116.北は喜多方、南は宇都宮。福島栃木ラーメンパンツアー

旅にはそれなりの準備と期間が必要だけど

この南東北&北関東の強行ツアーが決まったのはほんの数日前だった。

ラーメン友達がラーメンツアーに喜多方まで行くので

パンもついでに(ついでに?!)絡めようという。

おおお、いきますいきますーーっ。


毎度のごとく、かなーりの強行スケジュールだったので

どんどん予定が狂っていき大幅に旅程変更しつつ

かろうじて1軒だけ、1軒だけ! パン屋にたどり着けた。


ちょうどその翌週に、所用で宇都宮に行く用事があったのだが

パンに関してはその翌週の方が充実してしまった。

大いなる喜ばしき誤算…!


福島県と栃木県。

ちょっとイレギュラーに、2週連続の遠征パンツアーをまとめてみたい。






6時台に家を出て、朝8時には関東某所で集合。

そこから車で4時間、一気に喜多方まで!!!

私はかつて、喜多方ラーメンを食べに、

18きっぷを使って始発で出発し最終で帰宅したことがある。

それ以来の来訪になる。まさかこんなカタチで再訪するとは(笑)


途中、栃木のSAで休憩の際に買ったものたち。

じ、実は…お恥ずかしながら、かの有名な温泉パン。食べるのは初めてなのだ!(笑)

これ、ほんと噂どおりウマいっすね。。。

手間かけずレンチンしただけで美味しく食べられる。

楽だわ。そこかい!)





栃木のレモン牛乳なるものを発見。

これ、本当にはじめてみるシロモノ

飲むと、うーん。牛乳というよりハイレモン(タブレットの)の味だな。

果汁0%なのにレモン味(笑)。

ところが、栃木っ子に聞くところによると、フツーに子供のころから飲んでいるものらしい。

北海道でいうところのソフトカツゲンみたいなものか?!





さて! 4時間かけてようやく到着した喜多方!

喜多方といえば喜多方ラーメン。

前に私も喜多方に来た時に当然食べたのだが、

特徴としては、たいてい醤油味であることと、平打ち縮れ麺であること。

あとはチャーシューとネギくらいのシンプルな具、という感じか。


このお店は、もちろん同行のラヲタがセレクトした店。

(今回のツアーは、当然ながらパン屋以外は完全にお任せ状態)





3人で3品注文し、それぞれの味を余すところなく味わう!

熟成しょうゆラーメン(500円!)、sioラーメン。

(しょうゆも塩も、ものものものすごーーーく美味しかったぁ! 出汁が奥深い!)





赤魂(酒粕を利用した辛味噌)は限定ものだったけど、

やっぱりこの店でなら熟成しょうゆが一番旨いかもー。





ラーメン食べたら観光なしでさくさく次の店へ(笑)

それが冷酷無比なラーメンツアー(嘘)。

というより、そもそもあまり見どころがないのだが

車窓から見える風景の、のどかさがすでに十分な観光なのだ。





あはは!

峠のそば、峠のピザ、というのはわかるが

峠の「まぐろ」って一体(笑)。






続いて車は福島市へ!

福島市に来たのは私は初めてである。


そこに、ラヲタ的に「宿題」の店があるそうなのだが

一向にその店が見つからない。

いやーな予感がよぎるのだが

どうやら、その場所らしきところに無人の元・ラーメン屋らしき建物が

電話をしてみると、「実は、移転したんですよ」とのこと。

「ええ?! どこにですか?」

「名古屋です」

一同「えーー!」


ほら、ラーメン屋さんってパン屋と違ってわざわざ予約したりしないから

閉店していたり臨時休業だったり、かなりバクチ度が高いのである…(笑)





そういうこと(閉店・臨休)が多すぎるので、

代替案はもちろんエントリーしている。さすが。

またまた支那そば屋さん。

それにしても、どうして東北の御当地ラーメンって醤油が多いのだろう?





当然、塩に醤油、冷やし麺。

3種類しっかり頼むのである(笑)。

ここはここで悪くないが、魚介のえぐみが出てるかな。

さっきのお店の美味しさが強烈だったかな?





この冷やし麺は具が面白い。チーズをコーティングしたトマトに、

枝豆のゼリー寄せ、チキンロール等。

「ちょっとカツオ出汁がわざとらしすぎない?」

いっぱしなラーメン発言をする私だった





ラーメンツアーには欠かせない!

というか旅には欠かせないのが温泉である。

今回エントリーされていたのが、福島市南部にある温泉。

どこぞの温泉郷の、さらにさらに山奥だったのだが





これが「なんの冗談?」というくらいの砂利山道を通る羽目になる。

ドライバーが「この車、山走り向けじゃないんだよねーー」と

時速10キロくらいの徐行を続ける…

たったこれだけの距離を、どれだけの時間をかけて登っているのだろう、

歩いた方が早いかもよ(笑)

パン屋に行く時間、あるのかーー?!(笑)





心細くなるような山奥に、その一軒の温泉宿はあった。

うぉぉ、、、圧倒する雰囲気が、、、





ザ・大正ロマン!!!

ふもとまで(慣れていれば)30分以上はかかるような山奥で、

ひっそりと営まれている、不動湯さん。

立ち寄り湯の時間は15時までだそう。ぎりぎりセーフ!





お風呂は長い廊下と、年季が入りまくってぎしぎし恐いくらいの階段(橋で例えると吊り橋?)。

延々と下までのびる階段…前に訪れた仙台奥座敷の温泉宿を思い出す…





ふぉー!

渓流を横目に野天風呂。野性味高し!!!

(ちなみに、ここは混浴。につき、画像のみー。女性用の内湯があり、そこも小さいながら良かった)


その山奥っぷり&渋さっぷりに大満足した我々ラ部ご一向。

ところが、もう16時近くになっており、今から下山して「パン屋」を目指すとなると…

えええ?! 18時の閉店までに間に合わないかも…?!

そのパン屋、一応福島県なのだが、ナビで入れてみると

2時間以上かかるみたいだ…。

ちょっと待ってよーー! パンなし? ラーメンのみ?(笑)


下山は徐行だったが(笑)、途中高速では相当ぶっ飛ばし、

なんと、なんと目的の町に閉店15分前に到着した!!!

ありがとう、ドライバー!!!

(だのに、私は爆睡……。ろくでなし!)


ナビでは番地まで入力できず道を見失う。

それぐらいにめちゃくちゃローカルな、「こんなところにパン屋が?!」の典型的なロケーション。

お店に電話し、道を説明してもらって、なんとか、なんとかーーー!





うわ…!

緑の木々に囲まれた、水色の平家建てのおうち!

こんな素敵なお店だったのか、

get well soonさんは。


そう、通販パンで知られているget well soonさんは、

店頭売りもやっていらっしゃるのだが

こんなにローカルな場所だったとは…。本当に驚きである。

遠方から行くとなると、つぶしのきかないような場所で


こちらのお嬢ちゃんがとーっても元気でひとなつっこい。

まだ小学校前かしら? この辺だと通学にどれくらいかかるんだろう(汗)





手作りのスパイシーな豆野菜カレーが入ったカレーパン。

相当スパイスが効いていて美味しい。





他にもいくつか自家製酵母のパンたちを購入した。

お値段はかなりお高めだったので同行のラ族たちはびっくりしていただろう。

私はパン好きなので慣れてます(笑)






個人的に気に入ったのは、オーガニッククリームチーズ入りの甘夏のプチパン。

全粒粉の生地のような歯切れのいいもろっとした生地に

甘夏の甘さと無敵の組み合わせのクリチ。

そうそう、クッキー! 素朴で非常にハード。美味しかったなぁ



いやはや、1軒でもパン屋さんに立ち寄れてありがとう!

もう思い残すところないので好きなとこ行ってください(笑)






想像以上に温泉が山奥&パン屋さんがルートから逸れた場所にあったために

この後予定していた宇都宮佐野のルートが不可能になり、

最終宇都宮、ということになった。

宇都宮についたのはもう19時過ぎていた。


甘党のラ族は、フルーツパフェなどが有名なカフェをエントリーしていた。

フルーツサンドが有名なんだそうな。

おお、スイーツならあまり興味ないが

パン好き的にはフルーツサンドは興味あり!(笑)

しかし、夜でもやっているなんて…いったいその店って???





住宅街にある一軒のレストラン。

フルーツパーラー的なところを想像していたら、

ディナーも出すようなレストランだった。

しかし…すごいこの店。

入口や庭がバラ園のようだ!!

マダムたちのランチ、ピアノの発表会、、、みたいなのが似合いそうな

調べてみると、なんとオープンから30年以上たっているらしい…





この後ラーメン屋に一軒いくので(笑)

もちろんディナーは頼まない。

フルーツサンド(ハーフ)と、パフェのセット(!)を。


これが噂のフルーツサンドっ!

うっわぁぁぁ、、、生クリイムがすごいんですけど。。。

生クリイムがあまり得意でない私は(意外でしょうが)

ちょっと目眩がしてきた(笑)

フルーツもたっぷり入っているが、

それを無かったことにするくらいに凄い生クリームの量。

パンがなんか塩っぱくて、「ヤマザ▲のラチパックのパンみたい…」。





さらにパフェ、プリン(笑)

プリン美味しかったなぁ。まんま手作りで。

しかしほんとよく食べるね、君たち

(オマエモナー)






さて! もう時間がない!

9時には宇都宮に出ないと東京に帰れなくなるよー。

巻いてくよー。


本命の宇都宮のラーメン屋さんがなんと臨時休業!!!

そこで時間がないなか、代替案に選ばれたのがこの店だった。

味噌ラーメンの専門店! やった!

醤油以外が食べられる!(笑)





かなりなパワー系味噌ラーメンが目白押し。

単純明快にすっごく美味しかった。3種類ともめちゃくちゃ旨かった!

これは味噌チゲらーめん。

とろみのついたスープと大量の野菜の具は、

蒙古タンメン@中本を思い出すなぁ。

辛いんだけど、味噌のまろやかさもあって美味しくてやめられん…。





黒胡麻たんたん味噌らーめんも絶品!!!

個人的にはこれが一番好きだった。





他のメンバーに一番人気だったのはこのチーズ味噌らーめん!

味噌と乳製品は相性がいいからね、他の2品よりも

味噌の味がはっきりわかるのはこれかもしれない。

私にはちょっと脂肪脂肪していて飽和状態だったが

(たぶんさっき生クリーム食べ過ぎたせい…)


有終の美を飾れたラーメンパンツアーだった。

早朝から深夜まで運転お疲れ様でした、ドライバー!!!

またラーメンツアーやりましょう、…パンはもう1軒くらい増やしたいな(笑)


余談。

インターのそばに煌々と光るネオン、それはエーゲ海(笑)。

これかよーこれかよー!







さて、翌週。

当初の予定通り、所用で宇都宮までやってきた。

あわよくばパンを…と思っていたのだが、車を出してもらえて、

まさかしっかりこんなにパンツアーできることになるとはっ!

私ってば、私ってばぁぁぁ。。。


宇都宮は、気になるパン屋さんが意外と多い。

いくつかエントリーしてきたのだが、そのうち厳選して

3軒だけ(いやいや、十分だろ)連れていってもらうことにした。





まずは1軒目。

「タミゼ」と読む、わりと最近できたばかりのパン屋さんらしい。

「粉をふる」という聞き慣れないフランス語の名前を店名につけるあたり、

そのセンスになんか惹かれたのだ。


シンプルな白いお店、平台には驚くほどパン好きスイッチを押すような

センスよいパンたちが…!

いや、驚くのはパンのラインナップだった。





だ、だって

ふ、フリュイじゃないですか…!

胡桃胡椒もある…!!!

あげくの果てにはリュスティックが…瓜二つ!!!

いやいや、大納言まである(笑)

えええ?! このお店はいったい…?!


若いご主人がひとりで焼いていた。

「どこかで焼かれていたんですか?」

と聞くと、東京で何店か…とのことだった。

それ以上聞くのもなんかなと思い

「また来ますー」と店を後にしたのだが。

いやいやいやーーこれは

直接修行したのでなければ、もしや、Nインスパイア系?!(笑)

気になる気になるー!





だってだって、パンもものすごく完成度高くて美味しかったんだもん!

特にリュスティックは粉の甘みが強く引き出されていて傑作だった。

セーグルのバゲット(?)は、キャラウェイかなにかが入っていて個性的。

ブルーチーズ&ハチミツのパンも美味だった…。


パンのセンスが都会的。

というか、mi_waパンの歴史的に懐かしい…

これは…再訪が楽しみな店に出会ってしまったなぁ…






お次は宇都宮から西に車で30分。

そう、かつて益子へパン旅へ出た時に、宇都宮行きのバスに乗った時に

通ったと思われるあたりだ。


*益子・那須の栃木旅は08年7月、こちらから*



地図で調べてみても、ナビを入れてみても

「ええ? ほんとにこんなところにパン屋さんなんてあるの? 絶対ないよ」

そういわれてもしょうがない。

でもパン屋さんって案外そういうところに有っちゃうんだからしょうがない。



宇都宮からどんどん景色がのどかになっていき

田園の中に入っていき(こんなところにほんとに? の疑いがいつまでも拭えない(笑))

民家が集まったエリアに

有名なカフェがあるそうなのだ。

そのすぐそばに、オープンしたばかりのベーグル屋さんが…?!





おわ!

ここよここー!

看板、ベーグルって書いてるー(笑)

(この画像にはないが、ほんとに「ベーグル」としか書いてない看板が目印)


古い民家を改装した、けれどどこか都会的センスが漂う。

ここがベーグル屋さんなのだ…!

Bagel Mashumo」さん。


感じのよいダンナさんが接客をしている。

奥さんが奥で焼いているんだそう。

「こんな場所に…」という気持ちをより強調させるのは、

ひっきりなしにお客さんが訪ねてくる、ということだ。


残念ながら、売り切れており次の焼き上がりまで20分近くかかるらしい。

それなら、もうひとつのお目当てのカフェで待っていよう。

すぐ、そば、なんですよね?

実際、もう目と鼻の先だったのだ。裏の裏、くらいな(笑)。





有名なカフェがここにある。

元々酒屋さんだったのを、カフェ、イタリアンレストランに改装している。

(以前は2階がSAKAYA CAFEだったのが、イタリアンレストランになった)

この佇まい、、、いいです、いいですー!





1階がパン屋さんカフェ。

あいにくパンが残り2個しか残っていなかったのだが

このショーケースがあまりにかわいらしくて

「写していいですかっ」とお願いせずにはいられなかったー!





キッコーパン…。

初めて聞く名前だが、きっと道産子の私にとっては

「ロバパン」とかと同じ類なのだろうと思う…。





パンは白神こだま酵母のパン。

なのでやさしい、ソフトな口当たり。


カフェで少し飲み物を飲みながらまったりとした時間をすごす。

宇都宮…ホント面白いお店が多いよ…。

今度はここの2階のイタリアンに来てみたい。








ベーグル屋さんに戻る。

おお、焼き上がってますね!

チョコ入りのチョコベーグルに、ベーコンチーズベーグル。





くはっ!

焼き立てで黒胡椒がかかったベーグル、うっまぁ〜!

適度にハードで、ヒキもばっちりあり。

ちびちびベーグルを使った飾りやクリップなどもかわいくて

ベーグル好きにはちょっとたまらないかも☆



それにしても

ベーグル専門のお店が全国各地にあるけれど、

1個200円もしないベーグルで(いや、ベーグルに限らず、パンで)

生計をたてるのって、ほんと大変なことのような気がする。

全国いたるところのパン屋さんへ行くたびに、

すごいことだな、としみじみ思う。


だからこそ、応援したくなる。

人がわざわざ足を運ぶ、運ばせるのを見ると

本当に嬉しくなる。

パンが彼らにシアワセをもたらしてくれますように。

そう祈りたくなる。

小さなパン屋さんたちすべてにとって






パン屋さんにこれだけ散々連れていってもらった上に

まさか…まさか、私が行きたかったラーメン屋さんにまで連れていってもらえるなんて!

こればかりは想定外だった。嬉しい! 本当に感謝します!!


そのラーメン屋さんとは、宇都宮の代名詞的なラーメン屋さん。

私が去年の7月に宇都宮に来た時に、バスにのってまでわざわざ行こうとした

ラーメン屋さんだ。すごく遠い場所にあるので断念したのだが





自家製野菜や小麦を使ったりと、自給自足なラーメン屋さん。

ここのロケーションがまたすばらしく

周りは、田、畑、林…。極端なカントリーっぷり。

夕暮れ時の涼しい風と鳥の鳴き声が心地よい。

外装やロケーションを含め、まるでお蕎麦屋さんのように見える。

…けれど、ラーメン屋さんなのだ。

遠方からわざわざ足を運ばせるほどの。





評判のワンタンめん。

かなり肉肉しいワンタンでびっくり。

前に食べたことがあるが、やっぱりここのスープ、うまぁ…!

トロみのある、大好きな豚骨魚介ダブルスープ。

麺にからまって、ツボです。ツボ!





こちらは私の食べた季節のつけ麺。

醤油だれと季節の野菜を添えた一品。

そしてこの店で食べなきゃならないのは「チェンピン」!

前に「宇都宮で花の季(の支店)にいったよ。餃子も食べたよ」といったら

ラヲタ友達に「チェンピン食べてないの?!

もったいない!」って言われたことがあり。

小龍包をプレスして焼いたようなお焼きなのだが、

中から熱い肉スープがじゅぱーと溢れ出す!

うっは、これほんとにパンチあるわー。

ワンタンといい、肉が濃いよ!




そんなこんなの宇都宮での一日だった。

この先宇都宮には足を運ぶ機会があるので

どんどん開拓していく所存である。

いや、宇都宮に限らず栃木をね。南東北もね。

じっくり、ゆっくり、付き合っていきたい、この先ずっと

2009.5.16