夏、パンの夏!
*
札幌1日1パン屋、その1。
昼さがり夕刻近くから自宅にて法事。
親戚も集まるのでなにかと忙しい。
そこで、お昼ごはんにと、朝一番で
近所のカトルフィーユで家族分のパンを調達。
カトルフィーユは、ここ最近の帰省では
ほぼ毎回来ているかもしれない。
家族の分には、まあるいフォカッチャ各種。
イチジク入りのミルクフランスにも
飛びついてみた。
大人向けのショコラのラスクが美味しかった♡
*
札幌1日1パン屋、その2。
この日の午前中は
念願のPOTORIベーカリー@長沼へ!
同郷パン友後輩ちゃんの実家が近いということで、
前から行きたいと思っていたところ、
帰省のタイミングがあったので本日実現!
札幌の隣町で、車で迎えに来てもらったのだけど、
想像以上に長沼はローカル!
富良野に行かなくてもここでも十分なほどに風光明媚!
田園の奥、白樺林を目の前に、森の中。
そんな場所にPOTORIベーカリー。
都内で修行された女性が
お子さんを育てながらこの土地でオープンさせたお店。
雨が降り出しそうな天気だったので
看板にはビニールシートがかぶせられていたけれど
わかるかな?
開店前から並ばないとパンがなくなってしまうほど人気。
車でわざわざみなさん買い求めにやってくる。
もちろん、車がないととてもじゃないけれど
行けないような場所でありながら…
オープン10分くらい前に到着したので1番のり。
オープンまでの間、店先でこの景色を眺めながら…
爽やかな北海道の風(少し強めだったこの日)を感じながら…
こんな場所なのに…!と、
ローカルなパン屋さんに行くといつも驚かされ、
そして感動させてもらってしまう。
ここにも、やはり。
素敵な素敵なパン屋さん!
東京から来たという話をし、
家がルヴァンに近いという話をしたところ、
彼女の働いていたパン屋さんがルヴァン出身のお店、
世田谷の下北の近く…ということ。
だから「ルヴァンの孫弟子」
とのこと。
すぐに「ぴ」ーんときた。
あのお店ですね!!
クロワッサンをはじめとして、
ハード系全般がかのパンたちを
見事に継承している。
ここにも、すばらしいルヴァンの系譜…
個人的にはばりばりのブーランジェリも
大好きだけど
ルヴァンの系譜…だけどまぎれもなく
「日本のパン屋さん」である
こういうパン屋さんが一番好きなんだって実感する。
迷いながらも存分に買った。買えた。
どれもこれもが本当に美味しい…!
ほどよい酸味は、ほどなくまろやかな酸味にスイッチ。
おそらく、自家製酵母系のパンが苦手とするような
一般の人にもかなり酸味はおだやかに感じられるかもしれない。
何度か、後輩ちゃんにお土産にもらったことがあったけれど
やはり「現場主義」の私。
その土地に足を運び、
その店でパンを選び、
その土地の空気を吸いながら、
パンたちをほうばる…
それ以上に美味しいパンの食べ方を知らない!
*
それよりなにより…後輩ちゃんの実家が噂以上にすごかった。
広大な畑であらゆる野菜や果物、花が
咲き誇っていた。
長靴とはさみを借りてたくさんの野菜や果物を収穫させてもらい(笑)、
10キロ近い野菜を抱え帰宅(笑)
うちの実家は札幌の中心地でそれはそれで便利だけど
やはり田舎暮らしもいいな…
たまに帰る実家ならなおさら。
子どもを育てていると最近それをよく実感する。
いつか、チビ子連れでまたお邪魔させてね!!
*
札幌1日1パン屋さん、その3。
先に東京に戻るパパをバスターミナルに送り、
その足で「ミヤノモリブレッド117」へ。
このパン屋さんは、円山で長年愛されつつ閉店した
地蔵商店のオーナーさんが始めたパン屋さんだそう。
地蔵さんは私が本当に小さい頃から近所にあったので
閉店したときは寂しかったなぁ…
いまだに、あのビルの壁にはうっすらと
「地蔵商店」の文字が名残として残っているのだから。
「ミヤノモリブレッド117」さん、
こちらは宮の森中学校のすぐそばにあるのだけど、
いやー、宮中ってかなり山の上にあるのね…
隣の校区なのにはじめて来た。
坂が大変そう!
坂の上度合いは、ルルド(宮ヶ丘のパン屋さん)といい勝負かも。
徒歩じゃかなり厳しかろう…
やはり、札幌のパンめぐりは難儀なり(笑)
当時と同じ、優しいソフトな顔ぶれのパンたち。
クリームパンと角食がおいしかった
たくさん買ったけど、ぺろっと食べてしまえそう。
余談だけど、 パパを送ったとき、
バスターミナルで東京からきているパン友親子に遭遇!
円山動物園に子どもたちを連れて行くところだそう。
私自身、昨晩は中学時代のクラス会があったり、
小学校の時の友達のお宅へチビ子をつれておじゃましたり、
なかなか人と会う機会も多い今回の帰省。
そして夜は高校時代の仲良したちと飲みに。
道庁の横に新しく出来たビルの超おしゃれなお店で。
あまり札幌らしくないお店だった。
(高くてお上品で味はそれなり…というのが超〜東京的!(笑))
余談だけど…(その2)
8月に、道庁赤レンガ横に開業する「札幌三井JPビルディング」内の
商業施設「赤れんが テラス」は
東京のショップやレストランが数多く入る、大注目の商業施設。
あいにく、まだオープンしていなかったものの…
パン好き的チェックポイントは、
人気のコロンさんが初・支店を出すということ!
「札幌にしては」便利な場所にあるコロンさんだけど、
これでますます便利度増しますな〜
そんなこんなで大充実の札幌帰省。
明日は家族で遠出しますよ~…もちろんパン屋さんは…
*
札幌1日1パン屋、その4。
今日はじいじばあばと一緒に4人で小樽へ。
とりもなおさず忍路目的ではあるけれど
おたる水族館にも行ってチビ子サービスも(笑)
そしてもちろん、今年も恒例の…海のパン屋さんへ。
めずらしく午前の焼き上がりではなく
午後の焼き上がりのタイミングにいったところ、
クロワッサンにはありつけなかった…
ううう……でもいいの。
何度も食べているからいいの。
毎年来ているからいいの。
また来年もくるからいいの。
来れただけでもいいの!!
バゲットが甘いおかきのごとくじわじわ。
チビ子もこのバゲットが気に入ったようで
車の中でバリバリ。
おかげで車の中がパンカスだらけ…
すんません(笑)
クロワッサンがなくても我慢できたのは
トマトのパンが今年もちゃんと手に入ったから!!
まさに今、焼きたてだったのでもう本望!!!
不変の美味しさに涙…
トマトのパンといいながら、
ローストたまねぎの筆舌しがたい甘さと
少しのチーズのアシストがあるからこそ。
小樽まで来て食事処に入らず、
このトマトパンだけをお昼ごはんにした我々一家。
私と母は毎年これをやっているのでいいのだけど、
今回はじいじまで巻き込まれてしまう、の図(笑)
他には定番中の定番、パンオショコラ、フルーツロデヴ、キッシュ、コンプレ、オザマンドを購入。
(画像はコンプレ1/2)
母もトマトパンに悶絶しながら
「今年も(食べ)おわっちゃったわね…また来年ね」と。
この12年間、8月のいつも同じ日に札幌にいたけれど…
13年目の今年は、ちょっと早めの7月。
そう、海のパン屋さんがないと
北海道の夏は終われないのです。
*
札幌1日1パン屋さん、その5。
1日1パン屋さん。
…とはいっても、海のパン屋さんの帰りにもう1軒寄ってもらう。
明日、最終日の水曜日が定休日だったからだ。
聞いて驚くなかれ!
阿佐ヶ谷で大好きだったパンの美味しいイタリアン、PAUSE。
閉店したときはショックだったけれど、
そのPAUSEのシェフがパン一本にしぼり、
なんと札幌でパン屋をオープン!…していたなんて…!!!
最近まで全然しらなかった!!!
というわけで、なんとしても行きたかった「PAUSE PANE(ポーズパン)」。
場所は、ロープウェー近く、中央図書館の近く、石山通そば。
市電は目の前を通っているけれど、決して便利な場所ではなく(路面なので駐車場無し)、
パンの顔ぶれをみても、かなり勝負な立地。
もし、車無しで札幌パンめぐりをする人なら
アンジュとのハシゴも可能だと思う。
扱うのは、大きなパンを5種類のみ(ハーフから買える)
パンの種類の絞り込みも潔い(!)が、店の内装外装ともになんと清々しい。
余計なものは飾らない、だからこそひとつひとつが映える。
女性だけでなく、男性も惚れてしまいそうなかっこよさ。
シェフと少しお話をさせていただいたが
阿佐ヶ谷にも何度か食べに行った話をしたら驚かれた。
今でもパンを恋しがってくれる東京の常連さんが
いるそうで…ほんとそうでしょうね!!
パンは、どのパンも個性的。
料理に合わせたらさぞかし美味しいだろうな…という、
初心者には少し難しめのパンもあるので(マニアック、とも呼ぶ)
正直この土地でこの立地でこのパンというのは
かなり勝負かもしれない…とも思った。
(特に、私と同じく全種類ハーフで買った母は美味しく食べきれるのだろうか心配(笑))
しかし、パンは食べれば食べるほど、じわじわウマイ。
きわめて珍しいパターンだけど、
買ったばかりに切り分けて食べたときよりも、
なにげなくあとで口にした時の方が俄然美味しい。
(放置して熟成した、という意味ではなく)
パンがわかる人、そして
阿佐ヶ谷のお店を知っている人はぜひとも行ってみて欲しい!
法事に同窓会に家族サービスに、
何かと忙しくて1日1軒のペースで訪れたパン屋さんたち。
それでもいつもよりも長めに帰省していたからか、
いつも以上にパンも充実できたような気がする。
札幌のパン屋さんは、おそらく道外から
車無しでパンめぐりに来た人には
かなり難易度が高い様に思えるけれど、
できれば滞在中の1日に1軒ずつでも…
ゆっくりじっくりと足を運んでくれるといいな。
*
札幌から東京に帰って来たその2日後。
帯広の祖母が亡くなったとの連絡が。
10年に渡って寝たきりの祖母が…
このESSAYでも何度も登場してきた帯広の祖母が
ついに祖父のもとに旅立ってしまった。
東京に戻って来てすぐに、また北海道に戻る事になってしまった。
この3年間、毎年1人ずつ、祖父母を見送ることになってしまった。
つまり、チビ子は3年連続、3人の曾祖父母のお葬式に参列…。
0歳、1歳のときはピンと来ていなかったチビ子。
今回、2歳のお葬式では、
棺に横たわる祖母に皆が花を添え、涙を流しているときに
ただならぬ雰囲気を察したのか、突然号泣しだした。
「お花のおばあちゃん、お空にいったの…?」と
その後もずっと私に問いかけてくる。
そうだよ、お空にいってしまったんだよ。
お空から見守ってくれるんだよ。
祖母がなくなったという悲しみもさることながら、
祖父母が両方亡くなってしまった帯広には、
もう今後ほとんど行くこともなくなるかもしれないことを思うと一層寂しさが募る。
赤ちゃんの頃から大好きだった帯広。
おばあちゃん。さようなら。
天国で、「みんな」によろしくね…。
2014.7.24〜7.30