125.札幌帰省〜2010年・夏〜

 

今年も8月の札幌帰省。

札幌は本来、クーラーがなくても8月は乗り切れるはずなのに

近年は本当に猛暑日や熱帯夜が続くことが多くて

扇風機すらない我が家に帰っても、かえって避暑にならないという

温暖化の怖さを痛感するときである。


今回の帰省もダンナくんが一緒に。

早朝に到着したので、家に帰っても何もないので

近所のフレンチへランチに2人で出かけた。

(正直、ここのフレンチは微妙だったので紹介しないでおきましょう。

自家製らしきパンは美味しかったのだけど!)





実家は訳あってあかずの間が多く(笑)

とても娘夫婦が泊まれるほどのスペースがないので

(私が実家に帰っても、居間で寝泊まりすることが多し…)

今回は(も)、街のホテルに泊まった。

だから帰省というよりもどこか旅行気分でお得なのである?!

大酒豪である父は3.5リットルくらい飲んだだろうか?!

私のオットくんも父に負けじと3.5リットルくらい(笑)、

私も2リットルは飲んだ。

母は1リットルくらいは飲んだ(笑)。

一家で10リットル。とんでもない酒豪一家だ…






翌日。小樽の海のパン屋に行こうと画策。

オットくんにあの風景を見せてあげたかったのだ

というと聞こえはいいが、行かねば帰省した甲斐を見出せない(笑)

もちろん、海のパン屋ファンの母も同行。


午前中、定山渓の方にあるお寺さんに法事に行ったのだが、

母は、定山渓に新しく出来たホテルのバイキングに行きたいという。

定山渓から小樽は、実は札幌から向かうのとそれほど変わらない。


「ひとりで行くのはちょっと抵抗あるから

良いタイミングで帰って来てくれてよかったわー」と母。

そのホテルは、つい数日前にオープンしたばかりなのだそう。

法事が済んだ後、夕方、家族で毎年恒例のさっぽろ夏祭りへと出かけた。

そう、大通公園が巨大ビアガーデンに変貌する1ヶ月間。

これが毎年我が家の楽しみでもあるのだ。


天気予報では最高気温35度という、目を疑うような文字が。

言い換えればこれ以上ないビアガーデン日和?!


ビールメーカーごとに会場ブースが異なる。

最初はサッポロ会場でスタート。

二次会はサントリー会場で(笑)。

(ちなみに、アサヒが一番会場の雰囲気がいい。公園の木々が日よけになるから!)



ビールは旨いが、フード類は高くてあまり美味しいとはいえないビアガーデンの宿命。

我が家は何も準備してこなかったのだが、

周りをみると、みなさん慣れたように持ち込みしまくり(笑)。

「持ち込みは御遠慮ください」と書いてあっても、

遠慮している人たちはどこにも見つからなかった(笑)。

パーティー仕様の巨大なオードブル皿を、段ボールで運んで来て

堂々と5皿ぐらい並べている御一行も…。

おじちゃんおばちゃん、毎年やってるんだなぁ(笑)

「森の謌」というホテルは定山渓には珍しいタイプのリゾートスパで

泊まるとかなり高いようなのだが、「森のビュッフェ」は日帰り可能。

(スパも利用できるプランあり)

このラウンジ、靴を脱いであがってくつろぐタイプで

まるで児童図書館的というかジブリ的というか。

野菜を中心にしたヘルシーな料理がものすごく種類豊富に並ぶ。

種類が多い分、逆に「目玉」的なものがないかもしれない。

目玉といえば、デザートかもしれない!

パティスリーも併設しているが、同じものを少量ずつ試せる。

これから海のパン屋へ行く…ということもあり、

だいぶ控えめに食べた。でも、一周するだけで十分すぎるほどのボリューム!






そのまま母が運転し、小樽へ。

今朝、電話をしてみると、どうやら明日から夏休みのようで

夕方の便で帰省するらしく(笑)、なにがなんでも16時には閉店するらしい(笑)

結構ぎりぎりの15時半ごろに到着。

うっそうと緑が茂った夏の海のパン屋。

空はこの日は青くなかったけれど、眼下に広がる海は今年も静かだった。

パンは…かろうじて残っていたものの、クロワッサンはもう完売(泣)

パンオショコラもかろうじて1個のみ…。

フルーツのロデブも、よっぱらいフルーツパンも全部なくて無念…。

予約していなかった自分を責めるのだ。

そのかわり、カンパーニュ系とぶどうパンをしっかり購入。

タルティーヌも何枚も買って、朝食にと、ホテルで毎朝食べた(笑)


次回こそはクロワッサンにありつけますように…。

私が日本一と呼べるクロワッサンは

ここにしか、この海の前でしか存在しないのだから。






夜、父が用事があり遅くなるらしく、

母も夜はちょっとゆっくりしたいようだったので

私たちは二人で夜のすすきのへと出かけていった。


私は行ったことがなかったのだが、観光客的には結構有名らしき

「知床羅臼料理」のちょっと面白い店があるらしいのだ。

それが、この「はちきょう」さん。

界隈に、支店が数軒あり、我々は本店ではなく、支店の方へ。


んまーーーとにかく威勢が良すぎる店(笑)、

店内はまるで漁師小屋、店員がすべて坊主頭で漁師風の出で立ち。

旅行で来るならこれくらいインパクトのある方が思い出になる!

名物、ホッケのコロッケ!!!

意外と道産子料理の店では見かけるらしいが私は食べたことがない!

これがめちゃくちゃ美味しかった。

サックサクの衣に、柴漬けで赤く染まったタルタルソースをかけるスタイル。

食べたことがないはずなのに、どこか、なにかに例えられるような味

そして、ここに来たらマストな名物がこれ!

名物つっこ飯。

まずはなんの変哲もないごはん茶碗を渡され


坊主漁師さんがえらく高らかに宣言。

「どんどん盛っていきますのでストップをかけてください!

ひと粒でも残したらこちらの募金箱にカンパして頂くということでっ!

もちろん、全部召し上がってもカンパしてくださって結構でっ!」


そして、店員が一斉にかけ声をし、イクラをじゃんじゃん盛っていく!

おいっさ! おいっさ!!

おいっさ! おいっさ!!

おいっさ! おいっさ!!

はい! 一丁上がりーーー!

周りにこぼれている粒もちゃーんと全部完食(笑)

羅臼料理、満喫した夜♪



余談だが、この後、父が割と早めに帰宅したらしい。

娘夫婦がうちでご飯食べていると思ったようで、切り上げて来たらしいのだ。

ちょうど、いくらご飯を食べているときに母から電話。

「お父さん、寂しがっているわよー」の一声に、

私たちもすぐに父に酌をしに実家に戻った。


実は、羅臼料理屋に行く前に、私たちは両親に扇風機を贈ろうと市内の電器屋をめぐったのだが

なんと、やはりめぼしい扇風機がない!! そう、数年前の猛暑のときも、

札幌中の電器屋から扇風機が消え失せていたのだ…。

やむを得ず、ドンキで小型のちょっとお洒落な扇風機を購入。

音はややうるさいが、夏のほんのひとときを過ごすならこれでなんとか…。 喜んでくれたのは幸いだった。






翌日。今日はランチで高校のときの友達に会う。

結婚式以来に会うので水入らずで。


すると、ダンナくんが「俺は1人で何してればいい?」と

とてもめんどくさいことを言って来た(笑)。

おいおい、1人で観光でもしてらっしゃいよー!


「なんなら、家に帰ればうちの父ちゃんも母ちゃんもいるからごろごろしてくれば???」

「いや…いいです(笑)どこかふらふら観光してきます…」

手がかかるダンナである(笑)

彼女との待ち合わせ前に、ちらっと寄ったのは

最近大通に出来たスイーツの集合施設。

元・たくぎん…いや、北洋銀行があったビルがきれいに建て替えられていた。

ただし、中に入っているテナントは

希少性の少ない、空港でも買えそうなところが多く、

うーむ、これというお店はなかったので

あぁぁ、待ち合わせ前から飲みますか!

でもある意味正しい使い方だと思います(笑)



この日のランチに私が指定したのは、町中のフレンチのお店。

入口はかなり地味なのだが、地下の店内はとても落ち着いており、かといって堅苦しさはない。


札幌は実はフレンチ激選区。

素材に恵まれているせいか、東京では考えられない

コスパの良いランチが食べられるのである。


思い出すのは、私が浪人時代。

母が私を励まそうと(?)、毎週土曜日にフレンチのランチのお店を

いろいろと連れていってくれた。ランチなら1000円台でも贅沢な気持ちになれる。

ホテルのランチ、一軒家のランチ、いろんなお店に

あの頃の母との食べ歩きが今の私の食い道楽の土台を作ったんだろう、な。

アミューズはとうもろこしのムース(だったかな?)

優しい味わいの中にもしっかりコーンが主張!

前菜は、トマトのファルシ。

パプリカソースを添えて。


さらにスープもついていた。

なにかのヴィシソワーズだったような記憶があるが、

とっても美味しい♪

魚料理は、メカジキや海老などの魚介のソテーに、

インカの目覚めなどのローストを添えて♪

もちろん、魚介類も美味しいのだけど、インカの目覚めって、

どんなお皿でも主役の座を奪ってしまうのがキケン(笑)。美味しすぎるもん


ここでちゃんとお口直しにグラニテも出るのが嬉しい。

肉料理は、豚のミンチをハンバーグ風に焼いたお料理。

魚の時点でもうだいぶおなかいっぱいだったのに、

しっかりこちらも…。フルコースで2千円台って、本当に恐れ入ります…

デザートは、桃とヨーグルトのデザート♪

さらにプチフールまで出てくるなんて想定外!!!

本当にコスパが良過ぎて、びっくりしてしまった…。


こちらのシェフは、この店を開くまで東京で働いていたそう。

東京ではきっと味わえないこれだけのコスパのフルコース。

本当にごちそうさまでした!

ふらふらと大通公園の方まで行くと、一昨日は気付かなかったが、

ドイツビール祭りのブースが11丁目付近に!

おお、シュパーテンにフランツィスカーナーなどが飲める!

私はホフブロイのヴァイツェンを♪

なんだ、もっと早く知っていれば一昨日も来たのにーーっ。





さて、ダンナくんと合流しないまま、先に実家に戻って来た私。

母と二人で近所のスーパーに買い出しに行き、

今夜のジンギスカン用の準備をはじめた。


その帰り、寄ってもらった一軒のパン屋さんは

うちの近所であり、一昨日もすぐ側を通ったというのに、知らなかったお店

中学の同級生のパン好きさんからタレコミをもらった店だ。

よつ葉のクローバーが目印のパン屋さん。

カトルフィーユさんはごく最近、2009年11月にオープンしたばかり。


マークはほのぼのとしているが、中に入ると、ゴージャスにシャンデリアが。

パティスリー並みのラグジュアリ−感が、札幌ではなかなかないタイプ!


シェフは、東京で数店経験したあとここにオープンさせたらしい。

聞くところによれば…ジョエルロブション(なるほど、お店のインテリアはそれに通じる!)

さらに、その後は渋谷のセルリアンタワーで焼いていらっしゃったらしい!

(それを聞いて、母と私は思わず叫んでしまった。いつ頃の話ですか?! 

…残念ながら、「その時期」はもう退職されていたみたいだが…。うわーーー)

夕方だったのでパンの種類はだいぶ限られており、

とてもベーシックなパンを中心に。

パン屋激戦区のこの土地に、また新たにひとつ、

東京仕込みの正統派なブーランジェリーが…。



夜は自宅でジンギスカンを。

しっかり食べて飲んで、家族だんらんのひととき。

週の半分を介護のために帯広との往復をする忙しい母、

結婚のときも、入院したときも、その合間をぬって東京まで何度も来てくれた。

結婚後、顔を合わせる回数は多かったわりに、

実は家でごはんを食べる、というのはこれがはじめてだった気がする。

札幌の我が家で、本当の意味で「家族全員」揃うことが…。

ホテルに戻って来て、休む前にもう一軒だけ寄り道を。

どこかで一杯…ということで店を探したが、

ここしか思い付かなかった。

学生のころ、よく訪れた懐かしい、ホールステアーズカフェ。

宮越屋の古株カフェである。

ここでは、コーヒーカクテルを。


タバコの煙が記憶以上にすごくてあまり居心地はよくなかったが、

かつては、友達と終電までここで語らっていた思い出が染み付いている。


大人になりたてのあの頃。

ここでお茶ではなく、お酒入りのコーヒーを飲んで

語らうことこそが、大人なんだと背伸びしていた、あのころ…。



札幌に帰るたびに交錯する、子供時代と大人時代とその狭間の時代。

そこに帰るべき場所がある限り、きっと私はその狭間を生きるんだろう。

そんな、今年の2010年夏の札幌帰省。

2010.8.6〜10